2021年9月10日金曜日

期中での専任教職員の採用

学校と言う処は「4月1日始まりで3月31日締め」のマイルストーンで動いている。この1年を大学は前期後期と言う区分だが中学高校は大体3学期制として3つに区分しているところが多い。本校も3学期制である。本校で勤務する職員の内、「専任教職員」は学期制に関わらず通年での業務推進であり、基本的に満年齢65歳までの永続勤務だが(最近では実質70歳まで)、常勤の教職員は1年契約の契約形態である。「仕事は人間が行う」もので全てはこれらをベースとして学校と言う組織は動いている。この人間に欠員が出ると事態は大変なことになる。最も、最近では「人材バンク」なる会社があり、教員でも派遣して頂けるようになっているから昔ほどでもないが、やはり私は中学高校の先生は基本的には派遣よりも直接採用の方が良いと考え、今日まで来ている。 

常勤教職員が専任教職員になる基準は凡そ3年間の勤務を経て「総合的に判断して」、担当管理職の推薦を経て「貴方は本校の専任教職員として採用したいが如何ですか?」を私が最終意向を確認して決定する手筈である。ところが多くの人々が働いている組織では、所謂「期中で変動」する場合がどうしても出て来る。健康問題、家庭問題、その他「人、人生それぞれ」であり、途中で「申し訳ありませんがどうしても勤務を継続できなくなりました!」なる場合があるのである。当然管理職は引き留めに入り、慰留するが事情が事情であり、一旦辞めると決めた人を引き留めるのは至難である。「契約違反だ。罰金だ!」などと叫んでも意味は無い。私は粛々と退職意向を受け入れる主義である。

 人員が有り余って仕事をしているわけではないから、人事担当の管理職は「新たな人材の確保」に向けて走り回らねばならない。目にしていて気の毒なくらいに、期中で人材を探すことは大変な作業なのである。しかし、本校では、こういう日の為に「人材育成」を怠ってきていない。ここが本校の強みである。この度、期中の9月末で中学校専任教員で1名、事務室常勤職員で1名の退職希望者が出た。両名とも優秀で残念だが仕方がないと諦めたが、退職時期については後任が採用できるまで猶予期間を設けてくれた。この点は大変立派であった。直ぐに採用活動に入り、この度目途が立ったのである。特に事務職員の後任は既に採用し現在勤務してくれている。このタイミングを待って私は「事務室の女性常勤職員のTさんを期中であるが10月1日付けで専任職員として採用」することを決めて常務理事、事務長同席の場で意向を確認し決定した。極めて能力の高い女性で銀行時代、6年連続で優秀事務表彰を受けており、本校でも全くミスがない。驚くべき人材である。 



教員の方は英語科の教員で少し手間取ったが幸いにも非常勤で良さそうな教師の採用の目途が立ち明日から研修に入ることとなった。このタイミングを待って私は辞める教諭がクラス担任だったこともあり、副担任としてやってくれていた「M常勤講師の先生をこれも期中であるが10月1日付けで専任教諭として採用」することを中学校長、教頭同席の場で伝えた。所謂理系女子で中高大と私学育ちの数学の新卒の先生、個性的である。Tさん、Mさん、両名とも勤務して3年目に入っており、元々来年4月1日には晴れて正規職員として採用する考えで進めていたから能力やお人柄については問題は全くない。然らば「善は急げ」ではないが10月1日として半年間速めて正規職員になって貰う。これで身分は安定し、給与も上がり、やりがいを持ってより責任を感じてくれるだろう。人間は責任を背負ってこそ一人前である。お二人は「びっくり仰天、破顔一笑、やった!!」の様相で大変に喜んでくれ、「頑張ります!」と力強く応えてくれた。



 

2021年9月8日水曜日

オンライン授業の生徒アンケート

 先週3日間、1年生のⅢ類の複数のクラスをコロナ対策で学級閉鎖を行った。結果的には感染者の拡大とはならずクラスターなども無かった。「オーバーアクション」と言われるかも知れないがそれは当事者ではないからで、まず府内の状況から総合的に判断した結果であり反省などは無い。今後とも生徒と守る為には果敢にやらねばならない。ただし我々の出来ることはこの学級閉鎖の時の「オンライン授業」を詳しく分析し次に生かすことである。高校のK教頭補佐が丁寧にA4数ページにわたって生徒からのアンケートを分析し報告してくれた。これを読むと「本校のオンラインのレベルの高さ」が分かる。私は喜んでいる、むやみにオンラインに走るべきではないが「いざと言う時」には可能な体制を「完備」しておくことはこれからの学校においては極めて重要な事である。 

アンケート結果によればオンライン授業が"とても分かり易かった”が18.7%で、“分かり易かった”“普通”と合計すると82.1%であった。通信状況はどうでしかたかの質問に対しては“問題なし”が78%であった。次の設問、“連続4時間のオンライン授業は”に対しては“このままでよい”が78.4%“、4時間を2分割にする案に対しては”16.8%が賛成と答えている。しかし中には6時間連続にして欲しいが2.2%であった。これらから判断して「生徒達はオンラインについて概ね受け入れてくれている感じ」である。 

勿論、オンラインの課題も見えてきており、”声が聞き取りにくい“”文字が反転して見にくい時があった“”画質が悪い時がある“文字が見にくい”“反響がすごかったときがあった”“ハウったりするのがたまにある”など音響についての意見が多かった。その他、“何かあれば書いてください”については“やはり教室のほうが集中できる”“個人的に質問できるコーナ?を作って欲しい”“個人的な願望であるが、感染リスクを考慮するならばこのままの方がいいと思う”“オンライン続けてほしい”“オンライン楽しいです。”“オンライン授業はとても良かったです”“永遠にオンラインにすべき”“ずっとこのままでいい”など幾分「?」みたいなものもあった。

 高校の校長以下管理職の所見は、アンケート結果より、今回のオンライン授業は生徒にとって、かなりよかったものといえます。これは、先生方がそれぞれ工夫して授業を展開した結果だと考えらます。その一方、各ご家庭での通信環境が芳しくない場合、授業印象に影響をあたえていると考えられます。この度は、3日間という期間だったことと、生徒たちも初めてのオンライン授業という新鮮味があったので、集中が保たれたが、今後、期間が長くなった場合や再度の場合、このような結果になるかはわからないところである。 履修のことも含め、将来の受験を考えた場合、しっかり日々の感染対策を徹底して行い、平常授業を継続できるようにすることともに、各教員のオンライン授業への心構えが常に必要であると、この度のオンライン授業で示されたと考えます。


 
素晴らしい所見である。私は良い管理職と卓越した技量を有する教職員を持ち、幸せ者である。そして本校の生徒は実に素晴らしい。今はコロナで全生徒を集められないが早く神社前広場に集合させ、全員で一斉参拝をしたいと思う。




2021年9月7日火曜日

入試広報用 動画撮影

 「人の担ぐ神輿に乗るのは楽か」というとそうでもない。この歳になれば「黙って」部下の敷いた路線の中で動けば「楽かも」と思っていたが必ずしもそうではない。正直、不満足な部分が残るからだ。勿論彼らは一生懸命に頑張ってくれており、それはそれで評価し感謝しているが私はやはり「出来栄え」というか「目的を外さない」ことに焦点が行く。時間と外注の費用をかけて動画を作成し、それが塾長様はじめ関係者の方々に行くのだから30分の動画に「最新の浪速」をお届けできる中身でなければならない。撮影する場所やアングルなどは重要で、案外と「カメラワーク」は決め手となる。単に映像を撮れば良いというものではない。今日は「塾長様対象入試説明会」の中止に伴う動画撮影の日でありこの30分弱の一本の動画で「本校の今日と明日」をかっちりと撮らねばならない。申し訳なかったが入試広報部が作成した「シナリオ」に相当、筆を入れさせてもらった。私への割り当て時間は5分間。この後、ICT教育推進部長、進路指導部長、入試広報部教頭の撮影が終日続く。



 

(ご挨拶)

理事長・学院長の木村智彦でございます。本校は、先生方のお陰をもちまして、益々「活気あふれる学校」として関心をお寄せいただいております。これも偏に塾長先生をはじめ、塾関係者の皆様方のご支援のたまものであり、深く感謝申しあげる次第です。

                        ※理事長を映す



(今回のスタイル … 動画配信とDVD配布)

今回、緊急事態宣言下のため、このような形となりましたが、何とか「最新の浪速事情」をお届けいたしたく本校のICT設備を駆使し、動画配信およびDVD配布で実施させていただきます。                     ※理事長を映す



(2021年度入試状況)

  高等学校  771人  96校中2位(大学系列以外では1位)

    特記事項:女子生徒の比率  41.8%(過去最高)

  中学校  136人  2年連続130人以上4クラス体制  60校中21位

         ※高校・中学とも、画面上はアニメーションのグラフを流す。

(施設面と学習面)

  令和5年5月には開校100周年

  通常の教室の1.33倍の広さ、24時間強制換気、全館WiFi環境完備    

安全・安心できる教育環境の完成   ※理事長とドローン動画をいれる。

中学、高校共に生徒全員がグーグルのChromebook、オンライン授業が常時可能

                 ※生徒の授業の様子をいれる。

(堺市美原区の高天原スポーツキャンパス)

本年3月、「乾坤一擲ドリームフィールド」が完成。サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、陸上競技のトラックを具備した一大競技場が完成、先に完成した「八咫烏庭球倶楽部」とともに一大スポーツ施設として発展。又現在は「産土ゴルフ練習場建設」の工事が順調に進んでおり、この11月には完成の予定です。今、更に体操、バドミントン、バスケットボール、バレーボールの為に「高天原アリーナ」建設に向けて協議が始まっています。浪速の教育環境は更に進化して参ります。

                 ※理事長とドローン動画をいれる



(最後に)

  新しい生活様式に移る中、常に一歩先を睨んだ教育活動の展開

  面倒見の良い教育と高いレベルでの文武両立の達成という基本姿勢を堅持。

  引き続き、浪速にご注目いただき、今後とも変わらぬご支援をお願い致します。

とにかく受験生の目で本校を見て頂きたく、受験生のご紹介をお願い致します。

  貴塾のますますのご発展をお祈り申し上げ、ご挨拶をさせていただきます。

                        ※理事長を映す

2021年9月6日月曜日

功名よりも守拙が良い

 今日は月曜日。月曜の朝に私が最も気にかかる事はやはり「生徒の登校状況」である。今では勿論コロナ感染である。果たして何人の生徒の欠席連絡があるのか、まずその数値から分かる。「先週の土曜日から学級閉鎖は解かれ」生徒は元気に登校して呉れ、一安心したばかりであるが週末を挟んで今週はどうなるのか。生徒の罹患は殆どが家庭内感染や兄弟からであることが本校のデーらからは分かっているから逆に自宅で居る週末は怖いという感じもある。生徒にとって最も安心できる場所は学校でなければならない。学校はコロナと無縁の場所でありたいと思う。その視点から学校の新しい形を作っていく積りである。 

毎朝、高校教頭からまとめて私に報告がくるのだが今朝の段階では新規感染の生徒はいなく、欠席率も減少してきた。自宅待機中の生徒は高校1年生だけで2年3年は心配ない。はやり基礎体力も影響しているのだろうか。高校1年はまだ中学生っぽいところがあるから幾分感染耐性が弱いのかとも思ってしまう。しかしそれを言うと浪速中学校の生徒感染が極めて少ない説明とはならない。いずれにしてもコロナの事は我々には分からない。分からないから今出来ることを「愚直」にするしかない。コロナを回避する「巧みな方法」は全くない。生徒にワクチンが打てていないだけに辛いのである。 

利休は茶の神髄は世俗を離れた別天地にあるものではなく、日常のなにげない行為そのものにあると教えており、茶の点前を繰り返すだけが稽古ではなく、毎日の一挙一動すべてが己を磨く機会だと言うのである。東洋の芸術論の根本には、「巧妙よりも守拙」を尊ぶ姿勢がある。「拙」とは巧の反対で、愚直稚拙の拙である。つたない、鈍い、愚鈍、つまり守拙とは、あくまで「愚直に己を飾らず、正直に誠実に事にあたる」ことである。小器用な才子は、ある段階まではとんとん拍子に出世も進むが、結局は才に溺れて大成しない。これにひきかえ愚直なものは愚直ゆえに倦むことを知らず、ついには物事を成す。 

今日、来客があった。予てから知人でこの方は某学校制服の会社の社長さんである。長い間本校に制服を供給してくれた別の制服会社の幹部であったが事情があって退職された。あの東日本大震災の時にも入学式までに生徒の制服を一着残らず届けてくれた。日本の制服業界でこの人の名を知らない人は居ないくらいのお方である。このお人は一見愚直であるし、全くスマートではない。しかし誠実さと真面目さ、時にユーモアと決断力を併せ持っており、私とはどこかピントが違っており逆にそこが気に入っていた。何十年務めた大阪制服業界の著名人が今後どうされるのか心配していたが、すぐに請われて別の会社に招聘されて1年後にトップに就任された。人はこの人を見ていたのである。私はこの人と話すのが楽しくてならない。私を慕って時々来校されるが「味がある」のである。およそ私と両極にいるタイプであるが自ずと身に付いた「守拙」の雰囲気を私は高く買っている。功名よりも守拙が良い。何時も帽子を被り、敢えて言えば私が苦手と感じるのはとても汗かきで、話すときに唾を飛ばされる点だ。それ以外は素晴らしい。




2021年9月3日金曜日

文部科学省ガイドライン通達

 菅総理が突然、退陣を表明された。理由はコロナ対策に専念したいという事だが、揺れ動く政局の中でご自身の将来像が見えず、身動きできなくなって「政権を投げ出した」と言うことだろう。このように政治の世界は「一寸先は闇」である。この先、自民党総裁選、衆議院選挙と「大きく世の中は動いていく」。私はこのニュースを聞いて「何としても学校を守る」決意を改めて固めている。昨日、私は個人所有の鏡を学校に寄贈して執務室に取り付けた。出入りするたびに自分の姿を見詰め「気力」を充実させるためである。自分の姿の投影を見ることで何か「内なる自分」を再確認でき、思考が全身を巡る。今朝、高校教員では残っていた最後の一人と面談できた。事情があって遅れていたがワクチン接種を急ぐと言明してくれた。一方事務長からは事務室勤務の職員についてリストが示された。事務室勤務の職員は「窓口対応」と言って不特定多数の人々と接する機会が多いので感染対策は今までも万全であったがワクチンも全員が9月中には終わる見通しが分かった。これで私は一安心である。

 


今朝の産経朝刊は「大阪十代以下の感染増」の見出しで報じていたが、緊急事態宣言から2か月、インド由来のデルタ株で10代以下の感染者が急増である。新型コロナは当初私みたいな高齢者が要注意と言っていたが年齢層は徐々に下がり遂に就学中の児童生徒に及んできた。「医療崩壊から学校崩壊」に繋がる恐れがある。私は今思うのだが第1波の時の当時の安倍総理の出した「臨時休校措置」は結果的に大きな効果を出した得策では無かったかなと思うようになっている。この時のマイナス部分だけを捉えて大きな批判を受けた文部科学省はその後今日まで一律の学校休校はやらないと決めて来たが、果たしてそれで良かったのかとも思う。まあ「結果論」だから言っても詮無い。しかし現下、全国の学校で学級閉鎖や休校が噴出してきた。

 


これらを受けて「文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課」からは8月26日付けで全国の教育機関を主管する部署に「学校で児童生徒等や教職員の新型コロナウイルスの感染が確認された場合の対応ガイドラインの送付について」と題して数ページの資料が送信され昨日府の私学課より本校にも流されてきた。細かくガイドラインが示されており、私立学校における「学校設置者及び学校長」のやるべきことが具体的に示されている。例えば濃厚接触者の特定やリストの作成、学級閉鎖、学園閉鎖、学校全体の臨時休校の手順と期間である。閉鎖期間は明確に5日から7日程度とあった。以上のようなことは大なり小なりどの学校もやっていることだが文部科学省がガイドラインを出した意味は大きい。

 恐らく今後学級閉鎖や学年閉鎖、臨時休校は全国規模で爆発的に広がってくると思う。我々は今ガイドラインに則って粛々とやるだけだが4か月後の高校3年生の大学受験を考えれば安閑としてはおられない。特に大半の生徒が大学受験をする本校などの進学校ではより細心のコロナ対策と学校運営が必要である。その為にも本校で働いている教職員、食堂従事者、清掃業者、守衛、出入りの協力会社等々の人々にも協力を仰ぐ必要があり早急な「ワクチン接種」を過日常務理事から依頼している。とにかく今出来うる有効な手段は「ワクチン」しかない。その中でも毎日登校して来る多くの生徒を有し、接する機会の多い担任の先生やクラブ顧問には最低限ワクチンは必須だと思う。

2021年9月2日木曜日

教職員のワクチン接種

 遂に大阪の感染者は3000人を突破した。大きな数値である。昨日足下のコロナ対策と当面の学校行事について管理職会議を持ち議論し情報を共有した。このような事態の中で9月8日に計画していた来年度入試に向けた重要な企画である「塾長様対象説明会」は中止の判断をしていたが、代替えとして「最新の浪速」を各塾の先生方に知って頂きたいとの入試広報部の意見具申もあり、理事長、進路指導部長、ICT教育推進部長、入試広報部教頭によるメッセージ「動画」を作成し配信することを正式に決めた。7日に私の冒頭の挨拶の撮影がある。又同時に「DVD」を作成しこれも配布して見て頂くのである。これらの事を書いた私からのお手紙は既に出状している。 

2022年度入試 「塾長様対象説明会」の中止について(お詫び)

(前文略)この度は、本校の入試関連行事にお申込みいただき誠にありがとうございます。さて、この度、「緊急事態宣言」が9月12日(日)まで延長されたことに伴い、大阪府教育庁私学課からあらためて、感染リスクの高い学校行事などについては実施を控えるよう指針が示されました。つきましては、大阪府の指針に従い9月8日(水)に予定しておりました「塾長様対象説明会」は、中止とさせていただきます。直接お会いしての説明会が開催できず誠に残念ではございますが、皆様の健康と安全を最優先に判断させていただきましたので、ご理解のほど宜しくお願いいたします。尚、「塾長様対象説明会」の代わりとして、今回の講習会の内容を収録した動画を近日中に制作し、完成しだいお知らせいたしますので、ご覧いただきますよう宜しくお願いいたします。(以下略) 

今朝は教職員でまだワクチン接種の済んでいない先生方を順次部屋に来て貰い、現下の状況を詳しく説明し、相手の有ることで思うようにはいかないが、それでも極力予約を早くとり接種して欲しいとお願いした。折角私は学校にドクターを来て貰い機会を作ったが授業や部活等でその日は不都合だったという。中には当然アレルギーとか体調悪化不安とかで接種をためらう先生方もおられるが、その場合は理由書を提出頂くようにお願いした。公的な証明が無ければ私はこの先判断に困ることになる。職員室の変更やクラブ顧問の担当替えなど場合によっては配慮しなければならない。ワクチン接種をしない先生方を守る必要があるし、又万が一、今回の例のように先生が主因となって生徒へ感染させるリスクを軽減しなければならないからだ。高血圧で不安と渋っていた先生は昨夜家族会議で「貴方の仕事ではワクチンは接種すべき」との結論が出て、急遽方針を変えてワクチンを打ってくれるそうで私は安心した。 


現在ワクチン2回目までの接種率は教員で言えば中学校では72%が接種済みで9月末には100%となる。問題の高校であるが現時点で接種率は67%であるが9月末には97%となる予定である。高校は100%にはならない。このようなものは比率が高いから安心と言うことではない。ワクチン未接種の方から感染は広がる可能性がある。ただ高校教員の中には持病、体質不安、アレルギー等で6人の先生方が現時点では受けられないと報告を受けている。打つ、打たないは個人の自由であるし、それぞれに理由があるのは当然で強制など出来ない。従って私と高校校長が判断すべきはこれらの先生を如何に守るかであり、個人的には徹底した感染防止策を取って貰う事と、定席の変更やクラブ顧問の変更などを考えねばならない。ワクチン接種の為に景品など出す気は全くないが生徒を守り先生を守るのが私の仕事であり、頭を絞って考える。

2021年9月1日水曜日

ユーチューブによる一斉参拝の配信、オンライン授業一部スタート

 言っても詮無いことだが教員が感染すると事態が拡大する。生徒ならその生徒と濃厚接触者に限られるから範囲は狭い。しかし教員となるとまずその先生が授業に行っている全てのクラスとその教員が指導している部活動の部員など、範囲が一挙に拡大し、生徒への感染が高まる可能性が出て来る。本校で二人目となる専任教員の感染が判明した。この先生は理由があってワクチンの接種はしていなかった。当然範囲を広げて我々は対応する。私は高校校長の具申を受けて1年のクラス複数を「学級閉鎖」として昨日午後から生徒を帰宅させた。3日間、様子を見る、発熱や症状の観察である。学級閉鎖、学年閉鎖、そして最後は臨時休校として正門を閉じる手立てである。今日は9月1日、今までの午前中授業から終日の授業が始まる後半戦のスタートであるが仕方のないことだ。正直、嘆息する。誰も責めることは出来ない。新型コロナは年寄りばかりではなくて若年層にも罹患する恐ろしいスペイン風邪以来のパンデミックである。 

今日は「一斉参拝」の日であるが一部の生徒はそういう訳で学校にいない。生徒の居ないクラスといるクラスを見るのは辛い。しかし本校のICT名人たちは色々と考えてくれている。何と「ユーチューブ」を使った「ライブ中継」で参拝に自宅から参加できるのだ。これも全ての生徒がグーグルのクロームブックを有しているから、その「クラスルーム」ソフトを使い、自宅に居ても臨場感あふれる参列が可能となった。何と高校の放送部が頑張ってやってくれているところが嬉しい。本校生徒と望めばその保護者なども画面を見ることが出来るが一般の人はユーチューブを探しても容易に見ることは出来ない。従って私は画面の向こうにいる生徒に対しても目の前の生徒と同じように話すことが出来る。今日も「自宅にて端末の前にいる生徒の皆さん、・・・」と時々直接に話しかけたのである。大学では聞いたことがあるが高校で学校行事をいとも簡単にユーチューブを使って配信するなどあまり例は無いのではないか。

 





今日の学院長講話では丁寧に入念に今回の新型コロナに関する過去の経緯を振り返り、今やるべきことを徹底して行うよう話した。先週から教室の換気徹底、消毒除菌や清掃の徹底、公共交通手段を利用する生徒の登校後の手洗いや嗽、そして生徒生活指導部長からは今日から始まる昼食時の「黙食」も指導があった、今やれることを徹底してやり、事態の変化に柔軟に対応する。「オーバーアクション」と非難される可能性はあるが学校がパンデミックにならないようにする責任が私にはある。そうかといって「生徒の学びの保証」も重要である。場合によっては補充の授業も有り得ると思う。それだけに「オンライン授業」は少しでも効果のあるように仕向けなければならない。学校責任で学級閉鎖を行い、今のところ、全く症状のない生徒、感染者か無感染者か分からない状態で自宅待機をさせている責任は学校にもある。

 




正直保護者の中にはそのようなお気持ちをお持ちのお方もおられる。当然だと思う。ただ濃厚接触者の判定は公共の機関が行うことで我々が決められることではない。無症状感染者が隣に据わっていて数日後に発熱する生徒がクラスで5人以上出れば万事休す、クラスターである。このようにコロナ対策は学校では難しい。生徒と教職員のワクチン接種を急ぐべきである。特に教員でワクチン接種証明のない教員は教壇に立つことは許されるのか、そういう意見や判断が今後社会に出て来るかも知れない。私はそれを恐れている。本校に入校する教職員、協力会社、業者の皆さんには早急なワクチンの接種をお願いしたいと思う。リスクを少しでも下げたいのである。事態は日々変化している。

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