2022年5月30日月曜日

理事会・評議員会における公認会計士の監査結果

 学校法人浪速学院理事会・評議員会の日であった。令和3年度の決算を固める「公益法人」としては最も重要な会議の日であると言える。1年間の事業の成果と現状が本日の資料の中に全て包含されている。式次第は以下のような展開で進めた。


  1.開会の挨拶             学校法人浪速学院 理事長 木村智彦          2.議事(1)  理事長、常務理事より

  「法人経営と校務運営の理事長、常務理事による総括報告」について  理事長より

(2)理事長の総括報告・提議・審議事項を受けての各種報告について

       ① 令和3年度決算(案)(資料1)並びに令和3年度事業報告(案)

令和3年度決算に係る監査報告(資料3)及び公認会計士による総括

令和4年度入学者数(高校・中学校)他校比較 資料4

令和4年度 働き方改革「アクションプラン」実施に関する活動状況 資料5

令和3年度学校評価について(中高)資料6

浪速国際コースの状況と「ターム留学制度」設立について(資料7) 

(3)その他

    ① 役員人事について

② 労基事案について

③ 創立100周年記念事業寄付金の状況 

これらの中味について私以下、この学校法人に専従して仕事をしている人間が「あれこれ自慢たらしく説明」しても意味は無い。又本日出席の神社界を主体にする校外の理事や評議員の方々も言ってみれば「仲間内」であり、「外部の目」からの評価を規定しているのは法律である。最近、企業や大学などの不祥事の調査などで耳にする「第三者委員会」的なものと理解すれば分かり易い。即ち公認会計士の先生の厳しい目で監査された決算が求められている。私はこの5月の決算理事会では公認会計士の先生にご出席を賜り、全出席者に先生のお言葉で監査結果の発表をお願いしている。この話が全てであり議事録にも残されている。先生のご発言は以下の通り: 

監査報告(理事会)          

公認会計士の●●です。いつもお世話になっております。まず、監査の結果、令和3年度の学校法人浪速学院様の計算書類は適正である旨をご報告申し上げます。 

令和3年度も令和2年度と同様、設備投資や借入金の繰上げ返済により「基本金組入」が〇.〇億円発生した結果、「事業活動収支計算書」の「当年度収支差額」が〇.〇億円になりました。この「基本金組入」という学校会計特有の会計処理は、貸借対照表の純資産の部の繰越収支差額を基本金に振替える処理であり、純資産の部の内部の振替に過ぎず、純資産の金額に影響はありません。このことから、浪速学院の利益は「基本金組入前当年度収支差額」〇億円ということになります。また、令和3年度は教職員への過年度給与の遡及金支払が●.●億円ありますから、実質●.●億円の利益ということになり、安定的な収益構造に変化はありません。 

また、財務面では、令和3年度に〇億円の借入金繰上げ返済をされましたが、年度末の借入金残高〇〇億円であるのに対して、長期借入金返済引当特定資産も同額〇〇億円を保有しており、「実質無借金経営の盤石な財務状況を維持」しています。

通常、学校経営で設備投資をする際には、設備の耐用年数50年程度を借入金の返済期間に設定することが多く、設備が増加すれば、総資産は増加しますが、借入金という負債も増加し、純資産は変化しないものです。規模だけ大きくなりますが、純資産はそのままです。

ところが、浪速学院は、借入返済期限を15年間という異例の短期間に設定するばかりではなく、なんと毎年4億円の返済原資を積立て4年で実質無借金経営にされました。純資産は毎年4~5億円増加し、学校改革が始まって15年間で純資産は3倍になり、この年度末では128億円に上り、自己資本比率はなんと87%と驚異の高さです。 

このような高収益体質は、木村理事長・学院長の戦略的な強いリーダーシップの元、積極的な設備投資により、教育環境を充実向上させ生徒増をもたらし、職場環境も改善され、教職員のモチベーションを高め、それが生徒への教育に還元されるという好循環をもたらした結果と言えます。まるでブースターが内蔵されたような経営です。 

最後に、コロナ禍を乗り越えて創立100周年を盛大に迎えられることをご祈念申し上げて、報告といたします。

2022年5月28日土曜日

改革・革新と「不走時流」

 「不走時流」という言葉に心を動かされた。中学3年生の修学旅行に付き添って山口県萩市に行き、5月18日、萩焼の大家、三輪窯、13代三輪休雪先生のご自宅を訪問した時に玄関先の碑に有った言葉である。同じ言葉が扁額にされて通された客間の欄干、鴨居に掲げられていた。焼き物の話に夢中になり、三輪先生にこの言葉の意味を直接お聞きする機会も無かった。後日調べてみると、この言葉を揮毫されたのは明治維新の立役者のお一人でもあった時の太政大臣、三条実美公と私は知った。 

寛文3年(1663年)、初代 休雪が萩毛利藩に召し抱えられ、「三輪窯は御用窯」となり、天和2年(1682年)に現在の地に移った。代々、三輪窯は「独自性を発揮する窯元」であり、明治維新の後に毛利藩の後ろ盾を失っても窯の火を絶やすことなく萩焼の技法を守り革新性を加えながら今日まで続いている。十代 休雪(休和)の時代に、八代 雪山が三条実美公からこの言葉を贈られ、家訓とされたと言う。爾来三輪窯は「不走庵三輪窯」と称するようになり、初代から13代まで実に360年もの長い間、不走庵 三輪窯はその伝統を守りながら「革新」を続けている。 

革新のお家だからこそこの言葉の意味は重たい。「時代に流されず常に己の考えを重んじて進むこと」だと教えてくれていると思う。私は「やるべき事をやっておれば、急がずとも時は流れる」と解釈した。我が人生、今まで「走って、走って、とにかく変える」為に生きて来たようなものだが、人生の晩年になってこの言葉が妙に心に訴えるものを感じる。改革、革新にはいかに内面の確固とした「信念、強さ」が人間には必要であるかということである。私は三輪先生に対してお礼状をお出ししたが、その一部はこの扁額に対して、“先生に意味を質問する時を失いましたが、この意味は「走らずとも 時は流るる」と自分勝手に解釈しています。革新の窯元である三輪家の家訓が温故知新、不易流行の言葉を含蓄しながら、これらを超越して不走時流の域に到達している精神性に殊更私は新鮮な心のやすらぎを与えられ、私の残り少なくなっている今後の生き方まで諭して頂いた感じです。” 

今日は浪速高校3年生対象の「進路ガイダンス」の日であった。今のI進路指導部長、優秀な人物であり、常に形を変えて企画に工夫を凝らし、生徒への受験意識と努力を高める熱意は尋常ではなく私は高く評価している。彼もまた革新の人物である。今年は会場を二カ所に分けて、学年の科・コース別に分けて行った。一つは堺市の産業振興センターを使って、もう一つは校内において同時進行で実施した。特に面白かったのは「大学イノベーション研究所所長の山内先生」の基調講演であった。「将来の進路の考え方」と称し、「行ける大学ではなく行きたい大学へ」と題し、いかにも心強いお話であった。生徒を鼓舞するには格好のお話でこのフレーズは何時も私が使っている言葉だ。 


このグループは国公立大学や偏差値の高い私立を狙っている生徒対象である。これらのグル-プは週の明けた30日の月曜には「大学キャンパスツアー」と称して約10大学をバスで往復する。遠い所は鳥取大学などがある。当初私はこの提案を受けた時に「日帰りで行けるの?」と聞いたくらいだ。ガイダンスで話を聞き、希望する大学を自分の目で確認する行為は尊い。常に革新性を持ち、ぶれずに努力する人材に神様は応援してくださる。一方の堺会場では校長、進路指導部長以下総出で対応されていた。100を超える大学関係者が入れ替わり、立ち代わり自学のガイダンスを一生懸命にされていた。会場は目を輝かせて生徒は聞き入っていた。自分の人生をようやく本気になって考え始めたのだろう。大変結構である。「自分を変えて行かねばならない。変えることが前に進むことである。」



2022年5月26日木曜日

今日一日を一生懸命に生きる「中今の思想」

 「私立高校の経営は厳しい」のが実情である。全国の私立学校法人の経営者は厳しく苦しい局面にある。本校はお陰様で今のところ不安要素は無く、安定した経営状態が保たれているが「一寸先は闇」で明日の事、来年の事、3年後,10年後の事は分からない。分からないかからこそ「今日一日を真面目に」取り組むのである。神社神道の教えに「中今の思想」と言うのがあるが、これは一言で言えば「今日一日を一生懸命に生きる」と言う事である。この中今という言葉の意味は過去・現在・未来というおよそ存在し得る全ての時間の中で過去と未来の中間に位置する今の世に最高の価値を見出そうとする思想である。これは歴史の永遠の発展を肯定しながらも自己がそれに直接参加しうる現在という時をあらゆる時間の中で最も価値あるものとして受け止め、「今を頑張る」のである。私はこの事を管理職にも教職員にも生徒にも伝えて来た。だから「今の浪速がある」のだと思っている。今日でほぼ決算作業が終わりになる公認会計士の先生方に私はお話した。

2021年の全国4856校の高校の内私立高校は1320校ある。本校もそのうちの一つだ。全国の高校生は約101万人ほどで、高校に入学する15歳人口はこの20年間で138万人から107万人に減少している。私の時代などは団塊の世代として250万人も居たからまさしく「少子化、人口減少」そのものである。ところがこの間、公立高校は賢くて、統廃合を進め、625校も減った。ところが建学の精神ばかりを声高に叫び、一国一城の主たる私立高校は何と「横這い」なのである。自分のところだけはつぶれないと思っているのである。 

少子化の中で公立、私立共に生徒の獲得競争は激しく、各校は共学にしたり、カリキュラムを見直したりして魅力アップに努めているが日本私立学校振興・共済事業団に拠れば入学定員に満たない高校は実に7割に上るという。私立の運営費は生徒からの「授業料」と教育環境の向上を目的に国や都道府県からの生徒数に応じて支給される「私学助成金」などで賄われ、その内「最大の支給額は教職員への人件費」である。最近和歌山の高校で給料が支給さないからと言って教員のストライキが大きく報道されたが、これも経営難で資金繰りに困っての事だろう。学校の先生も「聖職者」ではあるが、毎日の生活がある「労働者」に変わりは無い。給料を支払わない学校法人は失格であり、その法人の理事長は万死に値する。 

又、遂二三日前に大阪府私立中学校・高等学校連合会の総会があったが、その中に大阪の伝統ある某私立高校の学校法人の名前が他の大学法人の名前に替わっていた。これはその高校の元理事長が学校の土地を売却して大きな社会問題となり、結果として法人が吸収合併された例であろう。このように私立高校の経営は「ちょっとした油断」「無能で私物化する理事長」によって一瞬にして「奈落の底に落ちる」のである。肝に命じなければならない。 

従って毎年毎年の「決算」が極めて重要でその計算書類から学校の現実の姿を直視し適切な対応策を取ることが理事長と理事会の責務なのである。評議員はその理事らの仕事ぶりを観察し、適切なる助言や指導を行うことが「私立学校法」の目的とするところである。1月以来何回にも分けてご来校頂き、公認会計士と税理士の先生方の「監査」が今日でほぼ終わり、「令和3年度の計算書類」が今日でほぼ完成する。監査の範囲は全てであり、粉飾が無いか、経理は適切になされているか、固定資産の破却はなどなどが詳細に調べられ、最後は公認会計士の印鑑が押されて作業は終わる。これを30日の理事会・評議員会に提示して議論いただき、認可を受ける。その後、時を置いて監督官庁である大阪府私学課に脚を運び報告説明して全ての作業が終わる。それ位決算と言うのは厳しいものなのである。私は中身のある良い決算をと願い、それを正しいやり方でやって来たからこそ今日の浪速があると思っている。



2022年5月25日水曜日

創立100周「祈り」の記念碑を作る!

 高校は昨日から、中学は今日から「中間試験」である。この時の校内は至って静かで緊張感のある、私の最も好きな時間である。生徒は何とか良い点を取ろうと勉強するし、先生方は試験監督や採点と言う重要な仕事がある。学校法人は30日の理事会・評議員会に向かって、「令和3年度の決算確定」というこれまた神経を使う仕事がここ1カ月ほど継続している。私もこの決算理事会は1年の締めくくりであり、理事長としての責任を問われる理事会だけに神経を使い、良い決算を出し、全役員からの高い評価を期待するべく頑張っている。その為に今、自ら資料を作成しているところである。それにしても先週の「中学校3年生との修学旅行」は特別に記念に残るものとなった。私は学校に戻って来て以来、「或る事」をずっと考えていたが、今朝決断した。 

それは、来年の4月30日に学校法人浪速学院は「創立100周年」を迎える。決断した中身とは、この日に「記念碑の除幕式」をし、皆様にご披露する。「その記念碑は何か?」。近代日本の夜明け、明治維新の原動力は水戸、薩摩、長州、高知、福井、全国の津々浦々の地方から胎動し、この萩の地もその一角を担った。旧制浪速中学校ではないが今現在の浪速中学校の生徒がコロナ禍で3年振りに再開した修学旅行で「萩の地で萩焼を体験」した。一旦変態点以上に火を通された土は二度と原土には戻らない、「未来永劫続く」ものである。私は生徒が粘土と闘っている窯元の「城山窯」さんで、神様のお導きともいえる作品に遭遇した。陳列していたその作品を見た時に私は微妙な身体の震えを感じた。素晴らしいオーラを感じたのである。それは「祈り」に似たものであった。この作品で「記念碑を」と思ったのである。 


「祈り」とは、宗教によってそれぞれ、意味が異なるが 世界の安寧や、他者への想いを願い込めることであり、一言で言えば「利他の精神」である。自分自身が心の中の神と繋がり、特別な存在、超越した存在、神や仏などに対して、報恩感謝し、又何かの実現を願うことである。別の表現として祈願や祈祷(きとう)、あるいは、儀式を通して行う場合は礼拝(れいはい)という言葉もある。祈りは世界共通の概念であり、最も基本的な宗教行為や民間信仰の一つであるとも言え、祈りという活動は、人間の社会において普遍的である。 


萩から学校に戻ってずっとあの作品の事が頭から離れず、思い切って萩市の工房に電話し正式に譲渡を依頼した。感触は良好であり、もし実現すればこれを100周年記念碑として学院神社の御垣内は恐れ多いことなので御垣外に設置するのである。PTAから何か100周年記念品を贈呈したいと言われているので今回は「祈り」の記念碑とする。10年前の90周年時には「鼉太鼓」を頂いた。今中央館入口に燦然と輝き置かれている。100周年は「祈り」の焼き物としたいと思う。神社神道の学校に相応しい言葉である。素晴らしい設置台を作り、その上に「祈り」の銘板がついたあの作品を飾るのである。何とか私の手で実現したいと思う。時間は十分にある。今朝ほど設置する場所も決めた。



2022年5月23日月曜日

小学生への体験レッスン企画は良かった!

 今日は久し振りに月度1回の「安全衛生保健委員会」と「校務運営委員会」があった。後者については、従来、1週間に一回、入れていたが校内通信システムが完備され、誰もが情報を寸時に共有することが出来ており、「働き方改革」の一つとして2週間に一回に改めた。様子を見て更に頻度を減らすことも視野に入れている。会議は便利なものだがこれによって「生産性が上がる」ことは無い。逆に会議、会議では生産性は下がる。教職員一人一人が現場で走り回ってこそ問題解決に繋がる訳であり、会議が好きな社長さんや理事長さんなどは情報が無いから不安で会議を開くのである。 

組織のトップは基本的に全てに「お見通し」でなければならない。会議など基本的には不要であり、ミーティングも然りだ。連れだって男子トイレで並んで用をしている時に隣の人に「あの件だが、今どうなっている?」と聞くだけで目的は達せられる。会議室に大勢を集める必要はない。しかし時には全員の前で「自分の言葉」で考えを述べることは日本では重要と評価されている。従って私も職員会議と分掌長の校務運営委員会では話すようにしているのである。話す内容は「先の事」である。心の内を明かすのである。各管理職は理事長・学院長と一般の教職員の間に立って問題解決に当てって「既に進行中」状態にあるようにするのが管理職の仕事である。 

21日の土曜日に行った小学生対象の「体験レッスン」は我々の想定を超えた効果を生んだみたいだ。今朝入試広報部の担当者が詳細な報告に来てくれた。この企画は初めてであったが参加者も多く、反響もこのようにあると安堵出来る。とにかく「新しいこと」には人間、多少のビクビクはあるものだが、これを恐れていては何事も前には進まない。アンケートに拠れば「高天原スポーツキャンパス」の豪華さに驚いておれたがそれよりも本校の指導者の対応が素晴らしかったとの評価が私には嬉しい。「優しく、丁寧に」が高く受け入れられたのだ。今後小学生対象の体験レッスンを空手道部、剣道部、ボクシング部等に広げていくとの方針も出て私は入試広報部の前向きな姿勢を高く評価致したいと思う。





 
同じ日に令和4年度大阪私学総合体育大会があり体操競技部門で何と浪速中学校は府内で男子、女子とも3位に入った。創部3年でようやく団体戦が出場できる規模になり、浪中の体操部が認知され始めた。快挙と言える。これは府内の有力な体操クラブとのコラボレーションで初めて連携した運動クラブであるが一人前に育ちつつあるということだ。大阪にはあのオリンピック選手を何人も輩出している清風学園があるが、この足元には及びもつかないが、並んで表彰される段階に進んだと言うだけで私は満足している。「高天原スポーツアリーナ建設」時には間違いなく体操部の為に練習場を作る。 




2022年5月21日土曜日

PTA役員の新旧引継ぎ

 今日は小学生を対象とした「浪速中学校体験レッスン」の日である。本校有史以来初めての新企画である。小学生高学年の生徒を相手に私立中学校の魅力を、特にスポーツを主体に教育環境の良さと指導者の魅力を肌で感じて貰う試みである。今日は「硬式テニス、ゴルフ、陸上競技」と3つのスポーツについて実施した。今後、引き続いて空手、ボクシング、剣道等を企画していく。他校に無いような豪華なそれでいて機能的な「高天原スポーツキャンパス」に保護者同伴でお連れして短時間ではあるが体験レッスンという訳だ。ゴルフ部の参加者が想像を超えて多く、良いクラブを皆さん持っている。令和5年は創立100年になり、これを奉祝しての特別プログラムであり、このような企画を小学生に行うことで私立中学校の特長と特徴を感じ取って貰えば良い。成功を祈りたい。

 

予てから保健体育科の教諭に対して「校内における教員の体操服」について私は課題を投げかけ、課題解決について諮問するように指示を出していたのだが、今朝ほど答申が校長と保健体育科長からあった。それによれば、理事長の考えである「統一したユニフォーム」は不要でそれぞれの教員がTPOを考え清潔感、季節感を忘れず、生徒に威圧感や参観する保護者に対して「これは?」と行き過ぎた服装は着ないようにドレスコードを自主的に決めるとの事であった。生徒は統一した体操服を着ているのに教員が何かリゾート地でサンダルを履き、散歩するような服装は如何なものかという疑問に対する答えが出て来た。他校の状況も調査しており、私は答申を了とした。元々教員にそこまで強制する気は薄かったのだが、例えば職員会議や校務運営委員会での保健体育科の教員の現場着に違和感を感じたのが始まりであったがこれにて「一件落着」とする。 

又今日は午後2時30分からPTA予算審議とPTA新旧役員の人事をテーマに実行委員会があった。まず最初に私の部屋で新役員の方々のご挨拶を受けた。その後会議は順調に進み、新旧役員の引継ぎが行われ、私は感謝状と記念品を贈呈した。6月に総会に諮って全てが決まる。昨年度はコロナの影響でPTA活動も大きな制限を受け実行予算は大きく余る形になり、補正予算の形で「次年度繰越金」が大きく出たので一部を「急減期対策等積立」に回すことも実行委員会で決定された。これらは10年前の創立90周年時に学校側に祝い金、および「鼉太鼓」購入として約3500万円寄付されており、令和4年度決算でも同じような形になると思う。生徒が増えるとPTA実行予算も膨らみ、余裕を持って事業計画が実行できる安堵感は何事にも代えがたい。「大きなことは良いこと」なのである。

 


この席で私はPTA全体ではなくて保護者個人から創立100年の為の「賛助金」のご寄付をお願いすることもお話しさせて頂いた。勿論強制ではなくて自主的にご家庭の家計に少しでも余裕があればの前提で一口1万円でお願いすることとした。この賛助金と急減期の保有預金を使って未来永劫学校に残るようなものを作る。過去には今も燦然と輝く「お神輿」や「鼉太鼓」を頂いた。現在考えているのは「祈り」をテーマにした「彫像、彫刻、焼き物」等などである。これを学院神社の最適な場所に設置し、「浪速100年のモニュメント」とすることを考えている。



2022年5月19日木曜日

萩市内をサイクリング

昨日、陶芸体験に励む生徒と別れて、私は長門市に向かった。萩の隣町である。生徒も私も昨夜のホテルは安部元総理の地元で知られる長門市にある。私は途中でどうしてももう一ヶ所寄りたい陶芸家がこの街におられた。その人は第15代坂倉新兵衛窯である。今から350年前に毛利藩の御用窯としてこの深川の地に開窯された。当時の高麗茶碗から今日の萩焼まで綿々と続くフラッグのお家である。アポ無しであったが優しい奥様とご当代は部屋まで招き入れて下さり、萩焼きの歴史を語ってくださった。この話は又別途に。単に萩焼きに止まらず日本陶芸のそれも茶道に直接深い関連を持つ萩の陶芸家である三輪休雪先生の三輪窯、波多野善蔵先生の指月窯、そして坂倉新兵衛窯の15代と信じられないような著名な陶芸家ご3人にわずか一日でお話しする機会を得たことは望外の幸運であり喜びとなった。出来ればご三人には今後ともご交誼を頂きご指導を賜りたいと思う。



今日も生徒は 予定が一杯。早朝の萩市内を全員がサイクリングだ。未だ古風な城下町の雰囲気の残る萩市内を回るとあちこちから明治維新の立役者が出てくるような事を感じて欲しい。



町の家々の片隅には夏みかんの木々、樹木が植えられ、万が一の時の食料の足しにしたという。武士とはそういう意味である。城山にて昼食をとり、次は浜田市に移り、有名な水族館に立ち寄り、バスは玉造温泉のホテル玉泉だ。とにかく豪華なホテルばかりである。

生徒は最終日の明日は出雲大社に正式参拝、その後実に盛り沢山だが鳥取砂丘を見学し、そこで昼食。そしてバスは高速道を大阪の天王寺までひた走る。この間生徒は実に元気一杯で、多くの修学旅行中の他校の生徒を見たがなかなかどうして立派な本校生徒を確認した私は幸せな気持ちになった。ただ今回でも広島の原爆資料館を見て顔を青ざめ、気分が悪くなった生徒も男子生徒、宮島のホテルでの夕食後アレルギーらしく気持ちが悪くなったのも男子生徒で、女生徒は、何処でも何時でもピンピンで明るく跳び跳ねていた。男子、もう少ししっかりしてねと言いたい気分だ。



私は4日間も学校を空ける訳にはいかないからサイクリングの後、名残惜しいが生徒とバイバイし津和野経由、新山口駅から新幹線で大阪に帰る。生徒には残りの予定を楽しむように激励したのである。久方ぶりに束の間のリフレッシュになった。それにしても昨夜のホテルは素晴らしい中身のホテルであった、しかしこのホテルはロシアのプーチン大統領が泊まったホテルである。関係ないが?