2020年7月31日金曜日

教科長への後押し


7月も今日で終わり。本当にこの1学期は「コロナで始まりコロナで終わった」感じだが、このコロナ、まだまだ終息どころか、感染真っ盛りである。幸い、本校の関係者には感染者は出ていないが、「一寸先は闇」だから安心安堵などしている余裕はない。8月5日が終業式だから「早く来い、来い、終業式!」とついつい思ってしまう。一人の生徒、一人の教員の感染が出てしまうと濃厚接触者の追跡、教室や学校全体の消毒、臨時休校等々大変な事になるから、それが大変である。しかし終業式を前に嬉しいこともあった。「グーグル認定教育者レベル1」の合格者がほぼほぼ専任教諭、常勤講師の先生全てが取得してくれた。このような学校は日本広しと言えども本校だけではないか。誇りにしてよい。私は定めた時期は遅れたが、頑張った専任に元々出さないと決めていた顕彰金を8月払いの給与に減額して5000円を合算して出すように事務長に指示をした。優しい理事長である。期限通りが20000円、1か月遅れが10000円、2か月遅れが5000円である。



もう一つ嬉しいことは来年度の教科書選定で中学校は英語の教科書を従来の三省堂から東京書籍に全面的に変えたことだ。これは私が指示したことではなくて中学校の英語科の教員が議論して決めたことであった。この点が素晴らしい。先生方は総合的に検討し、ICTに力点を置き、教科書の至る所に「QRコード」が散りばめられており、自宅で携帯電話を通して音声などを確認できたり、各ページがビジュアル化され、イラストや写真が多い。又小中の連携がなされ小学校で習った英語も復習できるなど「優れもの」である。私は高校校長同席で英・国・数・社・理の基本5科目の教科長を集めてこの英語科の教師としての卓越した動きを紹介し他教科も頑張って欲しいと激励した。

 

学年主任はやるべきことが「必修みたいに」待ち構えているし華々しいから「花の学年主任」と言われることがあるが教科長は「地味」な点がある。しかし校内の定期考査の問題制作や入試問題等大きな担当グループの枠組みの中での「とりまとめ役程度」だから従来教科長の存在感は確かに今一つであった。しかし学校とは元来教科を教えるところであり、私の「がみがみの指導」もあって存在感も徐々に強くはなってきているが、ICT時代にはますます教科長の力が必要であり、私は「今後とも教科長を後押し」していきたいと思う。そう言う訳で数の多い5科目と保健体育の教科長には8月給与から「教科長手当」を50%もアップして支払うことにした。正直に書こう。今までは月額10000円だったが15000円とした。年額で6万円の給与アップだ。理事長の思いを受け止めて各教科長は頑張ってくれるだろう。他の教科についてはもう少し様子を見たいと思う。

 


グーグルで頑張った教員、ICT教育の推進エンジンとなる教科長には頑張って欲しいという激励の意味で手当てをアップするように、「私は出すものは出す」。学校が金を貯めても意味はない。コロナで営業自粛をお願いするなら保証とセットであるべきだと思うが学校の教員には営業自粛して貰っては困るから、「教員としての営業、すなわち生徒への良い教育」を展開して呉れる教員にはセットで「論功行賞」を明確にするのが木村流である。良い仕事をして上げる人は上がるが何もしない教員がそのままという訳にはいかない。当然給与ダウンである。社会ではごくごく当たり前の事だ。


2020年7月29日水曜日

乾坤一擲ドリームフィールド(Kフィールド)クラブハウス上棟式












今日は待ちに待った高天原スポーツキャンパスのクラブハウスの上棟式がありました。時節柄、現地関係者のみの簡素化された形で行われました。学校からは祭主の理事長・学院長先生をはじめ、管理職が揃って参列されました。理事長・学院長先生が用意された直会の品物は、浪速武道館以来、本校の建物の中の棟上げの際に献上された「鮭」が用意され、現場の方々は大変喜んでおられました。また、棟木は理事長・学院長先生がこの日のために一生懸命に書かれたものです。この後、芝生敷きつめの工事が始まり、12月末には「乾坤一擲ドリームフィールド(略称Kフィールド)」が竣功の予定です。(K

2020年7月28日火曜日

今日は7月28日、浪速(728)の日!

今日は7月28日、「浪速(728)の日」である。私はこの浪速という大阪を現す古語が好きで私個人が使う専用車の番号も「なにわ 728」だし、契約している送迎用のタクシー会社の専用車の番号も「なにわ 728」である。だからこの日を狙ってタクシー会社の国際興業の幹部が夏季のご挨拶に来られるのも恒例となった。だから「浪速(728)への拘り様」は分かって頂けると思う。そういう訳で今日は何か良いことがありそうだと思っていたら、さっそく某女性専任事務職員から高価な「エルメスのネクタイ」のプレゼントを受けた。「先生には採用、そして勤め始めた時以来、大変よくして頂いて・・・」と。思ってもいなかったし、このような事は初めての経験だったから恐縮してドギマギしてしまった。部下からこのような高価なものを戴くのは好ましくないが今回は特別なものとして受領した。


 

実はこの女性、今日が最終日で本校を「寿」で退社?退校される。勤続7年と少し、期間は短かったが、「サーフィン大好き」な、極めて有能な事務職員だった。父君が本校の卒業生であり、当初は非常勤からスタートし、常勤、そして専任職員と歩んでこられた。主として給与関係の仕事で今までミスはなく見事に責任を果たされた。「寿退社」と書いたがお相手は本校の英語科の専任教諭で、まさに「美男美女のナイスカップル」と言える。本校では今まで数は少なかったが、「職場内結婚」は当然あった。若い独身者が多い職場だけに私も「ご縁」を喜んでいたが、結婚後は大体女性の方が辞めていかれた。今回も男性は本校で定年まで頑張ると言ってくれ、教師夫人となるこの女性もご家庭に入ると二人で決められたのである。私は二人で飲んで欲しいと名産の焼酎2本と辞令の交付の時に少ないけれども「慰労金」として金一封を差し上げ別れを惜しんだ。

 

事務統括の理事と事務長は「後任となる女性事務職員」を一生懸命探しているらしいがまだ適任者はいないと聞いている。そう簡単には人材は見つからないのが普通だ。学校法人の理事長としたら、何とか勤務継続をと思っているが実際はそう簡単な話ではないみたいである。それは女性には「出産という大事とタイミング」があるからだろうと思う。生む、生まないは当事者のみの結論であり、他人が口を出すことではないが、女性の職業人が職場で勤務を継続しながら出産するとなるとご本人自覚と覚悟、周辺の人間の理解と協力が徹底して必要である。特に私の責任は極めて大きくなってくる。本校には女性の教職員の数が相対的に少ない。特に女性教員の数が少なく修学旅行などの付き添いで支障をきたし始めている。折角慣れて素晴らしい授業をするようになっても「結婚します」で退職される時は「顔で笑って心で泣いて」の場面である。
 

2020年7月27日月曜日

「便座きれいくん」

今日は旧知の元大阪府議の吉田先生の訪問があった。今は府会議員を引退されて「関西広域連合議会初代議長」の要職にあられ、拉致被害者救済運動の大阪のトップに立たれている。訪問の目的は様々な国家・社会の議論であった。特に「大阪都」と「拉致被害者救済運動」に関して時間が割かれた。特に拉致問題の先生のご指摘は若者のこの問題に対する関心が薄れていることへの危機感であった。確かに先に拉致被害者家族のシンボルともいえる横田滋さんがお亡くなりになるなど被害者家族は高齢化されており、一向に解決の兆しさせない現状に私も憂いを募らせているのだが、一人の国民としてこの問題解決には力などは全くない。そうかといって本校の生徒に拉致解決を直接訴えたりする状況ではないし、今はその気もない。コロナ対策で「3密」は避けなければならないし、やらねばならぬ事は他に幾らでもある。しかし先生は相変わらずお付き合いの幅が広く、同年代であるが若々しくてお元気である。






ひたひたと「コロナウイルス」が迫っている感じだ。「日本、世界で猛威」をふるっている。学校という狭い社会に閉じこもっているとついつい世間の事は忘れがちになるが「身近に何かが起きて初めて分かる」。硬式野球部大阪大会では遠山監督の初勝利で31日の第二戦目の必勝を期していたが、何と、何と、相手校が「コロナ感染の疑い」で出場辞退となり2戦目は不戦勝となった。この報告を聞いた私は「エーッ、身近に迫っている!」という感じで受け止めた。遠山監督、2勝目となったが何とも複雑で小躍りして喜ぶ感じではない。大阪では公立高校では既に多くの高校の感染が表面化し、私立でもこれで4校となったみたいである。幸い本校ではまだその報告はないが「明日は我が身」と思ってとにかく「やるだけのことはやる!」しか方法はない。



私は従来の教室消毒、エレベーターやドアノブなどのアルコール消毒に加え、前から気になっていた「トイレの便座」について感染リスク低減のために市販の「便座きれいくん」を設置することを決めた。99.99%のウイルス除去のうたい文句であり、今や「衛生的トイレ」が今まで以上に求められる時代となった。便座のふた、レバー、トイレットペーパーふた等々あそこは考えてみれば怖い場所である。ディスペンサーと液剤のセットで本校はトイレの数が145室もあるから大きな投資になるが「生徒と教職員を守る為」に必要な物は買う。本日はまず来客用のトイレから設置を始めた。付ける場所は良く検討が必要だ。












26日アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の発表では世界の感染が1600万人を超え、死者は64万人を超えているという。アメリカでは感染者が400万人を超え、死者も14万人と群を抜いてダントツのトップだという。トランプ大統領の再選も危ないのではないか?次いでブラジルの240万人、インドの140万人というから我が国の現状は素晴らしいと言えるが、だからと言って「胸を張れる」ような話ではない。私は自分自身の感染を含めて正直、毎日々をびくびくして過ごしているが、まだ「コロナ鬱」ではない。粛々とやれることをやるだけだが、このような毎日はこれから、多くの受験生や保護者に学校に来て貰う入試説明会を考えると気が重たい。しかし私が下を向いたらそれで終わりなので一歩一歩「全軍を注意深く、前に進める」しかないのだ。

2020年7月25日土曜日

真夏に”遠山桜”咲く!遠山監督初陣勝利

世の中は4連休だが本校は連休3日目、今日は授業がある。コロナの為の補充授業などではなくて通常通りの登校日である。土曜日なので半ドンだが今日は14時から「高校のクラブ体験会」があった。明日と二日連続であるが本日は硬式テニス、女子バスケ、男子バレー、ボクシング、剣道部などである。変わったところでは雅楽部の希望者もいた。テニス以外はインドアなので雨の心配はない。明日の方が圧倒的に多く、サッカー、ラグビー、男子バスケ、弓道、ソフトテニス、卓球などは多く人を集めている。両日で昨年対比大幅に増えているから私の機嫌はすこぶる良い。コロナの影響は今のところ無い。次回は「8月30日(日)に硬式野球部」が計画されており続けて9月5日(土)が4回目となって今年の体験会は終了する。「文武両立の学校」としてこのクラブ体験会は極めて重要である。

この硬式野球部であるが「遠山監督の初陣勝利」を受けて今朝、監督とT部長が部屋に来て正式報告にきてくれた。遠山さん、「23日はさすがに疲れたみたいで良く寝ました」とお顔をほころばせながら言っていたが、実に良いお顔をされていた。それにしても試合前と試合後の取材陣の多さには驚いた。それだけに私は初戦に勝つと負けるでは大きな違い、勝って良かったー!」と今でも安堵し、喜んでいるのだ。私は一般紙すべてと教頭が用意してくれたスポーツ紙をなめるように読んでいったがどの新聞も好意的にかなり詳しく記事にしてくれていた。



遠山監督が来てくれて私はスポーツ紙にも目を通すようになったが実にこれが面白い。一般紙はさすがに規則みたいなものがあるかも知れないが、表現が真正面で事実を淡々と伝える一見硬い感じだ。例えば読売新聞は「浪速コールド勝ち」「元阪神・遠山監督が公式戦初采配」の見出しであるが、これがデイリースポーツになると「夏に“遠山桜”満開!浪速大勝発信」「元虎戦士遠山監督コールドで初星」だ。遠山金四郎、通称“桜吹雪の金さん”にかけているのである。スポーツ紙の写真も動画的で面白い。しかしすべての新聞に記事が出ているから遠山監督の人気は高いのが実に嬉しい。これで私もようやく今まで自粛していた「テレビ取材」も、高野連と相談しながら、考えても良いかなと思うようになった。

公式戦初戦を飾り、遂に本校硬式野球部は新時代に入っていったと思う。「遠山時代の到来」だ。入試広報部参与として重要な学校職務の一角を担いながらやはり何と言っても高校スポーツの花形である硬式野球部の監督として「スポーツの指導者、教育者」として頑張って頂きたいと念願している。学校というのは学校としての雰囲気や無言のやり方などがあってまだ慣れるのは時間がかかろうが、私がいる限りは全面的なバックアップを惜しまない。私は部員に対して激励し、遠山監督を挟んで飯田高校校長と並び記念写真を撮ったが遠山監督にとっても記念の一枚になったのではないかと思う。2戦目は31日16時から舞洲球場で、対戦相手は阪南大付属校だからこれまた私立の有力校である。果たしてどのような試合になるのか、次戦も応援に行くぞ!







2020年7月22日水曜日

明日は遠山監督の初陣

遂に明日は遠山監督の初陣の日だ。対戦相手は生徒募集でもライバル校である桃山学院さん。余談だが大阪には「私学御三家」と言う言葉がある。英国の宣教師が英語学校として創立されたキリスト教系の桃山さん、京都知恩院の大阪分所であった仏教系上宮さん、それに神道系の浪速と、この3校はいずれも「大正年代に創立された旧制中学を創基とする伝統校」である。戦後学制改革で多くの専門学校は衣替えして新制高等学校となったが本校は旧制中学からの伝統を引き継いだいわばナンバースクールとしての矜持が我々にはある。明日の試合はその一角、桃山さんだから相手にとって不足はない。是非とも良い試合を望みたいと思う。

それにしても遠山監督はマスコミ人気が高い。取材申し込みが極めて多い。本校には多くのクラブがありそれぞれの顧問は有名で実績もあるのだが、やはり違う。確かに元ドラフト1位で阪神に入団、大活躍し、あの故野村監督をして平成時代の最も優れた中継ぎピッチャーと言われた実績は申し分ないが、これだけでは彼の人気の説明がつかない。「人間が出来ている、お人柄の良さ」から多くのメディアや記者から追いかけ回されるのだろう。私は素晴らしい人材を得た幸せを感じている。しかし今は微妙な試合前で監督にとっては初陣であり、そこはやはり「雑音」をはねのけてあげるのが私の仕事と思って取材を取捨選択しているのが実情だ。高野連の目も厳しいから注意しないと「タレント監督」に扱われては監督も招聘した私も本意ではない。


明日は11時30分から花園球場でプレーボールとなるが当然私も同じ帽子を被って応援に出掛ける。抜きんでた選手はいないが、遠山監督のお陰でチームは見違えるように明るくなったと聞く。コロナの影響で厳しい入場制限があり、朝の体温測定やマスク着用、大声での声援自粛等制約があるが「遠山監督の公式戦1勝目」を学院神社に祈願して応援に参りたいと思う。遠山さんのお陰で本校の硬式野球部は徐々に技量や機運が盛り上がってきているが、やはりスポーツ競技故に勝たねば意味はない。チームが強くなり、遠山監督の指導を受けたいと「野球少年」が本校を目指してくれれば有難い限りである。何と昨日、元PTA役員を介して「兵庫県の独立チーム」の監督さんがどうしても私に会いたいという事で29日にアポが入った。当然お目当ては私ではなくて遠山監督だから監督にも会って貰うように手筈を整えたところである。

2020年7月21日火曜日

「今年の夏休みはどうなるの?」

臨時休校により当然ながら天空レストランの焼き立てパン「ブル」の売り上げはゼロであった。しかし6月15日から学校が再開されると現金なもので「売り上げはウナギ登り」となった。今日は「土曜の丑の日」でウナギの日だ。担当からサンドイッチ用の冷蔵ショーケースが欲しいと言うので承知した。それが本日設置されたというので久し振りに6Rのパンコーナーに赴いた。確かにサンドイッチにはこの冷蔵庫が必需品だと感じた。これで更に売り上げが伸びるだろう。


  
このコロナの影響で令和2年度の「夏休みはどうなるの?」が生徒・保護者・教職員、一般の世の中の人々の最大の関心事だと思う。しかし公立においてはそうかも知れないが、私立学校においては「さほど重要な関心事ではない」事をまず言っておこう。それは、元々夏休みは短いからである。夏休みが公立の如く例年平均32日間も設定している私立学校は無いからである。それを大阪府で言えば「夏休みは10日間に短縮!」とマスコミは騒がしく報道しているが、私にすれば少し笑ってしまう。大切な事は夏休み期間よりも年間の授業日数であるが、この点はマスコミは何も書かない。

例えば令和元年度の実績で言えば府立の平均年間授業日数は188日から199日であり本校の高校2年生の実績239日からの差は実に40日も差がある。私どもは年間40日も多く授業をしている。土曜日もゆっくり休んでさらに加えて夏休みも1か月間と言うのは私立学校の文化にはない。今年の4月、5月は授業は「ゼロ」だったが、我々は既に手を打って年間を通して行事等を見直しこのゼロを回復している。加えて4月、5月は「オンライン授業」を20日間実施したらから一般授業に換算しても十分な授業をしたことになる。余ってお釣りが来ているのである。ここが「私立学校の私立学校たる所以」である。オンライン授業も「クロムブックを使って完璧な形」で実施できた。ICT先進校を本校は見せつけたことになる。

結論的に言えば1学期の終業式を8月5日まで伸ばし、ここから夏休みを8月22日の2学期始業式までとし、都合16日間の夏休みとした。この数値は東京都立高校の数値と同じである。更に冬休みも2日間短縮させて4月5月の授業ゼロを補填することに決した。
教職員は「働き方改革」の思想の元に生徒の夏休みに合わせて8月7日から14日まで「リフレッシュ休暇」とし静養と自宅研修他に充てて貰い、生徒の登校する始業式までの1週間は来年度入試の「試験問題作成」期間で正式な出勤日となる。実は私立はここが大変重要な作業で集中し素晴らしい入試問題を自らの手で作成しなければならないのが公立と根本的に異なる。

しかしそれにしても8月5日が終業式で8月22日が始業式と言うと昔の人は驚くがこれが現実の姿である。良く人は「学校の先生って、良いよね!夏休みが多くて!」などとのたまうが、これを聞くと学校の先生は幾分落ち込んでしまう。もう昔の夏休みの概念はなく、又夏休みは生徒の夏休みで教員の休みではありません。この間に教員には「やることが一杯」あって大変だという事を分かってやって欲しいと思う。私が着任後すぐ始めた教職員の「リフレッシュ休暇」は一般の公務員やサラリーマンと同じレベルでこのリフレッシュ休暇で教職員は秋口に向けて「又、頑張ろう」となるのだ。


2020年7月20日月曜日

教師の学力?

朝、一番に某教科のX教科長に電話して、「今度入った新任のY常勤講師の先生だけど、先生の高校の後輩ですよね、どう見てる?」と聞いたら返事は「そうですか、知りませんでした。又中学所属なので良く分かりません」という答えだった。8時45分から始まった両校長を入れた朝会で私は「新任常勤講師の育成方法」を考えるように両校長へ指示を出した。少なくとも「国語・英語・数学・理科・社会の基本5科目」の若い先生の育成は極めて大切な事である。少なくとも教科長が全く関心もないような状況では育成にはならないと反省した。今までそのようなシステムが無かったからである。この事を午後からの校務運営委員会でも幹部教員に熱く伝えた。

本校の「専任への道」は基本的に「勤続3年間以内で総合的に見定め」、私が最終判断して専任教諭として本採用する。ここ数年教員の基本学力を確かめるために他の私立学校や公立学校がやっているように学力試験を3年目の常勤講師に付与するようにしたのだが、そこで恐ろしいことが分かった。何と大学入学センター試験の過去問が自分の専門科目だというのに解けないのだ。勿論圧倒的には問題はない。100点の先生もいるのだが、中には全国50万人以上の高校3年生の平均点が60点以上だというのにこれより相当低い点数しか取れない常勤講師が数年前に居ることが判明した。勿論、基本学力が教師としての資質判定の全てではないことは分かっている。例えば国語とすると「一般教養国語」と「受験国語」が幾分感じが違うのも十分分かっている。

しかしだ。それでも本校のようにほとんどの生徒が大学に進む進学校に勤め、多くの生徒が受験するセンター試験の得点が高校生以下というのは信じられない事であった。私は大体判断できるが、どのような高校を卒業したかで学力レベルは分かる。大学名よりも高校名の方が重要な気がしている。勿論偏差値の高い大学を卒業した講師は基本学力はあるが、私立大学でそれも一貫校や推薦入試などで入学し、大学を卒業した人は大学入学センター試験なども経験していない。とにかく最低限の基本学力のない先生が教師として教壇に立つことはやはり私には受け入れ難い。教師とは生徒の何倍もの力が無いと教えられないだろう。そう言う意味で折角本校に勤務してくれた新任や経年の常勤講師の先生方の指導システムについて至急検討することにしたのである。

次に掲げる小論文の新任常勤講師の先生は静岡県の県立高校を卒業し京都の有名な私立大学から大学院まで修了している。ご縁があって4月から本校に勤務して頂いており、中々活動的で評判は良い。私に提出してくれた小論文も「中々しっかりと書いている」と評価するが、失礼ながら果たして今年度から始まる大学入学共通テストでの得点はどれくらいだろうかとついつい思ってしまう。この視点を持つことは私の仕事であり責任だからである。生徒平均よりも低い学力の講師をお迎えするわけにはいかない。分かって頂きたいと思う。生徒保護者に申し訳ないからだ。ポテンシャルがあるなら今から育成をしなければならない。勿論本人の自覚と努力が必要なことは言うまでもない。そのようにして教員を育てる時代に本校も成長したという事だ。
 中学 社会科 男性新任常勤講師  私立大学大学院 「浪速中学校・高等学校教育側面観」

202041日、新型コロナウイルス感染症が世界的に猛威を振るう未曽有の大混乱の中で、私の浪速中学校・高等学校での勤務が始まった。ICT環境を完備した本校の先進的教育に魅了され、ICT教育を実践したいという強い思いを抱いていた私にとって、休校という歴史的緊急事態の中での新生活のスタートは、希望と不安とが入り混じったものであった。そんな私を鼓舞してくれたのが、木村智彦理事長・学院長先生のお言葉である。本稿では、木村理事長が精力的に発信している「理事長アラウンド」から、私が刺激を受けた投稿を3つとりあげ、肺腑を衝いたその理由について論説する。また、次世代の教育を目指す本校で、今後実践が望まれる教育活動についても若干の私見を述べたい。

 まずとりあげたいのは、68日発表の「多聞果樹園・農園」での「ジャガイモの収穫」の記事だ。この「多聞果樹園・農園」は、農業体験を通した生徒の豊かな人間性の育成を目的に昨年新設されたと聞く。
 近年、食品ロスと日本の第一次産業の衰退が社会問題として取りざたされる中で、「食」についての学びは非常に有意義な教育活動であることは言を俟たない。生徒が植物の栽培と収穫に触れ、それを食べるという体験によって、人間の営みと「食」に対する理解も深まり、また同じものを栽培し食べるという行為により、木村理事長がご指摘する「絆」、すなわち協同性の育成にもつながると考える。
 さらに、中学の社会・理科の授業と協同した「多聞果樹園・農園」での教育活動も可能であり、千早赤阪村の農家との交流など、「浪速」でしかできないアクティブラーニングも実践できるだろう。

 次に、515日発表の「グッド・スクール、スタイリッシュ・スクール、ニュー・スクール」について論及する。次世代の教育を見据え、本校ではICT教育の充実を図っている。この投稿の前日、木村理事長からICT教育の推進に向けて、「Google認定教育者レベル1」の取得に関し叱咤激励のお言葉を頂戴した。今後、ICT教育が一般的になることは疑いなく、木村理事長が仰るように、教師自身がICTに精通していなければならない。そもそも教育とは、「教育学」という「学問」として成立しており、その「学問」は日々の研究によって「進歩」することを前提としている。したがって、教育も「教育学」の研究成果に基づいた新しい内容へと「進歩」するものであり、板書から電子黒板やChromebookへと教育方法が一新されるのは当然なのである。かかる教育の「学問」としての性格を踏まえるならば、教員はより効果的な教育方法に貪欲でなければならない。そして、その効果的な方法こそがICT教育なのである。
 本校は全国屈指のICT環境を備えている。Chromebookを活用した主体的・協同的な生徒間プレゼンテーションや、地域参加型の授業を実践できる条件を有しているのだ。かかる充実したICT環境をいかし、既存の教育観念にとらわれず、ICTを駆使した「新しい学び」を体現していく必要があろう。

 最後に、私の心を最も突き動かした投稿が522日の「先生の昨年度の評価はこうでした」である。生徒に努力の必要性を教え説く教員は、自身の「自己実現」に向けた日々の努力が不可欠である。私は、学校の教員とは「授業のプロフェッショナル」でなければならないと常に考えており、そのために授業作成・教材研究には鋭意研鑽を日々重ねている。ICTを駆使して画像・映像・音楽を活用し、生徒の学びを深めたいという一心で授業に向き合っている。木村理事長の「学校の教員はあらゆる手を駆使して生徒に教える「プロフェッショナル」でなければならない」というご指摘は、私の教育の信条とまさに合致するものであり、私に活力を与えてくれた。こうした「授業のプロフェッショナル」としての自覚、すなわち、教員による授業の向上こそが、生徒の学力を向上させ、またより良い学校の創造へと導くのである。

 以上、木村理事長から頂戴したお言葉の中でも、私が刺激を受けたものを3つとりあげ、そのお言葉と本校の教育について愚見を述べた。若輩の私が上述のようなことを申し述べるのは、僭越のそしりを免れないが、「浪速」の教員として情熱をもって、より一層教育に励んでゆくことを自覚し擱筆したい。