2020年10月31日土曜日

多忙な土曜日

 







本日土曜日は、通常の授業以外に学校行事として、重要な事が2つありました。1つは浪速中学校の来年4月入学希望の小学6年生40名と、その保護者40名をバス3台に分けて、千早赤阪村にある多聞尚学館でプレテスト対策の事前勉強会がありました。

理事長・学院長先生は朝815分にバス3台を見送られ、引き続いて高校については第2回目のオープンキャンパスがあり、多数の参加者をA班・B班に分けて、授業見学があり、その様子を見に行かれました。

その後、先生は大阪護国神社儀式殿で、第38回ギャラクシー賞奨励賞作品の「流れる雲よ」の演劇を鑑賞する為に、学校車で大阪護国神社へ向かわれました。タイトルは『今、日本はいい国ですか?』であり、演劇集団アトリエッジによる公演でした。理事長・学院長先生は、お帰り後「あれは是非生徒にも鑑賞させたい」とおっしゃられていました。(K

2020年10月30日金曜日

「少年法改正」高校3年生はもう大人?

今朝の新聞記事で注目しなければならないのは「18,19歳厳罰化答申」が出たことだ。各紙とも大きく報道している。法務大臣の諮問機関である「法制審議会」が昨日、罪を犯した18歳と19歳の少年?を現行よりも厳罰化する「少年法改正要綱」を上川陽子法務大臣に答申した。諮問から3年かけてようやく進んだ。要点は少年法の改定を現行の20歳未満から引き下げるかどうかだったが、紆余曲折の議論の末、形は今のままで年齢を引き下げずに「一定の厳罰化を図る法令」として来年の通常国会に提案される見込みという。理由は18,19歳は「十分に成熟しておらず未だ”可塑性“を有する存在と指摘」している。可塑性とは柔軟性の意味でまだやる直しが効く年齢と判断したのである。法律用語は難しい。

 

今までと同じように一旦は「家裁送致」とするが重大な犯罪は検察官に「逆送致」し、一般と同じように刑法で裁かれ、「氏名や顔写真など本人を特定する報道も解禁」される。これが前述した一定の厳罰化の意味で恐らく案件は増加するだろう。民法上の成人年齢は2022年4月から18歳に引き下げられるが少年法の改正は前述のようにワンクッション置いた妥協した結果だと思うが、それでも学校関係者は今般の改正を注視しなくてはならないと思う。重大な現行の犯罪として殺人、傷害致死に加え、強盗、強制性交などで刑の下限が1年以上の懲役・禁固の罪が追加された。シミュレーションによれば昨年12月から今年2月までに家裁が行った18,19歳の刑事犯1708人の内逆送対象は3人から何と52人と17倍に広がるという。

 本校では今日10月30日現在で18歳に到達した数は60%程度もいるから今次の少年法改正対象の数は多い。又3月中に幾ら卒業しても3月31日までは学校との関りがあるから基本的に高等学校は高校3年生への責任は有すると考えれば、今回の少年法の改正は重大である。実名報道や顔写真が出れば、在校生、保護者、塾関係者、卒業生等広範囲に影響を与える。案件によっては学校の死命を制することになりかねない。従って今後は生徒指導への視点も法改正に合わせて新たに対処していく必要がある。本校には今まで少年法に触れる犯罪をした生徒は勿論皆無であるが、万が一の事を考え、法律が成立した後の事を想定しながら生徒指導の在り方を見直していこうと考えるべきであると私は今朝、高校校長に述べた。まだ準備する時間は十分あるので、「高校3年生はもう大人!」として学校も考えるということではないか。日常の指導と学校内規の厳罰化も抑止力の観点で考えねばならない。






2020年10月28日水曜日

本日② デジタル・ネイティブ世代とデジタル・イミグラント世代

所定日の11月1日には所用があって大阪都に関する住民投票に行けないので本日不在者投票をした。投票用紙はこのように書いている。「大阪市を廃止し特別区を設置することへの住民投票・賛成or反対」と書いていた。仕方がないのだろうが個人的意見ではこのような問いかけは余り、上手くないのではないか?人間は「廃止」とかいう言葉には少なからず抵抗感があるものだ。まあ、この事は良しとして驚いたのは、NHKが待ち構えていて「タブレット」で色々と聞かれた。賛成か反対か?年齢は?支持する政党は?賛否の理由は?等々でこれらは瞬時に本部に伝送され、分析されるという。恐らく11月1日投票締め切り後長くない時間で速報として投票結果がテレビで放送されるのだろう。

凄い時代になったものだ。出口調査も昔はペーパー方式だったが今や完全なデジタル社会に移行しつつあることを実感した。色々批判はあるが文部科学省の文教役人の中には立派な識者は居て本気で日本社会をリードしよう、支えよう、変えようと頑張っている。私は素直に評価したいと思う。本質的に言えば彼らはプロとして極めて頭が良い人ばかりである。頭の悪い人間があれこれ言うから話しがややこしくなる。文部科学省は大学入試センター試験の後継として来年1月に初めて実施される「大学入学共通テストの出題教科」に、令和7年から「情報」を新設する案を打ち出してきた。今後、大学や高校などから意見を聞き、来年3月をめどに方針を決定し夏には最終的に決定される見通しだという。

現在の中学2年生が高校に入学する令和4年度に高校の新学習指導要領が施行され、プログラミングなどを学ぶ「情報I」が必修となる。大学入試センターはこの世代が大学受験を迎える7年1月の共通テストの教科・科目を検討する中で、「外国語」「国語」「数学」「社会」「理科」などに並ぶ教科として、「情報」テストを新設することにしたのだ。面白いことになった。これでこそ「情報」の教科が生きてくる。今後は大学に進学する為には情報が必須となってくるのではないか。私は思う。単なる一般常識として学ぶのではなくて「厳しい社会を合理的に生き抜いていくために情報を学ぶ必要がある」と考えるべきである。

新校舎建設時に私は中央館に素晴らしい豪華な情報教室を2部屋も作った。今でも情報科の教員が頑張ってくれているが、今回の事で益々「お尻に火を付けて」頑張ってくれるだろう。分かるような気がするが情報の免許を有している先生は少ない。結構難しいらしい。だからどの学校も情報の教員を揃えるのに苦労しているのが実態である。免許取得には数学の免許とダブルらしくて本校で2名の情報免許を有している専任教諭は数学の免許も合わせ持っている。両名とも私が信頼し期待している素晴らしい先生だ。しかし私は二人ではこの先心もとなくこの4月から女性の数学教員を職務免除で学校を離れ、情報の免許を取得するよう依頼し今コロナの影響を受けながらも大学に通い免許取得に頑張って貰っている。素晴らしい情報教室の設置や教員の確保等々、何か自分が打った手が全て具体的に繋がるのがそら恐ろしい。嬉しい悲鳴である。

 デジタルネイティブ(世代) (digital native) と言う言葉がある。児童、生徒、学生時代からインターネットやパソコンのある生活環境の中で育ってきた世代の事で、日本では1980年前後生まれ以降が該当するとされている。この若者たちは生まれながらにして「IT」に親しんでいる。ゲームやスマホ、パソコンには抵抗感など全くない世代だ。今日も公開授業の参観で中学校と高校の教室に行ったが本校の生徒はタブレットを傍に置いて、いとも簡単に使いこなしている。ところが我々の世代、IT普及以前に生まれてITを身につけようとしている世代をデジタルイミグラント 「デジタル移民」と呼ばれているらしいが、 この移民世代が問題である。教員社会も同じだ。「ICT教育だと?何だ、それは!、授業は黒板でやるものだ、コンピューターがやるものではない!」と叫ぶような教員、「IT資格試験に何回トライしても受からない」では、そのうち立つ瀬がなくなるだろう。 



本日① 理事長・学院長先生 公開授業を参観

 





本日、中学社会科と高校神道科を担当している2人の常勤講師の公開授業が行われ、理事長・学院長先生は授業を参観されました。先生はこの公開授業を大変重要視されており、節目となる教員の授業を最初から最後まで、じっくりとご覧になられました。授業終了後、理事長室に公開授業を終えた教員、そして、教科長と校長先生をお呼びになり、授業の講評やアドバイス等が行われ、真剣な表情で理事長先生のご指導を聞いておられました。(K

2020年10月27日火曜日

大好きな千早赤阪村と本校

私は「千早赤阪村」が大好きだ。この時世にあって「村(ムラ)」という表現が何とも心地良く響く。ご承知のように千早赤阪村は大阪府南河内地域に位置し、南河内郡に属する村である。大阪府で唯一の村であり人口が6000人以下と、最も少ない。「楠木正成」の出身地として知られている。戦前は日本人に最も敬愛されたという、この歴史上の人物である楠木正成公を私自身も大いに心惹かれているのだが、この事が契機となってこの村と関係が生まれた。その他、役行者が修行したと言われる金剛山や棚田などの自然に囲まれた歴史と観光の村であり、村のキャッチフレーズは「太平記のふるさと」「一冊の絵本のような村」だ。戦後、戦争賛美の象徴として批判され、あらゆる場面で大楠公は抹殺されて来たが、最近はNHKの大河ドラマにどうかなどの機運が出てきているのが嬉しい。

 この村は1956年(昭和31年)930日に千早村と赤阪村が合併して発足した。2002年(平成14年)から富田林市・太子町・河南町との間で合併協議がなされたが、合併方式をめぐって対立しこの話は消え失せた。2008年(平成20年)2 あたりの 河内長野市との法定協議会設置議案を村議会が可決し、編入合併の予定で、合併が実現すれば大阪府から村が消滅することになっていた。しかし翌2009年(平成21年)、村議会による河内長野市への編入合併に関する議案に対して反対意見が多数となり、結果、河内長野市への編入合併は白紙撤回され、府内から村が消滅することはなかった。この時以来私はこの村と深く関わるようになった。私は当時の松本村長に「村で良いではありませんか!」と何回も言った記憶がある。

私は廃校となった村立の多聞小学校を村から買い取り、10年かけて大改造し、今や山間部の豪華な山小屋風の「多聞尚学館」という校外学習施設を作った。その後引き続いて「多聞茶寮」「多聞いちご園」「多聞農園・果樹園」「多聞楽舎」と立て続けに「多聞の冠」をつけて私の安息の場所と生徒たちの学習施設を整備していった。多聞とは楠木正成公の幼名「多聞丸」から来ている。馬上姿の楠木正成公の銅像も3Dプリント技法で安く、安く作成し多聞尚学館正門に飾っている。学校を離れて千早赤阪村は生徒達の学力強化と心の滋養となる場所なのである。

 この村には産業らしい産業はない。農業は柑橘類、花栽培、しいたけ栽培くらいで、江戸時代から昭和30年代までは「凍り豆腐(ちはや豆腐)」の産地として有名であった。後は林業であるが何と言っても大阪府で最も標高の高い山である「金剛山」を有しているくらいが特徴である。金剛山登山、参拝、ハイキング、マス釣り等が細々とあるくらいで村内にはコンビニエンスストアが一つもないことでも有名だ。要は何もない村なのである。もし大阪都が実現すれば都にある唯一の村ということになる。何もなくても良いではないか!自然があればそれで良いと思う。最近では村特産の「千早姫」というブランドを掲げてイチゴ栽培に熱心である。だから私はビニルハウスでのイチゴ栽培や果樹園を作った。

 このような深いお付き合いがこの村とはあり、村の教育委員会から依頼され4年前から本学院から教育委員を出している。この度改選期にあたり、現在の派遣者が高い評価を戴き、引き続いて後任者を出して欲しいとお願いの為に本日村のK教育長が来校された。私は積極的にご要望を受け止め、優秀な人材を推薦した。何とこの村の教育長は昔からの知己で元は大阪府教育庁の幹部であった人である。久し振りの邂逅を我々は大いに楽しみ、話が弾んだ。ますます本校と千早赤阪村との関係が深くなる感じがした、「秋晴れ」の良い一日であった。



2020年10月26日月曜日

学校安全衛生管理保健委員会






本日、理事長・学院長先生は拡大管理職朝会を開催されました。そして、午後には本校学校医・産業医である、にいのぶ内科の新居延先生にお越しいただき、理事長室にて、しばらくの間、懇談されました。その後、理事長先生と新居延先生は7階の特別会議室へ移動され、学校安全衛生管理保健委員会に臨まれました。本日から、この会議に学校医・産業医として、新居延先生もご出席することになり、教職員と生徒たちの健康管理について色々とご指導を賜ることになりました。お席は理事長先生の左隣となりました。(K

2020年10月24日土曜日

第1回高校入試説明会

 




今日は第1回目の高校入試説明会の日でした。コロナ対策として初めて、各教室分散によるリモート説明会となりました。理事長・学院長先生は14年間冒頭の校長プレゼンテーションをやって来られましたが、今年、新校長が誕生し、「解放された」と喜んでおられました。

しかし気になられるのか、会場から様子をご覧になっていました。理事長先生は事前に校長先生にアドバイスをされ、その後、校長先生はプレゼンテーションに臨まれました。理事長先生は、コロナ禍の中で昨年より1.5倍多い参加者を得て、また新校長の出来栄えに大変喜んでおられました。入試説明会はこの後、117日(土)、125日(土)、1212日(土)と続きます。(K

2020年10月23日金曜日

教員のクラブ活動指導と健康障害

第一報は朝日が4日前に報道した。その後各社が記事にしたが今朝は大阪日日が報じている。各紙とも結構大きな扱いである。それは「教員の大量処分」に関するものだが、中身は学校のクラブ活動にマイカーに生徒を載せて練習試合等に出掛けたのは重大な内規違反だと鳥取県教育委員会が83人もの関与した教員を処分したものである。このことについては議論の余地はない。自動車保険など確認せず万が一交通事故にでもあったら取り返しのつかない事だから処分は仕方がない。私が注目する点は各紙の記事にあるが学校のクラブ活動は「教員の自主的な取り組み」「教員のボランティア活動」であるという点である。公式戦出場は校長の職務命令と言う形はあるがあくまでクラブの自主的な練習は教員の本来業務ではないという記事の部分である。

 確かに教員は、特にクラブ活動に熱心な先生方には「頭が下がる」ほど一生懸命に生徒の為に頑張ってくれている。しかし忘れてはならないのは前述したクラブ活動に関しては日本全国共通した考え方があるという事である。学校の教員の本来業務は教科や生活指導や進路指導などでありクラブ活動の指導とは明確に一線を敷いているのである。可哀想な気がするが現状の日本のマジョリティはそうなのである。だから基本的にクラブ活動は基本給与の範囲ではなくて無償から戦後出発している。しかし頑張る教員への褒賞の意味からクラブ指導手当の概念が生まれ各校はそれぞれの経緯を反映して「手当てを支給している学校、何も支給しない学校」と分かれている。

 私は近隣の複数の私立学校の状況を全て調査し本校と比較したがダントツで本校は処遇している。圧倒的に多いのは平日のクラブ指導は0円の学校である。土曜日、日曜日は時間制限を設けて一日1500円から2000円を出している学校もある。教員が時間をオーバーして働いているのは間違いなくクラブ活動である。この「クラブ活動の在り方」について私は事務統括の理事と高校校長(理事)に職務命令を発して整理するように指示した。土日もなく、休みもご家庭をほったらかして一見過重な時間オーバーは知らず知らずのうちに肉体と精神を痛めることになりかねない。最も好きなスポーツを生徒と走り回るのは決してしんどいことにはならないが、「じゃ、良いですよ、好きなだけやってください!」と私が賛成する訳にはいかない。どこかで線を引かないと教員の働き方改革には繋がらない。

 現在の労働行政では、一応、過労死ラインは80時間(月に20日出勤とすると、14時間以上の残業・12時間労働)とされており、 これは、健康障害の発症26ヶ月間で平均80時間を超える時間外労働(活動)をしている場合、健康障害と長時間労働の因果関係を認めやすいという目安があるからである。これは、あくまで目安であって絶対的なものではないが、学校社会も教員の健康障害について考えなければならない。一般的には6カ月を平均して45時間を超える時間外労働が行われた場合健康障害と業務との関連性は強まっていき、これを超えて期間外労働時間が長くなるにつれて、その因果関係はより強まっていくとされている。

本校では教職員の健康を第一に考え、もって「働き方改革」を進めなければならない。コロナ禍の今こそ、その道に向かって法令順守もさりながら教職員一人一人の自覚が大切である。私は最近この事ばかり管理職や校務運営委員会、職員会議でも話している。26日の学校安全衛生保健委員会では学校医の先生に参加を願い、又長い労働時間の教員は学校医の面談と診察を受けさせるようにした。元気バリバリでクラブ大好きな若い教員であったが既に3人の教員を医院に行かせた。当然全く問題はないがそのような時代になったという事である。仕事が終われば学校で「うじゃうじゃ」居らずに早く帰宅して欲しい。ご自宅で更に更に立派な教員になるように「自己研鑽」を図って欲しい。昔から勉強は家でやるものだ。教員は峻別というか区別が出来なくてはならない。



2020年10月22日木曜日

「打ち出の小槌は無い!」

本校では今のところ教職員、生徒誰一人コロナの罹患はない。一人一人が自覚をして感染予防を徹底している成果であろう。従って学校は大きな問題もなく「平穏無事」だ。学校と言うのは、この平穏無事が何よりだと思う。ただ学校の先行きを考えれば心の内は安閑とはしておられない。私はこういう時こそ「本校の先行き」を想う。あらゆるケースを想定してコロナ後の学校の形を今から準備して行くことこそ大切である。経営者は「心配症」が良い。私は極めて心配性人間である。ICTを先取りしてやって来たからこそ今悠然と構えておられる。全教員がグーグルのICT教育認定を取得した。全館Wi-Fi環境が完成し、全校生徒がクロムブックを有し、全ての体制は整っている。今後更に進化するだろう。

 今朝の新聞各紙は「ANA(全日空)」が最悪5000億円の赤字だと報じている。昨晩からテレビニュースでも大きく取り上げられていた。海外渡航用の大型機を半減させ成田、関空、中部から国際線を撤退し全て羽田に集約するという。世界の大手航空会社も状況は同じだ。海外修学旅行はこれで数年は再開出来なくなったと考えた方が良い。ANAはコスト削減を図る為に給与を3割削減し、年末手当もカット、遊休資産の売却を進めるという。鉄道、旅行会社、鉄鋼、自動車等々日本の基幹産業が酷い。飲食業、観光地などは壊滅状況にある。日本経済はこの先一体どうなるのか、予測が立て難い。このような緊急時にはまず手っ取り早く人件費の削減に走るのはある面、致し方がない。「母船」を沈没させるわけには行かないからだ。

 私は少なくとも現在進行中の案件は計画通りに進めていくが、二つの大型案件である「西館の建て替え」と遠方からの入学者用寮「天照寮(仮称)」の着工時期はご破算にして、数年は「様子見」とすることは既に決心している。これに付随して堺市美原区の「高天原アリーナ」も当然時期を遅らすことも視野に入っている。「産土ゴルフ練習場」は費用面では問題ないのでこれは予定どおり来春に着工するかと踏んでいるのだが、全ては来年度入学者の数にかかっている。コロナによるご家庭の経済問題の為に私学敬遠となれば、本校では大きな影響を受ける。昨年並みの入学者だったら「ゴー」すれば良いし、減少傾向だったら立ち止まる勇気が必要だ。これは守りではなくて「腰だめ」だ。力を内に貯めこむ積極策である。

 大切なことは「こういう時」だからこそ、学校を進化させるべきで改革を押し進めることだ。何もせず今までと同じなら衰退するだけと教職員は知るべし。今、大阪の街は北も南も繁華街は閑散としているが、「大阪都」に関して賛成、反対の街宣車がむなしく走り回っている。反対派は「大阪市を守ろう!」のただ一点でこれでは駄目だ。大阪の一体どこを守ろうとするのか?このような時だから「行政の在り方を変えてみる」との姿勢が重要である。人間守りに入ったら進化はない。私は大阪都大賛成である。反対の理由は「住民サービスが低下」と言っているが今までサービスが言うほど良かったか?

 学校の6階にある「天空レストラン」であるがコロナの影響で春以来「赤字」が続いており、私は結構な補助金を投じて来たが何とか9月からは黒字転換だと報告があった。同じく6階の「ブルNANIWAベーカリーショップ」は光熱費を免除して何とか対応し、ようやくパンの売り上げ個数も戻って来た。皆さん努力してくれている。学校経営においてコストの大部分は教職員人件費であり、これから先「人手の多い」学校は駄目なのである。「少数精鋭」で頑張っている学校は強い。

 少数精鋭がしんどいなら人手単価を下げるしかない。平成30年、平成最後にと思って私は専任教諭に対して年末の賞与一時金を一律10万円加算したがこれらを無くし、分掌手当も担任手当ても全てを見直すか、静かに今後の対応を熟慮している。教職員は「学校にいる時間」を自ら考え、「時間管理」をしなければならない。特に「クラブ活動」が問題である。時間外だからと言って手当てを支払う財源は無尽蔵に有るわけではない。私は「打ち出の小槌」を持っているわけではない。私立学校は教育を生業とする企業である。企業経営に能天気な教職員は本校には要らない。全日空みたいになって良いのか!

2020年10月20日火曜日

伊勢修養学舎に代わるお伊勢参り

昨日中学1年生にプレゼントした多聞果樹園の「つるし柿」は生徒に大好評だったそうで、今朝中学の教諭で多聞農園・果樹園の管理担当のT先生がわざわざ写真の入ったメディアを持って報告に来てくれた。嬉しいことだ。4クラスあるのでそれぞれの担任の先生が趣旨を説明して昼食時に配ったそうだが、「わーい!」と大歓声が上がったそうである。これだけで生徒は浪速中学校への求心力が高まるし、より仲良くなるだろう。昔から皆で同時に「同じものを食する行為」は「絆」を深めると言われており、私もそれを確信している。学校は目に見える形で「生徒を愛している」と行動で示さねばならない。これは私の信念である。決して生徒に媚を売っているものではない。

 午後、授業が終わった後、武道館お茶室「洗心亭」に行き、中学1年生と高校1年生の新入部員に「お茶道具一式」を授与した。現在3人の表千家のお茶人の指導者に来て貰って指導をお願いしており、コロナ対策を徹底して間隔を空けて活動をしている特別強化クラブだ。授与したお道具は「袱紗入れ、袱紗、扇子、懐紙、菓子きり」の5点である。元来であれば生徒負担であるが運動部の練習場建設などに比べ文化部には支援の規模があまりにも小さい。せめてものささやかな応援と考えて実施しているが、このような学校は日本中何処を探してもあるまい。最後までやりきることを期待しての激励の品だ。これも生徒を愛しているからこその行動で資金的に大丈夫な状況下であれば今後とも続ける。

残念ながら今年の伊勢修養学舎は中止とせざるを得なかった。通算66年続いた学舎だったがコロナの前には如何とも出来ず、その代わり「伊勢参り」に形を変えて実施する。日帰り、4班に分けて通常なら一クラス1台のバスを2台に分乗させ「密を避ける」形とした。まず「外宮参拝」、次いで「猿田彦神社正式参拝」、その後神宮会館で昼食を摂らせ、「内宮参拝」に向かう。8時20分に学校を出発し、16時50分には帰着だ。校長講話も禊も着付け指導も神楽舞の指導もないが、「天照大御神」さまに直接お会いできる機会を私は作った。新しい形の出現だが「禊」が無いのは如何にも辛い。新高校校長もさぞ嘆いている事だろう。

とにかくコロナ対策を徹底して無事に戻ってくることを祈願している。この為、1班が出発する4日の実力試験日は極めて重要な行事であるがこの日の試験後の午後の授業は取りやめ、生徒へは伊勢参りの留意事項を説明する機会とし、教員はその日のうちに「採点を済ませる」予定を立てたと高校校長が言うので、授業のカットは些か辛いが、やむなく了承したのである。念には念を入れて生徒を守る手間暇を優先させた。私は4班の11月10日に生徒と共にお伊勢参りだ。丁度この日は元来なら海外修学旅行の出発日だった。北半球をロンドンに向けて飛行機で飛んでいたはずだが欧州はコロナで酷いことになっているから中止して良かったと思う。その代わり西名阪国道を走って伊勢に向かう。コロナは本当に世界を震撼せしめ、人間の営み、計画をいとも簡単に変えてしまう。人間はコロナには勝てない。