2024年3月30日土曜日

令和5年度大詰め、「有終の美ならぬ有終の喜び!」

 「有終の美を飾る」という言葉があるが、私の造語は「有終の喜び、(歓喜)」としたい。今日は3月30日、明日が日曜だから今日が令和5年度の大詰めの日で、感覚的に美を超えた喜びだ。開校100周年目の令和5年度が今日で終わった。この一年を振り返ってみた時にまさに有終の喜びとなった。歓喜だ。最初から最後まで「文句無しの一本勝ち」であった。高校で966人、22クラス、中学は141人、4クラスで合計1107人が令和6年4月5日の入学式に揃う。これなど有終の美を飾ったと言う表現では足りない。だから有終の歓喜である。謙虚にしなければならないが今年1年4月の記念式典から始まり、今まで「完全試合」であったと思う。頑張ってくれた生徒や保護者、そしてご支援下さった皆様、何より前線に立ち、頑張ってくれた教職員に心から慰労と感謝の気持ちを伝えたいと思う。 

「年度最終の職員会議」で私は勿論、言葉による感謝の誠を捧げたが、そのようなものは生活の足しにはならない。私は声を張り上げて「年俸水準の改定」を公式に伝えた。過日の理事会で正式に決まった。「非管理職平均で6%を超える年俸アップ」となる。これは政府と経済団体、連合など労働組合主導の今春闘の給与水準のアップの約2倍から3倍の水準となる筈だ。「まさに大幅な賃上げ」である。長年頑張ってくれた教職員に対して年間賃金の内、賞与一時金4か月分の支給を5か月分と1か月分もアップしたのだからこれは相当に大きな金額である。但し今後少子化で生徒数が減少したりすれば当然5か月分は4.5カ月になったり元の4カ月に戻る事も有り得る。 


しかし「大詰め」という言葉は響きが良いね。「大詰め」とは「何かしらの物事の最後の場面や段階」を表し、ドラマ、小説、演劇などの終盤で、その物語の最終的な意外な、あるいはドラマチックな結末が待っている場面である。要は物語がクライマックスに近づいていくため、物語が一番盛り上がる場面でもある。「大詰め」の由来は、歌舞伎からだと言う。江戸時代の歌舞伎の最初の狂言の最後の幕を「大詰め」と言ったことかららしい。学校はまさしく令和5年度の大詰めになり、私が年俸のアップという「形を決めて、片膝立てて、睨みを効かし」、正式に述べた。この「口上」で令和5年度は終わり、来週4月1日月曜日からは令和6年度の初幕が開く。


今朝は8時から1年間の専任教諭としての試用期間を終えた11人の教職員に晴れて研修期間が終わり、名実ともに「本学院の専任教職員として採用された旨の辞令」を手渡し、激励した。皆さん、この1年で大きく育ってくれた。本校の為に必ずや貢献してくれると信じている。その後教員は教科会議、学年会議などがあって10時30分からは年度最後の職員会議になったのである。今日は一人の24歳の常勤職員の採用を決めて初めて私はお顔を見ながらお話しした。岩手県のご出身で同志社大学経済学部卒、極めて面白い人物だ。コロナの時には大学を2年休学し社会勉強の為に民間企業で社会勉強をし、ご縁があって4月1日から本校の事務職員になる。ご実家は岩手県平泉近くの由緒ある観光旅館の一人息子であり、家業は妹に任せ、本校で骨を埋める覚悟だと言ってくれた。



2024年3月29日金曜日

第二学院曲「歓喜の歌」高校吹奏楽版の可能性は?

 朝一番に吹奏楽部の顧問の先生が部屋に来てくれ、昨夕の「第15回定期演奏会の結果報告」に来てくれた。一言で言えば「完成度が相当に上がった演奏会」となったことは十分に確信できた。15年目にしてこのような定期演奏会が出来るようになったのは本当に嬉しい。17時開演で会場はフェニーチェ堺。本年度から他校と同じように有料で事前予約の指定席とし、入場料は一般は1000円、高校生以下は500円とさせて頂いた。開校100年目の定期演奏会であり関係者はぼつぼつ有料でと思い、私も同意したのだが、個人的には未だに引っかかるものがある。大半が保護者、同窓会、教員、理事会役員などのファミリーの参列であり、まだ無料でも良いのではないかと言うのが理事長の本音である。今朝の報告では「売り上げ?」が現金で70万円程度あったと言う。来年度どうするかは今回の分析の上で判断して行こうと思う。確かに会場費や楽器の運搬車手配、プログラムの印刷などコストは相当なものだが「物事には時機を誤らないように!」しなければならない。



音楽監督の萬浪先生のお陰で生徒は素晴らしい音を出し、極めて感動的な演奏であったことは私の周辺の人々の感想からも十分分かった。演目にも工夫が見られたが、まだ高校の一般的な定期演奏会の匂いが「ぷんぷん」している。「これが浪速の音楽だ!」という独自のものは「海道東征浪速」以外には無かった。本校らしい特徴や今年の特色などが感じられない。この点がもう一つあればと感じた。事前配布のビラにもプログラムにも開校100周年記念など書いていないのは残念だった。もっと学校への気配り心配りが欲しい。学校有っての吹奏楽部であり、吹奏楽部あっての浪速学院ではない。


私が吹奏楽部の顧問なら今日の演奏会のメインはまずベートーベンの「第九」第4章の「歓喜の歌」の吹奏楽版だろうと思った。「本校開校100周年の終幕を飾る演目」として、あの有名な作家シラーの1785年に書かれた詩「歓喜に寄せて」が演奏されたらと強く感じた。毎年毎年世界で大晦日に演奏される「第九」の4楽章である。1792年、ベートーヴェン(当時22歳)はこの詩に出会い、この詩に旋律を付けることを計画し完成された交響曲である。合掌入りのシンフォニーだ。その一部の歌詞は下記のような歌である。まさに本校にふさわしい。

「あゝ、造物主(つくりぬし)、日の神の 遙けき御空(みそら)を天駈(あまかけ)るごと、行け、汝が道を、勝利の道を、勇みて、兵(つはもの)の行くがごとく、行け、我が友よ、いざ行け、友。」

私は特に昨年亡くなられた小澤征爾さんの指揮する「ベートーヴェン:交響曲第9番《合唱》」(2018,12月)に心惹かれる。世界が待ち望んだ、小澤征爾15年ぶりの9回目の録音となった「歓喜の歌」であり、201710月に行われた「水戸室内管弦楽団第100回記念定期演奏会」は、楽団初で世界を代表するソリストの見事な歌唱、総勢18名という少人数の合唱団による力強いコーラスは実に感動的である。これは平成最後、21世紀を代表する新しい第9の名盤として、長く語り継がれるであろう演奏で有名である。本校吹奏楽部も「歌無し」で良いから「第九の4楽章歓喜の歌:吹奏楽用編曲版」を開校100周年記念演目として日本全国の高校で初めての演奏お披露目となれば私は「海道東征浪速」に続く第二の「浪速学院第二学院曲 歓喜の歌」として大切にしたと思う。まだ諦めていない。



 

2024年3月28日木曜日

初の生コンの流し込み!

 今日28日は「建設中の新浪速中学校」の躯体の一階部分に初めて「生コンクリートが流し込まれる日」だった。生コン車の数は今日だけで確か36台分とか、3日間に亘ってなされる。これからの工事進捗は目に見えるから早く感じるだろう。次に2階の躯体が完成すれば又生コンが流し込まれ、次々と6階天井スラブまで行われ、10月末には終わる予定だ。久し振りに見る光景で私は一発目の流し込みに立ち会った。素晴らしい「手際」だった。新校舎の次のプロジェクトは堺市の高天原スポーツキャンパスにおける「高天原アリーナ建設」構想だが着工までには少し間を空ける。たまには何もしない時間が有っても良い。この18年間、建物・施設などを本当に休むことなく毎年毎年、作り、作り続けてきたから、暫く休息だ。


何回も書いて来たが4月5日の入学式には高校で966人、中学で140人の入学者で最終決定しているが、昨日、突然某ご両親が揃って来られ、ご子息の浪速中学入学を許可して頂きたいとお願いされたそうだ。中学の校長と教頭先生が私の処に神妙な顔で「如何したものか?」と相談に来た。即座に私は「つべこべ言わずに、入学を許可するように!」と指示をした。この生徒は本校に合格していたが、一家挙げて東京への移住の話があって一旦は入学辞退となった。その間色々とあったそうだ。結局その話が無くなり再度丁寧にお願いに来られたもので既に入学金は納付されていた。確かに入学式までに後1週間しかないが、私立はこのようなご家庭にも「柔軟に対応してこその私立」である。これで中学の新一年生は141人となった。早速入学手続きや制服の採寸をして貰わないといけない。(以下の写真は当該生徒ではありません。) 


2024年3月25日月曜日

令和6年度予算が決定した、「来年度も先頭に立って頑張るぞ!」

 今日は理事会・評議員会の日であった。3月理事会は中央政府や地方の行政機関と同じで令和6年度の予算(単年度予算主義)を決めないと教職員への給与支払いや学校行事も何も進めることは出来ないから極めて重要である。従って「3月理事会は予算理事会」とも言う。何しろ在籍生徒数が多いから「予算は楽々に組める」が、我々は足元だけはしっかりと見ている。固めに読み、決して浮かれた予算などではない。新中学校棟の建設資金で又私学共済事業団から融資を受けるから、この返済資金も今後は別枠で積み立てて行く必要がある。予算は満場一致で承認された。これで私は十分な資金を使い学校を高めて行ける。ます先立つものは資金であり、その根拠は在籍生徒数であり、次に少数精鋭の優秀な教職員集団である。 


しかし今日の理事会で私は「重要審議事項」としてこのアラウンドでも何回も言及して来たが「私学法の改正」について踏み込んで説明した。令和5年4月に改正私立学校法が国会にて成立し、令和7年4月に施行されることとなったが、後1年後の3月末までに諸準備を整えないといけない。大阪府私学課からは本年12月末までに進めて欲しいとの行政指導があり、もう日程に載せなければならない。この度の私立学校法改正は、相次ぐ大学法人(私立大学・短大を設置する学校法人)の不正事件を防止すること、学校法人のガバナンスを公益法人と同等のガバナンスに改善することが目的であり、その骨格が大きく変わる。 



文部科学省による今回の法改正の概要は、「執行と監視・監督の役割の明確化・分離」の考え方から、理事・理事会、監事及び評議員・評議員会の権限分配を整理し、私立学校の特性に応じた形で「建設的な協働と相互けん制」を確立とされている。従ってこの目的に沿った改正内容は多く含まれており、その一つに従来の「理事と評議員の兼職は出来ない」となった。当然かもしれない。予算を執行する理事が監視をする評議員を兼ねていては可笑しな話となろう。加えて骨太の執行部にするために「スリム化」を考える。数を減らす。まず引退したい役員からの申し出を受け、次に「出席率」がポイントとなろう。基本的に年間3回から4回の理事会・評議員会への参加は最優先事項となる。これは理事や評議員は「名誉職」ではなく、名実ともに税金の投入された機関として「完全に公的な組織」となり役員は「公人」と位置付けられたとも言える。「評議員会後の理事会」でも私は居並ぶ理事と今後の対応について進め方を少し議論した。慎重に進めなければならない。 


本法人の現任期は再来年の3月末まであるが来年の3月末で全員の辞表を取りまとめ、令和7年4月1日から新体制を組み、新たに任期3年でスタートするように「寄附行為の改正」を行う。私自身は、新体制でも理事長として先頭に立ち、この学校を発展させていく覚悟は出来ている。今日は会議に先立って新中学校棟の建設現場をご視察頂いた。目の前にドンドンと形を変えている新校舎は現役員の実績でもあり、開校100年の記念事業である。現任期の最終局面でこの校舎の竣功式を行えるのはまさに僥倖であり、秋の上棟式と竣工式は是非ともやりたいと考えている。




2024年3月23日土曜日

「先(さき)んずれば人を制す」

 昨夜は「入試広報部の打ち上げ会」をミナミのスイスホテルで行った。人数は33人でメンバーの歓送迎会も兼ねている。当然理事長の招待である。実に4年ぶりの開催で大いに盛り上がった。高校966人、中学140人、合計1106人の生徒獲得に成果を上げてくれたから、全員が豊かな気持ちで料理を味わい、美酒となった。「成果を出してこそ、宴席は楽しくなる。」今朝は入試広報部の管理職を集め、令和6年度の入試広報部の基本的戦略について再確認した。「再々確認」かも知れない。飲んだ翌日に簡単でもミーティングをするのが木村流だ。これは大切な事で「さあ、今年は昨夜で終わった。今日から新年度だ!」と全員で心を一つにする儀式である。 


「先(さき)んずれば人を制す」という言葉がある。「史記」から来ている言葉だが「他人よりも先に事を行えば、有利な立場に立てると言う意味だ。「先手必勝」と同じ意味である。戦いの局面で相手よりも先に攻撃を仕掛ければ、必ず勝てるということで、将棋でも囲碁でも、「先手番」は相手よりも先に戦いを始め、出鼻をくじくことによって局面を有利にすることが出来る。私立高校や中学の生徒募集は「戦いそのもの」であり、一手先を読んで動くことが戦いに勝つ秘訣だ。本校の入試広報部は今日から令和6年度がスタートした。 

私自身、残っている本年度の大きな仕事は「25日の理事会・評議員会」であり、既に余裕で資料は出来ている。このような最も重要な会議の資料は絶対に人任せにしない。自らが自分の言葉で書いて資料を用意するのである。まさに「悠々と」である。作った資料の一部分を示すと下記のようなものだ。尚、理事の中の最長老でOBでもある有名な神社のN宮司様から私宛に感謝状が下された。この方は達筆で有名なお方である。嬉しい事であり、25日に披露したいと思う。 


   令和5年度補正予算(案)並びに令和6年度当初予算(案)、事業計画(案)について                               

令和5年度の最大の会計上の眼目は年初から通して「無借金経営の状況下」にあった事である。平成19年度からの浪速改革の足跡で初めての事であった。これは前年の令和4年3月15日に私学共済事業団からの融資残高の元利合計12億円を当初の15年間返済から、9年目で繰上償還出来たからである。しかし建設中の新中学校棟の建設資金の総予算は○○億円と考えているが、自己資金と事業団からの融資を考えており、令和6年秋口、△△億円程度を考えている。全ては在籍生徒数の多さによるもので、「本校教育の良さを内外に評価されている」からである。「令和6年度の当初予算は3090人の生徒数を抱え、全く問題ない予算を組めた」。必要とする全ての勘定項目を適切に組み入れ、次年度末の繰越資金は〇億円計上出来ておりキャッシュフローも全く問題は無い。ビクともしない健康体そのものである。

   教職員への給与水準の改定

  昨今の社会的状況から令和6年度から専任教職員の生活水準の維持向上の為に「賞与一時金の改定」を行う。令和6年度予算に計上した。対前年度予算対比で年間▲000万円の支出増であるが、開校100周年を寿ぎ、教職員への頑張りに応えたいと思う。

 従来 年間賞与・一時金のベース 4か月分+10万円(年末支払い)

 改定      々       5か月分+10万円(年末支払い)

  年間で1か月分の年俸水準のアップは結構大きく、今大手企業が給与アップに動いているが決して「遜色ないレベル」である。教職員、ご家族の喜ぶお顔が目に浮かぶ。これが「経営者冥利に尽きる」と言うことであろう。

2024年3月21日木曜日

「益々繁盛」(升升半升ー2升5合)

 「益々繁盛ボトル」と言うものがある。中身は普通の日本酒や焼酎を入れる酒瓶であるが、その量は「25合(4500ml)」。言葉の由来は「1×2=升升(ますます)=益々」と、「5合=半升=繁盛」をかけて「益々繁盛(益々、繁盛しますように)」という思いが込められている「祝い酒」用の大きなボトルである。確かに頂くと嬉しいもので、そのボトルの大きさから、存在感と言い、その迫力、いずれもどんなお祝いにも引けを取らないインパクトがある。私立高校にとって年度の入学者数は死活の問題であり、毎年、ご厚誼を頂いている大手ゼネコンの熊谷組さんから、新年ご挨拶時に私は頂戴致しており、恐縮しながらも「縁起物」故に頂いているのが正直なところである。従って年度の入学者が少ないと「験が悪いな」と思っていたが、今まで入学者は右肩上がりで、このように感じることは無かった。逆に「このお酒で益々繁盛して来た」と言える。まさに先客万来の状況にある。

長野県の最北、奥信濃と呼ばれる豪雪地の飯山市の酒造メーカーである田中屋酒造さんの「水尾」という大吟醸辛口で、「ここでなければ造れないものを造る」という思いのもと、土地の水、土地の米にこだわり、この地に暮らす杜氏・蔵人とともに、風土を詰め込んだ“地酒”を造り続けておられ、本当に旨い酒だ。本日私は入試広報部のS先生にこの逸品を差し上げた。毎年実績と経験を加味しながら何方かに差し上げており、今年は文句なしにS先生に決めた。先生は8年の長きに亘って高校入試の実務者として頑張って頂き、令和6年度の高校入学者は966人と大記録を打ち立ててくれた。4月からは自分が集めた新1年生を引き連れる「花の学年主任」に昇格して広報部勤務を晴れて卒業だ。今朝ほど私から感謝と慰労の言葉を述べ全管理職で拍手し今後のご活躍を祈念申し上げた。

 

その後拡大管理職ミーティングに移り私から先頭に立って頑張ってくれた管理職に感謝の誠を捧げた。私は目の前にいる最強のメンバーを見ながら「浪速時代は続く」ことを確信した。


その後5階の中央職員室に移って全教職員による臨時の職員会議を以って校長から19日の併願点呼の最終結果を正式に説明開示し、私から中高の全容について述べた。高校全体で64クラスー2682人、中学は12クラスー408人となり総勢3090人の大規模校となったことを紹介した。これを受けて新規採用の常勤講師の先生方は24名、非常勤講師の先生は25人となった。これに加えて事務職員に1名、入試広報部に1名が加わり、新たに新しいカウンセラーの先生1名が加わった。総勢52名の教職員が仲間になり、本日は「新分掌会議」もあって新年度の準備がスタートした。時は留まることなく前に前に進んでいる。「令和6年度は今日から始まった」。






2024年3月19日火曜日

「花冷えの 併願点呼 浪速の門」

 「花冷え」と言う言葉がある。昨日も今日もこれに当て嵌り、良く冷える。桜が咲く頃に寒さが戻ることを言うが、この次に来るのが「花日和」の季語だ。「花日和」は3月下旬から4月上旬のお花見の時期に使われる言葉で、花見をするのに暑くも寒くもなく快適な日和のことを言う。大体日本全国、このあたりに「入学式」が来ている。日本語は本当に素晴らしい。「花衣(ごろも)」は花見の時の衣装で、花見に着る晴れ着のことだから、このように考えれば花見=入学式として日本人は昔から何時もの服装と違って入学式にはこれを意識した服装にしてきた。卒業式も結婚式も普段とは異なりそれが日本文化となっている。

 今日は花冷えのする日だが、「併願点呼」と言う言葉で我々には極めて大切な日だ。そこで小職の駄作だが「花冷え」の季語を入れた句を二つ:

「花冷えの 併願点呼 浪速の門」

「爽やかに 花冷えの日の 併願点呼」

 

午前10時に公立高校の合否発表があってその結果に納得した受験生は基本的に先に「合格キップ」を手にした浪速高校の入学手続きに登校して来る。昔は少し目を腫らした受験生も見たものだが今や光景は大きく変わり、大半がウェブで入学金を支払い、すっきりと堂々としたお顔つきで保護者と一緒に正門をくぐってくる。15時に新1年生の学年主任以下学年団が「点呼」をとる。これで入学手続きが終わり、制服採寸他やるべきことが山ほどある。「併願手続者は最終的に966人」となった。この966という数値には我々も驚いている。 

この数値は我々の想定の範囲をかなりオーバーしているが教室数は全く問題無い。今日の併願入学者を迎え入れて「4月5日の入学式」となる。総勢は高校1年生が専願で853人、併願で113人、合計966人の入学者となり22クラスで決まった。中学は140人、4クラスだから入学式に参列する生徒数は1106人と1100人を超え、総クラス数は26クラスと言う信じられない規模となった。これで「4月8日の始業式」は中高総勢併せて3090人となり、これまた大記録である。言葉を失うくらいの大規模校になったと言える。本学院に着任した平成19年当時を思えばまさに感無量である。「花冷えの併願点呼となったが花日和の入学式」には校内の桜はまだ花びらを付けていることだろう。絶好の花日和に私は入学式の式辞を発しなければならない。中高同時合同開催だからまず両校長が「入学許可」を宣言し、その後学校設置者たる私が式辞を述べる手筈である。重大な責任に今から身が引き締まる。 




昨年度は大正12年(1923)から100周年目の開校を迎え、令和6年度は101年目となるが、私は101年とは言わず次の100年に向かった「元年」として先頭に立って改革を推進していく覚悟が出来ている。改革自体が目的ではなくて我々は更に「グッドスクール」たるべくハードルを高めて、それを成し遂げ社会の負託に応えていくことである。公教育を担うものとして私立学校への社会的責任はますます高くなっている。志を同じくする仲間と共に頑張って参りたい。

「花冷えに 固まる覚悟の 鳥居前」 



2024年3月18日月曜日

最初から最後まで良い年度だった!

 昨年は雨模様の中での修了式だったと記憶しているが令和5年度の修了式は気温が低くて寒い風を強く感じた日となった。三寒四温ではなくて四寒三温?だ。私は冒頭、修了式の修めると言う漢字から、読みはおさめるで同じだが、納める、収める、治めるとの違いを説明し、今日は3学期の終業式ではなくて令和5年度の修了式だと強調した。学業を修め、人格を陶冶し、心身ともに成長したことで「この1年を修了した」と生徒を褒め称え、「良い学校に学んでいる君たちは幸せ者だ」と述べた。 




そして私は昨年104日、文部科学省が公表した「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果に言及し具体的な数値を上げて「いじめ問題」に話を展開した。小・中学校における不登校児童生徒数は299,048人(前年度244,940人)であり、前年度から54,108人(22.1%)増加し、過去最多となっており、「由々しき問題」を今や超えていると話した。テレビドラマにあったいじめで不登校になった生徒が30年後に同窓会に出ていじめた生徒と対峙する場面を語りながら「いじめる」という行為が如何に人間の心に疵を与えるか諭したのである。幸い本校では定期的な「いじめアンケート」や教員のアンテナと素早い行動が効を奏し素晴らしい結果を生み出しているが、「一寸先は闇」であり、事あるごとに私はいじめ問題に言及する。これも一助となっている筈だ。 


そして令和6年度の2学期から始まる「学校5日制」については「益々学校は楽しくなるぞ!」と声を上げて生徒を激励した。先生方と協力しあって「土曜日の有効な使い方」に知恵を出し、学校5日制導入に「成功を収めよう」と話した。(この場合は修めるではなくて収める方が正しい。)明日の公立高校の合格発表で本校の併願者が確定し、令和6年度の在籍生徒数は約3050人を変える規模の大きな学校になると話した。楽しみの多い令和6年度という新年度が来る意味の言葉に「一陽来復」があり、寒かった冬が終わり温かい木の芽が芽吹く春が来ることであり、令和6年4月8日の新年度始業式に又皆と元気で会おう話し、「豊かな春休み」を持つように激励して令和5年度の修了式を終えたのである。

それにしても私はつくづくと思う。今朝現在コロナ感染者はゼロ、インフルエンザで休んでいる生徒もゼロであり、本当に開校100年目の令和5年度は良い年度となった。「All's well that ends well.」は「終わり良ければすべて良し」という意味の英語のことわざがあり、時々私も引用するが、「本年度は最初から最後まで通して良い年度」であった。これなど「人智を超えた」ものであり、学院神社の大神様がお守り頂いているに違いない。開校100年を寿ぎ、「100年の神の助け」は本当にあったのである。来年度も謙虚にそして慎重に一歩一歩進めて参る所存だ。今日は一人「勝利の祝杯」を上げようと思う。こういう場合何時も私はビールと3人前の「餃子を喰らう」。これが実に旨い!