到着して驚いたのは部屋の前の様子が変わっていることで、今までは部屋の入口ドアの前は暗くて奈落の底に入るような感じであったが、初めて入口に照明が付き、新中学校棟の西関門に取り付けられた「古事記:ヤマタノオロチ」彫刻の畠山先生が「理事長は龍がお好きみたい、入り口に飾ってください」と贈って頂いた「登り龍」の木彫り彫刻が壁に設置されていた。これで完全無欠の理想的な理事長室になった。常務理事の配慮だと思う。私は「生ある限り、この部屋で浪速学院の為に働き、この部屋で弁慶みたいに立ち往生姿で死す?」ことを決めた。最早細かいことは常務理事や両校長に任せ、私でなければ出来ない仕事に精を出そうと思う。
4月29日に府立国際会議場で行われた「大阪私立中学校フェア2025」について少し触れておかねばならない。今年の入場者数は過去新記録の5523人と対昨年619人の増で、中でも「小学校低学年の層の増大」が見えたことである。本校の数値でも同じ傾向であった。これは間違いなく「私立高校の授業料が無償化」になるのであれば、イッソ中学校から私立に進学したらどうかと言う動きが出て来たと私は踏んでいる。想像通りの流れである。本校のブースも「新校舎と学校五日制+Saturday Something Special (3S)」が評判を呼びブースは常に相談者で満ち、浪速中学校が徐々に認知され始めていることを感じた。今年は168人の入学者と昨年度を27人も増えたが、1152人も入学してくれた浪速高校人気が群を抜いている今がチャンスと捉え、今後の中学は数よりも質を重視して頑張って行きたいと思う。まだ5月連休明けの段階であるが既に私立中学は令和8年度入試に向けてこの日のフェアから号砲が鳴り、動き出した。
連休明けの今日は「一斉参拝」の日であった。ご本殿前の広場には「薫風が香る」、良い気候で両校長と共に各教室2名の直接参拝生徒を帯同して私は大神様に本格的に今日から始まる1学期の学業成就と生活規範の確立に向けて訓話をした。理事長・学院長としてこの日こそ「自分の責任」を感じることはない。声を張り上げ、抑揚を付け、生徒に語る時に私の血流は最高速度で身体全体を流れる。この瞬間に今自分がやっていることは実にやりがいのある仕事だと感じる。最後に1学期の中間試験、期末試験を見事にやり遂げ、「浪高生の顔」「浪中生の顔」になって欲しいと激励して何時になく力の入った学院長講話を終えた。長い連休を取った恩返しみたいな感じで肩に力が入っていたのかも知れない。