2020年12月26日土曜日

大切な人の為にもマスクをつけましょう!

一昨日はクリスマスの日であったが、日本は現状を祝うどころか「クルシミマス」だ。このギャクは受け売りだが本当に今年は大方の日本人が苦しんだ年となった。長い間生きてきたがこのような年は始めてだった。「疫病の恐ろしさ」を思い知った。「ウイルスの怖さ」を思い知った。落語家の桂文珍師匠は名前を桂ワクチンに変えると言っておられたが、その有効ワクチンも先は長そうである。だから個人個人が「自己防御」するしか方法はない。今日26日は2学期の終わりにあたり、神前奉告と終業式だったが私はあることを思い立って早速実行した。学院神社の「狛犬」にマスクを付けて貰う事だ。伊勢修養学舎で生徒が使う「日本手ぬぐい」を家庭科の先生に頼んでマスクを作って貰い、学院長講和の時に生徒にマスク着用の注意喚起とした。笑いを取りながら生徒の心に近づくのである




マスクが最も効果を発揮するのは咳やくしゃみのある人がマスクをつけた場合で、風邪やインフルエンザ患者は1回の咳で約10万個、1回のくしゃみで約200万個のウイルスを放出すると言われており、自己防衛は3密を避け、マスクと手洗い、そして嗽しか方法はない。本校でも例年ならインフルエンザで休む生徒は多いが今年は殆ど居ないのはマスクの効果だと思う。私はこれでマスクの効果を確信した。しかしコロナ専門家が言っておられたが、最近では「コロナ慣れ」して若者にマスク着用の習慣が薄れつつあるというので私はこの冬休み期間中、「大切な人に為にもマスクをつけましょう」と説いたのである。毎回毎回、理事長はコロナの話ばかりと思っているかも知れないが、それでも私は言わねばならない。


 24日、25日と受験生のための校内見学会を行ったが、こういう時期であったが昨年並みの参加者であった。これでコロナの中の令和2年入試説明会は終わり、年明けからはまず浪速中学校の入試、高校3年生の大学入学共通テストから本格的な入試シーズンの到来だ。まず朝一で管理職ミーティングを行い今年一年の総括を行った。高校、中学の両校長、両教頭はすべて「新顔」で張り切って就任した1年目であったが、コロナで大変だったと思う。しかし良くこの難局を乗り切ってくれたと慰労の言葉を申し述べ、しかしまだ先は長いと注意を喚起した。管理職の仕事で組織は生きて存続する。「管理職は教職員に命を吹き込む」事が仕事だ。私は管理職には厳しい。

そして本年度最後の職員会議で私は全教職員に「静養し英気を養って」、明ける令和3年1月5日の初出で元気なお顔を見せて欲しいと、今年1年の慰労と感謝の言葉を申し述べた。今や「素晴らしい教職員集団」になってくれている。尚先立って先の22日に行われた「理事会・評議員会」の内容を同じ資料を使って、基本的に「包み隠さず」開示した。これは学校法人の姿勢として大切なことであるとの強い思いから私は徹底してやって来た。こうすることで我々には「学校を知り」「仲間意識」が生まれ、「求心力が高まり」、「自分たちが経営している学校」「来年も頑張ろう」となるのではないか。本当に今年は全教職員が良く頑張ってくれた。心から感謝し、あなた方と共にこの1年働けたことを誇りとしますと言って年末の「仕事納めの挨拶」としたのである。



尚、本法人は明日から年明け1月4日まで冬季休暇に入ります。皆さま、本年は大変有難うございました。来年も宜しくお願い致します。良いお年をお迎えください。

2020年12月24日木曜日

今後は少し歩みを緩めてゆっくりと・・高天原スポーツキャンパス第二期工事完成

建築基準法第7条の規定による「検査済証」が堺市当局から学校法人理事長あてに発行され、それが手元に届いた。「これで一件落着」である。予てから精魂込めて進めていた大規模開発の堺市美原区平尾の土地の大規模造成とクラブハウスの建築確認が終了した。「学校法人浪速学院高天原スポーツキャンパス建設工事」と公的文書に高天原と書かれている。名付け親として後世に残るのが名誉で殊の外嬉しい。この土地の経緯から全てを知っている大阪護国神社のM宮司様は「良い名前を考えたな」と何時も言われる。神職の人では「恐れ多くて天上世界の天津神のおられる高天原などの名称を付ける発想そのものが無い」のである。こちらは素人で平気であるから新校舎から武道館、テニスコート何でもかんでも神道世界に関連した古事記からヒントを戴いて施設の名前を付けている。本校は神社神道の学校である。それで良しだ! 

22日の理事会・評議員会では事務統括のM理事が理事と評議員に映像を使って詳細な説明を行った。元来なら役員にもお出ましを戴いて1月中に盛大な「竣功修祓式」を行う処だが如何せん、この時節、コロナの事も考え、内内だけで行う積りだ。残念だが仕方がない。昨日夜間照明等の検査があり「本当にあかあかとした競技場」になったと今朝報告を受けた。今日はクラブ関係の教員が取り扱い説明を受けるために夕方からキャンパスに向かう。そして年明けには最終検査となる「施主検査」で私が赴き、厳しく現地調査を行う手順である。それで手直し等が済めば「残金の支払い」となる。そして最後が法務局に届ける「登記」が済めば全てが終わり本法人の財産が記録される。あり得ない話だが若し経営が行き詰りこれを売却しようとなった場合、この施設は間違いなく大きな金額で売れるだろう。だから私は豪華に作っているのである。資産とはそういうものである。売ろうにも買い手が付かないでは作らないほうが良い。


 しかし前年に1億円を支払っており、今期は総額10億円の支払いである。すべて手持ちのキャッシュ払いであり、高価な競技場とクラブハウスになった。しかし今全ての関係者が言うには「安い買い物でした。安くつきましたね」と言う。確かにそのとおりである。新校舎の時も消費税が上がる前だったし今回も土地の入手は約半額で購入できた。私は運が強いと思う。特に工事費も相対的に「グレードは高く、費用は安く」で作って頂いた。(株)日本道路さん、南海辰村建設(株)さんのお陰である。心より感謝申しあげたい。さて今後の企画であるが「ゴルフ練習場」については本年度中に完成を目指し、着工のタイミングを見計らうが「バスケ、バレー、バドミントン、卓球、体操」の練習場「高天原アリーナ」についてはタイミングを遅らせ、財務体力を少し回復させたいと思っている。すべては生徒数にかかっている。「勝負の時だ!それ行け、どんどん派」も良いが、時には「慎重居士」になる「豹変さ」が無ければ経営者ではない。暫くはゆっくりしようと思う。26日の職員会議で全教職員にこの辺を説明し、今年の総括と来年の抱負を述べたいと考えている。





2020年12月23日水曜日

CELTA認定英語教師誕生!

理事会も無事に終わり、ほっと安堵である。その翌朝、天からのご褒美かなと思うくらい「嬉しい事」があった。一つの事件と言っても良い。パソコンを開くと以下のようなメールが入っていた。「木村理事長、この度はCELTA取得に関しまして、多大なるご支援を頂き、また、先ほどは励ましのお言葉を頂きまして、誠にありがとうございました。このご恩を一生忘れず、生涯、教師として努力し続けます。今後ともよろしくお願い致します。」という内容である。差出人は英語科のT先生で、この度「CELTA (Certificate in Teaching English to Speakers of Other Languages)」の資格を取得した。これは英語教育に関係する万人が認める、現時点における世界最高峰の英語教員資格であり、この資格は英国のケンブリッジ大学の学位取得に相当するとみなされている。これさえ持っていれば世界中の何処の英語教育機関において、最も有利な資格保持者として遇されるものである。



とにかくこの資格を取得する「ハードさ」たるや、言葉が無いくらいで心も体も通常では持たないと言われている。まず受講できる為の条件が難しく、ネイティブスピーカーであること、もしくはネイティブ同等の英語力を所有していることとされている。それを証明する資格・スコアの提出(英検で言えば1級)、および面接と筆記試験、小論文にて最終認定されるものである。T先生は日本人で英語は母国語ではないし海外留学経験もない。この条件でよくぞ立ち向かってくれた。ここが素晴らしい。更に受講条件の英語の面接試験2時間、筆記試験5時間、小論文5本、それに志望理由書の提出は「死にそうだった」と言っている。すべて英語で、話す相手はネイティブの英国の先生だ。日本もようやくその資格の重要さに気づき、受験生が激増しているが、資格取得者はまだ数名しかいないと言われている。それくらい難しい資格なのである。 



 受講する資格を得てもその後が「地獄」だ。内容は英語教授法の実践的な知識と技術を学ぶもので、・30ユニットの講義とレポート・140時間目安以上の課題解決・9週間の教育実習・35時間の授業見学と評価・4種の論文提出、その他、平日2時間以上、週末12時間に及ぶ講義とディスカッションである。目の回るような内容である。そして認定に至るには・60以上の項目において評価を受け、実習とレポートの厳正なる審査を経て、合否が決まる。複数の審査官による採点と、そしてケンブリッジ大学の最終認定に至るのである。書いていて自分でも「頭がくらくら」してきた。当然、脱落者多数で失格、もしくは自主辞退となる。「2020年度の日本人取得者は3名で関西圏の高校教員としての取得は本校のT先生」なのである。今まで日本人の有資格者はわずか12名と言う。

 このような教員を持てて私は幸せ者だ。受講料の数十万円は学校が負担し、英国とのインターネットによる回線費などは大した問題ではない。毎月180時間、土日もなく向かってくれた。目標を立てて「死に物狂い」で頑張った先生を称えたい。先になるが夏の賞与を加算して具体的に理事長の喜びを表したいと思う。これでCELTAの有資格者はCELTA-Sを含めて2人となった。更に2人の先生がチャレンジするという。このような先生に教えを受ける生徒は幸せ者だ。今後とも私は教員の自己開発、自己啓発には最大限の支援を惜しまない。「英語教育の浪速」を標榜する為にも英語科の教師は頑張って貰いたい。その姿を見て生徒は育つ。教師は生涯学習の職業である。挑戦する先生が良い。頑張って欲しい。




2020年12月22日火曜日

オンライン理事会 模擬実験











本日の理事会・評議員会の主なテーマは「中間決算の報告・審議」と「役員と教職員人事」関係であった。人事については微妙であるからここでは触れない。別途アラウンドに書くこともあろう。中間決算は4月1日から9月30日までの年度半分の時点で学校会計を締めくくって、最終決算日の3月末の見通しを役員全員で確認するのである。そして当初予算の「補正」が必要な場合は「補正予算」を組み、5月理事会で令和2年度の最終決算を確定する。同時並行で令和3年度予算を3月末までに編成する作業があり、年明け3か月は学校法人も浪速高等学校・中学校も最も繁忙な時となる。入試、大学受験、卒業式、入学式が同時並行で進む緊張する3か月間となるが、私の最も「血沸き肉躍る」時節である。私は忙しい方が好きだ。何か元気になるような気がする。 

私の執務室は比較的広くとっているが、これは理事長室、理事長応接室、理事室と評議員室を併用しており、壁を無くしてワンフロアにした。ここで理事会当日は三々五々役員が集まり、会議前に話が盛り上がる。まるでサロンみたいな雰囲気になる。今日も新型コロナウイルス感染症の話題で持ちきりであり、特に感染防止の為の「初詣」のやり方に集中した。東京の湯島天神のO宮司は評議員であり同窓会会長で、何時も会には積極的に参加され、発言もして頂くのだが、今朝ほど電話があって「やっぱり、今回は自粛するわ」であった。東京からということを気にされているのである。別に「自粛警察」が近くにいるわけではないが自らご判断されたのだ。又話題は「宴会警察」と言うのも出た。今、飲食を伴う店で感染が拡がっていることによるものである。もう何か月も私は誰とも飲食を伴う会食をしていない。「やばい」からだ。 

今回の理事会は8月の理事会をスキップしたことから、実に5月以来の7か月振りの会合となった。それまでは定例は年間に4回と決め確実に実施していたが丁度夏場の理事会はかけるテーマも少なく、合理化して年度3回とした。もう少し様子を見て今後どうするか考えてみようと思う。それだけに「リモート・オンライン理事会」は大変興味がそそられる。お忙しい理事や評議員の先生方が自社に居ながらパソコンで会議に参加して貰えば良いわけで、本日の理事会は初めて「模擬実験」を行った。理事・評議員は会議室に居て入試広報部長が中央館5階の会議室からリモートで「令和2年入試広報活動の状況」について報告した。 

使用機器は色々考えたが最終的に「i-Pad」にした。予備が学校に沢山あり、参加者一人一人のアカウントを設定する必要がなく「Zoom」との相性も良いと考えた。これに先立ち理事・評議員の方々からアンケートを取って「オンラインが可能かどうか」、調査し結果も上程し、情報を共有化した。それによればインターネット環境はあるもののオンライン会議の経験やズームの利用経験は約半数近くが無いとのことで、本学校法人でオンライン会議をする課題が浮き彫りになったことは成功であった。本校には「IT達人」が極めて多くおり、自在にやってくれるので、これは他校を少し凌駕していると手前味噌ながら自慢しているのである。今日も3人の達人が頑張ってくれ、全てが順調に進み、成功裏に理事会は終わった。最後には会場一杯に拍手が鳴り響いたのである。

2020年12月21日月曜日

中学生へのクリスマスプレゼント?

今年も今週だけを残すだけになった。「明日が理事会・評議員会で26日に終業式」、これで大きな行事は終わりだ。コロナ禍の中で無事にここまで来ることが出来、安堵している。中には早く終業式を済ませ冬休みに入った学校もあるらしいが、本校は最後まで頑張る。例年と言っても3年目だがこの時節に私は千早赤阪村の茶寮や果樹園にて「干し柿作り」にいそしむ。中学生1年生用の云わばクリスマスプレゼントである。神道の学校だがイエス・キリストの宗教にも神様として最大限の敬意を払う。神社神道の良いところは戒律などなくて自由な風があるところである。「神も仏も有難きかな」だ。しかし生徒にクリスマスケーキをプレゼントする訳にはいかないから木村流の干し柿に置き換え、日本と言う国の文化に少しでも近づけるのである。若い柔らかい頭の彼らはこの干し柿の味をこの先、忘れることはないだろう。

中学の進路教務部長のT先生が中学1年生に聞く。「干し柿、食べたことのある人、手を挙げて!」。一クラス35人程度の中で挙手する者はわずか一人か二人だとか。これがクリスマスケーキだったら「大歓声」だったろうが声無しだ。かれらは全てがスーパーマーケットで入手できると信じており、手作りと言う事を知らない。だからこの数値に驚くことはない。お母さん方も干し柿食べたことのない人は結構多いかも知れない。日本の子どもは中学生になっても干し柿を知らないのである。砂糖にまみれたケーキを食するのは日常茶飯事だが、天然の甘みを有する健康食品の干し柿は全く知らないのである。これが現実である。この事を想像していた私は自らが干し柿作りの先頭に立ち、生徒に食べて貰う作戦に出たのである。大きな意味で本校教育の一環である。今はコロナで不可能だが何時かは生徒が自らの手で作らないといけない。

 数は400個以上の大玉の渋柿を入手し、丁寧に皮を剥いで熱湯につけ消毒し、紐に通して風の良く通る場所に天日にさらすのだ。時々「もみもみ」して全体に柔らかさが出るようにする。時々焼酎をスプレーで吹きかけてカビの生えないようにしなければならない。そうして3週間もすれば「アンポ」から少し進んだ柔らかさの干し柿が出来る。とにかく手間暇が必要である。それが良いのだ。今年は多聞果樹園の管理者である前述のT先生と中学1年学年チーフのY先生が「もみもみ」と最後の取入れ、そして「袋詰め」をしてくれた。袋詰めにもこだわりがなければならない。それが昨日の事で今朝ほど中学1年生に手渡したのだった。勿論中学の教職員にも配られた。何故中学1年生だけかと言うと全員同時と言う訳にはいかないからで、学年進行だから3年経てば中学生全員に行き渡る。しかしこれも私が居なくなったら誰もやらなくなるだろう。それで良いが私が居る間は絶対に続ける。


2020年12月18日金曜日

高校2年生修学旅行、遂に中止と決定!

遂に「高校の修学旅行を中止」と決めた。残念だが仕方がない。何とか行かせたいとぎりぎりまで待ったが、これ以上は無理と判断した。具申してきた校長も落胆していた。従って年明けから6方面に行って貰うことになっていた教員の下見も中止だ。これだけで100万円以上の費用が掛かるし基本的には一部を保護者負担にお願いしているから、今判断すれば費用は掛からない。別に金額の問題ではなく、とにかくコロナだ。コロナが恨めしい。勝てなかった。海外から国内に変更し、720人の生徒を6班に分け北は北海道から南は沖縄まで徹底して行き先を検討し飛行機やホテルまで予約し、万全の体制で進めていたが3月初旬には日本がコロナでどうなっているか予断を許さない現状の事態に「のうのう」とこれ以上は待てないと判断した。「断腸の思い」だ。とにかく生徒数が多いから交通手段や収容のホテルなど簡単ではない。待って、待ってキャンセル料をくださいと言われては「泣きっ面に蜂」となる。私は今、昨年の海外修学旅行を思い出す。海外でも国内でもとにかく行かせてやりたかった!

17日の放課後高校2年生を教室に待機させ、テレビ放送にて高校の飯田校長が生徒に詳しく語り聞かせ、保護者宛の説明文も持たせて帰らせる段取りをした。説明後、私は中には泣き出す生徒も居るかもしれないと思っていたが外出先にいた私への教頭からの電話では「しゃあないな、仕方ないな」という感じでこちらが思うほど嘆く様はないとの報告であった。「現代っ子」なのである。校長は修学旅行の代わりにはならないが「一日、USJにて発奮させる遊びの機会を持たせたい」と言うので「良い考え」だと即座に了解を与え、場合によっては費用の一部援助もしても良いと言ったのだが、これにも言及したらしいが、歓声が上がるほどのものではなかったと言う。それよりかは修学旅行を取りやめた期間は「学校に行かないとダメですか」などの声があったそうだ。拍子抜けという感じだが取り合えず生徒には受け入れられた感じで一安心したのである。

 ところでエージェントのHISさんが気の毒に思って代替え案を持ってきた。それはJAL国際線の大型飛行機を3機、チャーターして「大空を舞う」プログラムの提案である。富士山の上空辺りを飛んで90分の飛行時間とし、機内ではちょっと豪華な機内食を出すというものである。機内では概ね2ないし3分で空気は入れ替わり、コロナ対策は万全と書いていたが、遂に浪速は「空に逃げた」と言われても困る。私は「これはないな!」と丁重にお断りした。「撤退する時は潔く」だ。それよりもこうなっては無駄なお金は使わず、せめて可愛い我が子の為に積み立てたお金を早く保護者にお返しするのが筋だと判断した。「空より陸のUSJにせよ」とエージェントにお願いしたのであるが、これとても実現するかどうか、油断は出来ない。

中学の校長に「中学はどうするの?」と投げかけたら、「人数も少ないし、行先も地方の一か所だから何とか行かせたい。1月末まで待ちたい」というので了承した。年末ぎりぎりだというのに下見には予定通り、行かせることにした。しかし中学の旅行は本当に実現できるか?3月頃の日本のコロナは全国規模で今より更に悲惨な状況になっていなければと思うだけである。

2020年12月17日木曜日

私立学校の誠意

折角自分が選んで入学した学校を途中で止めて他の学校に移るケースは多々あることだ。高校でも中学でも、公立でも私立でもある。「折角入った学校なのに勿体ない」は昔は通った理屈かも知れないが今は通用しない。「無理して行かせる必要はない。学校は世の中に多くある」が羽振りを効かせる時代になった。当然転校を考える生徒は今いる学校に「是正を訴えて」現状からの脱却を願うが、結果として上手くいかず、その学校の対応に不満が募り、最後は「転校します!」となる。私の基本姿勢は「転校生を温かく向かい入れる」に徹している。「たかが学校、されど学校」だけど「転校のハードルを殊更高くする」必要はない。学び途中の子どもたちは国の宝であり、「おいで、おいで、何の心配もないよ!」と向かい入れるべきである。それが私立だ。 

府立、私立と18年間も校長をやってきたが今まで多くのケースを私は見て来た。実に様々で一冊の本が書けると思う。転校してきた生徒と保護者は「複雑な思い」を有していると考え、まさに「温かく」しか言葉が見つからないが、当初は囲い込むようにカバーしてやらねばならない。お陰様で本校の先生方はこの辺のところが上手く、だから「面倒見の良い学校」の評判を得て府内でも有数の私立高校、私立中学として生徒の集まる学校に育ってきたのだと自負している。だから案外、本校では転入が多い。結局は二番手で選ばれたのだから、喜んでよいのか複雑な思いもあるが、転入先に選ばれることは悪くはない。「グッド・スクール」の一つの証明である。

今回も浪速中学校に2名の中学2年生が一人は私立から一人は市立から転校の希望があった。合計2名の中学生が増えたのである。そのまま浪速高校に進学してくれるから嬉しい話である。転入試験の成績は極めて良く、一人は歴代4位の高得点を取っていた。このまま伸びれば国立大学には手が届くだろう。とにかく普遍的に言って、今通っている学校に対して「不満」を持つ生徒や保護者は少なくはないと思う。その理由は様々であるが基本は「人間関係と学校の対応姿勢」である。「生徒間あるいは生徒と教員間で話がこじれる」ケースが大半である。生徒間の場合、話がこじれる前に担任、学年主任、教頭などが間に入って双方の思いを汲みながら「仲裁」し仲直りさせれば継続される可能性はある。子供間のいさかいや争いを双方の親同士に拡大したら傷口が大きくなるだけだ。しかし生徒と教師となるとその好転する可能性は極端に少なるから「転校」となる。その学校の教師が「信じられなくなる」ともうお仕舞である。「顔を見るのも嫌」となる。

 いずれにしても「スピーディな対応」が大きな効果を生む。私は「とにかく早く動け」で教員を指導している。正直無茶ぶりの保護者が居ないわけでは無い。それでも事態を迅速に把握し、スピーディにご自宅を訪問し、学校側の動きを丁寧に説明することで上手くいく場合もある。管理職が動けば更に効果は上がる。親は「我が子が可愛い一心」であるから我が子の扱いを学校側の動きから掴もうとする。これに誠意で応えるのが「学校の誠意」というものである。「至誠に悖(もと)るなかりしか」だ。それでも理解していただけない場合は転校しか方法はない。残念だが仕方がない。今回の二人の転校生はどのような経緯で本校に来たのか、その学校はどのような対応をしたのか、本校では良く分からない。しかし問題なければ転校する訳が無い。








2020年12月16日水曜日

本日は監事による監査の日であった!

本日は22日に控えている最後の重要な行事?である理事会・評議員会に先立った「監事監査の日」であった。経営する側にとっては企業も公益法人も極めて重要な受け入れ会議であり、私と言えども些か緊張する。まず最初は「会計監査」である。当方から令和2年度の中間決算案の説明とその補正予算案を監査して頂きそれを理事会に上程する手続きであり、法的に担保された必須の業務である。その後「手許現金の実査」といい、それを確実にご自分の目で確認される。郵便切手なども何枚あるかまでチェックされるのだ。そして銀行や郵便局の通帳と帳簿を照らし合わし、1円の間違いがないかまで確認される。又帳票類の整備状況や保管期限などが監査される。従って必要な書類やファイルは全て用意して並べて置く。本日は中央館7階の広い特別会議室で3密を避けて用意した。 


会計監査のあと、次は「業務監査」で、これには分掌を担当する教諭が資料を用意し我々管理職が退室した席で一対一でご説明をする。上司が居ないほうが良かろうという判断だ。今日は生徒生活指導部、教務部、人権推進員会、ICT教育推進部からであった。これは私が就任した当初から始めたもので教員と言えども「監査される側」を経験することは私立学校の経営を勉強し、自らの成長の為に必要であると考えたのである。自分で作った資料を自分の言葉で説明する機会は素晴らしい生きた経験となる。何時もかつも生徒を監査しているだけの先生では駄目だ。時には自らも監査されよ!お陰様でこれが監事には評判がよく、一般教員からの話は新鮮に映るのだと思う。何時も誉めて頂くが本日も激賞であった。最後に管理職勢ぞろいで監査結果の講評を戴くのである。

 冒頭の私の話は総括的なものであるが、今日はまず「本校のコロナの状況」をお話した。次いで今後理事会・評議員会を「リモート・オンライン化」出来るかどうかの準備を進めていることをお話しした。お社のお勤めでお忙しい宮司様ばかりであり、急なご用事が出来た時など本校までの登校手段を考えても毎回毎回来て頂くのは忍びない面もあるので「いざ」と言う場合は神社の執務室でリモート参加をお願するのである。そういう意味で最も遠方な理事は伊勢市の神宮会館に居られるので、そこと回線をつなぎ「ズーム」によるリモートの実験をした。



当然であるが通信環境が出来ていれば、全く問題なく実施可能なことが確認された。後は各神社が通信回線と端末を有しているかどうかである。大きなお宮であれば神職職員も多くおられ、問題ないと思うが、規模の小さな神社ではマンパワーや環境整備に当方の支援が必要になるかも知れない。理事会に諮って参りたいと思う。私学課には毎回の理事会・評議員会の議事録を提出しており私学課は出席者を見ておられる。従って欠席の多い役員は当然問題視されるので、そういう意味からもオンライン参加は意味ある事なのである。ただ機密事項や個人情報が多くあるから、オンラインはそれ等の情報管理については十分留意しておかねばならない。社会はデジタル化の一歩を辿っており、そのうちに理事会も様変わりしていくのかも知れない。