2021年3月31日水曜日

職員会議と職員集会

「職員会議」は学校運営が円滑に行われるように,校長が,所属職員の意見を聞いたり,校長の校務運営方針を周知させ,教職員相互の事務連絡を図るものであり,意思決定は,校長自らの権限と責任において行う。つまり,校長が職務遂行するに当たって,それを補助する機関として位置づけられるものであるが、職員会議が法的根拠を持つようになったのは比較的新しく学校教育法施行規則が2000(平成12年)、改正されたときに、法令上明確に位置づけられた。それまでは、職員会議は法的に位置づけられておらず、学校教育法28条の「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」という法的根拠のみで職員会議は開かれていたと言える。しかし私はこの法令の条文で全てであると思うがわざわざ追加強調したのは当時組合教員との間で卒業式における国旗掲揚、国歌斉唱問題で学校現場が揺れ動いたことが背景にある。

 


本校では大体月度一回くらいか、「学院長としての私」が主宰して高校、中学合同の職員会議が開催されている。これ以外は必要時、それぞれの校長が中学、高校単位で開催されている。職員会議に出席できるのは専任教職員、常勤教職員である。以上は職員会議の話であるが学校によっては職員集会と表現されているところもあって紛らわしい。本校では職員会議とは別に偶に必要時に「職員集会」の名称で会議が開かれている。この主宰は「理事長たる私」が労働条件とかのテーマに関して使用者側の立場に立って雇用者側に意思伝達や説明責任の場として必要時設けるものであり、参加できるのは基本的に本校で直接契約して労働を提供してくれている人びとである。

 




本日はまさに年度末ということもあってまず職員会議を開催し、私から1年間の慰労と総括を話した。その後職員集会に切り替え、課題であった「働き方改革のアクションプラン」を全員に説明した。明日から実行していくものであり、準備が出来たものから早急に実施に移す。要は教職員に健康とゆとりある生活を送って貰うために「休むという事の重要性」を訴えたものであり、学校設置者たる私と管理職、一般の教職員、その他の人々が法的根拠を遵守しながら「いきいきとした教育活動」を行うためのものであり、特に「クラブ活動の取り扱い」について私は時間をかけて説明したのである。



2021年3月30日火曜日

関西学院高等部アメリカンフットボール部を招待

本校地には桜の木が確か28本だったと思うが植わっている。それがまさに満開だ。花弁が地面にはまだ数枚程度しか落ちていない。桜は本当に良い。綺麗ですがすがしいし、何より潔い感じが好きである。例年どおりかどうか知らないが「4月5日の入学式」までにはあらかた散ってしまうだろう。今朝ほど高校、中学の教頭が式次第を説明に来てくれた。本校では高校・中学の合同入学式であり、時間を短縮するために工夫をしてくれている。

 




ところで3月2日に一生懸命に書いた「伊勢神宮遥拝所」の文字は神社仏閣建築専門の会社である松原工務店さんの手で見事に彫られ、その檜の木柱は高天原スポーツキャンパスの中心地に立てられた。26日の理事会・評議員会の後役員の皆様をお連れして除幕を行い、一件落着をこの目で見て安堵した。この建てられたピンポイントから伊勢神宮は地図上でも真正面に位置されておりこの「乾坤一擲ドリームフィールド(Kフィールド)」でプレーする選手諸君は「内宮の天照大神様」に見られているようなものだ。この上ない喜びだと私は思うが、果たして現代の若者にはどうだろうか?


今日は14時キックオフでこの場所で最後のこけら落としの試合となる対関西学院高等部アメリカンフットボール部との試合であった。式次第には「オープニングマッチ」とあった。さすがアメリカ由来のスポーツである。英語だ。関西学院はミッション系の学校で大変著名な歴史ある私立学校である。ここは高等学校とかは呼ばず、関西学院高等部(かんせいがくいんこうとうぶ)とか中等部と言う。アメリカンフットボール部はFIGTERS(ファイターズ)あるいはKG(ケージー)と呼んだりもする。日本一のチームと言って良いのではないか。



本校もアメフトは長い歴史のあるチームだが残念ながら戦績は低迷しており今回を契機として頑張ってくれることを期待したい。それにしても関学高等部のアメフトは素晴らしい。2021年3月30日の段階で通算 922勝 115敗 15分 勝率88%、全国優勝18回 準優勝7回という輝かしい歴史には脱帽するしかない。このようなチームが西宮からわざわざ来てくれること自体、普通は有り得ないことで関係者に感謝以外ない。本校は最近では過去2回対戦させて貰っており、1972年(昭和47年)11月12日は83-0で浪速高校が負け、1997年(平成9年)6月1日は66-0で本校が負けて以来の試合だから実に34年ぶりの試合となった。

 



私は挨拶と先攻後攻を決める「コイントス」を依頼された。コインは硬貨で本校が後攻となった。試合結果は言うまでもないが本校の選手諸君は臆せず「胸を借りる」ように積極果敢に攻めていてくれた。健闘したと言って良い。私は満足した。本校の選手を褒め称えたいと思う。それにしても関学さんは50人以上の選手が来てくれ、強く、礼儀正しく素晴らしいチームだった。さすがと言う感じだ。これでKフィールドは大きな行事が全て終わり、今後は外部にも貸し出し、有効に使ってくれれば言うことは無い。


2021年3月29日月曜日

理事会にて決議「働き方改革アクションプラン」

さすが「帝国ホテル」だった。昨日は本校英語科の教員であるW先生の結婚式だったのだがホテル側の感染症予防対策は徹底していた。会場内のテーブルの数を制限し一テーブルの人数も最低限であった。隣との距離は十分空いていた。披露宴中、参加者は同じテーブルの者同士お酒を注ぎ合ったりしてはいけないとか、席を立って他のテーブルに移動してはならないとか、披露宴途中での会場への出入りは必ず手指の消毒をするとかである。結婚式とは写真を撮る式典と言われても良いくらいだから、ただ短い間の写真撮影だけはマスクの着用は求められていなかった。実に良い結婚式だった。新婦さんもつい少し前までは本校の事務職員だったから総勢本校からは23人が招待を受け、さながら浪速ファミリーの結婚式丸出しみたいだった。




 ところで26日の理事会・評議員会ではある重要な三つの意思決定がなされた。一つ目は新理事の誕生である。二つ目は令和3年度の予算の決定であった。そして三つ目が木村ドクトリン「働き方改革アクションプラン」の決定である。今回は参加者も多く、盛り上がった会合となった。年度末ということもあり当初出席者の数を心配したが杞憂に終わった。3月と5月の決算理事会は重要な会議であり、出席者が少ないとこれは私学課からの指導事項になる。


今回の特記事項は特に3番目の議題について資料を用意し、背景や社会の在り方を含めて説明し賛同を得た。本日午前中に関係の教員を入れて確認しこれを「31日の職員集会」にて全教職員に説明しキックオフとする。目的は教職員の健康と幸せを図るために徹底したITを使った労働時間管理と休日のクラブ活動の取り扱いである。基本的に教職員は働き過ぎであり「生き方のゆとり」を本校の文化・風土として根付かせるために思い切った政策の舵を切る。その為にはまず管理職を含めて教職員の意識改革が極めて重要であり、これを31日に訴えるのである。





2021年3月26日金曜日

理事・評議員の先生方によるKフィールドのご視察

本日は理事会・評議員会の日であった。3月理事会は「予算理事会」とも呼ばれ、4月1日からの執行予算を決定する重要な会議である。しかし今日は通常会議の後、役員の皆様に高天原スポーツキャンパスをご視察頂くため、会議室での進行は早くし、一部の議題はバスの中で報告・議論を継続した。大型バスに乗り込んで堺市美原区の現地に向かったのであるが、バスは密室であり、役員の皆様も道中、集中して報告を聞いて頂けた。今日はその他、人事関係、進路実績、その他もろもろの1年の総決算であり議題は豊富にあった。口頭報告以外は全て資料を用意し後日議事録を丁寧にまとめ保管している。私はA型人間であり、神経質で几帳面である。今日も資料の体裁や椅子の配置、議事進行など矢継ぎ早に指示を出して準備した。

 


私の部屋は一般に比べ些か広いと思うが、これは理事長執務室に加え理事長応接室の機能もある。更に、理事・評議員室も兼ねており役員総勢で30人を収容できる部屋だから極めて使い勝手の良い便利な部屋である。今日も南海電鉄さんからお迎えする新理事の本選ではこの部屋で議決された。とにかく理事や評議員の役員が何時でも不意でも学校にお見えの時に専用の部屋が無いと落ち着かれないと思ってこの部屋を作っている。




4月1日発令の人事関係は既に12月理事会で承認されている案件であるが、顔合わせは初めてであり、新職位の常務理事、外部からの新理事、新評議員、高校教頭補佐、事務長補佐、指導教諭3名、新専任教諭5名の顔合わせが無事に終わった。尚伊勢神宮より派遣頂いている理事はこの度定年退職でご退任となり後任の方は既に決まっているが手続きは今後進めることになる。以上で令和3年度の法人ガバナンス、校務運営等の体制が決定された。予算も人事も決まって私はほっと一安心である。「しかしもういい加減長くなったな!?」というのが偽らざる本音である。

 




バスから降りクラブハウスに入るなり「ウオー」みたいな歓声が上がり、グランドが目に飛び込んでくるとそれらの歓声は更に大きくなった。「乾坤一擲ドリームフィールド」は本当に「陰が無い場所」で燦燦と太陽に反射した緑の人工柴は目に優しく、風を遮るものが無いため心地良い風が頬をかすめて行く。とにかく皆さん、驚きのお顔であった。「是非、神社界でもお使いください」と私は申し上げたのである。そしてクラブハウスに設けられた神棚をご覧いただき、その後国旗掲揚台傍に設けた「伊勢神宮遥拝所」の簡単な除幕を大阪府神社庁長と私が紐を引っ張って行ったのである。良い檜を使っているので何十年もこの地に立って生徒を見守ることになろう。こういう時代だからこそこのような神道との結びつきは重要だとの信念である。



2021年3月25日木曜日

今朝は「養花天」か?

 「養花天(ようかてん)」という言葉があるのは知らなかった。最近学んだ言葉だが、俳句などで特定の季節を表す言葉で、季語の一種らしい。 「花曇(はなぐもり)」の異称であり、桜が咲くころの曇り空を意味する言葉で、雲が低くたちこめるほどではなくて、薄く太陽が隠れるような比較的明るい曇り空を指すとのこと。明るい曇り空と言われても良く分からないが今朝の私の執務室前の桜がほぼ満開で今朝のような空が養花天なのかと感じた。年度末を迎え忙しい日々である。今日は夕方、吹奏楽部の定期演奏会があり、明日は理事会・評議員会がある。先頃竣功した高天原スポーツキャンパスをご案内しKフィールド競技場と完成した「伊勢神宮遥拝所」をご視察頂く。


年度末だから来年度の準備が佳境である。まず「時間割編成」が重要であり、教科会議や分掌会議等を経て教務部が主体で進められている。想定以上の生徒数の為に教員手配を進めたが初頭には間に合わないので結局今いる教員に不足分を割り振って対応することで乗り切ることが十分できると判断した。その代わり余分に持ち時間を持って貰う教員には内規にのっとった「加給」をする。4月1日着任予定の新教員は21人で過日の分掌会議には揃って参加してくれた。4月1日の着任式が楽しみである。今年も将来有望な先生が揃ってくれた。「何と言っても学校は先生」である。

 又入試広報部は来年度の「学校案内」の冊子の作成に大わらわである。高校で32000部、中学で10000部、カラー刷りの一年を通じて配るこの案内冊子は極めて重要であり、毎年毎年趣向を変えて作成される。最初を飾る理事長の写真とご挨拶文をチェックした。特に顔写真はこれからたびたび使われるので場所を変えて何枚も何枚も専属の写真館のプロのカメラマンの手にかかるが被写体が大したことはないからどれを使うか、選択に困っている。

 





令和3年度の本校の最重要なテーマは「働き方改革」を更に一歩進め、名実ともに本校で働く教職員の幸せを高めることを理事長の第一の仕事とした。毎日毎日仕事に追われている教職員の健康とゆとり、そしてふさわしい対価を与えるように全てを再吟味し、「木村ドクトリン」として制度化して4月1日以降進めて行く。特に私が主導し、本年度から始めた試験的な「休校日」については今までは試行と考えていたが、この制度を始めた当初の原点に立ち返り、この学校設定休校日は教職員に給与を支払いながら自宅でゆとりの中で過ごして貰うための本校独自の制度であり、生徒は「自宅学習、自己課題探求日」として今後とも続けるが教員のクラブ活動については当日が公式戦以外は「部活動絶対禁止」として考えている。これを許せば保護者からクレームが付きかねない。学校が設定した休みに一部のクラブで生徒と教員が活動しているのは大きな問題となるからだ。

2021年3月22日月曜日

胸を借りる、胸を貸す

「胸を借りる」という言葉があるが、この意味は「下の者が、自分より実力や実績が上の者に練習の相手をしてもらうこと」である。自分の力を伸ばしたり、自分の能力を試すためにあえて強い人に相手をしてもらうことが胸を借りるの意味で、自分よりも優秀な人と練習をすると、レベルアップしやすくなるからである。「借りる」は「協力する、手助けする」という意味があり、元々は相撲において、下位のお相撲さんが上位の力士にぶつかり稽古の相手をしてもらうことを表していた。ぶつかり稽古は受ける側とぶつかる側を区別して、進める稽古のことで、「横綱の胸を借りる」「大関の胸を借りる」といったように使われている。 

そういう意味で3月20日の高天原スポーツキャンパス「乾坤一擲ドリームフィールド(Kフィールド)」でのラグビーでのこけら落としの試合は招待したチームの「常翔学園高等学校ラグビー部」は大横綱であった。全国優勝を何度も経験したまさに全国区の強豪校が良く来てくれたものだ。これは本校校長の飯田先生の長年のラグビー界に果たしたご功績の賜物だろう。常翔さんはトップ選手を連れてきてくれ、まさに「胸を貸してくれた」。スコアは今更どうでも良いが多くの事を本校の選手はこの試合から学んだことだろう。これが大切である。

 





試合を見ていて私は感じた。ラグビーは15人の選手が戦う団体競技であるが、個人競技と違って実力の差は「歴然と」「嘘偽りなく」出るもので、大きな力の差であれば1点さえ相手からは取れない過酷なスポーツである。個人競技だとその日の調子や相手の弱点を突けば勝てる可能性は1%くらいは有るものだが団体競技では不可能で徹底してやられる。まさに「弾き飛ばされる」感じである。見ていて気持ちが良いくらいの「負けっぷり」の試合内容であった。本校の選手もくらいついて頑張っていたが岩盤はビクともしなかった。相手チームも手を抜かないところが良かった。お祝いだと言ってご祝儀に点をくれたらこの試合は美しくなかった。この点も私は常翔さんに感謝である。




 
スポーツとは違うが私は組織もこのような選手の集まる形が望ましい。しかし現実は100人、200人の教員集団たる学校はそうはいかない。素晴らしい教員、まあ普通の教員、課題を抱える教員、これらの三つが複合しているのが学校は言うに及ばずどの組織にも共通であろう。大切なことはそれぞれが自分の実力を自覚して更に自分を高める努力を継続することである。ここで問題は全員がベクトルを合わせることで「あっちこっちバラバラ」に方向が違えばなるものはならない。

 



人間の能力が全く同じであるはずはなく、組織の長たる者は、それを前提として組織力を高めていくことが求められ、それが「リーダーシップ」である。スポーツ競技の素晴らしい監督さんはそれが出来ている。常翔学園さんのラグビー部のあの有名な野上監督さんは社会科の教諭でラグビー部の部長、監督、確かに人間として幅の広い、礼儀正しい立派なリーダーだった。会えて良かったと私は喜んでいる。実に気持ちの良い素晴らしい一日だった。