2025年4月24日木曜日

浪速高校入学者数、断トツのトップに!

 昨日、大阪の私立中学校高等学校連合会の会議が私学会館で持たれ、正式にこの4月の各校別入学者数が公開された。これで「公知の事実」となったからこのアラウンドにおいて言及しても良いと判断した。既に確認はしていたが「浪速高校は1152名と府内94校中トップの位置」である。続いて近畿大学付属高校、興国高校さんと続く。本校のトップは3年連続となる。又私立中学部門では府内59校中19位で「初めて20位以内」に入った。高校部門の「専願順」ではここでも浪速は1021人と断トツのトップであり、続いて近大付属、興国さんとなっている。ただそれだけの事であるが・・・。 



データから入学者数の多い学校は専願入学者数の多さと全く同じ学校であり、ここに示唆がある。授業料完全無償化は人気のある学校への専願者が多いという事であり、本校の15年前みたいに「併願者への期待」だけでは昨日の石破総理がデジタル会議で言明したように「公立のデジタル併願制」になると私立高校側にとって最早併願戻りは大きく期待できないという事である。専願で生徒を集める私立は生き延びていけると思うだけに今後とも専願者に注視しなければならない。その点本校は少しだけ安堵できる。大阪府の吉村知事は昨日の政府発表に対して「大阪府も検討を進めたい」と前向きにコメントされていたように今後数年間は私立、公立共に入試システムが根本的に変わる可能性が出て来た。ウオッチしながら足元を固め、本校は今後とも専願者数をキープする努力が必要である。 

今日は午前中、あの有名なアスリートが来られた。体操競技の2016年リオ、2020東京のオリンピックに出場した東大阪出身の「杉原愛子」さんが私を表敬訪問して下さった。数多くの競技で優勝され、今でも現役選手で、尚且つ自分で会社を立ち上げ、体操競技の普及にも注力したいという「志が高く、人間としての幅の広い」人物で素晴らしい近代女性であった。専属コーチの大野先生も同行されており、私の体操競技への創部や本校の専属体操教室である、「アインス体操クラブ」の冨岡先生も来られ暫し体操競技の未来を語りながら時を過ごした。杉原さんは今後はアインスを拠点に活動をしていくという事であり、冨岡先生とは又距離が近くなった感じがする。この教室からは多くの生徒を送り込んで頂いており、私は今後とも支援することをお約束した。 


昼休みに「サッカー部」にホームとアウェイ用のユニフォームをプレゼントした。部員は大喜びでこの歓声を聞くと私は「若さを貰い」元気になる。長い年月をかけて徐々に強くなり、この4月からは2部リーグから1部リーグに昇格した。そのお祝いもあってユニフォームの更新をしたのだった。部員は新一年生が入れば恐らく150人を超える大クラブで顧問のK先生、もう一人のK先生、KKコンビの教諭の指導も良く、良い部になったなと感慨深い。資金は今後とも生徒の為の教育活動に使う。これが「良い学校だなー」になって生徒が増えればよいと思ってやっている訳ではない。私学法の精神は教育活動に資金を投入すべきで、ため込んだり、内部留保を増やすのが主目的ではなく、法の精神ではない。私は今後とも生徒と教職員の教育活動の為に資金を使う。今中学校棟の建設で融資の残高が10億円あるが、それよりもサッカー部への投入が優先されるというのが私のお金の使い方である。


2025年4月23日水曜日

公立高校がデジタル併願制に移行か?

 仕事のかかりの時間を使って4月1日に「専任教諭に採用」した5人の先生方に常務理事、両校長立ち合いの元、「専任お祝い金」の授与式を持った。コロナ禍の前は市内のレストランで会食懇談会を持っていたが、連休明けの5月8日にスイスホテルで大々的に「中学校棟竣工、教職員慰労会・歓迎会の一大パーティ」をするのでその辺りのレストラン料理を食するよりも、それに相当するお金の支給の方が若い方には良いかなと思って、そのまま継続している。私は本校のポジションと「教師という職業の素晴らしさや、やりがい」を語って激励した。特に私が強調したのは「今の私立高校が最も面白い時期」だという事である。それはまさに激動の時代であり大きく変わる時期だということである。このような時に本校の専任教諭の身分証を得た幸運を感じて頑張って欲しいと述べた。

今朝の読売新聞と日経だけが1面に載せていた。特に読売はトップ記事で、「公立校併願可能に」の見出しで大きな記事としていた。これには私も些か驚いた。「夢想だにしていなかった」からだ。恐らく官邸筋から意図的に流した「スクープ記事」だと思う。読売にはこのような記事が時々出る。石破首相の指示で公立高校の定員割れ対策の為に「公立単願制」から「デジタル併願制」へ検討を進めるというものだ。まだ詳細は不明だが「共通試験」で「複数の高校に出願可能」、極めつけは「デジタルを使って合否判定を一元的に行う」と言うものだと記事にはあった。総理の名前を出し、従来の教育委員会主導の入試システムを政府が本格的に政治課題として取り上げたと言うことである。 


これが実現すれば公立の定員割れはまず発生しないと考えた方が良い。従って我々私立には公立からの「併願戻り」は期待できないと思う。これは現在の私立高校へのフォローの風がアゲインストに変わるかも知れないことを暗示しているのか。ここで私立がやるべきことは「あたふた」とせず、「専願受検生の確保に注力する」ことである。私は感じた。今の公立が段々と私学化してきつつある様相で、私立は「ここで学びたいと言う専願生」すなわち「私立は単願制化・専願制化」しつつあるということか。しかし考えてみれば、入学者を先に確保するという「元来のあるべき姿」に公私共に一歩近づいた感じがする。 

令和10年度入試から大阪府は新しい方式の検討を進めているがこの国の施策を受けて、方向が幾分変わるかも知れない。「目が離せなくなった」と思う。高校入試システムがここ5年くらいの内に「様変わり」する可能性を感じ、私は身震いを感じている。頑張らねばならない。本校の専願入学者は令和3年から、538人、615人、654人、853人、そして今年の令和7年は1021人となった。実に5年で倍増である。先手を打ってここまできてようやく「専願校と言う栄誉」を手にすることが出来たが「一寸先は闇」「蟻の一穴」「油断大敵」である。それくらい入試作業は複雑であり難しいのである。「老壮若」、あらゆる世代の先生方に頑張って貰わないと行けない。

                                                                        令和7年度入学式神前奉告


2025年4月21日月曜日

東京「湯島天神、押見宮司様からお電話が!

 学校は極めて順調に来ている。これは長い経験で私には良く分かる。「カン」というのか「勘」「感性」とでも良いが「校内の雰囲気」で分かるのだ。有難い事である。こういう時に「嬉しいことは重なる」もので先週東京の有名な神社である「湯島天満宮の押見名誉宮司様」から有難いお電話を頂いた。東京では大変著名なお方で、特に故石原慎太郎都知事とはご昵懇で、何時でも会わしてあげると良く言って頂いた。今でも全国防犯協会連合会の会長など重要な役職をお持ちの、本校OBである。電話の趣旨は簡略に書けば「理事長には私の母校をこんなに素晴らしい学校にしてくださった。御礼に1000万円を寄付したいので母校の為に役立てて欲しい」と言うものであった。私は思わぬこの温かいお申し出に感激し、感涙にむせんだ。会話の時間は短く約3分半程度であったが私には生涯忘れられない電話となった。 

今はご子息に宮司職を譲り、名誉宮司となられておられ、日常の神明奉仕には問題はないが長距離の移動にはいささか困難を感じられ、この6月の役員改選を以て平成29年から通算7年11カ月に及ぶ「評議員職」を勇退され、「同窓会長も退任」されるなど見事な引き際の申し出であった。私に何時も言われたのは、もはや口癖となっており、「本当に駄目な学校であり、自分が卒業した校名を出すのさえ恥ずかしかった」が今や「本当に立派な学校にして頂き、母校が誇り」とまでおっしゃって頂いた。私への感謝の思いからこの度の大口のご寄付になったとおっしゃる。そういえば開校100周年の祝賀会で乾杯の音頭を執って頂いた時には涙で言葉がかすれておられた。私はその光景を思い出し又も目頭が熱くなった。

「湯島天神」は歌川広重描くところの江戸百景の一つであり天正十九年(1591)十一月、徳川家康が湯島郷の内御朱印五石を社有として寄進して以来の江戸の名所であり「粋な江戸っ子」の誇りの神社である。「縁日」の日は境内とその界隈は江戸有数の盛り場で、宮芝居や植木市、各地の出開帳があり、江戸町人の憩いの場として繁盛した。しかし湯島天神を語る時は近世の「泉鏡花の婦系図」の舞台として演劇に映画に歌謡曲に「湯島の白梅」の名を忘れることは出来ない。とにかく境内には売薬香具見世・楊弓場があり、宮芝居が数度行われていたり、また文政七年(1824)正月境内で大相撲本場所も行われたとの記録もあるくらい江戸っ子の遊興の場所であったことから、このお宮は「落語発祥の地」「劇団新派発祥の記念碑」など枚挙に暇がない


               


瓦斯燈もあり、新派の碑もある。泉鏡花の「筆塚」も昭和十七年に、里見 惇、久保田万太郎、岩田藤七らによって建てられている。あの有名な「婦系図」、お蔦主税の舞台となった「湯島通れば思い出す」の歌謡曲は一世を風靡した。懐メロと言われるが時々私はこの大好きな歌謡曲「湯島の白梅」を歌う。江戸っ子の「義理と人情」を歌ったこの名曲の歌詞は以下の通りである。この詩には古い江戸、東京の趣き全てが入っている感じがする。 



押見守康先生、本当にありがとうございました。この度のご浄財を有難く頂戴し、先生の後輩となる生徒の為に有効に使わせて頂きます。そして先生のお気持ちを役員や教職員、生徒、浪速校友会の面々に間違いなく伝えます。まだまだお元気でご活躍頂き、今後ともご指導を宜しくお願い申し上げます。機会を見つけて私は湯島天神様を久方ぶりに参拝し、東大が近く、文教地区でもあり、未だ江戸の香りのする本郷界隈の空気を吸いに参ります。その時は例の本当にほっぺが落ちそうになる「江戸前のかば焼きウナギ」をご馳走ください。これが楽しみです。 

湯島通れば思い出す    忘れられよか 筒井筒                  青い瓦斯灯 境内を

岸の柳の 縁むすび      お蔦 主税の心意気                        出れば本郷 切通し

知るや白梅 玉垣に                かたい契りを 義理ゆえに           あかぬ別れの 中空に

のこる二人の 影法師               水に流すも江戸育ち                     鐘は墨絵の 上野山




2025年4月18日金曜日

浪速高校は今やインターナショナル・スクールに

 「インターナショナル・スクール」とは言わないが本校はその路線の上を間違いなく走っている。それも極めて順調にだ。高校に「国際コース」を設置して早5年目、浪速高校から直接に海外の大学に進学した生徒の数は11人だから決して少なくない。画期的な数値だと私は評価している。これも飯田高校校長のリーダーシップと何と言おうと担当の国際コースの主担当教師2人の成果である。M先生、T先生だ。いずれも高度な英語教師の資格を有し、その推進力が素晴らしいと思う。今後とも頑張って欲しい。最大の支援を惜しまない積りである。

一方「留学生」についても積極的に受け入れており、この4月からドイツからの女生徒を受け入れている。この生徒が素晴らしい。日本文化を吸収したいと積極的で過日私は彼女に学院神社の紹介と参拝の仕方を教授した。頭脳聡明で背が高く、私が「背が高いなー」と投げたら即座に日本語で「170センチです」と返ってきた。ドイツ語、英語、日本語、ラテン語と4か国語が使えまさにバイリンガルを超えている。英語科の教師から聞いたが直ぐにホームルームの生徒に溶け込んだという。来年の3月まで大切にお預かりしなければならない。一方本校から海外の高校に留学している生徒は今フリッピンの高校で英語や文化を学んでいる。今後とも留学生の数は増やしていきたいと思う。 




そしてこの度我々の努力が報われ、「韓国の高校と提携」することになった。南部の高級住宅街にある伝統ある進学校で、韓国の教育庁の推薦だから間違いはない。この提携は私の強い指導でここまで来た。「地政学的」に我が国はもっともっと韓国と協業関係が望ましいと思う。それ故に韓国語の勉強が必要である。どのようにして学んでいくか?この6月頃に校長と担当教員にこの高校に視察に行って貰い、より広く深く情報を得て、勉強することにした。そして提携契約書を交わし、留学生の派遣、逆に受け入れ、韓国語研修先など徐々に方向を決めていく必要がある。何方に聞いても「良い学校ですよ」との話で私は安堵している。逆に我々が謙虚に学んでいく姿勢を持つことが重要だ。

 今や若者に大人気のK-POPや韓国ドラマなど若者が先行して韓国に親しみを感じている。政治経済とは切り離してまず本校で韓国語を使える生徒を増やしていきたいし韓国の大学に進学させていきたいと思う。勿論韓国は英語教育も極めて進んでいる。わずか2時間程度で飛ぶことのできる近さであり、特に大阪という歴史的に長い繋がりのある韓国だからこのプロジェクトは大きな意味を持つ。積極的に指導し支援して参りたいと思う。

2025年4月15日火曜日

理事長ロングインタビュー

 過日、入試広報部からの要請で雑誌社からロングインタビューを受けた。今後1年間、入試広報活動に有効に活用するための物である。このゲラ刷りが出来たので一足早く転載する。このような自らお金を投じた記事は何回も繰り返して発信することでコストに見合う。私の論評発信において気を付けていることは①自分の言葉で正直に本音で話すこと②後で読んで分かり易い文章になるように話すこと③選択する語彙や言い回しなどについて熟慮すること④発信先の対象とタイミングを常に考えておく⑤そして一旦話した後の原稿の修正はしないことくらいかな。

 

―“理事長ロングインタビュー”― 「常に進化と挑戦を止めない、伝統と革新の浪速」 

高校の授業料無償化など教育環境の変化が進んでいます。私立・公立それぞれのあり方についてさまざまな議論がなされていますが、理事長はどのようにお考えでしょうか 

 確かに、授業料無償化の話が進むと、公立と私立の役割についてさまざまな意見が聞かれます。しかし、大切なのは、与えられた資金をどのように活用し、教育の質を向上させるかということ。私は、資金を内部留保にとどめるのではなく、教育環境の整備と教育の内容そのものにすべて還元するべきだと考えています。たとえば、本校では早い段階から「11台のChromebook」を導入し、全校生徒がタブレットを持つ環境を整えました。コロナ禍以前から取り組んでいたからこそ、オンライン授業への移行もスムーズに行えたのです。社会の変化を読みながら、教育の質を高めていく。それが、私たちの大切にしている姿勢です。また、今年は新たに中学校棟が完成し、学びの環境がさらに充実します。このように本校では、教育のサステナビリティ(持続可能性)とダイバーシティ(多様性)を重視し、絶えず進化し続ける学校づくりを行っています。だからこそ、私たちも挑戦する姿勢を持ち、教育環境を日々更新し続けているのです。

 また、授業料無償化の影響によって、学校の二極化も顕著になっています。現在、大阪府内には約140校の公立高校と約100校の私立高校がありますが、そのうち公私とも約半数が定員割れを起こしています。つまり、無償化の恩恵を受けながらも、学校ごとの成長に大きな差が生まれている。この状況の中で私たちが目指すのは、「あそこで学びたい!」「めっちゃ楽しい学校!」「Good School」と思われる学校づくりです。そういった意味で、授業料無償化は私たち浪速学院にとって大きなエネルギーとなりました。いただいた支援を最大限に活用し、教育環境を改善し、教育の中身を進化させる。この姿勢こそが、私たちの学校運営の根幹にあります。 

新たな改革として、令和69月より学校週5日制も導入されました。 

 おかげさまで、大きな反響をいただいています。これまで私立の強みのひとつとして「土曜日も授業がある」ことが挙げられていましたが、私たちはさらに進化するために、大きな変革に踏み切りました。土曜の授業4コマを平日に振り分けることで、週5日制を実現。その代わりに1コマの授業時間を50分から45分に短縮しました。

 では、土曜の時間をどうするのか―そこで生まれたのが「3SSaturday Something Special)」という新たな取り組みです。その一環として、生徒自身が興味のある分野を選び、学びを深める選択制の特別講座「1SOwn Selection)」を設けました。たとえば、大手塾の講師による英語講座や、大手銀行の専門家によるマネー講座など昨年度は130の多彩なプログラムを用意し、外部の教育機関や企業と連携して「その道のエキスパート」から直接話を聞ける機会を提供しています。さらに、自学自習を希望する生徒には、「2SSelf Study)」として、質問対応可能な先生が常駐する自習教室を開放しています。 

生徒自身が、自分にとって何が必要なのかを考え、選択する機会と環境が整っているのですね。 

 おっしゃる通りです。 うれしいことに、校内で実施したアンケート「2024年 生徒による自己分析と授業評価」の結果によると、「学校生活が楽しい」と答える生徒の割合は全学年で85%を超えています。また、将来の進路についても、学年が上がるにつれ「考えていない」「全く考えていない」と答える生徒の割合が大幅に減少しました。学校生活を通じて、自分の将来について考える生徒が増えていることを実感しています。それは何より、「学校が楽しいから」。楽しいからこそ、将来について考える。さらに、土曜日には新たな出会いや学びがあり、それが将来へとつながっていく。こうした環境が、生徒たちの成長を後押ししているのだと思います。

 私たちは以前から「Good School」を掲げ、学校運営に取り組んできました。しかし、教育に一つの正解があるわけではなく、時代の変化も常に進んでいきます。だからこそ、社会や世界の動向を意識しながら、常に「今日より明日、明日より明後日、来年、5年後」と未来を見据え、変革を続けることが大切。それこそが、「常若」の精神です。そして、生徒たちにもこの精神を身につけてほしいと考えています。常に若々しく、前へと進む逞しさを持ちつつ、人への優しさを忘れない。そんな生徒を育てることが、私たちの目指す教育です。 

これだけ教育環境が整っていると、入学希望者もますます増えていくのではないでしょうか。 

 よくぞ聞いてくださいました。 今年の高校入学者数は1152人。クラス数も昨年の22から25に増加しました。特に注目すべきは、専願入学者が1021人に達したこと。これは非常にうれしいですね。中学の入学者も141人から168人に増え、クラスも5クラスに拡大。これにより、全校生徒は中高合わせて81クラス、3385人の大規模校となります。新しく完成した中学校棟には、86インチの大型モニターを設置し、廊下には自学自習ができるサロンを配置。開放感を重視し、仕切りを最小限に抑えました。さらに、ダイバーシティ推進の一環として1階にはジェンダーフリートイレを導入し、女子用パンツスタイルの制服も2年前から採用しています。時代の変化に合わせた新たな挑戦を続けています。

 また、卒業生のつながりも強化しています。同窓会組織を「浪速学院校友会」として法人化し、卒業生はもちろん、保護者や祖父母など学院を応援してくださる方々のネットワークを広げています。8年続く「二十歳の集い」もその取り組みの一つ。就職活動や大学院進学を見控える20歳の節目に母校へ戻ることで、原点を見つめ直し、旧友との再会が刺激となる場を提供しています。

 浪速学院はこれからも、未来を見据え、新たな価値を生み出していきます。ここで育まれたつながりが、生徒一人ひとりにとって一生の財産となることを願っています。



 

2025年4月12日土曜日

文化系クラブ発表会

 今日は令和7年度「文化部発表会の日」であった。当初はミニ発表会と称して昼休みの時間を取った位の短いものであったが、生徒もクラブも増えてきて当時の文化部長の提案で今のような本格的なものになった。文化部長は音楽の教師、そして理科の教師と変わり、今年から数学の先生になった。長い歴史で女性の文化部長は初めてであり、大いに期待している。この様にして学校は教師間でバトンが繋がれて、一歩づつ進化して行っている。文化部は運動部に比べ、幾分地味な所があり、「勝った、負けた」の派手さもない。生徒の中には「どうも運動は苦手」と言うものもいるし、そのような生徒には何処かの「文化部のどれかに入って欲しい」と強く思っている。冒頭高校の校長先生も開会挨拶の中で、最後の閉会挨拶では中学校長先生も「文化系クラブが盛んな学校はレベルの高い学校」と同じようなことを言っていた。



今日は極めて良い天気であったから、運動場を使った「大がかり」なものになった。しかし本校自慢の放送部の活躍で素晴らしい発表会になったと思う。無駄が無いのだ。25の文化系クラブがあるが今日の参加クラブは軽音楽・雅楽・ダンス・津軽三味線・合唱・神楽・吹奏楽部で。これらはグランドでの実施であった。鉄道研究・美術・書道・写真・化学・合唱・放送部は事前録画したものを教室での視聴とした。中学生徒会長の開会宣言に始まったオールスターの催しものであった。私は自室のテレビで仕事をしながら見られるのであるが臨場感を味わう為、グランドに足を運び、最後は又部屋に戻り、モニター画面にて実況中継を見た。




今日は「大阪・関西万博の開会式」で遂に明日13日から開幕である。この「EXPO2025」については様々な評論が出ているが、折角のワールドフェアである。大成功を祈りたいと思う。本校は既に全校生徒に一人3枚の電子チケットを提供し、私は急遽全教職員にも一人2枚のチケットを事前購入し配布することで進めている。規模の大きい学校であり、クラス単位で教員の引率で見学に行くことは当初から学校行事の関係で考えには無かった。家族や友人たちとそれぞれ計画を組んで、安全に往還し、「万博から何かを学んで欲しい」と思う。白けた目線ではなくて「何かを掴み取る気概」がこのような一大イベントを成功させる。私は素直にこの大阪万博の成功を祈りたいと思う。同じような意味で本日の発表会も浪速版文科系クラブの博覧会である。中高で入学生は1320人も居るのだから是非クラブに入って活躍して欲しいと思う。

とにかく今日の本校の文化クラブの一大発表会は大成功だった。まず「放送部の活躍」がすごい。顧問のT先生や部員は特筆すべき働きであった。本校の放送部は影の主役である。そして演ずる生徒、観覧する生徒の目の輝きが違った。クラブ活動の効果は教育活動を進めるうえで大きな効果を上げることを我々は知っているから、今後とも私は文化部への支援は惜しまない積りだ。支援とはお道具,楽器、装束、カメラ等々の品揃えである。お金はかかるがそれだけの効果がある。放送部にカメラは要らないかと聞いたら既に4台あるから今は要りませんとのことであった。本校は今や「完全な放送とデジタル学校」となった。生徒が簡単にモニター画面でスピーチをするのである。それを私は部屋で仕事をしながら見る事が出来る。チャネル12の自主放送回路が組まれているのだ。 






2025年4月9日水曜日

浪速学院「常若」の心

 忙しかった3月から4月にかけての「年度替わり」も順調に移行した。私にとって昨日の春季例祭、始業式からようやく「ほっと」とした心豊かな「黄金の日々」が始まった感じだ。今朝も校内の桜は満開の花びらを付けており、散り始めてはいない。昨日の始業式まで桜が持ったのは始めての事だった。仮に学校を巨大な船に例えれば名前は「浪速丸」、この船に3385人の生徒が乗り込み、岸壁を離れ、「ブゥオー」と汽笛を鳴らしながらエンジンの速度を上げている状況にある。ようやく「船出」が終わった。今朝は中一の5クラス168人がバス5台に分乗して千早赤阪村に向かった。オリエンテーションをかねて校外学習施設の見学である。 

「腐心(ふしん)」という言葉は心をなやますこと、心を使うこと、苦心することであるが、分かり易い表現に「心を砕く」と言うのもある。気をもむ、心配する、気を配る、苦心するであるが、新入生を迎えてまず我々が心を砕くことは、「早く学校に慣れ、友達作りと級友とのチームワークの醸成」である。授業勉強はまだ後で良い。特に経験則から中学生は「じっくり」と育てなければならない。何しろ今から6年間お預かりするのだから時間はたっぷりとある。中学生の今日の施設見学はそのための企画で「多聞いちご園・農園・果樹園」で生のイチゴを採ってその場で食べるという。素晴らしい事だ。友と触れ合い、小学生から中学生になったことを喜び、それを自覚させなければならない。採れたての「いちごの甘さ」に歓声が途切れなかったそうだ。我ながら「良い学校」だと思う。 

しかし一方では入試広報部は今年度の募集活動に向かって着々と準備を進めている。今年の学校案内の冊子の主題は「常若」を選んで呉れたという。そう、浪速学院の思想・哲学は「常若」である。伊勢神宮の20年に一度の重要祭事である「式年遷宮」の心は常若であり、常に若々しく美しく保つことは継続性、発展進歩の原動力となる。「教育環境の常若、教職員の精神の常若」、浪速学院は常に若々しく、未来へとつながる学校へとの思いから常若を掲げ、理事長の私も12歳から18歳までの生徒に負けないように常に若々しくなければならないと自覚している。「おじいちゃん」っぽくなっては責任は果たせないとの思いが強いだけに毎日見る常若の文字に対峙して気合を入れているのである。




学校案内に挟む冊子の理事長インタビュー記事のゲラが出来上がって来た。「常に進化と挑戦をやめない、伝統と革新の浪速」と見出しが躍っていた。これらを可能とするエネルギーこそ「常若」なのである。冒頭の船の名前を浪速丸から「浪速常若丸」に変えようと今「ふっ」と思った。浪速常若丸、良い船名ではないか!





2025年4月8日火曜日

桜満開、「令和7年度春季例祭」

 長い冬が終わり、桜が満開の、暖かい春を迎えた喜び、そして今年一年の各地の繁栄・人々の幸福・五穀豊穣を祈り、全国の神社の社殿で「祭事」が厳粛に執り行われるのを「春季例祭とか例大祭」と言う。秋は秋季(例)大祭と言う。神社が毎年毎年執り行う極めて重要な祭事であり、神社神道の学校として、本校もこれらに準じて学院神社の春季例祭と秋季例祭は重要な学校行事となっている。本日はその春季例祭で、まさに「桜が満開」であった。伊勢神宮様から戴いた学院神社鳥居を挟むように立っている左右の桜は入学式ではまだ7、8分咲きであったが今日は満開であり、「祭主」の私は万歳をして今日の日を寿いだ。特別なこの日は「鼉太鼓や2台の神輿」も出して、例祭は滞りなく進み、ご斎行申し上げ終了した。 



桜の満開は全校生徒3385人という膨大な生徒が揃う今日の日にとの神様のご意志だろうと私は感じた。市内の坐摩神社神職に拠るご斎行は何時もながら「きりり」とし、静かにそれでいて朗々とした「祝詞」の中に、新一年生高校1152人、中学168人を含めて、全校生徒総勢3385人の平穏と学業成就が高らかに奏上された。雅楽部と神楽部による「尚学の舞」は何時ものように荘厳に奏でられ本校独自の舞が奉納された。自前の生徒による雅楽部と神楽部の奉納は本当に誇り高い。例祭の後は生徒に「直会」の品としてノートブックが私を通じて神様から手渡された。その後「学院長講話」に移った。 



全生徒は神社前広場には入り切れない。従って各クラスの代表生徒のみと今までしてきたが今回から各クラス2名とした。学校の規模の大きさに合わせ、理事長・学院長の肉声を直接聞く事のできる代表生徒を1人から2人にしたのである。まず最初に1日に着任した新人の教職員をテレビカメラの前で紹介し、早く新しい先生となじみ、教えを乞う様に生徒達に伝えた。そして私は年度当初でもあり、学院長講話として春季例祭の意義、直会の意味、そして「尚学の舞」の由来や「浪速生活の綱領」の説明を時間を取って説明した。そして全ての根源として「勉強することの大切さ」を強調した。祝詞にあった「ともがらと睦み、なごみて,身健やかに」の意味をかみ砕いて教え、「いじめ、ネットトラブル」等について生徒に「懇々と」諭したのである。 

最後に13日から始まる大阪関西万博のチケットを生徒全員に配布する段取りについて説明した。三井住友信託銀行さまからのお取り扱いで10000枚ものチケットを頂いた。生徒一人当たり3枚である。1月から小緊張が持続する毎日であった。特に中高の入学試験、在校生の大学進学、卒業式、入学式、そして昨日の合祀祭を経て今日の春季例祭まで神経を使う3カ月であったが無事に見事に完了したと思う。中学校、高校と二つあるから2倍分であるが素晴らしい教職員の頑張りで形よく収まった。しかしそれも今日で一段落となった。明日から学校は平常状態に戻り、5月連休まで徐々に回転数を上げて水平飛行に持っていく。