2025年6月28日土曜日

土曜日の使い方―Saturday Something Special (3S)の形

 西日本では昨日で梅雨が明けたという。雨の感覚がなかった短い梅雨だった。「三夏」と言う言葉がある、まだ爽やかな「初夏」、次に蒸し暑い梅雨時の「仲夏」が終わり、これからは炎暑の「晩夏」に移るのか。炎暑、猛暑、酷暑も困るなー。学校は来週から「期末試験」が始まるから校内には幾分「緊張感」を感じる。これで良い。学校にとって最も大切な行事は「定期考査」であり、学力の定着度を観て記録に残し進級や卒業の判定、大学進学にも繋がる極めて重要なものである。これらを受けて「土曜日の使い方―Saturday  Something  Special (3S)」が活況を帯びているのが嬉しい。私はこの状況に極めて満足している。昨年9月から始めて10カ月になるが「3Sの理想的な形」が見えてきた。 


担当しているD高校教頭と補佐のN教頭補佐の「知略」で中身が徐々に「味わい深い」ものになっている。勿論彼らと共に対応し、協力する教員や外部指導の塾や予備校の先生方のコンビネーションが良いからである。ここにも「アウトソーシング」がある。全て教員の手でやる必要はない。私はSOWN-Selectionと呼ばれる講座が午前の一コマ目で7口座が開かれているので参観して回った。期末試験対策講座 高1国語(Ⅱ類対象)現国"、期末試験対策講座 高2英語(類対象)英語"、期末試験対策講座 高2数学(SNR対象)数学Ⅱ"の3講座とも教壇の教諭は真剣なまなざしで、教室一杯の生徒は目を輝かせ、教室の中は「真剣ムード」満載であった。期末試験対策のネーミングも良いから、生徒も群がってくる感じだ。同じ講座が2限目にも開かれ、授業時間は90分で大学並である。 


同時並行で「2SSelf Studyと呼んでいる「自学自習スタイル」があり、生徒がそれぞれ課題を持ちながら教科書や副教材、タブレットと向き合っていた。一人一人異なる。特色は「質問室」を設けており、生徒は自学自習で行き詰まった時に外部の先生に駆け込む方式が定着しており、観察していてもその雰囲気が極めて良い。自分の選択で講座を選ぶか、自己の状況で自学自習を選ぶか、自由であり、又講座も90分が2コマ用意されているから行ったり来たりと自由度がある。とにかく1SOWN-Selection)、2SSelf Study)の制度設計が当たった感じで、本校で開発した新しい土曜日の使い方となっている。 


しかし3Sで喜んでいても、今朝の新聞記事にあった学校関係者にとって恥ずかしい事案が、私の気持ちを幾分暗くさせる。名古屋では小学校の教員10人が児童の盗撮で逮捕された。これにもSNSが絡んでいるという。大阪では八尾の府立高校の職員室で学年費など大量の現金が紛失し調査すると紛失事案は11件に上ると言う。又堺の小学校教諭が勤務時間中に校外の自分の車の中で喫煙を繰り返し、その時間が72時間でこの時間の給与の返納と戒告処分を受けたという。本校のごとく生徒の為に土曜日と言え、頑張ってくれている教員もいるが上記のようなあり得ない所業の教員も居るのが学校なのである。 

従って学校の管理者はこのような事案を「他山の石」として受け止め、自分の学校だけは間違いないと考えてはならないと私は自戒している。このような事案が出れば分掌長参加の校務運営会議や全教職員が参加する職員会議で「注意を喚起」し制度の見直しなどを図るように心がけている。背景は「ゆるみ」「緊張感の忘失」「無責任」「慢心」「自信過剰」等々「人間の弱み」から来るものである。教員は素晴らしい仕事もするが、時にこのような状況に自ら身を投げ入れるのも教員なのである。学校の管理者はこの点を抑えておかねばならない。   


                                                

2025年6月26日木曜日

7月5日に「令和7年度の夏季賞与・一時金」を支給

 今日は最近ではほぼ1カ月に一回の職員会議の日であったが、その前の時間帯に「専任教諭1年間研修結果の発表会」があった。今年はわずか一人だけの発表となった。偶々であり昨年などは9人と多かったのは専任の大量採用があったからだ。私の立場としてはもっと「専任比率」を上げたいから常勤講師の先生方には「本校の専任教員として生涯頑張りたい」との強い決意を持って努力して欲しいと思う。今日の発表者は国語の先生で「お人柄」は全く申し分なく影日向なく仕事をしてくれている。発表は今までのスタイルとは少し違い、「深層に迫る中身」で大変に良かったと思う。今日が終わりではなく今日から始まるとの決心で自信を持って明るく、軽快に動いて欲しいと思う。若さほど大きな武器は無いし、「生涯学習」が可能である。教員という仕事は本当に素晴らしいと思う。この先生、もっともっと磨かれていくだろう。 


その後職員会議に移り、冒頭私は7月5日に「令和7年度の夏季賞与・一時金」を支給する旨、今朝ほど職員代表のS先生にお伝えしたことを発表した。今次は4月入学者が想定以上に多かったこともあり、少しだけ比率を上げて「理事長特別加算」を行った旨も皆さんにオープンにした。理事役員や校長全員が納得するような対象者は決して多くない。同レベルの仕事と成果は人によってそれぞれ異なるが、テーマの難易度ではなく取り組む姿勢と目に見える結果を出した教職員を選び出し、その中に許された財源の投網を投げてかかった人に加算が付く仕組みである。半年ごとの成果であり、生憎今回は駄目でも12月を目指して頑張って欲しいと思う。 


今日の職会では今まで触れて来た近隣の焼き立てパンショップとの連携契約を先方と円満に協議し、契約の見直しに入っている旨教職員に伝達した。少し私が「前傾姿勢」になり過ぎて関係先にもご迷惑をかけた。暫くは自力の範囲内で中央館6階レストラン内の「ブルベーカリーショップ」の規模の拡大を少しだけ図り、不足する分は外部調達とすることにした。現在鋭意、詳細検討を進めているがパン事業は案外と難しい。最後は「パンの品質とそれにあたる人の経験と数」である。今後少子化の進展の中で本校は生き延びていく為に「多様な魅力ある品揃え」が必要だ。生徒保護者に美味しい焼き立てパンを供給できる学校は甚大とは言わないが、それなりの効果は期待できる。何とか8月末までに準備し9月の2学期からスタートし、「9月20日の浪速祭の日に大々的にグランドオープン」としたいが果たして上手く行くだろうか?



2025年6月25日水曜日

伊勢神宮崇敬会理事長が本校をご訪問

 今日は重要なお客様が学校に来て下さった。それも「新中学校棟校舎竣功のお祝い品」を持参するための訪問だから誠に恐縮の限りである。お客様は伊勢神宮崇敬会の亀田理事長と崇敬会事務局長の渡邊氏で氏は本校の理事をお勤め頂いている。亀田理事長とはもう長いお付き合いを頂いており神宮の少宮司の時代、その前の神宮司廰総務部長時代から通算すると15年以上になる計算だ。100周年記念式典以来の学校訪問であった。 



崇敬会は第59回神宮式年遷宮(昭和28年)の募財のために戦後設立された「伊勢神宮式年遷宮奉賛会」を母体として、昭和2812月、「財団法人伊勢神宮奉賛会」の名称で設立され今日に至る。平常時における神宮奉賛活動を行なうことを主眼とし、最初の総裁に神宮祭主の北白川房子様を戴き、会長には佐藤尚武氏を選んで、各都道府県に地方本部を置き、事務局は神宮崇敬者参宿所(現在の神宮会館)に置かれている。ちなみに北白川房子さまからは本校40周年時に「お歌」を色紙に書いて頂いており、中央館2階のギャラリーにそれを掲げている。この歌が今の「尚学の舞」の元歌である。 


崇敬会の歴代会長は佐藤尚武氏から、中野種一郎氏、松下幸之助氏、弘世現氏、細川護貞氏東園基文氏、豊田章一郎氏、松下正幸氏と錚々たるお方ばかりである。如何に崇敬会の存在の高さを示している。何とプレゼントの品物はあの有名な(社)新美術協会理事長である水谷桑丘(そうきゅう)先生の「屏風」である。先生は三重県桑名にお住まいで号もこの地名から来たものだと推察した。高さ180,横幅332の大作である。背景は外宮であり次回の式年遷宮を待つ「古殿地」が幻想的に描かれている。拝観していると心が落ち着き、得も言われぬ雰囲気が漂ってくる絵画である。このブルー、ライトグリーン、何とも言われる色彩は一体何色?と思った。 


校内をご案内し、中学校棟の2階職員室にて壁に掲げた、100年前の伊勢大廟と言われた時代の本校1回生のお伊勢参りの写真をじっくりと眺めておられた。スサノウの尊とヤマタノオロチ伝説の木彫刻にも驚かれたご様子であった。最後に天空レストランで軽いランチをご用意し、とにかく今日は崇敬会のトップお二方と益々の懇談を深めることが出来た。7月の末には「伊勢修養学舎」で高校1年生が5班に分かれて述べ11日間、伊勢の地、神宮会館に滞在して「心の修養」を積むことになる。この学舎で高1年生たちは「浪高生」に変貌する。宜しくお願いしますと私はお願いした。



2025年6月23日月曜日

東京湯島天満宮、押見名誉宮司様(最後の同窓会長)が逝かれた!

 今朝9時過ぎに私は「祖霊殿」に参拝した。丁度雨が大降りで音を立てて拝殿前の石畳を打ち付けていた。「雨中の参拝」であったが私はどうしても学院神社と祖霊殿にお詣りしたくなった。「最後の同窓会長であられた東京の湯島天満宮の押見名誉宮司様」が昨日の午後3時にご逝去された。今月の4日に私は東京の文京区にある順天堂大学病院に入院加療中の宮司様をお見舞いに訪れ、親しく歓談して以来、2週間と4日で旅立たれた。悲しくて残念でならない。今朝の雨は母校をこよなく愛された故人の涙だと感じた。100周年記念の祝賀会では最後の纏めのご挨拶の時に「感極まって」言葉に詰まられた記憶がまだ新しい。 


様変わりした学校の現状を大変喜ばれ、普通はあり得ない「個人で1000万円のご寄付」をしてくださった。「学校の為に使って欲しい」のお言葉が「ご遺言」であったような気がしてならない。とにかく可愛いがられた私には「偶には神戸牛よりも飛騨牛だ」とか長崎の「ラグビー西瓜」とかを時に贈って頂いた。東京に来るときは新幹線のチケットを送るとまで言われた。それほど学校改革による変貌が嬉しかったのである。過日の病気お見舞い時には奥様からも何時も母校自慢で担当のドクターや看護師さんにも自慢をされておられたと言う。湯島天神さんも本殿はじめ、多くの建物や神社の周辺環境が宮司様の手で完全に生まれ変わっている。「故押見名誉宮司は改革者」であったからこそ、私みたいな者へのシンパシーを持って頂いたのだと思う。有難い限りである。 

斯界では大変著名な神道人であり、今後「葬祭」の予定が決まって行くと思うが、私は是非ご参列させて頂き最後のお別れを言いたいと思う。まさに私にとって「巨星おつ」と言う感じで生前のお姿を思い出すと目頭が熱くなる。是非学校の祖霊殿にお祭りし後輩たちを見守って欲しいとご遺族にお願いする積りである。今朝私は奥様とご子息の宮司様にお電話しお悔やみを述べた。長い、長い電話になった。宮司様は神様になられる。霊璽簿にお名前を私の手で記し、未来永劫お祭りすることを決意した。




2025年6月21日土曜日

「スクールガイド」が出来上がってきた!

 今日は「第1回高校クラブ体験会」の日であった。申込者数は何と昨年対比で+55人となった。来年度も引き続いて高校人気がすこぶる高い。この6月14日には中学の第1回入試説明会があり、これで中高の来年度に向けての入試広報活動が本格化したことになる。わずか4,5月の2カ月の「静かな時は終わりを告げ」、来年3月末まで令和8年度(2026)入学生を確保すべく入試広報部の面々は額に汗して塾を回り、合同説明会や公立中学に対して広報活動をしていくことになる。山が動き出した。私はソフトテニス部と吹奏楽部のかかりの状況を観に回った。極めて良い雰囲気で体験会が始まっていた。 




暑い中、ご苦労様だが頑張って欲しいと思う。貴方方は本校の生徒募集の最前線で頑張ってくれており、本校の生死がかかっていると言っても過言ではない。学校は全面的に貴方方の後ろに控え、バックアップして参る。全教職員が一致協力して「グッド・スクール」のレベルを高める努力である。今学校で学んでいる本校生徒の存在そのもの、「彼ら彼女たちの在り様」が間違いなく「歩く広告塔」であり、本校を選択して貰うに魔法の杖や打ち出の小槌などはない。全教職員が、目の前の生徒に寄り添って地道に教育と言う営為を通じ、人間形成の為に本校の培った栄養素を存分に振りかけることで学校の人気は高まる筈だ。それが信頼ある人気校と言える。早朝、高3生82名が受験対策で多聞尚学館の受験対策合宿に出発して行った。本校では私や校長他多くの先生方が見送って「奮闘の発破」をかける。これも生徒と管理職や教員との距離が縮まっている浪速人気の一つの要因かも知れない。

丁度、昨日の時点で本年度のスクールガイド(学校案内)が完成した。中学はゴールド(金色)を基調とした「浪速レッド」、高校はシルバー(銀色)を基調とした「浪速ブルー」の表紙の色を選択している。目を曳くデザインとカラーだ。素敵だと思う。部数は中学が8500部、高校は33000部、冒頭の見開きには私の簡単なメッセージが入っており、まず「学校設置者」として本学院の教育基本方針を述べている。「基本ポリシー」「基本哲学」とも言うべき何を目的としてこの学校を設置しているかを受験生や保護者のお心にお伝えする責任が理事長・学院長にはあるからだ。 

              

しなやかに、たくましく。

「今を生きる力」を

育む学校改革 

浄(浄らかの心で)明(明るい心で)正(正直な心で)直(素直な心で)

今私たちは、新しいものや価値観が次々に生まれ、数年前の常識が非常識に、非常識が常識になるような変化の激しい時代を生きています。この予測不能な時代に求められるのは他を受け入れて自分らしさを形成するしなやかさと、そのしなやかさを活かして新しい事を柔軟に取り入れながら今を生きるたくましさ。

本校では「神社神道」を建学の精神に掲げ、「浄明正直」を校訓とし、教員が生徒一人ひとりに寄り添いながら豊かな心の在り方を育む教育を実践してきました。

このことは今までも、そしてこれからも変わることはありません。次の100年も変えてはならないものと変えていかねばならないものとを明確に持ちながら、一歩一歩着実に歩みを進めていきたいと考えています。

2025年6月18日水曜日

浪中生、大阪・関西万博を楽しむ!

 浪中の全学年、総勢420人余りが大阪・関西万博の見学に出かけた。17日、昨日の蒸し暑い日で朝、8:30に学校を出発し、16:40には無事に学校に帰着した。引率教員は30名だから先生一人当たりの見守り生徒は14人になる。高校の海外修学旅行の数に匹敵する数値だ。中一からの出発だったから私は中学校等の前の点呼の様子を見て「グータッチ」で生徒を見送った。中学生は元気だ。それに「けれんみ」がないから可愛くて仕方がない。今朝ほど校長、教頭から詳細な実施完了報告を受けたが、会場は人人で一杯だったという。他府県を含めて他校の小中や高校生も多く見かけ、高校生は入場後は自由行動にさせていた言う。 


移動が大変だったとある。大阪メトロあびこ駅から本町乗換で夢洲駅まで一本、全て協会からの指定である。報告書には多数の生徒を地下鉄で引率するのは、生徒の安全確保や他の乗客への配慮等、様々な点で注意が必要であり、「バスでの移動」が可能であればより簡易であったとある。「臨時便」の指定された「優先列車」であったが、複数の学校が乗り合わせている上に、一般の乗客も「強引に乗り込んで来たらしい。」中央線の毎駅ごと、一般客は降りるようにアナウンスが入るが降りる人は殆ど居なく車内は身動き出来なくらいの混雑だったとあった。 



万博会場のパビリオン見学は指定のガンダムパビリオン(GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION)だけであったが、入場はスムースに進んだが、ゲート入場から30分~45分程度しかなく、学年で諸注意の後は東ゲートからパビリオンまでの移動に約30分使うと、実質的に食事時間を含め、ガンダム見学を終えた後の2時間半程度が生徒の自由時間となった。多いところでガンダムパビリオンを含め4つ程のパビリオンを見学したグループもあったらしいが、大抵はガンダムパビリオンのみ、または追加で1つであったと言う。まあ、私の考えは「万博に行ったよ!」という記憶が後世、あれば良いのではないかとも思う。万博は見るところではなく、とにかく一回は行くところかも知れない。今の小中高世代が30、40年後、人との話で行っていないと少々辛いかも知れないから行くと言う理由で良いではないか。( 我々の世代にはもう関係ない話だが。)

管理職の万博見学の印象は次のような総括だった。これが私には大切な情報である。生徒は思い思いの方法で万博を楽しんでいた。グループ単位であちらこちらの散策を行っている光景は良かった。又小さなカップのアイスコーヒーが1450円、小さなカップのアイスが700円、小さなキーホルダーが11500円程といった「万博価格」で、基準3000円のお小遣いでは、生徒によっては容易に買い食いやお土産購入等が出来なかったが、全体を通じて「生徒の喜びが伝わってきた」ため、準備に手間はかかったが実施して良かったと感じているとあった。本当にY教頭先生は準備に消耗するくらい大変だったがこのようなレポートは嬉しい。先生、ご苦労様でした。付き添いの先生方、お疲れ様でした。 

その他「熱中症対策」を徹底したから体調不良の生徒も出ず、興味あるコメントは会場が円形の「大屋根リング」内の為、時間を掛ければ迷うことなく出発点に戻ることが可能なので、迷子になる生徒も出ず、学校が用意したレンタル電話に相談を掛けてくる生徒は少なかった。教員間のやり取りは日常的に学校で使用している「中学職員室」のチャットを有効活用し情報の共有を行った。先生方のレスポンスも非常によくトラブルが拡大する前に終息することが出来たとあった。文字情報がのこるので後からでも確認し、音声電話に比べ情報の共有が容易いとレポートにあった。さすがITに強い教頭であり、デジタル万博見学にはやはりICTが物を言った。このようなスマートな見学をする学校も多くは無いだろう。

2025年6月16日月曜日

外部との連携、外注拡大へ!

 朝一番に入試広報担当教頭と入試広報部長が先週土曜日の14日に行われた第1回中学入試説明会とオープンスクールの詳細な結果報告に来てくれた。二人とも優秀であり、報告を聞きながら、このような人材ばかりだったら「トップは楽で、幸せだなー」と思ったりした。分析と今後の方針が明確に示されており、聞く側に何ら不安はなかった。来年度の中学入試も今年並みの出来上がりが期待できそうである。このように教職員への期待感があるのとないのとでは大きな違いである。PDCAのサイクルが回っているから安心できる。出来る教職員はこのサイクルが身についている。 計画し、実行し、分析し、次へのアクションのサイクルだ。

少し前の6月12日の日経の記事に「学校業務外注拡大へ」との見出しの記事があった。要は良い教員を採用せんが為の苦肉の策で約50年ぶりに公立学校の「教職員給与特別措置法(給特法)」が改正された。当時の田中角栄総理が通称「人材確保法」と言われるように教員の給与は一般の行政職よりも4%高くすべきとした措置法である。この法令化以降、初めて改正されることになった。推進派の文部科学省と財政規律派の財務省が「すったもんだ」の挙句、「教員の残業代を2.5倍」にするという。今残業代の代わりに支給している「教職調整額の4%」を6年かけて毎年1%ずつ上げて最終的に10%にするから2.5倍である。

注目すべきは今後教職員の時間外労働の削減目標を月間30時間を上限にするために「保護者対応などを民間に任せる」との踏み込んだ内容である。教職員業務の外注を促進すべきとあった。色々な議論はあろうが今の処遇では良い人材の確保に不安が残ることは間違いない。優秀な人材は民間会社に就職してしまう。3K,4Kなどと揶揄されている学校の教員の負担軽減のためにはぼつぼつこの辺で具体的行動をとらないと頑張ってくれている教職員に申し訳が立たないというのが私の軸足の基本スタンスだ。その為に学校週休5日制(教職員変則週休2日制)を昨年導入したり、年間ボーナスを4カ月から5カ月に上げたり処遇を改善している。

 千早赤阪村の多聞いちご園のイチゴ、果樹園・農園での収穫物のじゃがいも、にんにく、エンドウ豆などを一部の教職員に順番に配っているが、これらは給料の代わりの「現物支給」でない。今朝も「ビワ」を配った。しかしこれらは従業員たる教職員への「福利厚生みたいな」なものであり、やはり「金銭的年収にて報いるのが鉄則」である。本校は私立学校につき公立の同じく教職調整などの名目ではなくて民間会社として「そのものずばり、残業代を支給している」が今後の基本的な考えは残業代の管理を厳しくするより、半期ごとの賞与・一時金に反映する方がコンプライアンスの意味からも良いと考えている。勿論能力を高めて仕事の処理スピードを上げて早く自宅に帰って欲しいが「困っている生徒と我が子、可愛さの保護者対応」に手を抜く訳には行かないのが私立高校・中学の宿命である。 

今までもそうだったが今後も外注を意識して対応して参る。「餅屋は餅屋」でありその道のプロにクラブ活動の指導をゆだねるのは間違った方法ではない。本校は府内でも最もクラブの数が多い学校であるから必然的に外部指導者の数は多い。「この先の形」は体操クラブで実践しているように民間経営の体操教室と学校との連携方式だと想定して進めているところだ。

2025年6月14日土曜日

中学オープンスクールとPTA全体会議

 遂に来年度入試(令和8年度入試)に向けての学校説明会が始まった。これからが極めて大切な受験生への情報提供の場となる。毎年毎年その年の結果分析をしながら少しずつ変えて計画を練っている。昨年は土曜日が中学校のオープンスクール(第1回入試説明会)で翌、日曜日に高校のクラブ体験を持ってきたが今年はまず中学のオープンスクールを2回に分けて次回は7月5日(土)とした。高校のクラブ体験の1回目は6月21日にセットし次は8月である。 

このように日曜日を避け、極力土曜日の午前中に入れ込めることが出来るのも「学校週5日制」のお蔭である。この間生徒は「Saturday  Something  Special (S)」で自主的な学習をしている。このような光景を見るのは心豊かになります。多様性に富み、皆が頑張っている姿が最も美しいと思う。第一回目となる中学のオープンスクールの参加者の数は2回分の合計数値で昨年を超えており、まずまずの順調な滑り出しと言える。 

私は説明会の様子を伺いに会場にて校長や入試広報部のプレゼンテーションを聴いたが、昨年よりも出来が良かったと思う。中でも生徒のプレゼンが光っていた。後で私は3人を呼んで拍手で賞賛した。素直に、誠実に謙虚に保護者に物言いが伝わってくる。要は一生懸命なのである。管理職の説明も良かったと思う。資料が良く出来ていた。プレゼンには自信も必要だし、大きな責任を感じさせるような発表でなければならないし同時に謙虚さも必要だ。昨年は史上初めて168人、5クラスの入学者を得たが今年も同程度で良い。数を競うのではなくて5クラスで良い。中学はまさに「子飼いの生徒」であり、6年間お預かりするのだから「手塩にかけて」親身になって受け入れることが必要である。その気持ちを保護者にお話しするのが中学説明会の要諦である。 

プレゼンの後は授業体験であるが、同時進行で他の会場を使って「令和7年度第1回PTA全体会議」があり、そこに足を運んだ。ここでは中学、高校のPTA新役員が総出で来られているから学院長の立場で私が種々お話するのであった。中学は校長先生以下体験授業の方に回っていたから管理職は高校のみで対応した。私は話を広く展開して学校の現状と今後の方針を述べる。早め早めにニュースを出すのが良い。折角雨の中をお足をお運びくださったのだから「来て良かった」と思ってもらえるような中身が良い。今日も私は種々お話した。PTA内部では後半はPTAだけで「9月の浪速祭」の中身と体制について話されたみたいだ。本校のPTAは本当に有難く、今の学校があるのも全面的なPTAの協力があったからであり、我々は本当に感謝している。本校にはモンスターは居ない。


2025年6月13日金曜日

吹奏楽部への楽器授与式

 3月27日の吹奏楽部の第16回定期演奏会を今でも思い出すが何か「一皮剝けた感じ」を強く持った。一皮剥けるとはご承知のように試練や困難を乗り越えて、より洗練された様子、あるいはより逞しくなった様子、成長した様子などを指す言葉で良く使われる。それくらい素人の私でも感動を有した演奏会であった。歴代の顧問や外部指導者のお蔭であり、昨日のアラウンドで触れたように音楽監督の万波先生と山城先生に金一封をお渡しして感謝の気持ちを伝えた。 


数年前からこの定期演奏会は「入場料」を頂くようになったが、この演奏会から私の所感は「有料の価値がある」と認めるに至った。16回目の定期演奏会、私が着任して19年目だから直ぐに吹奏楽部を新生させ今日に至っている。私は「立派なクラブになったなー」と感慨深い。吹奏楽部の活動範囲も広がって来ており、「部員の数も何と驚くなかれ、128人」となった。今や堂々たる吹奏楽部である。昨年度はコンクールにおいて大阪府の代表として「関西大会に出場」し念願の全国大会にまで後1歩まで来たと自負している。しかしこれからが苦難の道でありハードルは高い。全員が必ず「全国大会へ」を合言葉に、強い意志と練習に励み、豊かな青春時代を吹奏楽という活動を通して自己実現して欲しいと思う。 

本日はそのような私の思いから今年の楽器授与は金額を一段と上げた。チューバ1台、ピッコロトランペット1台、ファゴット1台の計3台をプレゼントした。更に製作に時間がかかるが別発注でフランスセルマー社にコントラバスクラリネットを現在発注している。何と合計金額は1000万円になるだろう。でも私は神社神道の学校として「海道東征」を重要な学校行事において演奏してくれる吹奏楽部は雅楽部、神楽部と共に「特別支援クラブ」として単に学校のクラブ活動を超えた扱いで今後とも支援していく所存だ。学校法人が出来ることは支援を惜しまず、楽器や装束を揃え、斯界の第一人者であるお人柄の良い外部指導者を招聘することで部員は学校と吹奏楽部に誇りを持ち、頑張ってくれる。