「余情に浸る」と言う表現が有る。ある物事が終わった後に残る感情や余韻を味わうことを指すのだが、私は今、昨日の橿原神宮での「海道東征 浪速」の奉納演奏の余情に浸っている。具体的には、音が鳴った後に残る響きを楽しむことや、映画や詩などの作品が終わった後に感じる温かさや謎めいた余韻を含むのだが、第一楽章から8楽章までの吹奏楽の音が耳について離れない。久し振りのことだ。それ位「良かったなー!」という感じで、進行において、普通は「あそこはこのようにすれば良かったかも?」等々思う部分は後で出てくるものだがそれが全く無いのは珍しい事だった。燃焼し尽くしたということか?
吹奏楽部員の演奏の素晴らしさ、指揮棒の見事なさばきは当然最初に評価すべきものだ。しかし何と言っても畝傍山の麓の「橿原神宮と言う場所のこれ以上ない最上、最適さ」がこの余情を生み出している。本校の副校長と神宮のカウンターパートである宮司様の秘書役との「阿吽の呼吸」とコミニュケーションが見事な舞台作りに繋がった。だから私は現役の神職でもあるM副校長を推進担当にした。彼らがここまで完璧に準備をしてくれたご奉仕を忘れてはならない。成功は万全の事前準備がもたらす。
私などやると決める事が仕事であったが、後はこの二人が全てを企画し、それを関係者が一致協力して「大団円で纏まる」と言う事が無ければこのようなプロジェクトが成功するわけがない。私は多くの橿原神宮の神職の方々が持ち場、持ち場で素晴らしい動きをされた光景に驚いた。勿論本校の教職員も全く同じことであり、これは先方の宮司様と理事長たる私達二人の求心力が間違いなくあるという証明である。これが有ればこそ組織は強い。不遜ではないが組織はトップによって変わる。
昨日の奉納演奏の陰で本校中央館6階の天空レストランの関係者に涙ぐましい努力による「神恩太巻き寿司―浪速巻き」製作物語があったことを忘れてはならない。初めて校外に出品し、樫原神宮の初代神武天皇に献饌、供えられ、宮司様以下の方々で「直会」の品としてお受け頂いた。本校初めての「外販用、贈答用の天空R製の一品」である。学校に戻り今回のプロジェクトに関与した教職員に私からプレゼントしたのだが、今朝は両校長や入試広報教頭他の人も「家族で頂き、大変美味しかったです!」と称賛の言葉が続いた。これで橿原神宮ご認定の名物品が誕生したことになる。これも伏線では私の大きな狙いの一つであり、大成功を収めた。
式典が始まり、まず私のみが神様に玉串を奉天し、演奏の終わった後は久保田宮司様が親しく生徒に語りかけて頂いた。宮司様の出番はこれだけであった。その後私から最後のご挨拶をご参列者全員に四方に向かってお礼を申し上げ全ての式典は終わった。これは「お祭り」であり私が「祭主」であるからで、それ以外の人々は祭主へ「習う形」であった。「列拝」である。神道の祭事は極めて合理的で政治の世界の会合と違い、次から次と人が出てきて挨拶などの出番は無い。祭主の私は参列者すべて、約400個の昼食弁当を用意した。又最後には生徒や保護者への感謝の気持ちを「直会」という形でお土産を用意した。私以外からプレゼントするような形は間違っており、ます受け取るほうも理事長からの方が良いに決まっている。これが祭事の形である。
吹奏楽部員のある保護者から夕刻、下記のようなメールがあった。有難い中身で、このお方は今回の企画のポイントを衝いておられ、私が意図しているところを高く評価頂いた。嬉しくて感謝に耐えない。ここに転記して記録に残す。
学校法人 浪速学院 浪速高等学校・中学校 理事長・学院長 木村 智彦 様
橿原神宮という日本の歴史と伝統を感じる特別な場所で、「海道東征 浪速」全8章にわたる奉納演奏を拝聴し、大変感動いたしました。この曲に込められた理事長の長年の思いや、学院曲として形にされるまでのご尽力、そして8年の時を経て再び橿原神宮で全曲を奉納されたことを知り、本日の演奏がより一層意義深いものに感じられました。
娘は中学1年生から吹奏楽部でお世話になっております。素晴らしい先生方や仲間に恵まれ、日々多くのことを学び、成長させていただいていることを、親として大変ありがたく感じております。今回、このような歴史的にも意義のある場所で、学院の大切な曲を演奏するという経験をさせていただけたことは、娘にとっても私にとっても、大切な思い出となりました。
以前、理事長にお伝えしたこともございますが、娘を浪速学院に入学させて本当によかったと、今日、改めて感じております。また、日頃から娘をご指導くださっている担任の先生をはじめ、吹奏楽部の顧問の先生、監督、そして関係する先生方にも心より感謝申し上げます。先生方の温かいご指導とお力添えがあってこそ、今日のような素晴らしい経験につながっているのだと思います。
実は、本日は娘の16歳の誕生日でもありました。その記念すべき日に、このような特別な経験をさせていただけたことは、親として何よりうれしく、娘にとっても忘れられない誕生日になったことと思います。さらに、お土産まで頂戴し、温かいお心遣いにも重ねて御礼申し上げます。
一保護者の私から、このようなメールを差し上げるのは大変恐縮ではございますが、本日いただいた貴重な機会への感謝を、ぜひともお伝えしたく、失礼ながらご連絡させていただきました。このような素晴らしい機会を設けていただき、本当にありがとうございました。
今後とも、浪速学院のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。