高校3年生の大学進路先を決める段階が来ている。最終決断の時期はまだまだ先であるが大相撲と一緒で「制限時間」という時間帯があっても良いと思う。この制限時間内に「どこの大学にするか」を決めるのだ。良く使うフレーズだが、「行ける大学から行きたい大学」に行って貰いたい。そういう意味で今日は高3受験生の中でも国立大学や難関私立を目ざしている生徒が「志望する大学へのキャンパスツアー」に出掛けた。制限時間の始まりである。バス8台で9大学を選択した。勿論高校3年の担任で今日授業の無い教員や進路指導部員が同乗している。最も遠方は岡山大学である。
他の大学としては名古屋工業大学、滋賀大学、三重大学、兵庫県立大学、奈良教育大学、大阪教育大学等で、私学は同志社他だ。このツアーの参加者は総勢200人の超えている今や本校進路指導部の名物行事になった。大体8時前後に学校を出て16時から17時頃には帰着の予定だから日本も狭くなったものだ。私は出発前のバスに乗って受験生を声高に激励した。希望の大学を見たからと言って入学は出来ない。束の間のバス旅行ではない。正門に建ち、大学の校地に足を踏み入れ、浪高卒業の先輩の話や大学側の話を良く聞き、「よし、絶対にここに受かるぞ!」との強い覚悟と最後の努力を誓って無事に帰って来い!」と言うと、全員が揃って元気よく「はい!」と応えてくれた。
昨日はお昼前後に、4月24日に本校を訪問してくれたあの有名なアスリートが来られた。体操競技の2016年リオ、2020東京のオリンピックに出場した東大阪出身の「杉原愛子」さんである。あれからほぼ一カ月、彼女は大きくて重たい「NHK杯の優勝カップ」を持参して再訪してくれたのである。私もテレビで見たがあの床体操の見事さは感動した。跳馬、平均台、段違い平行棒の総合得点で見事なトップとなり、11月にジャカルタで行われる世界体操競技選手権大会で日本代表に選出された。ちなみに本校の皿田愛結さんも第18回アジアジュニア・第12回アジア体操競技選手権大会に杉原さんと共にジュニア日本代表の一人となった。最近の体操部の活躍は特筆であり、嬉しい限りである。
杉原さんは優勝後、各マスコミなどからのインタビューが引きも切らず、ようやく落ち着いて昨日の訪問になった。私は少ないが本校の内規に拠る「お祝い金」をお渡しし、「昼食」をお誘いした。大切な人と共に同じものを食すると言う行為ほど幸せなことはない。所属しているアインス体操クラブの冨岡代表も杉原さんの専属コーチである大野先生も同席され楽しい時を過ごした。話題は今回の優勝パターンが例のない形であっただけに多くの方々を感動せしめたことに集中した。10年前に同じNHK杯で優勝し、10年間のブランクではないが、「内部充実」に努めて又競技場に戻って2回目の優勝すると言う行為は前例がないと思う。確かに優勝カップには杉原さんのお名前が刻まれていた。今度は10年ぶりに彼女の名前が刻まれることになる。