2021年1月17日日曜日

大阪府私立中学校入学共通テスト?

大学入試センター試験の後を継いで初めての実施となった「大学入学共通テスト」の初日が終わった。今日も行われ、数学と理科である。初日の問題の分析は新聞各紙や各予備校のネットでの配信なども一様に「問題は難化」して出題の形も思考力などを問う傾向が顕著であったという。科目数が多かろうとも、そのすべての正解と分析が翌日には出ているのだから驚く。大きな進歩だ。私などの「共通一次世代の人間」には想像も出来なかった。社会の科目、地理歴史・公民では「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」「現代社会」「倫理」「政治・経済」、すべてにわたって新傾向の出題が目立っているとあった。外国語では多くの人は「英語」だけと思っているかも知れないが「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」から選択だ。正直言って英語以外のフランス語やドイツ語で大学に進学する生徒がいることにも驚く。時代の流れだろうが素晴らしい。果たして本校の生徒たちのスコアはどうだったろうか?大体明日には判明する。自己採点結果を持ち寄って今後の作戦を練るのだ。 

今日も「浪速のいちばん長い日」が続く。既にネットで合否の速報を行っているが、昔ながらのスタイルで、掲示版での発表が10時。合格した受験者は正式な合格通知を受けとり入学金の納付など手続きを明日の16時までに行う必要がある。同時並行で一次B入試が朝行われ、夕刻はⅠ類選抜B入試が行われる。一次B入試にくる生徒は様々な理由がある。多くの受験生は「本校での格上げ合格」を目指して再チャレンジをしてくる。「どうしても浪速のⅠ類で学びたい」とⅡ類合格を既に果たしていても、主に親心だろうが子どもを激励し「頑張りなさい!」と送り出してくるのだろう。或いは他校で思うような点を取れなかった生徒が本校に切り替えて来るのもある。既に本校や他校で目的のコースで合格を果たしている受験生はB入試を出願していてもスキップし、今ごろはご家庭で「ほっ」と家族皆で喜んでいる日曜日だろう。だから一次B入試は事前申し込み数から大体半分程度に実受験者は減少する。


10時に掲示版で合格発表している傍で1次B入試の答案に向かっている受験生がいるのも不思議な光景かも知れない。これが今日一杯続く。本校は更に来週の19日にも2次入試として受験機会を設けている。他の私立も同じような事をするから、もうここ1週間程度は大阪私立中学の入試は「大変」で言ってみれば「無限の世界」が拡がっているのだ。合否発表時間もまちまち。学校によって試験日、その試験目的が異なるから本命と第二志望校と複数回受験の生徒は本当に大変である。しわ寄せはすべて「小学校6年生の受験生」であり中には受験が4回、5回と続き、「ふらふら」となっているのを想像するのはかたくない。私はこの傾向に対してまさに当事者であるが「改善が必要」だとの思いは年々募っている。



 本校では科目数は算数、国語、社会と理科からの選択で3科目受験だ。これを連日、課せられる子供事を考えると可哀想な複雑な気がしている。だから数年前に二日目の夜型入試は書類審査と面接試験にした。日本の私立中学の中には「算数だけの1科目受験」とか「ネット受験」と新しい傾向が出てきている。いずれそう遠くないうちに中学入試の方法のやり方を真剣に考える時がくると思う。今は本校だけが「突出して」はやれないが、府内私立中学60校が大学入学共通テストみたいな「大阪府私立中学入学共通テスト」が実現すれば、それはまさしく「画期的で革新的」だが・・・、ほとんど不可能かも知れない。 

ところで昨日のアラウンドで教職員への弁当のボリューム感が無いと書いたら早速反応があった。給食業者が「改善する」と理事に電話があったそうだが、このようにすぐ敏感に反応する反射神経が組織で働く人には大切な要素である。「鈍感力のすすめ」というベストセラーがあったが鈍感は好きではない。今日のお昼弁当は大いに改善されて大変良かった。

2021年1月16日土曜日

浪速のいちばん長い日

先日、亡くなられた作家の半藤一利先生の名著「日本のいちばん長い日」という題名の小説と言うかノンフィクション物があるが本校にとっても今日は大変「浪速のいちばん長い日」になる。そして実に「気にかかる一日」である。それは高校3年生の「大学入学共通テスト」があり、同時並行で高校1,2年生は平常授業、中学は「一次A入試」、引き続いて「Ⅰ類選抜A入試」が夜の22時のWEB発表まで続く。だからいちばん長い日なのである。従来のセンター試験に置き換わった初の大学入学共通テストであるがまさにコロナ下(禍)での試験となった。この為学業の遅れを理由に選択できる試験期日、および追試験のために令和3130日(土)と31日(日)、特例追試験のために213日(土)と14日(日)の3日程で実施されるなど異例の形となっている。 

受験もいわば「戦い」である。戦い好きな私は生徒と同じく血沸き、肉躍る感じだ。戦いは勝たねばならない。昨年まで私は会場に出掛けて生徒を激励するのが当たり前だったが今年は自粛要請があって出掛けることが出来ない為、部屋から遠く激励するだけとなった。最後の一問まで諦めるなと心の中で生徒に語っている。「浪高生、頑張れ!」だ。市大前で撮った去年の写真が懐かしい。全国で53万人ほどの高校生が全国630会場で受験に臨んでいる。本校の生徒は昨年までの大阪市立大学から変わって、今年から大阪府立大学が指定されて、今日と明日の二日間頑張ってくれる。教員は昨日まで学校で表現力など受験指導してくれていた。素晴らしい。 

「浪速中学入試」が順調に入った。これも2月まで続く。受験生は欠席が一名であったが体調不良でこの受験生は2月入試に回る。わずか1名の欠席は初めてである。国語、算数、社会と理科の選択受験で「一次A入試」作業は夕刻には作業が全て終わり、17時頃にはWEB発表の予定だ。同時並行で「Ⅰ類選抜A入試」が16時50分から始まり、20時頃合否判定会議を持って終わる。こちらもWEB発表を行う積りで予定は22時頃を予定している。手が離れた関係者は手分けして「明日の1次B入試とⅠ類選抜B入試」の事前準備だ。明日も大学入学共通テストと中学入試が同時並行で進み、浪速の長い一日は二日間も続くのである。私の体調はこのように忙しい方が良い。時間が有り余っているよりか、心に気にかかる事があり、緊張感がある方が体調は良いのだ。何故だろうか? 

中学のキックオフ朝礼では関係する先生方に緊張感も持ちながらもそれ以上にコロナの恐怖の中で緊張している受験生と保護者に温かく接するようにお願いした。何と言っても4月から本校の生徒になる中学1年生でこれから浪速高校まで通算6年間授業料を戴ける大切な人々である。そのことを忘れてはならないとも申したのである。先生方はすべ分かっておられる、それでもしつこく言わねばならない。それが私の仕事であるから。今日は大変忙しいから、昼食弁当、夕食弁当、湯茶等を先生方の為に用意するのも例年通りだ。若い先生ばかりだから私は「ボリューム感」と何時も言っているのだが、手配する職員が食が細いのか、足りない感じがしてならない。食べ物は少し余る位の量を出した方が良い。




2021年1月15日金曜日

「丑の歩みで良い、一歩一歩で良いから前に進もう!」

本法人も加入している「大阪私立中学校高等学校連合会」は12日正午現在の時点における令和3年度入学者募集の「出願状況」をマスコミ各社に提供し、その数値が今朝の新聞各紙で報道されている。私立学校法人と新聞の社会的使命であり受験生及び関係者への参考となる重要なものだ。私は目を皿のようにして数値を追う。16日から各学校単位で様々な方法で入試が始まるがこれらの数値は今朝の新聞報道から今日締め切り一杯まで変動するだろう。例えば本校は新聞数値では募集人員90人に対して109人の志願者となっているが、本日16時の時点で118人まで膨れ上がっている。試験会場の浪速中学校は本日5限まで授業し、その後大掃除、そして明日の試験会場作りだ。徹底したコロナ感染予防策を行う。夕刻会場を視察したが、中学校が大変に良く頑張ってくれていた。


私は今、ほっと「安堵の時」を過ごしている。昨年来の新型コロナ禍の中で厳しい家計の影響が募集に深刻な影を落とすかも知れないとの危惧が正直あったのだが、府内私立中学校の平均倍率は2.14倍でこれは昨年同時期の2.13倍とほぼ並んでいる。大阪日日には「私立は大学進学やリモート対応など評価され根強い人気」と書いてあった。コロナ禍の中でも経済的理由による私立敬遠の動きがないことが確認され、我々にとっては良い話しである。可愛い我が子の教育だけは優先したいという親心に我々私学関係者は応えて行かねばならない。それにしても教育界は適切な言葉が見当たらないが、敢えて言えば「超保守的」である。その意味は努力しても努力しても実績を出しても、出しても簡単に「大きな変動」は起きないのだ。その意味で教育界は社会一般と様相が異なる。株価は一挙に沸騰しないのである。



 
府内全私立中学60校の中で出願者数で言えば浪速中学はトップから22番である。昨年も22番!驚くのは22校の内、某中学さんが昨年の25番手から18番に上昇した以外はすべて22番以内に収まっている。不動の22校と言う事になる。「100人以上を集めている学校は60校のうち24校、率にして40%、51人から99人の学校が17校(28%)、50人以下の学校が19校(32%)」である。トップは高石市の中高一貫校さんが募集人員270人に対して894人、最ボトムが募集人員70人に対して出願者が3人とあった。とにかく今日の報道された数値は私学経営者には厳しい刃を突き付けられたようなもので精神衛生上、良い筈はない。私はこの日まで胃がチクチク痛むほどだ。まあ、今年も良い数値が出たと喜んでいる。入試広報部は良くやった!一挙に保守の壁は壊せない。天井を突き破るにはまだまだ時間はかかる。坂の上の雲を目指して頑張って行こう。



 
厳しい保守的な山道も誠意をもって生徒の為に頑張って行けば「道は出来る」と私は入試広報部や関係者に言っている。平成18年学校改革を始めた時はまさに30人程度しか集まらなかった学校が15年の時を経て何とか「3桁の大台」に乗り、60校中22位のポジションまで来た。まさに「牛歩」である。一歩一歩前に進めば「丑」と同じで後ろにはいかない。教育の環境と中身には自信があり、実績もある。今後とも全教職員頑張って浪速中学校の存在感を高めていきたいと思う。その為には一にも二にも「更なる教育の中味の充実」である。「面倒見の良い学校」を名実ともに実現するのだ。牛の歩みで良い!



2021年1月14日木曜日

臨時学院長講話・・・コロナ緊急事態宣言を受けて

 






本日、理事長・学院長先生による、中高合同の臨時朝礼が校内TV放送にて行われました。新型コロナウイルスにおける緊急事態宣言を受けて、全校生徒へ向けて臨時の指導講話となりました。

先生は、政府の動き、それを受けての大阪府の対応など経緯をお話された後、学校におけるポイントを詳しくお話されました。再度、3密を避けて、人との接触を控えること、マスクの着用、手洗い、うがい等の徹底をするようにと強くご指導されました。 

また、学校は分散登校や短縮授業を行わず、教員による時差出勤や学校行事の見直し等を進め、万全の対策を期す事を述べられました。そして、「君たちの大切な人を守る為に、自分自身を守らなければなりません!!」と力強く述べられました。

最後に先生は、「コロナ鬱になってはならない!!コロナに打ち勝つという精神力で、乗り切ってください!!」と力強く述べられました。

各教室のモニターに映る理事長先生から発せられる御言葉に、生徒たちは、真剣な表情で聞いていました。(K

関連記事 高校School Watch

2021年1月13日水曜日

「常若でありたい」

本校で基本的に生涯教員としての身分が保証されている「専任職員」に成れる確率は他校に比べると幾分高いと言えるが、それでも「門戸は狭い」と言った方が良いかも知れない。確率が高いのは生徒数が多いからその分教職員を必要とするからである。本校の人事上の課題は「専任比率」が未だ低いことである。本校での「専任への道」は5ステップに別れている。まず多くの教職員の観察を経て相当の点数を稼がねば舞台に上がって来られない。その期間は原則3年間である。3年間は地道に「私立学校の教師としての姿勢と働き」を評価させて貰う。3年経って舞台に上がることが出来、幕が開けばまず「管理職による理事長への推薦」がある。そしてその後「理事長の授業観察」をして教師本来業務の腕を見せて貰う。その後理事会で「経歴審査」が来る。そして次のステップが「小論文」である。理事長アラウンドを3点あげてその論評をせよと言うテーマである。そして最後は3月理事会・評議員会での「面接試験」となる。以上で目出度く本校の専任教職員なのである。

このアラウンドでも何回も触れて来たが今年4月1日に専任になる可能性のある教員は女性一人を含む5人の先生方がいる。これらの先生方から小論文が出て来た。これを私は熟読吟味して驚いたことがある。何と5人の内実に4人が最も心に触れたテーマが「常若」なのである。このような事は初めてであった。私は驚くと共に嬉しく思った。長い間心の奥底に仕舞い込んでいた、教育現場に私が残す言葉として「常若」を選び出し、それを亡父を除いて私が人生で最も敬愛する神社本庁長老、大阪天満宮名誉宮司、学校法人浪速学院名誉理事長である「寺井種伯」先生に揮毫して頂いたあの「常若」だったのである。寺井先生と私はこの15年間、実に様々なことを共にし、全てを任せて頂き、応援して頂いた。私は寺井先生のご期待に応えたい一心で頑張ってきたのである。その先生も齢を重ねられ、益々輝いておられる。先生のご存在が今もって私の頑張れる源なのである。私は今回の5人の専任候補者の小論文のコピーを寺井先生に送付することを決めた。さぞ喜んでいただけると思う。





『「常若」でありたい』           高等学校 国語科所属 K,N

 理事長・学院長のAroundを拝見し心に残ったお話は様々ありますが、私はその中でも『「常若」の精神(5月27日)』『初心を忘れるべからず(9月18日)』『学校のニューノーマルは?(5月25日)』の3つが心に残っています。その中でも特に感銘を受けました『「常若」の精神』について考えを述べさせていただきます。

理事長・学院長先生のAroundにあった『「常若」の精神』にある「単に継続だけなら停滞と見なされかねない。古くなったものをつくり替えて常に若々しくして永遠を保つ」という言葉と同様、私は常に前向きであること、過去の自分にとらわれず絶えず学ぶ姿勢をもつことを心がけています。

私が前向きでいようとする理由は、私の経歴に関係があります。私には約6年間仕事を辞め子育てに専念していた期間があります。我が子が成長するのを側で助け、見て喜び、充実した日々であったことは間違いありません。母親業はもちろんのこと、ボランティア活動などにも積極的に参加し、無為に過ごしてはいなかったと胸を張ることができます。しかしそれが4・5年目を迎えたふとしたときから、このまま一生を送って良いのか焦りに似た悩みが頭を離れなくなりました。些少ではあれ自分がそれまで積み重ねてきた学びは何のためだったのか、配偶者と引き比べ社会に貢献するという点に劣るのではないか、自分が生きてきた足跡を残したいと考えるようになりました。結果、教職を非常勤いう形で再開しました。出産前と大きく変わったことは、配偶者や両親、何より子どもたちにさまざまな協力を得なければ、自分の仕事が成り立たないことです。母校の校訓「報恩感謝」にあるように、私は自分のしたいことを続けるために周囲から多大な支えを頂いていることをいつも感じています。自分がいま働くことができることは「有り難い」ことです。だからこそ私は仕事を大事にし、支えてくれる人に顔向けできるよう、生徒に仕事に全てに対し真面目であること、全力を尽くすこと、何より前向きにいつも楽しむことを忘れずにいるよう努めています。

 またそれと合わせて、過去にとらわれず絶えず学ぶ姿勢を持つようにしています。それは自分の今の授業がまだまだであると感じ改良すべきだと思うこと、自分が成長することで今年より来年はよりよい授業が出来るようになるはずだと思っていることもその理由ではありますが、1番の原因は教育に大きな変化を感じたからです。高等学校にはあまり変化が現れていませんでしたが、小学校の授業参観では新学習指導要領に沿うためICTの活用や主体的学びが顕著になっていました。この世代があと数年たって高校に入学してくる頃には、自分が受けてきた授業とは違う授業にも取り組む必要があります。だからこそ、経験がないその授業に対応するため、どのような授業をすべきなのか学び変わっていく必要があると思ったからです。

そのように絶えず新しく学んでいきたいと思う私にとって浪速高等学校は、学び自分を高めるのに最適な環境です。ICT設備は整備が完了しており、さらに教員の資格取得を後押ししてくださり、公開授業などでその技術の研鑽の場まで設けて下さいます。様々な取り組みを学び実践してみることができ、大きく変化していく教育の先進的な現場であることは間違いありません。さらに、浪速高等学校は素晴らしい先生が沢山おられます。ICTの活用や新しい授業への挑戦だけでなく、教科の指導、生徒への指導、日頃の学びへの姿勢、人としてのあり方など年配の先生方だけでなく年若い先生方にも本当に学ぶべきところが多く、沢山の刺激を得ることができます。このように恵まれた環境の中で、刺激を受けることの多い人々に囲まれて、日々学び自分を高めていけることはとても幸せです。

担任業務や分掌業務など諸先生方に比べて全く経験値が足りず、恥ずかしさや焦りを感じる日々ですが、回り道のなかでも培ってきた常に前向きであること、絶えず学び前進しようとする姿勢には自信があります。奇しくも私には数年後に大学入試に臨み自分の一生を決める娘がいます。その娘に自分の働く姿を自信を持って見せていられるようにしたい。そう思うからこそ、これから大きな変化が予想される教育現場ですが、『「常若」の精神』と同様、現状の自分に満足することなく、積極的に学び変化を厭うことなく努めていきたいと思います。またそれを当たり前と思うことなく有り難いことと考えて、前向きに楽しむことも忘れないでいたいと思います。

近頃は事務所前を通るとき「常若」の扁額に目が引き寄せられ、自分が問われているように思います。あの額を心の戒めに私は「常若」でありたいです。

2021年1月12日火曜日

非常事態:教職員の時差出勤・時差勤務

千早赤阪村の多聞果樹園の管理をお願いしているHさんに電話して「雪の状況」を尋ねたところ、果樹園と農園には「薄っすら」と積もっているという。朝9時の時点である。住吉の本校地では8時過ぎに結構大玉の雪が降り始めたと思ったがこれもすぐに止んだ。雨も今は落ちてきてはいない。このような状況下で生徒は何時も通り、連休明けの登校であった。違うのは中央館5階から見る生徒の雨傘である。私の朝の日常は欠席する生徒の数とその理由を高校の教頭から報告を受けることである。特に「発熱」があるとこちらも身構えるが今朝も大きな心配はしなくて済んだ。家庭内感染と濃厚接触者かどうか確認して対応を決めなければならない。これが今の管理職の朝の一番の重要な仕事だ。 

想定通りと言うか明日13日に政府は大阪、京都、兵庫に対して「緊急事態宣言」を出す方向だという。専門家に言わせれば大阪の急な増大は東京に比べ何か異常だというが我々には分からない。政府の宣言を受けて府の教育庁私学課からなにがしかの指導があるだろう。明日には判明すると思う。ただそれらを待っていてはタイミングを逃すから先週から私は宣言を受けての対応を両校長と協議してきた。詳細はまだ決めてはいないが、宣言を受けて一段の感染予防策を進めねばならない。基本的には「外部との接触機会の削減」「3密の更なる回避」しかない。まず生徒を守る為に何をすべきか。その為にはまず教員を守る必要がある。一人の教員の感染は生徒40人の濃厚接触者を作る可能性がある。その為にまず私が感染したら「様にならない」。遅ればせながら部屋に今評判のシャープ製の最新型空気清浄機を入れた。とにかく朝から夕方まで教職員や不特定多数の方々が大勢部屋に入ってくるからからその予防策だ。この部屋でウイルス菌をイチコロとするのである。

そして今後予定していた部活動の外部指導者との面談や4月からの新任常勤講師に登校して貰っての着任事前研修会も計画していたが中止とした。「不要不急」の案件は宣言期間中は全て中止とする方向だ。校内の研修会も万が一を考え、中止とした。この16日と17日に行われる中学校入試の前に教職員から感染者が出るようなことになっては大変である。そして極めつけは今回の本校の大きな方策として「教職員の時差出勤・時差勤務の導入」を今朝の両校長を交えたトップ会談で協議した。学校で「テレワーク」は有りえない。ただこういう時期に満員電車に乗って定時に学校に出て来る必要はないとの判断である。大きく分けて8時20分、9時20分、10時20分の3区分に分けて登校して貰えば良い。勤務時間は勿論変更しない。法的にも確認したが全く問題はない。これも明日中には最終決定する。 

肝心の生徒であるが現段階では分散登校、オンライン授業は実施しない方針だがこれも私学課から何らかの指針が出るだろう。それを待って判断する。ただ東京の高校は分散登校と部活動の全面停止を決めている?と言うのが気にかかるが、別に東京に合わせる必要はない。学年末を迎え最も重要な時である。本校の校舎は24時間常時換気と言う最新鋭の武器があるし、それ以外にもコロナ対策は徹底しているから今まで学校でのクラスターや感染者は出ていない。まず教職員から生徒への感染予防策としての時差出勤・時差勤務である。従って朝の「ショートホームルーム」は担任と副担任が手分けして対応する。変異したコロナの動向など不安要素はあるが、1年で最も忙しいこの時期での非常事態宣言であるが嘆いている場合ではない。「今やれることをしっかりとやる」しか学校には手はない。立ち止まらず、「先手、先手」で学校全体を前に進めるのが私の仕事である。

2021年1月9日土曜日

「15の春を泣かせるな」

大阪、京都、兵庫の知事が政府に対して「緊急事態宣言の発出」を本日要請するとあった。恐らく来週中には成されるだろうから、学校としてはこの国と府の行政施策に合わせてより緊張感を持った対応をしなければならない。一言で言えば「コロナから今いる生徒を守る」と言う事だ。この事は「コロナから学校を守る」と言う意味である。その為にはまず私と両校長、そして教職員全員が感染から回避できるような自己努力と労働環境を整備する必要がある。「先手、先手」で行かねばならない。私は昨日「拡大管理職会議」にて新聞による東京の動きなどを参考にしながら議論し、新たなる緊急事態対応の検討指示を出した。本校の生徒はご家庭も生徒自身も今まで適切に立派に対応してきてくれている。教職員も然りで、だから先生方からは誰一人感染者は出ていない。

7日から始まった3学期が山場である。この間、何としてもコロナの爆発的感染を抑えねばならない。私は新春拝賀始業式の学院長講話では今回も又コロナについて言及し、全校生徒2350人に学院神社の大神様からお祓いを受けた100㎖のウイルス細菌に効くという手指消毒用アルコールジェルを配布した。目的は注意喚起と意識付けである。教職員の更なる注意喚起は校長から行い、私は「教職員のフレックスタイム勤務」を至急検討するように指示をした。かかる事態に朝8時30分までに全員がラッシュ時間帯に公共交通機関で登校する必要はないと決めたのだ。いわゆる時差出勤である。今のところ、生徒の時差登校や分散登校、オンライン授業は考えていない。春の緊急事態の時にやってみたが学校が教育機関と言うことを考えればまだそこまではという判断である。

 


「15の春を泣かすな」と言う言葉がある。コロナが荒れ狂っている時に私立中学、私立高校は適切に受験生の立場に寄り添って受験を粛々と進めなければならない。こちらも極めて重要である。府内全域の小学校6年生と中学3年生が笑顔で希望に胸を膨らませてそれぞれ私立、公立問わず、希望の学校に4月1日以降入学式に臨めるように我々は配慮しなければならない。しかし格好良いことを言ってもその作業は針の穴に大きな紐を通すようなもので簡単ではない。本校では浪速中学入試が1月16日、17日、19日、2月5日と設定しており、浪速高校は1次試験が2月10日としている。受験生の為に感染防止策を徹底しなければならない。例年ならここで全ての作業が終わりなのだがコロナに感染した生徒の事を考え、高校は2月26日に2次入試を実施する方向で準備に入ることにした。

又、公立高校の入試が3月10日で合否発表が3月18日となっており、この時にコロナに感染し、公立受験出来なかった生徒の為に府の教育庁は3月19日に受験日を設け、この合否発表が21日となっている。しかし3月18日の時点で本校はすべて入試業務は終わっているが、これらの生徒が本校で併願合格していれば希望者は受け入れることとした。即ち入学手続きを待つことにしたのだ。「15の春を泣かせてはいけない」。