仕事のかかりの時間を使って4月1日に「専任教諭に採用」した5人の先生方に常務理事、両校長立ち合いの元、「専任お祝い金」の授与式を持った。コロナ禍の前は市内のレストランで会食懇談会を持っていたが、連休明けの5月8日にスイスホテルで大々的に「中学校棟竣工、教職員慰労会・歓迎会の一大パーティ」をするのでその辺りのレストラン料理を食するよりも、それに相当するお金の支給の方が若い方には良いかなと思って、そのまま継続している。私は本校のポジションと「教師という職業の素晴らしさや、やりがい」を語って激励した。特に私が強調したのは「今の私立高校が最も面白い時期」だという事である。それはまさに激動の時代であり大きく変わる時期だということである。このような時に本校の専任教諭の身分証を得た幸運を感じて頑張って欲しいと述べた。
今朝の読売新聞と日経だけが1面に載せていた。特に読売はトップ記事で、「公立校併願可能に」の見出しで大きな記事としていた。これには私も些か驚いた。「夢想だにしていなかった」からだ。恐らく官邸筋から意図的に流した「スクープ記事」だと思う。読売にはこのような記事が時々出る。石破首相の指示で公立高校の定員割れ対策の為に「公立単願制」から「デジタル併願制」へ検討を進めるというものだ。まだ詳細は不明だが「共通試験」で「複数の高校に出願可能」、極めつけは「デジタルを使って合否判定を一元的に行う」と言うものだと記事にはあった。総理の名前を出し、従来の教育委員会主導の入試システムを政府が本格的に政治課題として取り上げたと言うことである。
これが実現すれば公立の定員割れはまず発生しないと考えた方が良い。従って我々私立には公立からの「併願戻り」は期待できないと思う。これは現在の私立高校へのフォローの風がアゲインストに変わるかも知れないことを暗示しているのか。ここで私立がやるべきことは「あたふた」とせず、「専願受検生の確保に注力する」ことである。私は感じた。今の公立が段々と私学化してきつつある様相で、私立は「ここで学びたいと言う専願生」すなわち「私立は単願制化・専願制化」しつつあるということか。しかし考えてみれば、入学者を先に確保するという「元来のあるべき姿」に公私共に一歩近づいた感じがする。
令和10年度入試から大阪府は新しい方式の検討を進めているがこの国の施策を受けて、方向が幾分変わるかも知れない。「目が離せなくなった」と思う。高校入試システムがここ5年くらいの内に「様変わり」する可能性を感じ、私は身震いを感じている。頑張らねばならない。本校の専願入学者は令和3年から、538人、615人、654人、853人、そして今年の令和7年は1021人となった。実に5年で倍増である。先手を打ってここまできてようやく「専願校と言う栄誉」を手にすることが出来たが「一寸先は闇」「蟻の一穴」「油断大敵」である。それくらい入試作業は複雑であり難しいのである。「老壮若」、あらゆる世代の先生方に頑張って貰わないと行けない。