2022年2月26日土曜日

春めいた気温の中で思う事!

 ようやく春めいた気温になってきた。昨日で学年末試験が終わり、生徒は「家庭学習日」として登校は免除した。試験が終わったからと言って「万歳、さあ、クラブをやろう!」とは許可していない。当たり前だ。午前中は自宅で「アクティブに学習」して貰わないと困る。生徒が居ないからと言って教職員が「万歳、今日は休み!」とするのは基本的に許されない。それは「今日は集中採点日」としているからである。この3学期、初めて導入した制度で良ければ来年度の教職員の働き方改革に反映させていく考えであるが、未だまだ大きな実験中である。朝から各教科長を順番に呼んで状況をヒヤリングしたが「大体40%程度の採点進捗状況」であり、今日中に目途を付けると言う事なのでこの新制度の有効性を厳しく評価して行きたいと思う。

 その後先日に続いて先の大学共通テストの解析について国語科と数学科の分析と結果を聞いた。特に国語科長の話は「分析資料が素晴らしく、最大限の評価を与えるべき」と思った。このような先生がいる限り、本校の教科指導は外に向かって誇れる。本校生徒の現実、将来像を分析し対応策を考えないような人物が生徒に教科を教えることなど出来はしない。まして教科長などの重要役職が務まる筈がない。指導教諭である、この先生には来年度から教科長全体の指導に当たって貰うことにした。本校の宝である。私が深く尊敬する先生だ。



今日は既に入学の決定している新1年生となる生徒が登校して来る。2回目である。校長先生の講話から始まり生徒生活指導に関する「親入生心得」「健康調査票」「通学証明書発行願い」「クロムブック購入とICT教育の説明」「教育後援会加入」「防災用品の備蓄」等々盛沢山に見えるが要領よく1時間で終了する。このように既に令和4年度は始まっており、スタートダッシュをかけて早く本校の生徒になって貰いたい。22日の職員会議で私は令和4年度の業務執行体制について詳しく開示し説明したが、組織図に教職員が理解し易いように「本法人が最大最重要とする経営課題を解決する為のシフトを敷いた」積りある。


 
課題とは「中学校生徒募集へのテコ入れ」と「教職員の働き方改革」の二本立てだ。特に中学の生徒募集は大きな山場となってきているとの私の強い危機感が背景にある。ここ最近の3年間で137人、136人そして今年が133人と2年連続で「右肩下がり」となっていることを「たかが数人」と軽く考えてはいけない。統計的には2年連続で下がることは来年度も続くと言うことである。「上り調子」であれば2年連続で下がることはない。今までのやり方の限界が来ていると言うことだ。これを打破し新しい発想で大きな壁を突き破らねばならない。「来年度の創立100年を輝かしく迎える為」にも入試広報部中学校募集は頑張って欲しい。その為に経営資源は幾らでも投入する積りだ。

 この2月、私は極めて大きな経営判断をした。校舎「中学校棟」を新たに建設することを決めた。「地上6階建ての素晴らしい新校舎」を最後に残していた「虎の子の土地」に建設する。校舎は出来たが、肝心の中味を埋める生徒が入って来ないでは「泣くに泣けない」ではないか。直ぐに壁が突き破れるなどの甘い考えは無いが、このまま「だらだら」と同じような陣容、同じ頭、同じやり方をしていれば先行き展望は無い。「少子化で生徒がいません」などの理由は聞きたくはない。入試広報部の体制を強化するしかないのか?春めいた気温の中で思うことは多い。気が休まる暇もない。



 

2022年2月24日木曜日

健康維持管理の為に

 一国の総理大臣、大企業の社長、会長、小さな企業や町のお店の社長さん、何れにしても「組織トップの健康状態」は極めて重要な経営項目であり、その影響はその組織の命運を左右すると言っても過言ではない。組織体のトップはまず健康でなければならにことは明白である。さて私に関して言えば総じて健康であるが、加齢と共に「足腰が弱っている」ことを痛感している。私の健康保持の秘訣は「栄養のあるものをバランスよく沢山食べる」「睡眠を最優先して早寝、早起き」「適度の運動を欠かさない、姿勢正しく、良く歩く」の三つであろうか。最近足腰の筋肉を増やし体幹を鍛えるために「タップダンス」を習い始めた。 

このタップダンスが実に面白い。足腰に効いているのが自分でも実感できる。専用のタップ靴(5000円でした)を履いて月に3回ほど教室に通い、若い男の先生から個人レッスンで手とり足とり教わっている。それを毎日学校に到着した7時ごろから15分間、先生から頂いた音楽と振付の動画を見ながらタップを踏むと何だか調子が良い。それに休日のゴルフだ。下手だから必然的に歩き回る距離が長く、大変だが、タップとゴルフで軽い腰痛と左足先のしびれが無くなった。浪速学院のトップとして私にはまだやることが多い。教職員と生徒の為に健康維持管理に頑張らねばならない。今日の午後からコロナ禍で飛んでいたが、2年振りに「人間ドック」に入り、徹底して検査をして貰う。 

勿論本校で働く教職員の健康は私以上に重要である。昨年度の年度末ぎりぎりの3月31日の職員会議で私は紙数が数枚に及ぶ「働き方改革アクションプラン」を全教職員に示し、1年かけて検討を進め、令和3年4月1日から実行に移すと言明し、ここまでほぼ1年間やって来て、成果が目に見える形で出てきている。例えばコロナ前の令和元年と令和3年を比較すると教職員の「長時間労働は皆無」となった。本校の変形労働制では月間42時間が時間外労働の上限であるが、これをオーバーする教員も居なくなった。これらの成果は教職員の健康に為に大きく寄与していると思う。 

今、私は令和44月からの「働き方第二弾」について関係管理職や主教諭と議論を重ね、ようやく「成案が見え始めた」。これは学校設置者として絶対にやる!改革に終わりは無い。「やりながら修正すべきところがあれば躊躇なく変える」。私はこの学校に着任した当初から「裁量労働制的なるもの」の導入を考えていた。学校の先生など高度な専門職などに従事する労働者が、実際の労働時間に関わらず、あらかじめ労使で定めた時間分だけ働いたものとみなす制度が裁量労働制で、労働時間に関係なく、能力や成果を重視する雇用形態であり、まさに「学校と言う職場に相応しい」と考えた。学校の先生は自動車の組み立て工場やレストランなどで働く労働者とは全く異なる。従って学校の先生には通常の方法による時間管理がなじまず、一人一人の個別の生徒に不規則、不定期に対応する教員にぴったりの形であると今でも信じて疑わない。 


しかしながら私立学校として現行の「労働基準法の適用」を受けることも事実であり、「100%労働基法準拠の私立学校と浪速型裁量労働制のハイブリッド型働き方の第二ステージ」の形を来月には教職員に示さねばならない。裁量労働制で既に教職員に与えているメリットを既得権益とするのか、見直すのか頭が痛いが教職員の不利益にならないようにしてやりたい思いもある。教職員が健康でやりがいのある処遇と職場環境を作り上げるのが私の責任である。その為には長時間労働を無くし、休日はしっかりと休ませる、休日に出れば代休、振替休を取らせる、当たり前の事だ。

2022年2月22日火曜日

人事の季節 到来!

 毎年毎年、同じことの繰り返しみたいになるが、これは全てが上手く回っている証明だと思う。厳密に観れば少し違っているのだが、大きな事件も無く「しずしず」と学校行事は消化されていき、中学入試から始まった私立学校の入試は2月中旬の高校1.5次入試で一区切りとなった。19日には高校の専願入学者の制服採寸があって多くの専願合格者が登校してきた。この日から「学年末試験」が始まり、それはまだ続いている。丁度今は「一服の秋」といいう感じであるが学年末試験が終われば、学校は再度エンジンを吹かし、「令和3年度の集大成と令和4年度の準備」に向けて3月末までゴールを目指して走り出していく。丁度今の「端境期」が、本校における「人事の季節」となる。



 本日「臨時職員会議」を持って全教職員に来年度の役職人事について詳細な組織図を開示し説明した。学校の教職員は「学校の先生と言う立場」から本質的に人事などには興味関心がないなどと世間は思われているかも知れないが、実はそうではなくて腹の中では大いに関心があると私は考えている。民間会社と同じで重要な役職につくと言うことは「キャリア・パス」の一つなのである。その昔、学校は「鍋蓋社会」と社会から揶揄されたように、「全ての教員がフラット、平ら」で、その上にポツンと「鍋蓋のつまみ」みたいなのが校長であった。元来「組織」という概念は全く無かったと言える。階級差は悪であり、全員が平等、平らという思想が強かった。しかし、それが学校の進化を大いに削いできたという意見から「学校のマネージメント」という言葉が出て来て、「民間人校長」とか「指導教諭」「主幹教諭」とかの出現に繋がった。「学校の組織化と強化」である。 


私立学校の人事権は、公立学校とは違うので都道府県の教育委員会とは100%無関係であり、人事権は、理事会にある。私立学校の理事長は私立学校を設置運営する学校法人の理事の中から互選で選ばれ、「理事長が総理し専決する」という言葉があるように校長、教諭に対しての人事権と懲戒権は原則として理事会を総理する理事長にある。ただし生徒への懲戒権は校長の専管事項である。2月初旬くらいから理事長は常務理事、高校、中学の校長の4人で真剣な議論を重ね、最終原案を確定し本日開示したのである。理事長が一人で勝手に好きなように人事を決めると言う事ではなくて、両方の校長が原案を作成し理事長に対して「意見具申」という形で提案しそれを理事長が専決する。 

過日、該当の教職員を一人一人部屋に呼び、常務理事、高校校長同席で丁寧に優しく期待を込めながら「内示と言う行為」を行った。内示と書いたのは正式決定はあくまで3月24日の理事会での最終承認を得てからという形にしているからである。今日の発表を持って「令和4年度の業務執行体制」の大枠が定まった。この後、管理職とそれぞれの分掌長、学年主任が相談して、担任、委員会、クラブ顧問等が決まっていく。人事が定まり、後は大きなテーマである「令和4年度の働き方改革アクションプラン第2ステージ」を決めて開示しなければならない。これを受けて「学校行事」も最終決定する。年度末の私の仕事は多い。



2022年2月21日月曜日

「教師の顔」が輝く時

今年の「大学入学共通テスト」の問題が試験中に撮影されて外部に送られ、大学生が関与した不正が行われた疑いがある問題はマスコミで大きく報道され、警視庁は関係する人物の特定を進めるなど「偽計業務妨害の疑い」で捜査している。この報道を知って、私は情報化社会の怖さと今更ながら受験生の必死さが伝わってくる。この試験は昨年から「大学入試センター試験」に代わる新たなテストとして始められたものだが、私は不正報道よりもその「問題の難易度」に興味関心がある。新学習指導要領に定められた判断力、思考力、表現力などが問われる中身から「難しくなりそうだな?」とは容易に想像されていたからである。 

このテストの目的は「大学入学希望者を対象に、高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定し、大学教育を受けるために必要な能力について把握することを目的とする。」と書いているから、高校関係者からすれば自校の生徒の得点率こそ重要な視点である。我々の関心事は「然らば、どのような問題が出されてくるのか?」の一点であったが、今年の「難易度」について、文部科学省の末松信介大臣は2022121日、「共通テストが意図する能力を問う点がより明確になっている」との見解を示した。即ち判断力、思考力、表現力などを問うものが多くなったという主務大臣の見解である。問題はその出し方である。 


その結果、121日時点の中間集計では、「7科目の平均点が過去最低」となっている。即ち「数学IA」「数学I」「日本史B」「生物基礎」「化学」「生物」「フランス語」の7科目が、前身の大学入試センター試験を含め、過去最低点を下回っている。要は今年の受験生には問題が少し難しかったというである。主催者側からすれば「もう少し高校教育の現場でこの程度は教えて」と言うかも知れない。いずれにしても今年の共通テストは双方に大きな課題を残したと言える。100点満点で全国全受験生約50万人の平均点が60点前後と言うのが良い問題とされているだけに進学校では今後の対応に頭を絞らねばならない。


 
本校ではこの共通テスト結果を極めて重要視しており、毎年この時期に5教科の高校3年生の担当教員が問題を分析し、本校生徒の得点率と全国平均との差などについて理事長、校長に直接説明し、今後の教科指導に活かすようにしている。やはり学校のトップとして教員の分析に耳を傾け、現場での学習強化に知恵を巡らせることは極めて大切な事であり、このことは「教員への励まし」に繋がる、理事長、校長の本来業務だと考えている。今日は英語と社会があった。共通していたことは「先生方の分析の的確さ」であり、出題傾向を正しく把握しクロームブックを有効に活用していることであった。決して問題そのものは難しくはなく、読解力、資料読み取り、横断的思考等々が受験生には手ごわかったことが私には分かった。にも拘わらず、優秀層では全国平均を上回っていたことだった。

今までは理事長室において実施してきたが昨年から場所を中央館5階の校長室に移した。やはり校長室が最適だと考えたからである。次回は26日が国語と数学、32日が理科の予定で行われる予定だ。この種の会合では「教員の顔が輝いている」。まさに「教員の顔」をしているのである。生徒に教科を教えることが「生業」の教師の顔はこのようなテストの分析と結果において大いに出て来る。今更ながら私は感心し感動するのである。 

2022年2月19日土曜日

「early decision application」(専願)

 「時は流れる」ように進む。遂、先日までは入試で走り回っていたが、学校は一挙に静粛になり今日からは高校の「学年末試験」が始まる。中学は21日スタートだ。これが済めば中学3年生の修学旅行となり、3月19日が修了式となる。本校では3学期の終わりは終業式と言わず修了式と言う。その後中学校の卒業式だ。まさに学校行事は流れるように移ろっていく。17日が公立高校の合格発表の日だからその日まで併願生の数が定まらないが、学校はその日まで待つことは出来ないから、まず専願入学者の受け入れ準備から始めている。今日はその「高校専願者の制服採寸の日」であった。制服は出来合いではなくて「イージーオーダー」であり、身体に合ったものを来て貰うように本校専属の業者さんが採寸をするのである。 

「私立専願(しりつせんがん)」とは、日本独特の言葉で大学や高等学校の入学試験の際に、国公立の大学や高等学校を受験せず、私立の大学や高等学校のみに出願することである。「もうこの学校に決めた。この学校が好きだ。自分に合っているような気がします。他の高校は受験しません。合格すれば、この学校に必ず入るということを約束します」ということが専願だ。私立学校側からすれば有難い申し入れであり、当然専願と併願では合否判定に幾分の合理的な差違があるのは当然である。専願を英語で何と言うのか、興味を持って少し調べてみたらぴったりくる単語は見当たらなかった。敢えて言えば「early decision application」が使えるかも知れないが、これではよく分からない。専願とは日本語にしかない言葉なのだろう。

 



それに対して併願は「regular decision」と言っても良いとあった。特別の配慮を得て私立高校に合格しているのだから、内密で公立に出願するなどは出来ない決まりである。公立は募集人員のみの合格者数だから、若し公立を失敗した生徒が併願合格の切符を持って私立に来れば受け入れる。だから私立高校とは専願入学者プラス併願合格入学者となって、我々が狙い通りの入学者数になるなど不可能なことである。私立高校には「学則定員」というのがあるが、その数に「ぴったし」と言う風に決められないのである。この点を理解しないと「何であの学校は専願も多く、又併願も多いの?」という議論になってしまう。学校選択は受験生と保護者の意思で決まるから、その数の差は学校側の制限と「結果的には人気度」だと言って良いと思う。人気のある学校は生徒が多く、今一つの学校はそこそこの数値になる。浪速学院浪速高等学校は自分で言うのも気恥しいが「今、人気の学校」なのである。

 生徒を集めるのは本当に苦難の道、いばらの道を、背中に重い荷物を背負って歩いた結果の数値であり、ある日突然に生徒が増えたという夢みたいな話はない。本校も今から10年前の専願生は433人であったが、令和4年度は615人を超えるレベルまで増えて来た。本日制服採寸の日であるが600人を専願生が登校して来たのである。600人台になったのは100年の歴史で初めての事であり、「凄いこと!」なのである。私は本校教職員と生徒を称えたいと思う。今いる先生と生徒が「確実な嘘偽りのない歩く広告塔」であり、良い環境で良い教育をしていれば必ず社会は浪速学院を評価してくださるという事だ。多くの専願生を迎え私は自分のやってきたことが少なくとも間違いではなかったと安堵し、次の世代へのバトンタッチが順調に進んで行っていることを嬉しく思う。



2022年2月16日水曜日

NS館は中高一貫Nクラス専用の校舎とする!

 朝方、雪が舞ったが、今日は高校の1.5次入試の日で予定通りの受験生が寒い中を元気に登校して来た。殆どは先の本試験の日に体調不良等の理由があって今日にスライドした受験であるが、新規の受験生が結構参加してくれた。全て専願希望だから合格すれば入学決定となる。学校は通常の授業中だから「囲い」などをして静かな環境を考え、試験会場を2クラス用意した。国語から社会科まで5科目を前回と同じように行い、手順通りにしっかりと行った。高校校長と時間調整を行い16時過ぎに合否判定を行った。これは1次試験の受験者数2000人オーバーなどに比べ人数も少ないので校務運営委員会は開かず、管理職と関連の教諭で行った。 

中学校の校長、教頭が中学3年生の修学旅行に気を使いながら準備を進めている。「どうしても連れて行きます!」と張り切っている。5波や今回の6波で伸び伸びになっており、3月のこの機会を失えば「万事休す」でこの学年は修学旅行無しでの高校進学となる。「3月4日出発で3月7日帰着の3泊4日の旅程で、広島、呉、山口秋芳洞、島根萩、出雲大社方面」だ。この地域は現在まん延防止措置の取られているところであるが、行き先の代替案を既に検討済みで、エージェントのHISさんと行先のコロナ情報を確認しながら準備を進めている。呉の大和ミュージアムと広島の平和公園だけが現在閉館中とのことで宮島の厳島神社を代替えに入れている。保護者とは何回も連絡を取り合い、中には欠席希望者もいるが、大半が「修学旅行に行きたい、行かせたい」との事であり、理事長としても「中止命令」は出せないから「ゴーサイン」を出さざるを得ないと思っている。


 
1年後の令和5年度入学者を想定した新校舎の建設計画が順調に進んでいる。まず決めなければならないことは「建物の配置」である。真田丸デッキに合計8教室分の教室をまず来年3月末までに建築し、(仮にNS館と呼称)その後引き続いて進め、2年くらいかけて中学校棟(新西館)を新設する方針で進めている。今日基本設計の打ち合わせで南海辰村建設さんが来てくれ意見交換を行った。先に造るNS館と後から作る中学校棟との連結などに工夫が必要で、更に検討を急いで進めることになった。先に完成する校舎は「中高一貫クラス」専用の教室とする。即ち本校の呼称で言えば「浪速中学から浪速高校に一直線で進学し6年間本校で学ぶ生徒の為の校舎」である。それはNクラスと呼称され、学年に2クラスあり全学年で6クラスとなる。これが遂に今年揃った。

 


高校のメイン母体である中央館と新設する新西館(中学校棟)の中間に位置し場所的には最適である。順次進行となるが私はどうしてもこの場所をNクラスの為としてやりたい。「Nは浪速の頭文字から取った呼称」である。残りの2教室分は選択教室や中仕切りを取り払って大きなホールに衣替え出来るようにする。現在の西館(体育館)の場所にアリーナを作るのだからこの時に今の西館第一ホールが無くなるのでその代わりを用意しておかねばならない。西館第一ホールほど使用頻度の多い、使い勝手の良い部屋はない。これは作っておかないと先行き支障をきたすからだ。まず「N館をかっこよい、素晴らしい校舎にせよ!」中央館2階、3階とも繋ぎ廊下で一体化し、Nの故郷である中学校とも繋げよ。屋根はひさしを大きく「陸屋根」が良いかも知れない。



2022年2月15日火曜日

巧遅は拙速に如かず

 「巧遅( こうち) は 拙速(せっそく)に如かず」という言葉がある。出来は良いけれど完成に時間がかかるものは、多少拙くても迅速に出来上がるものには及ばない、といった意味の表現である。私も全くこの意見には大賛成であり、何事も素早く処理、処置し、前に進めることが上手くいくコツだし、事態を悪化させない。今まで生きて来た「私の信条」がこれだ。とにかく「木村の仕事は早い」と言われるように頑張ってきた。当然、迅速には失敗も伴うが、時間的余裕を生むから、「アレ?」と思えば、引き戻せるし最初からやり直すことも可能だ。とにかく「モタモタ」「チョロチョロ」しているのは「性に合わない」。「迅速こそ勝利への道」だと信じて疑わない。大体遅い出来上がりで仕上がりの良いものは少ないのではないか。これを稚拙という。 

この為には「優先順位」という思考が必要である。組織が、そして上司が今求めていることを最優先にしなければならない。個人目標よりは組織目標を優先することは当然の話である。とにかく「巧遅、稚拙、拙速」「優先順位」が組織人のキーワードである。ところが学校の先生を良く、良く観察していると分かるのだが以上の事が分かっていない人が偶に少なからず居る。教員と言う仕事は余りにも専門性が高いために自分の世界に往々にして閉じ籠る。即ち「自己のワールド」内で充実し満足するからである。若い時代の先生はそれで良いが或る年齢層になって重要な役職を担うようになってくるとそうはいかない。幅広く組織を観察し自己の仕事と組織目標との合体をしないと個人にも組織にも成果など生まれる筈はない。その為には「スピード感覚」である。 


着任以来この事を言い続け、今や本校の大方の教職員はこの伝家の宝刀を身に付けてくれたように思う。校務運営委員会のメンバーも管理職も総じて仕事は早く、優先順位が常に頭にある。特に管理職はそうである。だから本校ではずっと右肩上がりで成果を上げ続けて来たと思う。私は昨日の「校務運営委員会」でも今朝の「拡大管理職会議」でも今年の業務を振り返って総括した。1年の締めくくりの一つは来年度の入学者をどれくらい得たのかという点である。その他大学進学状況もポイントである。今年も最高の状況で3月末の年度末を迎えそうである。全員が持ち場、持ち場で仕事の優先順位を付け、スピードを上げて頑張ってくれたおかげで中高合わせて新記録の数値になりそうな気配だ。これは全員の勝利である。

 数日前のアラウンドで書いたが、指示した国旗掲揚の高さをあげるべく早速関係者は動いてくれた。仕事が早い。4月5日の入学式は新しいポールに日の丸を高々と掲げて新しい制服に身を纏った新入生を迎えたいと思う。




2022年2月14日月曜日

教室数は本当に大丈夫か、間に合うのか?

 16日の1.5次入試と25日のコロナ対応2次入試を残しているがほぼ体制は決したと言える。「ホッとするひと時」であるが、教職員と違って私には極めて重要な仕事がある。それは「教室は本当に大丈夫か?間に合うんだろうな!」という命題である。加齢と共に「過剰心配性症候群」が出てきている。令和4年度入学式は今のところ4月5日を考えており、それまでに在校生、新入生の入る教室の準備を済ませねば「世の笑いもの」どころか私が学校を辞めて責任を取る位でも収まらない話だ。屋外での「青空教室」などあり得ないから、これだけはどんなことがあってもやらねばならない。その為には入学者数のシミュレーションを精度を高めて実施し、確度の高い数値を想定する必要がある。丁度入学試験の当日、朝刊各紙は公立高校の志願者数を大きく報道しており、我々はこのニュースを待ちに待っていた。


 
見るポイントは本校の過去の併願先公立高校の募集人数と志願者数である。これさえあればある程度精度を高めて予想することが出来る。この数値に出願率、過去3年間の戻り率を掛け合わせて合計した数値が併願入学者予想数値である。入試広報部はパターンをAからDまで4パターンを算定している。「既に専願数と内部生の数値は固まっており」、これにパターン別の併願戻りを加えればこれが入学者予想になる。先の入試広報部長、そして今朝教頭先生と膝突き合わせて数値を確認した。その結果、我々は高校の入学者予想を830人から850人と想定した。既に浪速中学は133人と決しているから中高合わせて963人から983人の範囲だと想定し、前述した「教室数の確保と迅速な改造工事着工が必要」なのである。モタモタしている暇はない。 


まず中学は3クラスから4クラスと1クラス増えるが、これは中学校棟で対応できるから問題は無い。令和4年度の中学生徒数は合計で「12クラス、404人となり初めて400人台」に乗った。もう大きな中学校である。問題は高校である。特に浪速国際コースが最大25名程度の少人数で高校2年、3年と2クラス必要でありこの部屋を至急対応することとした。現在の選択教室1(一般教室2部屋分の広さ)を2部屋に分割することで対応する。高校の校長以下英語科の主任や担当教諭からは従来とは幾分異なる教室への改造の要望が出てきたが、私は彼らの要望通り100%OK回答をした。喜んでくれたと聞いた。資金はかかるが「戦略的な国際コース」であり、日本の普通の学校には余り見かけない国際標準の「フリースタイルの教室」を作る。これも昨年11月の河口湖の研修所を視察した効果である。 




工事期間は後2か月弱しかない。昨日は日曜日であったが、入試も終わった事なので改造の着手に入った。気になってその現場を私は見に行ったのである。その他、入学者増の対応が必要で、これには教科準備室を4部屋を中仕切りを取り、一般教室2部屋分を確保することで対応し、これも昨日、工事の為の養生工事を行った。生徒が居ない時を狙って音を立てないように少しづつ工事を進めるのだ。設備担当も工事の請負業者もしっかりとやってくれるだろう。迅速に美麗に造って欲しいと思う。本当に何人の併願戻りがあるのか。想像だけで物事を進めるのが辛いが仕方がない。心配事は絶えないがこれも給料の内だと思って頑張るしかない。

2022年2月12日土曜日

試験翌々日 合否判定会議と封入作業

 9日から始まった高校入試の作業はまだ続いている。今日は9時30分から校務運営委員による「合否判定会議」があった。その昔は全教員が出席していたが私が強く主張し止めさせ、校務運営委員だけの会議にした。「学年、分掌の代表教諭」が出る会議にわざわざ全員が出席する必要はない、「司、司に任せよ」という私の考えである。そうでもしなければ教員の休みなど取れる訳がない。これは典型的な学校文化で「私も一票、皆で決める!」という間違った公平性だと思う。今年入って来た新人の先生が全てを理解した上で判断できるほど易しいものではない。それなりの経験が必要なのである。今でもこのような学校は多いのではないか。「不要な仕事は長に任せて私は休む。後で結果を聞かせてね」で十分だ。誰もさぼっているとは思わない。ただ問題を作成してくれた教科の代表である教科長は委員会のメンバーではないが判定会議には出席して貰っている。教科長こそ本日の「主役」である。

 合否判定が終了すれば受験生に伝えなければならない。実はこれが細心の注意を要する「一大仕事」で、もし宛先を間違って送ったりすれば「個人情報保護」の観点からアウトである。そのようなことが発生すれば、浪速高校の信頼は地に落ちる。「合否通知封入作業」こそ私は最後の最重要な業務だと考えている。個人宛合否通知、中学校宛合否通知、必要な場合は塾宛合否通知を3区分ある。受験生が2000人を超えているから封筒の数だけでも膨大なのである。それに「特待生通知文」などもあるからこれなど入れ間違ったら走り回らねばならない。加えて通知書や封筒など折れたり、汚れていたら受ける側も気分を害する。中にはご家庭のおばあちゃんが孫の合格通知を押し戴いて神棚に供えるという話もある位だ。12時30分、全ての作業が終了し原本と封筒の数がぴったし合った。「これで良し」だ。

 

ここに集配の時間は書けないが、近隣の郵便局員が現金輸送車みたいに車で封筒を取りに来て頂くまで防火金庫に保管しておく。特に冬場は火災も多く、管理を厳重に行う。今年は2021年10月に郵便料金が改定され速達料金が30円値下げされた影響で既に入学試験要綱で決めていた料金との差額30円分の切手を説明書と同封して返金した。これも重要な措置である。何事も真面目な対応が浪速学院の姿勢である。郵便局に手渡せばこれで「全てが終わり」となるかと言えばそうはならなく、来週の「16日に1.5次入試」、「25日に2次入試」と更に入学試験は続く。尚本日18時から2時間、WEBでの発表がある。本当に「長丁場」で大変だがこれも「私立の宿命」であり日本全国の私立高校で大なり小なり似たような事をしているから、特段本校が変わっているわけではない。 

次のポイントは今日、合格者通知を出した生徒の内、公立高校との併願者がどれくらい本校に戻ってくるか、業界言葉で言えば「併願戻り」の数だ。これは併願先の公立高校の募集人員と応募者の数から自ずと決まってくる。運悪く公立の試験を失敗した生徒が併願戻りである。専願と内部生の数は定まった。過去新記録の数値である。次は公立高校の合格発表日となる3月17日に全てが定まる。その日まで我々は悠然と待機しておくしかない。心豊かに落ち着いて待っておける状況が嬉しい。教職員の頑張りのお陰だ。