2021年11月30日火曜日

「至誠の浪速」こそ本校の拠ってたつ処

 朝一番に高校教頭と2年生の学年主任が入ってきて先ほど行われた修学旅行の生徒アンケート及び各方面団長先生の総括報告書が理事長に提出された。道東、道南、宮崎、長崎、沖縄方面について行程、宿舎、感染症対策、食事等について成果と課題を上手く纏めてくれていた。全般的に行程がきつい感じでもっとゆっくりとさせるべきだと感じた。初めての国内旅行で「あれもこれも」と少し詰め込んだきらいだ。やはり長崎方面は大幅な見直しの必要性を感じた。恐らく来年度も海外とはならないだろうから、今から来年度に向けて再検討をしなければならない。1年生の学年主任を入れ、HISと別途ミーティングを早急に持ち情報を共有するように指示した。「鉄も料理も熱い内に」だ。あくまで生徒ファーストである。

          長崎班 生徒の乗った五島列島フェリー船着き場にて


先週27日の土曜日に行われた中学校入試のプレテスト解説会で具体的な入試説明会は一応終わった。後は個別の相談会と受験生への個別折衝に移る。過去10年分のデータを俯瞰すると明らかに令和になってから「潮目が変わっている」ことが分かる。平成31年度入試までは未だ「浪速中学校って?お試し受験的」な雰囲気が少しはあったが令和の時代になって2年、本校の努力と社会そのものの私立中学への評価が高まり、本校でも「足に地がついた」受験者数に繋がりそれまでの3クラスから4クラスへと劇的に変わった。その勢いを受けて今年も今のところ4クラスになる公算が強くなったと思う。それは逆に言えば浪速中学校が上位に位置する立派な本物の私立中学として認知されつつあるということだ。府内60校程度の私立中学でトップ20位前後のポジションまで上がって来たがこれからがまさに「正念場」であり、入試広報部と中学校は更に頑張って欲しいと思う。「至誠」しかない。誠意ではない、至誠の浪速だ。

 



入試広報教頭と部長の報告を詳細受けたが、この時間が最も気になるし楽しい。一方の高校入試であるが、中学入試説明会と同時並行で先週の土曜日に「個別相談会」が開かれ、この時期の相談数としては過去新記録となった。今週末4日には第3回目の入試説明会が行われる。コロナ対策の一つとして今年から「WEB申し込み」をしているのだが、結構順調に来ておりネット申し込みの忌避感がないことが嬉しい。1回目と2回目は昨年を大きく上回る参加者を得ており、今年は繰り上がりで今回の3回目と次週11日(土)の4回目は少し減る可能性を感じていたが今朝段階で3回目も昨年対比で上回っており安堵している。この分だと「捕らぬ狸の皮算用」ではないが来年度も中学、高校共に昨年並みの入学者数が期待できるかも?と感じているのだがこればかりは蓋を開けるまで分からない。教頭と部長の顔を観ればどのような気分か良く分かるのだが、二人とも極めて誠実な人間であり、良い顔つきになってきている。

 



堺市美原区の「高天原スポーツキャンパス」に建設中だった「産土ゴルフ練習場」は第一期工事の「打球シミュレーションルーム」と「3面の打ちっぱなし打席」が完成し先ほど堺市から「建築確認」が正式に出された。これで何時でも使用可能であるがグリーン完成の為の第二期工事が進んでいるので開所式は年の明けた来年1月にしようかと思っている。しかし少々豪華に作り過ぎたきらいはあるが、貧相なものよりは良い。これも私なりの学校への誠意の具現である。正式に決まった外部指導者はこの素晴らしさに興奮して止まなかったという。早速グリーンの勾配など色々と意見を出してくれていた。本校ゴルフ部と連携する実際のカントリークラブとも正式に調印し、12月に顧問と生徒はこのコースに出ることとなった。練習場、指導者、実際のラウンドコースと3拍子揃った。じっくりで良いからゴルフ部は新しい形を創り上げて欲しいと思う。




2021年11月27日土曜日

「友野一希、頑張れ!」

 久方ぶりにマスコミを賑わさせるスターが登場か?今朝の新聞各紙やテレビでフィギアスケートグランプリシリーズ、男子ショートプログラブ部門で「本校卒業生の友野一希が首位発進」と大きく報道されている。2017年3月浪速高校アイススケート部から同志社大学に進学し、苦節5年漸く友野時代が来たと思いたい。実質本校のスケート部はこの友野君から幕が開き、私は今や国民的スポーツと化した感のあるスケート部を特別強化クラブに指定し応援して来た。これらの成果がようやく出て来たと大変喜んでいる。友野君は普段は明るく、物静かであり、努力家である。ただ緊張した時に良いスコアが出ない時もあったが今回「一皮剥けた」感じがする。私は今でも彼の成人式を祝った本校独自の企画「二十歳の集い」で会った時の事を思い出す。この時のアラウンドは2019年1月15日に記しているが当時の童顔は少し変わりつつあるのか、精悍な顔つきになってきている。「友野、頑張れ!」。君にはまだまだ「伸びしろ」がある。 



このアイススケートというスポーツは学校の教員で指導できるスポーツではない。それぞれが専属の特別なコーチを有し、私の出来ることは練習場の費用の一部補助や遠征試合、公式戦などへの激励金授与、ユニフォーム授与等であったが、それでも歴代の顧問の先生の精神的支援もあって今や大阪を代表するスケート強豪校に育った事を知る人は案外少ない。大阪高体連のアイススケート部専門部長は本校の高校校長が務めている。現在の部員は9人で中には全日本ジュニア出場選手や来年4月には大阪チャンピオンの子が2名も入学してくる予定でひょっとしたら数年先には友野君に続いて世界選手権やオリンピック選手が出て来るかも知れない。言っても詮無いことであるが、これらの選手は殆どの場合、卒業した大学名だけであり、どの高校を出たかは記事になっていないが、「どの高校で学んだか」は知る人は知っている。個人的意見であるが大学名よりも高校名の方がより現実に即している。今後は高校、大学と記すべきではないか。野球、駅伝やサッカー等々では既にそうなっている。

 さりながら「知的立国―日本」の為には最高学府で学ぶ大学生、大学院生に期待するところは極めて大きい。日本のあらゆる階層で学士、修士、博士などの高学歴の若者が社会をリードせず、元気を無くして行く国は間違いなく衰退していくだろう。そういう意味で昨日の26日に閣議決定した今年度の補正予算に全国大学生67万人に一律10万円の緊急給付金として675億円が計上されたことは良いニュースであった。コロナで仕送りが減り、アルバイト先もなく大学生活の継続に困難をきたしている学生に国が支援をするのは当然である。本校はほぼ全員が大学進学する「進学校」であるが、彼らが生活に困窮していないか何時も気にしている。それらの状況を探る為に私は丁度大学2年時に卒業生を母校に呼び、「二十歳の集い」を企画した。

大学生への支援は一回限りではなく継続しないと意味は無い。世界の先進国の中、大学への国家予算の投入が最も少ないのは日本である。もっともっと国は大学への給付金を増やすべきである。今論議を呼んでいる18歳以下、赤子の子どもたちにまで一律10万円を支給する施策について色々と意見があるのは分かるような気がする。「ばらまき」をあながち否定はしないが優先順位と継続性を問いたい。「一回こっきりでは余りにも切ない!」

2021年11月25日木曜日

働き方改革の更なる進展に向けて

 今日は職員会議の日であったが、これに先立って高校3年生の卒業アルバム全体集合写真が10月28日のドローン撮影では綺麗に撮れず、ピンボケだった為に普通の形で撮り直しとなった。風などが強いとドローンを撮影はまだ難しいらしい。生徒全員が揃うと学年主任が部屋に呼びに来てくれ指定の場所に赴くのだが、生徒から私は人気者?であるらしく、多くの女生徒から歓声が上がり、「理事長、理事長、ここ、ここでーす!・・」と叫んで呼んでくれ、こちらの顔が赤らむほど面はゆい。しかし私はこれも生徒サービスの一環と考え、少しのパーフォーマンスをして生徒達に返すのだ。そのようにして場が緩む。

 



職員会議では冒頭、大阪私立中学校高等学校連合会の70周年を記念して永年勤続表彰があり、本校では不肖木村とM常務理事、N中学校長、I高校校長、N中学教頭、O数学科教諭、H英語科教諭、T英語科教諭、Y保健体育科合計10名の教員が11月12日付けで表彰された。代表としてO数学科教諭の表彰状を代読して会議の出席者に披露した。文言は「貴方は多年にわたり、私学教育に尽力されその功績まことに顕著でありましたので当連合70周年にあたり表彰します」とあった。

次に私は高校2年生の「修学旅行と浪速国際コースの英語研修」が無事に終わったことに対して全教職員に対して感謝と慰労の言葉を述べた。これらは留守部隊も含めて全員が一協力して初めて成功するものである。そして次に話したことは愛知県の公立中学での悲惨な事件に触れ、本校教員は良く頑張ってくれているが、学校というものは想定を超える事態が起きるものであり、難しいことではあるが教員は生徒の動静・言動に今まで以上に「目を皿のように、耳を研ぎ澄まし、敏感」であって欲しいと述べた。これは指導である。その理由は最近本校でも色々と生徒指導の事案が発生しているからである。

 



その後昨日のアラウンドに書いているように教員と生徒間の携帯電話でのやりとりついて改めて経緯等を述べ時間をかけて説明した。携帯電話ほど便利なものだが、一歩使い方を間違うと大変なことになるからである。特に生徒とのやり取りは原則禁止だと改めて言明した。最後に働き方改革に関して部活動の外部指導者を積極的に採用しており、こられの専門家が教員の働き方改革の進展に寄与する為には「クラブ顧問の先生方の意識改革が重要」であり、屋上屋を重ねるようでは意味なはいと強調した。公立学校でも今や教員の働き方改革では外部指導者、中でも休日等は外部指導者に任せるまでになってきており、「あれもこれも自分が・・・」では決して教員の労働時間の短縮には繋がらないと諭したのである。

 


そして次に新しい方策として3学期には定期試験最週日は金曜日に持ってきて翌日の土曜日については生徒は自宅学習日の設定とし、教員は当然出勤で集中採点日とする旨の施策を検討中であると述べた。授業時間数は今でも十分達しているがこの補填は特別講習等で賄うものとする。その事前試行として2学期の期末試験最終日の翌日である12月7日は部活動休止とし採点集中日とする旨の発表をした。そしてこれらの実績や成果を分析し、3学期は本格的に移行すると述べたのである。最後に12月3日には冬季賞与・一時金の支給日であり、例月給与〇か月分と年末手当一律10万円加算等々の話で終えたのである。

2021年11月24日水曜日

生徒と教員間の携帯電話のやりとりは基本原則、禁止!

 11月の重要行事、高校2年生の修学旅行も無事に終わり、同時並行で実施していた「国際コースの英語研修」も紅葉真っ盛りの河口湖畔の研修所から帰ってきた。これで校内には全生徒が揃ったことになる。11月も最終の週となり、12月2日からの2学期の期末試験が次の大きな山である。「12月3日には冬季一時金・賞与を支給」する旨、先ほど職員代表のY先生に伝えた。公立学校の先生方には例年なら12月10日前後の支給であるが、せめてこれくらいは負けたくないと、早い支給を心掛け、今年も3日に支給する。コロナ感染も全く居らず、令和3年を無事に終えて素晴らしい令和4年の到来を祈念しているが、専門家でも分からないのに素人の私がとやかく言えないがコロナの第6波は果たして来るのだろうか?欧州では酷いことになっているのが心配である。 


午後2時過ぎ、大阪ストリートダンス協会の幹部であるO先生が「二人目の新しいダンス指導者」を連れて私に会いに来られた。丁度一か月前に決まった指導者とは別のジャンルの先生である。私などには全く違いが分からないが、ストリートダンスは、沢山あるダンスの総称で、HIPHOP(ヒップホップ)、BEBOP(ビバップ)、BLEAKBREAKIN’(ブレイク、ブレイキン)、LOCKLOCKIN’(ロック、ロッキン)、POPPOPPIN’(ポップ、ポッピン)、HOUSE(ハウス)、WAACK(ワック)、REGGAE (ダンス)SOUL(ソウル)、などの種類があるらしい。今回の指導者はロックご専門であるとのこと。私にはさっぱり分からないが、ヒップホップとロックを混合させた「浪速ダンス」を創り上げると言って頂いた。いずれにしても本校ダンス部を宜しくお願いしますとお願いしたのである。

 


今朝ほどの朝会で法人経営幹部との間でちょっとした議論があった。近隣11校の状況調査結果も持参してきている。要は緊急用として教員が自由に使える法人保有の携帯電話を用意するかどうかの議論であった。この問題については過去にも議論があったことを覚えている。時の経過と共に「無用論」から「必要性の認識」は少しは膨らんでは来ているが、私は法人経営スタッフに強く指導した。前述した11校の調査結果でも半数は無用論である。私の考えは基本的に教員と生徒との連絡は完全下校時間までであり、生徒が学校を離れたら基本的には携帯電話で連絡を取り合う事は無いし私はこのような教員と生徒との関係を疑問視していること。学校の教員と生徒がラインで連絡を取り合うことは「間違いの元」である。その種を作らないようにすることは学校設置者としての責務である。過去近隣の学校で特定の生徒と部活動指導教員が携帯電話やラインであってはならない内容のメールが明るみに出て大きな社会的問題となった。その教員は懲戒免職となった。

「緊急時は黒電話」を使うこと、それに緊急電話とは基本的に保護者間とのやりとりが主体であること、若し万が一教員が個人持ち携帯電話で会話した場合はその分は学校が全額支給するので遠慮なく申請すること、等々決めている。それに保護者との会話が多い学年主任や担任には「手当て」を支給しており元来これらの手当てとはそのような非定常な費用発生の補填であること等を私は強調した。ただ教員は自分の番号が相手に知られることを恐れるという意見もあり、「非通知設定」の問題もあるという。その場合は管理職に連絡し管理職が対応すればよい話である。しかしながら時代の流れもあり、今回は「事務室保管で法人名義の携帯電話を1台準備」することにしたのである。これでしばらく様子を見ることにした。

2021年11月20日土曜日

「義理と人情」の1週間

 故高倉健さんは大ヒット映画「唐獅子牡丹」の中で「義理と人情を秤にかけりゃ 義理が重たい男の世界」と歌ったが任侠の世界に生きる人だけではなくて、普通の男も女も義理と人情に思いを持つことは重要な事である。私の大好きな言葉、「義理人情」とは過去のいきさつやしがらみのために避けられない付き合いや、人に対する思いやりのことであり、 「義理」は、交際上の関係や付き合いであるが、交際上、いやでも人に対してしなくてはならないことがある。健さんはこれを歌っている。 「人情」は、人に対する思いやり・情けの事であり、これらは日本の社会に固有な生活規範だと思う。中でも義理は一般に社会に既存している道徳や習慣であり,人の踏み行うべき正しい道筋をいう。若い世代にはまだ良く分からないと思うが義理と人情は大人になればなるほど、役職が重くなればなるほど重要な概念と言える。 


今週はこの義理と人情の中で忙しい日々を過ごした。週末の土曜日、机の上を整理しながらこの1週間を回顧している。些か疲労感を覚えるが、義理と人情を果たせば実に気持ち良いものだ。これらは学校の理事長として避けられない仕事であり、誰かに振ることのできる仕事でないから自分でやるしかない。まず週初めには関東から表千家のお茶人お二人を学校のゲストとして歓待した。お二人とも80歳を超えるご高齢でありとにかくお風邪など召さないように気を使って校内見学、千利休を尋ねる堺市内観光、ミナミ道頓堀周辺のご案内と気を使った日々を過ごした。私は強く義理人情を思い「最高級のおもてなし」をしたと思う。


 その後私は山梨県河口湖での実施している高校2年生「国際コース」の生徒達が少人数で合宿して英語特訓をしている施設を訪問した。某大学の経営するイングリッシュキャンプであり本校の生徒は施設の先生方から激賞されるくらい真面目に取り組んでくれていた。元来ならフィリッピンセブ島に行かせる予定であったがコロナの為に新しく企画した特別なプロジェクトであり、国際コースを制度化した私としては一回は自分の目で施設や生徒の状況、講師陣のレベルなど確認する必要があった。修学旅行に置き換えて頑張っている生徒に「差し入れ」を持って富士山の麓に参ったのは間違いなく「生徒可愛さの故の人情」である。 




最寄りの駅は新幹線三島駅であり当然「三島大社」を参拝した。三島や隣町の韮崎は北条氏の街でありここ三島には流刑となった源頼朝やその後正妻となった北条政子生誕の地でありあちこちにゆかりの場所があった。来年のNHK大河ドラマは三谷幸喜さんの「鎌倉殿と13人」であり、既にこの地の収録は終わっているが来年はとにかく「伊豆」が主役になる。その後私は新幹線で大阪ではなくて逆の東京に向かい、千代田区富士見町にある東京の伊勢神宮と言われる「東京大神宮」に急いだ。ここで神職であり歌手でもある「涼恵」さんの「出版記念会」があり義理と人情の思いではせ参じたのである。このお方には随分とお世話になったからである。



 パーティは神社界、國學院大學関係者、音楽会等々130人を超える豪華なものであった。大阪からは私だけであったが、
何と私のテーブルの席には元総理の安倍晋三氏の夫人である昭恵さんがおられ、私はご挨拶し名刺を交換した。色々とお話を伺ったが、言語明瞭で分かり易く、そして着飾ってはおられないが、明るく、ザックバランなお人柄で、人に大変良い感じを与える女性だと私は感じ入った。終電ぎりぎりまで居て、タクシーを飛ばし東京駅に急いだ。そして最終の新幹線で大阪に戻り自宅に到着したのは12時前であった。義理と人情に生きた1週間であったと言える。




2021年11月15日月曜日

制服って悪くない!

 「制服ってかっこよい」と思う。先週の金曜日、自衛隊の大阪地区幹部が本校生徒の防衛大学校合格を記念して来校された。この時の制服が実に気持ちよくかっこ良かった。素直な感想だからこれについてあれこれ言われても困る。ところで本校の教職員には定まった制服は無い。又これからも制服を作るつもりはない。生徒に関してはまだまだ制服を継続する。一部の学校では「自由服」と称して好きにさせているが教育の現場だからという主張だけで継続しているわけではない。生徒を守るという気持ち、集団の中の個と言う存在への気付き、ご家庭の経済的事情、特に身なりに敏感な女生徒への配慮等々複雑に入り組んでおり、未だ私は制服制度を継続している。制服って悪くはない。最近話題の女生徒のスカート是非論争から始まったわけではないが本校では既に女生徒のズボンは制服として認められている。確かに「多様性」を声高に言う理屈も分かるがまさに多様な生徒のいる学校である。社会全体の意見が一つになれば学校の制服も消滅していくかも知れないが、まだまだ時間がかかるだろう。

 




今日は3限目に「公開授業」があった。中学生に数学を教えている女性の先生である。タイミングから今日の公開となったが、すでに10月1日のアラウンドで書いたように期中で「専任教諭」に採用している先生である。中高大学と私立一本で「新卒」で本校に来てくれた先生で、今日は中学2年生に「三角形と四角形」についてICTを駆使しての授業であった。「学習指導案」も中々上手く設計されており、進め方も良かった。このクラスの担任をしており「和気満堂」の雰囲気で、将来を大きく期待できる人材である。

 




朝ゴルフ部の外部指導者でまだ私がお会いしていなかった人が来校された。先にこのアラウンドでも紹介した青山プロの友人でレッスンを主体に活動されているお人だ。ゴルフに強い興国高校ゴルフ部のキャプテンをされていた人だから人物には問題は無いと思うが本校の指導者として今後生徒から先生と呼ばれる人だけに私は一度はお目にかかっておかねばならない。果たして中々の人物に見えた。今回の二人はともにハンサムで、今日お会いした人はモデルさんでもあるらしい。私は教育の為のクラブ活動であり単に上手い、技術だけの指導ではなくて人間教育をお願いしますと申し上げた。その辺の「おっさんゴルファー」を指導するのと訳が違う事を分かって頂きたいと思う。産土ゴルフ練習場の一期工事の完成も間近であり、これで二人の指導者が出来、私は安堵している。今後3年間、特別強化クラブとして支援して参る所存だ。

 



午後は産業医(学校医)のドクターのご出席を得て安全衛生保健委員会があった。「働き方改革」の方も順調で本日支給した11月分給与では時間外労働時間もまさに管理されている状態下にあり、私は安心している。令和3年4月1日に宣言して私は大きく舵を切った。「額に汗の働き蜂」「仕事人間」「滅私奉公」「身を粉にして」「公私の境目もなく」働くスタイルは、最早「古臭く」「うざく」「人間としての成長に限界」等々言葉にとげを刺しながら、働き方改革を掲げてやってきたがまだまだ不十分である。働き方改革とは今の仕事の成果を更に上げるためであり「スマートに、クールに」に仕事をする学校の教職員を創生するのだ。残り半年、さらにスピードを上げて新しいことに取り組んでいく。まず3学期は「定期考査期間最後の日に採点日」を取る実験をする。又学年別では高校3年教員グループには来年度以降は年間変形労働制の可能性を検討してみたい。



2021年11月13日土曜日

「これにて一件落着?」

  懸案だった高校2年生の修学旅行長崎方面班の「取り扱い」について私は今朝結論を出した。最終的に取りまとめた訳ではないが生徒のアンケートの中味も分かって来た。こういうのは早い方が良い。今日は土曜日、明日の休み前に生徒に学校法人と旅行エージェントのHISさんとの連名で保護者宛のお手紙を生徒に持ち帰らすのである。天気には勝てないと言っても生徒や保護者に犠牲を強いるだけでは浪速らしくない。学校の姿勢を明確に示す必要がある。「これにて一件落着」としたい。 

                   
                                                         軍艦島


生徒・保護者の皆様                

                         学校法人浪速学院

                         株式会社エイチ・アイ・エス


令和3年度修学旅行長崎コースについてのご報告 

紅葉の候、保護者の皆様におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は本校の教育活動に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。さて、この度の修学旅行において天候不良により行程を一部変更しなければならない事態が起こり、生徒の皆さんはもちろんのこと保護者の皆様にもご心配をお掛けすることとなり深くお詫び申し上げます。

今回実施いたしました修学旅行長崎コースの目的は「二つの世界遺産を巡る旅」と位置づけて、長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺跡、そして明治維新、日本の産業革命遺産巡りとして計画し実施いたしました。生徒たちは太宰府・平戸・五島列島では歴史に触れ、ハウステンボス・コンカナ王国などでは友人と同じ時に同じものを感じ語らうことで、学びと楽しみを両立した時間を過ごして頂きました。

また、行程に変更が生じたものの生徒の皆さんはお一人として不満を漏らすことなく毅然とした態度で冷静に対応して頂いたお陰で無事に行事を進めることが出来ました。改めて生徒の皆さんのご対応に感謝いたします。なお、天候不良により変更となった内容については、長崎港と福江港の往復が高速艇運休に伴いフェリーに変更したことと、高速艇からフェリーに変更したことにより時間ロスが発生し、大浦天主堂、グラバー邸等の見学時間を取ることが出来なかった点となります。

つきましては、上記の内容による移動手段変更に伴う費用差額分と時間ロスによる見学地の変更を鑑みて一律〇万円の返金をさせて頂くことといたしました。返金については授業料引き落としの口座に可及的速やかに返金させて頂きますのでご理解賜りますようよろしくお願いいたします。


 
今日は浪速中学校令和4年度入試の二回目のプレテストの日であった。昨年並みの受験者を得て中学校教員、入試広報部は張り切ってくれている。本校では10月16日の1回目と合わせてプレテスト、すなわち模擬試験的なものを設定し、合計2回の本番前の腕試しの機会を与えていることになる。どうしても浪速中学校に入学したいと考える生徒は2回とも受ける。その数は極めて大きく、学校にとってみれば2回とも受験する生徒は1月の本番試験の結果にも拠るが、入学試験の可能性が高いと言う風に思い込みやすく、このところ数は増えてきている。又今回の2回目で初めて受験する生徒も多く、これは1回目を他校で受けて2回目に本校を選択してくれている層であるが、浪速人気が徐々に膨れてきていることが分かる。浪速中学は浪速高校の付属中学ではなくて学校法人の設置した併設校と位置付けるのが正しい。浪速中学の関係者は大いなる誇りを持って欲しい。

2021年11月12日金曜日

修学旅行余波

 「余波」という言葉がある。意味は風がおさまった後も、なお立っている波の事であるが、転じてある事の影響が他に及んだ、そのなごりとかで使われる。本校では初めて国内修学旅行であり、それもコロナの影響で2年ぶりの決行であった。今日から学校は全学年が揃い、通常の授業となったが、修学旅行の余波はある。まず8時に各方面の団長さんが理事長室に入って「無事に連れ帰りました!」ことの正式な報告があった。これは本校の定例的スタイルで何事もこのような「区切り」の行事がある。重要なことである。何事も区切りがないような行事はダラダラして駄目だ。今日から高校2年生は勉学に集中して貰いたいし先生方にはそのように指導をお願いしたい。



私は各方面の団長から旅行中発生した特別な事項について報告を受ける。まだ生徒のアンケートなど得ていない段階ではあるが「団長の観察」を私は重要視している。それが無いような団長さんでは意味は無い。一つでも二つでも課題を来年の改良につなげる必要がある。一度決めたことを変えるには相当な勇気が要るが、基本的には総括の上で見直し、毎年毎年変えて行く努力が正しい姿である。去年と全く同じ修学旅行ではいけない。第一に生徒は全員が入れ替わり、時代が1年進んでいるのであるから。良いミーティングであった。 

その後一人一人の団長さんに私が五島列島から持ち帰った「芋焼酎 五島芋900㎖」をプレゼントし今年の修了の慰労とした。何時もやっている事だ。又修学旅行の付き添い「教員の手当て」であるが十分な手当てを支払っていると自負している。元来なら定刻以降は時間外労働であるから法的には割り増し時間外手当を支払うことになる。しかしこれだとベテランと若い教員間では大きな手当格差が生まれる。どちらかと言えば若い教員の方が走り回っている現状の中で手当てに不等な格差は良くない。修学旅行の付き添いは特別な作業であり、授業とは異なる。従って修学旅行の手当ては「特別業務手当」として付き添い教員一律に一日当たり幾らと付けている。この方が法人としては持ち出しであるが頑張ってくれた教員への感謝の気持ちである。12月給与には特別業務手当が入っているから喜んで貰えると思う。

 


13時30分には旅行エージェントのHISさんを呼んで「長崎グループ」の総括会議を持った。今回五島列島の往復には結局企画通りのスケジュールで進まなかったことへの総括である。全ては天候のせいであったが、天変地異には勝てないと総括するだけでは駄目である。問題は来年をどうするかであり、1年先の事であるが今から来年の担当者に知らしめておくことは重要で来年の学年主任もこの席に入って貰った。「離島に生徒を連れて行くリスク」をどう見るかであるが今日の段階では「リスクが大きく、変更するべき」との仮決定となった。生徒のアンケートをもって最終判断をしていく。五島列島を外せば新たな場所は何処かと言う問題になる。


2021年11月11日木曜日

太宰府天満宮からのライブ中継の評価は?

 やはり私にとって最も落ち着く場所は学校の執務室である。修学旅行から帰って来た高校2年生と付き添い教員は今日は振替休日で休みだが就業規則の制約を受けない私は通常通り出勤である。朝から常務理事や校長から出張中の様子について報告を受けた。全く何も起こらず平穏な校内であったという。これは重要な事で「トップが不在中」は何事も問題が起きないようにするのが留守部隊の役目である。次に入試広報部教頭と部長が留守中に行った浪速高校令和4年度入試の学校説明会の報告に部屋に入って来た。来なければ私が呼んだが云わずして来てくれた。テーマは太宰府天満宮からの「ライブ配信」の保護者アンケートの結果を聞くためである。トップが今学校に戻り何に関心があるかを想定して動くのも組織の管理者の重要な「センス」である。このセンスが無いような人間では限界がある。


 アンケートによればライブ配信の効果は想定以上のものだった。今回「長崎、北海道、沖縄」の3方面から「中継」を実施したが、本校のICT装備の完璧さ、生徒の楽しそうな様子が画面から伝わったこと、真面目に取り組む教員の素晴らしさ、言葉以上に映像から伝わるものが多いことが分かった。アンケートの言葉を借りると「修学旅行中の高校2年生との中継はすごいなと思いました。」「修学旅行ライブ映像は驚きました」「生徒ファーストの学校だと言う事が良く分かりました」「修学旅行の行先が多くあって自由に選択できるところが良かった」「ライブ中継は先生たちの人柄が良く伝わりました」等々評価のオンパレードで、今回の試みは大成功であったことが分かる。


 

次は11月27日(土)が個別相談会、12月4日(土)第3回説明会、12月11日(土)第4回説明会と続く。特に12月6日以降は24日のクリスマスイブまで平日にも個別相談会を入れており、とにかく「門戸を広げて」受験生を待っているのだ。特に今回の2回目の説明会は修学旅行で30人もの教員が不足していたが各持ち場持ち場の教員が頑張ってくれたとあった。又高校自治会や有志の生徒が補助員として応援してくれたことが受験生、保護者に在校生の雰囲気を伝えることになり高い評価をいただいている。本校生徒の品の良さや挨拶、礼節に感動したと書いておられる。広い会場より教室での個別ライブオンライン説明会が評価されているのは昨年からの事であるが、これが今後「ニューノーマル」となるのかも知れない。今回も高く評価して頂いている。「ICTの学校」として先駆的に取り組んできた成果を今私は実感している。