今私は8日に行われた「新校舎竣功の祝賀会・教職員歓迎慰労会」の余韻にひたり、全身が満ち足りた気持ちでいる。この日の舞台上で私は初めて神社神道の学校としての象徴品の「芋焼酎:天孫降臨」のプライベートブランドの全面更新を発表し、パーティに参加された全ての人に「引き出物」としてお持ち帰り頂いた。今までの物は15年間、扱ってきたが、ぼつぼつ「グレードアップ」しようと決めて度数を上げ、味わいを高め、瓶や包装、化粧箱も全面更新した。これはアンテナショップ以外では入手できない宮崎県のみで購入できる「蔵元限定」の本格焼酎であり、化粧箱に本校の東館2階部分の「ガラス絵天孫降臨図」を転写した一品である。
この焼酎を紹介した私は1本目を神道歌手の涼恵さんにその場で差し上げた。通常は用意しておくべき花束を今回は会の趣旨からスキップしたので、代わりと言っては何だが、彼女の歌に感動した全員を代表して新ブランドの一本目は涼恵さんにと私から直接手渡ししたかったからである。神社神道の教えに「中今の思想」と言うのがあるが、これは一言で言えば「今日一日を一生懸命に生きる」と言う事である。涼恵さんは歌手として、これを成し遂げられた。この中今という言葉の意味は過去・現在・未来というおよそ存在し得る全ての時間の中で過去と未来の中間に位置する今の世に最高の価値を見出そうとする思想であり、歴史の永遠の発展を肯定しながらも自己がそれに直接参加しうる現在という時をあらゆる時間の中で最も価値あるものとして受け止め、「今を一生懸命に頑張れ」という教えだと私は理解している。
あの日、涼恵さんは私の求めに応じて「中今」という題名の歌を鈴のような美声で歌って頂いた。作詞作曲は彼女であり、現役の神職である涼恵さんは「中今の歌詞」を次のように書いている。
「過去と未来の中今に立ち生きる 清濁併せ呑み批判せず進む
父母 祖父母遡れば 繋いでくれた命を知る
ご先祖様 八百万の神々に守られ 誰一人欠けても居ない あなたが居る
過去と未来の中今に立ち生きて 透明な心で在るように身削ぐ
ご先祖様 八百万の神々に守られ 今この瞬間に感謝し続けて生きる
過去と未来の中今に立ち生きる あらゆる今を受け入れながら息る」
今日はPTA実行委員会があり旧役員の退任と新役員の就任の内定があった。OBでもあるPTA会長さんは続投であり、心強い。私は冒頭の挨拶で「浪速の今」はPTA活動の成果であり、学校側の幹部教員を紹介し、更なる発展に共に頑張って行きましょうと連帯のエールを送った。3500人の生徒を抱えるマンモス校故に細かい部分ではいろいろな事象が今後ともあるだろうが、保護者も教員も「中今」を意識することで事態は必ず改善できると申し上げた。今を一生懸命に生きれば課題や問題が起きても、必ず解決の道は早く見えてくる。実は中今はスピードなのかも知れない。