2025年12月8日月曜日

報告と照顧

 何時ものように先週の6日土曜日にあった「高校の第3回入試説明会の正式纏めと報告」が朝一番にあった。私に報告するのは入試広報の統括責任者の近藤教頭先生と入試広報部長のS先生である。大変良い議論が出来、「浪速高校の入試活動で今起きつつある事象」が推察を含めて浮かび上がってきた。今回のレポートにはこれが有ったのが素晴らしかった。入試Ⅲ類の成績と評定のラインを来年度入試においてワンランクほど動かしたのだが、その影響具合が具体的に焦点が絞れるところまで見えて来た。 



高校が仕掛けた「軟着陸」が実現しそうで、これを契機に高校の体質が徐々に変わり始めると嬉しい。今週土曜日の「第4回入試説明会」の結果を含め、具体的に「数値を出してみよう」と思う。こういう進め方は合理的であり、「数値と言う根拠のある証左」から入試広報活動を読み解くスタイルは今後とも失ってはならない。校長以下プレゼンターとプレゼンの中身がほぼ「完成形」になっている。素晴らしい事だ。タイトルは「伝統と革新」である。私の頭には20年弱の歴史が刻み込まれているが、今朝、直近の資料を手元に用意し、過去20年の変遷を思い浮かべた。「積み重ね」であり、一目瞭然で「中身が増えて」きているのが容易に分かる。「新校舎と教育環境」「学校5日制と3S」等々濃い中身の評価が保護者アンケートに躍っていた。中身が無い訴えは空論であり空虚だ。学校改革で「膨大な投資と歴代の管理職と教職員の頑張り」は結果として多くの生徒が入学を希望する人気校に変貌した。 


だから「もう良いだろう」とはならない。報告書の中身が充実してきているのは事実だが「これで良し」とはならない。纏めることで更に見えない点が見えてくるし、課題が浮かび上がってくる。それが「報告すると言う意義」になる。「答申」と言っても良い。「白書」でも何でも良いが、次を見据えるという事だ。その為の報告書である。今や広報部は眼前の報告書から次回以降や来年度に活かして行こうとする気概と気迫が確かに伝わってきている。元来報告とはこういうものである。恐らく学校社会では今まで報告するという行為が一般的ではなかったと思う。学校が校長をトップとした組織化された縦横の系列で機能して来なかったからだ。報告と議論などの文言も「別世界の事」で余り正面から受け止めて来られなかったと思う。 

「鍋蓋のつまみ」でしかなかった理事長や校長など報告を聞くだけで、「そうか、そうか、良かったな、有難う!」だけのコメントだけで済ませるならやらない方が益しだ。しかしそれでは組織は学習せず、機能せず、進化しない。私は意識して「報告を受ける側の責任を果たそう」と心掛けている。「重箱の隅をつつく」くらい細部に拘って追及する。報告する側以上に受ける側の責任が何倍も大きい。トップは組織構成員に対して見えていない部分、何故こうなったか、これを受けて今後の対応は?その結果予側は?などと畳みかけて問いかけて行くのがトップの責任である。「顧みる」と言う言葉が有るが「成功の秘訣」は個々人が脚下(きゃっか)」を照顧(しょうこ)する姿勢が重要だと言う事である。常に「謙虚」に現実を凝視し、数値を上から下から横から、斜めから照らし熟慮する努力が「成果への道」である。