2023年12月23日土曜日

令和5年仕事納め・・「祈願の碑」建立ドラマの終幕

 開校100周年目の令和5年も後数日で終わる。今日は「仕事納めの日」である。本当に佳き年であった。ご関係の皆様のご支援や素晴らしい教職員集団の力のお陰でこのように「満たされた気持ち」で今年を送ることが出来る背後には間違いなく学院神社大神様のご神威とご加護のお陰がある。私はこの事を断じたい。本校の精神的基軸となる言葉は「祈願」である。言葉は「祈り」「祈念」「お願い」等々、何でも良いが、志しを立て(立志)、艱難辛苦を乗り越え、努力することが人間のエネルギーである。そして目標が達成された時は「生かされている幸せ」「仕事の有る幸せ」そして「報恩感謝」の心である。その起点は「謙虚」な気持ちで、神仏への祈願、祈りではないか。「願いは必ず叶う」と信じて努力を「継続」するのだ。諦めず「継続こそ力」であると信じて疑わない。 

昨年の令和4年5月、再開なった中学校の修学旅行で私は近代日本の原動力となった山口県萩市に行った。そこで旧萩藩のお城近くの工房「城山窯」に所属する陶芸家「金子信彦」先生の渾身の作品に偶然出会った。この作品を見た時に私は身体が身震いするのを感じ、その感覚は今でも覚えている。是非ともこの作品を入手し「開校100年を迎える本学院が神社神道を根本義に持つ学校」として「100周年の記念」として「祈願の碑」を建立する事を決心した。場所はあちこち見て回ったがやはり生徒が毎日目に触れる場所、月度一回の一斉参拝時に向かい合う場所として神社前「御垣外」の一角に設置することを決めた。建立の日は今年の4月30日の開校100周年奉祝祭当日でなければならない。内外のご来賓と生徒の眼前で行うことを決意したのである。 

そして年は明け、関係の皆で石材の選択、デザイン等走り回り準備に奔走した。そして遂に令和5年度を迎え4月30日の前日に現地に立て、30日当日、開校100周年記念日に「祈願の碑」は除幕された。あれから約8カ月、祈願の碑はますます輝いてその存在感を増しているような気がしている。要は何か落ち着いて周囲の景観に溶け込んで来たと思う。そして後、1週間で開校100年目は終わり101年目となる。「祈願の碑」建立ドラマは終幕に近づき、碑に書いた「祈願の書」を額装にして幕を引く事にした。碑と同じ祈願の額装は学院神社に近く、「大祓詞」が掲げられている大きな柱に掲げられた。あらかじめ考えていたことだ。開校100周年の記念事業は「新中学校棟の建設」であるが精神的中軸は「祈願の心と教え」であり、後世の人々の為に私はこの祈願の言葉を残す役目にたまたま、あったことを素直に喜び、大神様に感謝の誠を捧げたいと思う。祈願、本当に良い言葉だと思う。斎戒沐浴して心を込めて祈願の文字を書いた日は令和5年3月16日の事であった。 

今年1年、このアラウンドをお読み頂き、心より感謝申し上げます。暫く休筆致します。皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。










2023年12月22日金曜日

今年も残すところ後二日に・・・

 今年も後残すところ二日間となった。周囲は何時もと変らない光景だが、どういう訳か「気が急く」感じだ。年末が醸し出す空気感かも知れない。中学校1年生と2年生、それに保護者集団を乗せたバスは予定通りに金剛山に向かった。現地情報では雪は降っておらず、又「アイゼン」を全員分持っているので雪道でも安心できる。生徒を挟むように教員が付くので列にはぐれたりはしないがそれでも生徒の監視を怠るなと校長先生に言った。 

高校校長と入試担当の教頭と来年度入試の現状について膝突き合わせたミーティングを持った。現在は個別相談会の真っ最中であるが、これも明日で終了する。学校での入試説明会では過去新記録となる参加者を得ているしこの個別相談会でも新記録の数値である。間違いなく「浪速高校の人気度」は極めて高そうだ。年明け早々に始まる公立中学校との相談会で我々は「学校5日制+アルファ(土曜日の有効利用)」と教職員の「週休変則2日制」についてしっかりとご説明することの大切さを議論した。浪速中学校の1次A入試の志願者は丁度昨年並みのペースでありこちらはじっくりと構えて対応すうように指示した。 


9時過ぎ、中学校舎新築工事、請負のゼネコン、南海辰村建設(株)さんの営業、設計、工事部門の責任者が年末のご挨拶に来てくれた。会談は仕事が順調に行っているだけに極めて和気藹々であった。来年の10月頃に「上棟式」を古式ゆかしくやると私は申し上げた。中学生全員が「引き綱」を持って掛け声を出す光景が今から目に浮かぶ。 


10時に私は学校を後にして千早赤阪村の多聞尚学館に向かった。そこで昨日から学習合宿をしている中学3年生の学院長講話である。昼食前に少しの時間を借りて「激励」をした。昼食は地元のレストランの方に作って頂いた「おにぎり」とお母さんが作ってくれた「豚汁」である。講話の後、私も豚汁をご相伴に与った。そうこうしている内に金剛山から第一陣の中1が帰って来て、これまたお母さんの温かい「豚汁」で冷えた身体を温めるのである。私は講話の後、PTA会長以下30人のお手伝いに来て下さった保護者にご挨拶し、学校に舞い戻った。15時30分、西田校長から登山組は全員が無事に多聞に入ったと連絡があり、安堵した。外気温は1度でありまさに「耐寒行事」であった。 





2023年12月21日木曜日

木彫師「前田曉彦」さんにお願いしたい。

 昨日はインフルなどで全員が揃わず、遅れていた「中学3年生の卒業アルバム」の写真撮影があった。私は中学校長、生徒と並んでテニスコートに立ち、専属の片山写真館さんの手で撮られた。今は学年4クラスとなり昔の1クラス時代を想えば実に感慨深いものがある。 


又昨日は新中学校棟の西関門を入った直ぐの左面の壁に掲げる「木彫刻」の木彫師に来て貰ってキックオフの打ち合わせを行った。これは私の強いこだわりの対象である飾り物である。新中学校棟の何処に何を飾り発信するか、真剣に長い間考えた末の結論は「木材彫刻」であった。東館の「天の岩屋戸神話」は和絵の具の「壁画」、東館と中央館との2階部分の境界は「ガラス絵の天孫降臨神話」としたから新中学校棟は他の表現方法を探ったのである。題材は古事記の「因幡の白うさぎ伝説」と「八岐大蛇伝説」とすることは既に決めていたのだが、「木材への彫刻」と決断できるご縁が出来、木彫りとしたのである。これで一安心出来た。 


肝心の彫師は本校教諭の池澤先生が探し出してくれ、岸和田在住の「前田曉彦氏」となった。池澤先生経由で前田氏の経歴や著作を読み、私は「この方にお会いしてみよう」と決め、昨日初めての顔合わせを持ったのであった。前田さんは何と本校卒業生で奈良大学を卒業、「学卒の彫師」で有名な新進気鋭の技術者・技能者で特に「だんじりの彫刻」では斯界で有名である。幅広い実績があり、日光東照宮への奉納など活躍の範囲も広い。何より「お人柄」が著作を通じ、又昨日の顔合わせでも素晴らしい物を感じた。私は「是非、この方にお願いしたい」とその場で決めたのである。キックオフということで南辰さんの設計者や本校の関係者揃って顔合わせし、今後「イメージ」を固め、見積もりを出して貰うことにした。時間は「たっぷり」あるので素晴らしい作品を完成させ新校舎の名所としたい。 


昨日の終業式で年内の仕事は終わりだと普通は考えるが、実態はそうではなく、教職員の勤務は23日(土)まで続く。今日は21日、変わっているのは中学校で終業式は終わっているが中3生4クラス全員は8時45分のバスに乗り、目的は「受験対策」で千早赤阪村の校外学習施設「多聞尚学館」に向かった。又明日はそこに中1と中2が「金剛山耐寒登山」で山に登り、下山後は多聞尚学館に入る。そこには中学の保護者が待ち構えており、勉強中の中3と金剛山から下山してきた中1中2生に温かい「豚汁」を振舞うのである。これが「浪速」である。明日は私も多聞尚学館に入り生徒の激励に行き、豚汁をお馳走になりたいと思う。


そして今年最後になる新中学校棟の建設工事現場を視察した。少し間が空いていたので現場を見て驚いた。地下ピットは大体埋め戻され、グランドレベルのイメージが分かるようになっていた。年が明ければ1階部分の土間が打たれ、校舎のイメージが徐々に出て来る。楽しみとなった。私は南海辰村建設さんの工事課長さん以下スタッフの方々に感謝と慰労の言葉を述べて激励した。現場は27日で仕事納めとするとの事であった。来年がとにかく楽しみだ。



2023年12月20日水曜日

2学期終幕に向かって

 ここ2週間、学校の先生方は私を含めて毎日、目の回るように走り回っている。まさに「師走」である。今日は2学期の終業に当たり、まず「神前奉告」の儀がありその後「終業式」であった。神前奉告は生徒と教職員打ち揃って、学院神社の大神様に無事に過ぎ去った2学期の「感謝」、そして「行く年への惜別と来る年への健康・安全安心・安穏平穏・学業成就」他を神様に「祈願」した。その後場所を移動し、学院長として今年最後の「学院長講話」があった。遂に浪速100年の特別公演は終幕となりつつある。昨日の理事会・評議員会を済ませ、生徒へのけじめである終業式、そして教職員へのけじめである「職員会議」を済ませ、一応公式な私の仕事は今日で終わった。


しかしこれで学校はお終いではなく、まだ余震は続き、23日まで学校は様々な予定が組まれている。高校は特別講習があり、「中学は多聞合宿とか金剛山登山」とかがあり24日のクリスマスイブの日から学校の門を閉じる。教職員は明年1月4日までが冬季休業である。5日に教職員は新年最初の職員会議を以って新年度がスタートする。神前奉告後の「学院長講話」で私は様々な事を話したが、最後に今日で胸に付けている「開校100周年バッジ」を取り外し記念にどこかの保持することを生徒に勧めた。この素晴らしいバッジは何にでも取り付けられるし利用出来ると話した。カバンの何処かに小さな穴を明けて取り付けるのもアイデアである。そして胸のバッジの代わりに最後の100周年開校記念品として生徒にマーク入りのボールペンを高1,高2,高3、中学全体と4種類に色分けしたペンをプレゼントし学業への志を固めるように諭した。ボールペンの授与はそういう意味である。



14時からの職員会議では昨日の理事会・評議員会の資料を使って全教職員に中身を報告した。そのパートは詳細な別紙付きで:

*(3)「学校の形」の変革

「(株)浪速教育振興(NEP)」(Naniwa Educational Promotion)の発足  別紙

「学校週5日制=週休2日制」の導入                    別紙                    

理事会の議事や状況をタイムリーに教職員に告知することは大切な事で私は当初から資料を自分で作り自分の言葉で発言したことを先生方に知らせて来た。組織のトップが自分の声で話すことが一番必要である。昨日の会議で新会社の設立と学校週5日制(週休2日制)が満場一致で承認されたことを知らしめたのである。遂に「号砲は鳴った」。来年の2学期から今の50分授業が45分授業になり、7限目をぶら下げ、今まで以上に教材研究、授業の展開など、なかんずく授業開始時間の厳格さが求められると私は強調した。45分授業が40分授業時間になってはならないのである。来年度の最大のテーマは「学校週5日制」であり何としても成果を出さねばならない。全教職員一致協力して参りたいと職員会議で話を結んだ。



2023年12月19日火曜日

午前は合唱コンクール、午後は理事会・評議員会

 今日は重要な業務が午前、午後と続いてあった。午前中は「高校1年生のクラス対抗合唱コンクール」、午後は「理事会・評議員会の日」であった。合唱コンクールは今から13年前に私が始め、直近の2年間はコロナで自粛し、開校100周年となる今年は再開出来て、11回目となった。「歌声の聞こえる学校は良い学校」「建設の槌音の聞こえる学校は良い学校」とは私の造語で常に引用している。生徒が内揃って声を出し、一つの事に集中すると言う行為はクラスの団結と友情を育む。当初は恥ずかしがって声を出さない男子生徒が真正面に向かって声を出すようになればオーケーである。又古臭い校舎で汚い食堂や不潔なトイレなどの学校では生徒は学校に誇りなど持てない。学校法人は常に教育環境を美麗に整備するのが仕事である。この二つは私の哲学である。4月浪速高校に入学して、その年の暮れに行う合唱コンクールは「ここでクラスの纏まりと友情を固める」という大きな効果がある。



生徒は約1か月、この日の為に練習を重ね、この日を迎えた。理事長・学院長の私が「聴きに来てくれる」ことを大いに期待しているのは手に取るように分かるから校長兼任を外れても欠席したことはない。900人、21クラスもあるから8時50分頃から始まり12時30分過ぎまでかかるが退屈しない。保護者への案内もしており、我が子の歌を聴きにくる親は多い。これが極めて良い雰囲気を会場全体に醸し出している。課題曲は「校歌:我ら浪速」でその後自由曲はクラス単位で自由に決めて来る。ダブっても事前調整などしないから本日も「僕のこと」「スパークル」「クリスマスソング」「愛唄」がダブっていた。終了後は厳重な審査があり、私は「焼きたてパン券」を最優秀クラスには1クラス一人当たり5個、優秀賞は3クラスで一人当たり3個、奨励賞3クラス一人当たり2個で、今回から校長特別賞を設け審査外で校長単独による指名で1クラスのみ選定し、一人当たり2個のパン券を出す。私は思う、生徒に配るパン代など「安いものだ」。それにしても特別企画「教員合唱」は極めて盛り上がった。良い学校であるとつくづくと感じた。 



午後15時からは年末理事会・評議員会であった。本法人は神道の学校として「行く年、来る年」として年末理事会を特別に重要視している。会議前に全員で「学院神社」に揃って参拝する。名のある神社の宮司様を従えて(?)、私が先頭に立って一斉参拝するのは気が引けるがこれも仕事と割り切ってやらせて頂いている。まず学校に到着されたら理事長室にて懇談、その後参拝、そして会議室に移動してまず理事長以下学内理事、管理職による議事にそった資料説明を行い、その後質疑応答があって、評議員会は終了。その後理事長室に理事全員が集まって評議員会の議論を経ての理事会となる。ここまでが手順で適切に執行しないと順法にはならない。その後洩らさず完璧な議事録を残さないといけない。 



評議員会の理事長概括経営報告はまず「総括」で私は以下の文章を読み上げた。

“令和5年の特記事項は4月30日の開校100周年記念日当日、「奉祝祭」「新中学校棟の建設宣言」「記念式典」そして「祝賀会」と一連の奉祝行事を内外のお客様をお迎えし、無事に終えた事であった。準備期間1年、投じた総費用は約1億円となったが大きな成果を上げ、「浪速学院の存在感」を大いに高めることが出来たと思う。

4月の入学者数は高校で900人、中学で148人と何れも新記録となり、4月期首では総生徒数2903人と言う大規模な学校となり100周年を飾った。開校101年目となる令和6年は新たな気持ちで「ネクスト100に向けての改革元年」と捉え「学校の形」を含め、様々なテーマに取り組んでいく。「質的転換期」にあるとの認識を持ち、学校のレベルを更に一段高めるべく教職員一丸となって行動して参る。改革に停滞はなく、「前に、前に」にと進め、入学してくる生徒にも、浪速で働く教職員にも「グッド・スクール」「働き易い職場」を実現することが目標である。”(以下は又次のアラウンドにて)