2021年8月30日月曜日

物事は徹底してやる、それが私の生き方

 28日の土曜日は月度1回の休校日であったから土日の連休となった。心配していた生徒のコロナ感染者は今朝の報告では1件も無かったから一安心している。生徒の感染者は本校では圧倒的に男子生徒でそれも部活動の生徒が大半である。若年世代へのワクチン接種も始まるみたいだから期待をしているのだが、まだしばらくは油断できない。コロナのせいで学校行事がドンドン中止から延期、もしくは変更を余儀なくされているが、これは仕方が無いと諦めて次善の策を考えている。今朝ほど中学校長と「中学3年生の修学旅行」について協議し、10月1日屋久島方面への出発を諦め来年3月に広島呉の大和ミュージアム、宮島、秋芳洞、萩市内、出雲大社、鳥取砂丘に行先を変更することを決めた。今から「徹底して準備し、絶対に次は行かせよ!」と指示した。予防策として中学生にワクチンは接種できないのか?

 昨日和歌山で行われた第71回目となる関西吹奏楽コンクール高校の部Aの結果は残念ながら「銀賞」で顧問の先生方が朝方報告にきてくれた。初めての関西大会出場であったがハードルはやはり高かった。しかし創部15年でここまでに成長したことを誉めてやりたいと思う。全国大会に出場するのは全て大阪の高校で明浄、東海大仰星、大阪桐蔭さんである。それくらい大阪のレベルは高いのである。私は主顧問の先生にお祝いの楽器は何が欲しいのかと問うと「待ってました!」とばかりにバストロンボーン、クラリネット、他(楽器の名前を忘れた)を言っていた。何とかしてやらねばなるまい。理事長は徹底して支援をするが、関西大会、その次は全国大会、その道のりは遠くて厳しい。顧問の先生方も「徹底して部員の意識改革を図り指導」しなければ駄目だと思う。簡単な話ではない。 




次いで空手道部が部屋に入ってきた。残念ながら先のインターハイで全国優勝を逃した本校のチームは第76回目となる大阪高等学校総合体育大会で「男子団体組手優勝、男子団体形優勝、女子団体形で優勝」した。しかし女子の団体組手では調子が出ずに5位に終わったとの事であった。4部門で3部門の優勝だから良しとする考えもあるが私は満足しない。女子組手の5位は頂けない。もっともっと頑張れるはずである。この大会から実質的に来年度のインターハイに向かって全国の高校がしのぎを削って頑張る。オリンピックも終わり今井監督も学校に集中して足元を固めて欲しいと思う。才能ある意識の高い有望なちびっ子選手を勧誘し浪速中学校に入学して貰い、「3年間徹底して鍛えよ」と改めて檄を飛ばしたのである。

私もオカリナクラブを創部する為に学院長手作りのオカリナ製作に徹底して励んでいる。この連休で更に4個の「試作焼き」を行い合計8個になった。土と言うものは620度C前後の変態点を過ぎれば最早永久に土には戻れない。これが「素焼き」であるが市販の出回っているオカリナは殆どが素焼きであり、私もまず素焼きで焼いてみた。結果的には8個中6個、良いものが取れた。中には「逸品」が1個あったと思う。今回は単なる素焼きでは土の肌色が出るだけだから事前に「鬼板」や「弁柄」という第二酸化鉄を成分とする下地をして素焼きをした。それも「さや鉢」という密閉容器に黒炭を詰め込み「黒化」あるいは「炭化」を試みた。結果的には下地が無い方がより黒く自然着色することが分かった。しかし私はやはり素焼きに釉薬をかけて温度を1250度まで上げる「本焼き」の方が面白そうに思えるから次回は本焼きに挑戦する積りだ。「やる以上は徹底してやる」。この徹底してやることが私の生き方である。




2021年8月27日金曜日

企画と計画・・産土ゴルフ練習場のケース

 新規事業や新設備をまず検討することを「企画する」と言う。イベントを催すのも企画、本を出すのも、テレビ番組もひとつの企画。この4月から校務分掌に「情報企画部」を作ったが学校をICT武装する為のもの。そもそも、企画という言葉、企業では普通に使われるが、学校内部では無縁の言葉で無かったか?それに比べて「計画」と言う言葉は多く使われ教員には分かり易い言葉だ。企画と計画の違いは一体何だろうか?三省堂の大辞林には企画とは・・ある事を行うために計画をたてること。また、その計画、くわだてとあるが良く分からない。どうも企画と計画は同義みたいだが、少ししっくりこない。私は企画と計画には時期の違いがあるように思う。企画があって次に計画だ。企画とは真っ白いキャンパスに初めて何かを生み出すものだから、そこには戦略性が含まれているだろうし、輪郭は不明瞭ながらもアイデアがベースにある筈だ。  

私は企画には大きな3つの特徴があると思う。まず「ニーズ」があること、「目新しさ」があること、それに「実現するための方向性・具体的方法」があることではないか。ニーズを満たすことというのは、その企画に価値があるかどうかを表すもので、又一見、どれほどすばらしく見えるアイデアも、それを実現したときに誰かにとって「良かった。有難う」に結びつかなければ意味がない。何らかの「目新しさ」があることとは、文字通り、そこに新しさがあるかどうかで、他に多くある既製品の後追いでは駄目である。「二番煎じ」では新規性は無い。実現できないアイデアは企画とは言えず、単なる「夢物語」でしかない。アイデアがあっても作る「場所が無い、お金が無い」からは何も生まれない。従って実現するための方向性・具体的方法があることというのは、文字通りそのままで、企画はそれを実現することを前提にしているから、実現できないアイデアは企画とは言えない。次の段階ですぐに「計画倒れ」と言う言葉になる。 

現在、堺市美原区の本校施設「高天原スポーツキャンパス」に建設中の「産土(うぶすな)ゴルフ練習場」は企画が実現し、具体的に計画され、そして順調に工事が進んでいる、戦略性や新規性に富んだプロジェクトである。本校のゴルフ部は未だ弱小クラブ、強くしてやりたい、そのためには無料で何時でも使える練習場が要る、それも「最新鋭の機器設備」を擁していることだ。ゴルフをしたい、上手くなりたいと思う生徒の期待に応えるために企画し具体的な計画に入った。私は長い間この企画を温め、1年前に初めて外部にアイデアを出したのである。土地は八咫烏テニスコート、乾坤一擲ドリームフィールド北側に格好の本校所有のものがある。今年は大型投資物件は無いから、財務的には問題は無く、手持ち資金で十分賄える。土地がありお金があるのだから、企画段階で既に勝負あったということか。 

企画段階から具体的な計画に進めたが、T建築設計会社の社長さんは某ゴルフ場のフェローシップ委員長であり、シングルプレーヤーだと後で知った。ゴルフに詳しい。ここに人とのご縁がある。私は本当に「運の良い」人間である。この企画の新規性はゴルフ練習場を自前で持つという事である。高校でゴルフ練習場を有するような学校は余り聞いたことは無い。それも最新鋭の機器を備えた豪華なゴルフ練習場である。「スイングシミュレーションルーム」だ。ここで徹底的に自分のスイングを観られる。深いバンカー、起伏に富んだグリーン、ラフ、広い打ちっぱなし練習場等々、とにかく知恵を絞った練習場となる。完成は11月頃か。




この武器を使って入試広報部が広報宣伝すればゴルフ好きの才能ある生徒が本校に入学しゴルフ部に入ってくれる可能性は高まるだろう。丁度今はコロナ下であるが、プロの松山選手のマスターズ優勝とかオリンピックで稲見選手の銀メダルとかでゴルフブームが再来しているという。確かに街の練習場は人で一杯である。「時は今」だと思って企画、計画、工事と順調に進んでいる典型的な事例である。残った課題は「指導者」で、これが唯一私の頭を痛めている。現在あらゆる方法で、高校生、中学生に「ゴルフを通じて人間教育」をしてくれる立派な人物を「金のわらじ」で探しているのである。公募するのも一つの手かも知れない。



2021年8月26日木曜日

イベントの効果を上げるために色々と考えよ!

 今日は「浪速中学校の2学期始業式」であった。これで高校共に本校の2学期はスタートした。コロナで他校では夏休みの延長とかの話が聞こえてくるが、幸いにも本校は高校、中学共に予定通り一歩前に進んだと言える。コロナの感染で言えば、本校では高校に比べ中学の感染生徒は8月で言えば今日時点で僅か一人でそれも軽微だ。どうも全国の報道されている状況と少し異なり、とにかく高校生徒の感染拡大とそれもクラブ活動が問題となりつつある。部活動も徹底して注意しているのだが、どうもパラパラと出て来る。昨日、大阪府は緊急事態の中で学校における感染防止を徹底するために特にクラブ活動の制限を要請してきた。今日の高校臨時朝礼で教員に校長から具体的に伝えられた。デルタ株は都市部から地方への感染拡大と若年層への感染拡大が大きな特徴であり、更に十分気をつけて行かねばならないが、「五里霧中」である。それでも学校は一日も休むことは出来ない。一歩でも二歩でも生徒の為に学校を前に進める。


 
始業式に先立ち中学校長と代表生徒2名による「神前奉告」を済ませ、始業式の会場に赴いた。高校では神前奉告の後「学院長講話」があるのだが中学についてはカットしている。高校生に比べまだ「子供っぽい」ところがあるし、一度に学院長と中学校長の講話ではすこししんどいだろうと言う私の判断である。しかしそれにしても本校はIT化が進んでいる。我がことながら少し驚いた。高校の神前奉告や始業式は有線によるテレビ放映だったが中学校は「Wi-Fi環境」を活かした無線での「生ライブ中継」だった。生徒はリモートでも教室のテレビモニターではなくて中央白板に大きく流れている画面で遥拝が出来る。始業式典の校長先生による表彰伝達も校長講話も自由Wi-Fiによる「グーグルミート」を使ったものだった。

 



担当の教員が私に説明してくれたがこれだと生徒は学校にいなくとも各家庭でグーグルクロムブックタブレット画面を見ながら一斉参拝が可能ですと。今後コロナで何があるかも知れないからこの話は私の頭にすっと入ってきた。しかし本校の完全なWi-Fi環境と各ご家庭の通信環境、何より一人残らず端末を有している武器がこのような状況を作っているのが嬉しいし誇りだ。始業式の会場は中学校ICT教室を使っていたが、これも戦略的な教室であり、このように使ってくれているのは嬉しいが少し改善の余地はあると感じたので担当教員にアドバイスした。

 




パソコン内蔵のカメラだけではなくて教室内の雰囲気が伝わるように、ダブルでビデオカメラを用意し、又司会者がいちいちパソコンの位置まで動かなくても良いように集音マイクも2カ所に設置したらどうかと思った。要は「式典らしい雰囲気」を作って欲しいのである。「形を作る」ことは重要であり、校長先生の講話は特に大切である。重要な事は生徒を式に集中させ、校長や他の先生の話を頭と心に振動として響かせることであり、そのためには映っている画面が変化した方が良い。同じ画面をずっと見るのは結構しんどいし中学生には直ぐに飽きがくるのではないか。「イベントの効果を上げる」ために何をしたら良いかもっともっと考えよ!リモート馴れしてはいけない。「演出」こそ見るものを感動させる。



2021年8月23日月曜日

高校2学期始業式に先立つ「神前奉告と学院長講話」

 本日は高校の2学期の始業式でした。これに先立ち理事長・学院長先生は高校校長並びに生徒代表と学院神社の大神様に始業の神前奉告をされました。生徒はそれぞれのホームルーム教室での遥拝となりました。


その後学院長講話があり、新型コロナに関するお話と、9月の浪速祭や修学旅行など学校行事に大きな影響がありうる事、また成り行き次第ではオンライン授業もあり得るとのご判断で生徒と先生方に準備に抜かりの無いようにご指示されました。

そして、高校3年生には12月末までの2学期が大学受験対策において最も重要で効果あるものとして各自精一杯頑張るように激励されました。(K



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2021年8月21日土曜日

「袴」授与式

 本日は10時から書道部に対して理事長・学院長先生から部活動激励品として「書道用袴及び衣装一式」が全部員に授与されました。これは921日国際平和デーに大阪護国神社にて行われる本校書道部の「奉納揮毫」に際して着用するためのものです。





この日は先生の知人でもある衆議院議員や府議会議員の先生方、大阪府神社庁他多くの方々がご来賓として参加されます。書のご指導は有名な書道家である田邊柳奨先生、クリスタルボウル演奏家の猿丸詩摩子様の演奏の中で本校イメージカラーのエンジの袴をはいて部員が取り組むことになります。理事長先生の激励に対して部員代表より感謝と頑張る旨の力強い言葉がありました。(K


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2021年8月20日金曜日

「天岩屋戸神話」・・・苦しい時の神頼み

 「うーん、少しヤバイ!?」感じがする。このまま行けば大阪府の爆発的感染の歯止めがかからず、急増は収まりそうもない。23日の高校始業式が怖い。2100人を超える高校生が一挙に登校してくる。秘かに他校の状況を聞いているのだが酷い状況の学校もあるみたいだ。教育行政とマスコミとの取り決めで具体的な学校名は出さないと聞いているが、正しい措置だと思う。どの学校にクラスターが発生したとか大騒ぎで報道しても何ら意味は無い。今回の第5波の特徴は家庭内感染とクラスターだ。それに高齢者から若年層に移ってきており、確かにデルタ株の感染力は強い。コロナは高校生と中学生に迫ってきている。 

府の教育庁は18日付けでクラブ活動の制限、修学旅行の中止か延期、学校行事の見直し等を正式に通達して来た。この先ひょっとしたら「臨時休校」も有り得るとの判断から「オンラインの活用」にも言及されている。本校では先手、先手で準備しているから問題は全く無いのだが、果たしてこれらの対策で収まるのであろうか。私は悲観的に観ているのだが、「斜に構えて」も仕方がないし、あたふたして一喜一憂しても仕方がない。私はドンと構えて生徒・教職員を守る為に出来ることは何でもやるが、正直出来ることは限られているだけに辛い。ただ組織のトップが明るさだけは失ってはいけないことを自覚している。暗いトップでは全員の気力も萎える。最後はトップの明るさだけが天も地も学校も家庭もどの組織にも決め手になってくるのではないか。 

「神頼み」という言葉がる。「苦しい時の神頼み」という具合に使われる。これは人智が及ばず、打つ手が無い時に神に祈って加護を願うこと、神の助けを願い求めることなのだが、そういう気持ちにもなる。昔、神代の時代、天照大神が、弟の素戔鳴尊の乱暴を怒って天の岩屋へお入りお隠れになり、世の中は真っ暗闇、いろいろの悪い神々が出てきて、恐ろしいことや、悲しいことが次々に起こった。困り果てた大勢の神様たちは、岩屋の前に集まって、天照大神に岩屋から御出でになっていただくにはどうしたらいいだろうかと、思案を巡らし岩戸の前で踊ったり歌ったりして楽しそうに振舞うと、岩屋のなかの天照大神は何事がおきたのかと、そっと岩戸をあけて外をご覧になられた。その瞬間を待って力持ちの天手力雄命が岩戸に手をかけ一気にガラガラと渾身の力で、岩戸をあけて天照大神を岩屋からお出しされた。その結果、世の中は再び明るくなり、悪い神々は、逃げ去ったという。大変有名な古事記が描く「天の岩屋戸神話」である。本校にはこの神話を描いた「壁画」がある。新校舎建設時に私が拘って東門、正式名称「天岩屋戸門」から入った直ぐのところ、理事長の執務室に最も近い場所に設置したものである。

 



この壁画の一部が、それも金色に輝く天照大御神が出られるスポット部分が建設から5年を経て損傷個所が見えたので昨日修復作業を行った。元々新校舎の中央館回廊と東館を繋ぐ屋外のトンネル部分にあり、風が強く通り抜け、陽も強く当たる場所で壁画には過酷な場所であったが、神社神道の学校として大切な日本の神話を生徒に伝えるものであり、とにかく始業式に間に合うように修復を依頼したのである。大阪芸大の日本画科卒の人が見事に修復してくれ、これで不安はない。始業式では古来、日本人は謙虚に一生懸命働き、人智を尽くして天命を待ち、最後は斎戒沐浴して「神頼み」をして生き抜いてきたと、違う切り口から注意喚起を促すことも考えて見たいと思う。人間は有史以来困難、逆境を乗り越えて来た。今回のコロナも何時かは折り合える時が来よう。それを謙虚に真面目にやるべきことをやって待つしかあるまい。本校の校訓「浄明正直」である。浄く明るく正しく素直にだ。この言葉に間違いはない。




2021年8月18日水曜日

覚悟を決めた。「前に進めるだけ!」

コロナによる緊急事態は大阪を含めて13の都府県に拡大され、期間も9月12日まで延長された。そして新たに鹿児島など10県が追加され合計16道県が蔓延防止重点措置の対象となった。全国47都道府県の内、29だから、その割合は実に60%を超える。「日本全国真っ赤っか」と言っても良いくらいだ。ワクチン接種との競争だが近い内に60%を超えてくるのではないか。この状況は学校でも変わらない。今までは生徒の感染者は極めて少なかったが、世間で若者の比率が増えてきている構図がそのまま学校に当てはまる。本校でも中学生の陽性報告は無いのだが「高校生については要注意」だ。徐々に増えつつある。特にクラブ活動については危険信号を発している。甲子園では、宮崎商業と東北学院が感染の為に出場を辞退したとある。「市中空気感染」も心配せざるを得なくなった。年内一杯はコロナとの戦いは続くと踏んだ。

 私は覚悟を決めた。生徒も教職員もコロナを恐れる余り、学校の中で「何もせず、じっと据わって」いるだけでは学校ではなくなる。教育と言う営為に休みは無い。出来るコロナ対策を徹底しながら「粛々と全体を前に進める」のが私の仕事である。23日の高校始業式、26日の中学始業式から本格化する2学期は恐らく毎日が生徒の発熱等の健康状態の把握で緊張する場面が増えることは仕方がない。若者は重症化しないのが我々のデータにも出ておりそれが救いである。こういう中で徐々に学校ではクラブや特別活動が盛んである。中学では「イングッリッシュキャンプ」と銘打った特別英語教育特訓が20日まで続いている。「英語に慣れ親しむ」特別プログラムを外部機関と開発し、ネイティブの外部講師の先生をお呼びして順調に進んでいる。激励巡視に行ったが生徒も先生も熱心に取り組んでくれていた。

 




今朝は明日から「高校の修学旅行の下見」に出発する先生方をお呼びしコロナへの注意と激励を行った。何時になく歯切れの悪い自分自身を自覚するほど難しい決断による教員への言い回しだった。今この時、コロナで日本全国大変な状況の中、それも感染者の多い大阪から北は北海道から南は南西諸島まで大事な先生を派遣する気持ちは本当に複雑である。11月の本番の時に720人の生徒が全員行けるのか、行けないグループが出た時にはどうするのか課題は多いが前に一歩づつ進めるしかない。11月「ゴー!」となった時に、浪速は下見にさえ行かせていなかったと言われては生徒を守ることにはならないし、下見の時期は夏休みの今しかない。決断した私は下見の先生方にポイントを伝え、「無事に行って無事に帰ってくる」ように伝えた。行先は道東、道南、宮崎、長崎、沖縄、それに語学研修先の静岡だ。いずれの地域もコロナと闘っている地域である。

 



今の日本はかって経験したことが無い光景が広がっている。それも次から次と場面が転換している。コロナの爆発的感染拡大の中、オリンピックを挙行し、それなりの感動感激を味わった。次はパラリンピックだ。その後菅総理の任期切れが迫り、衆議院選挙が待ち構えている。世界を見れば長かったアフガン戦争が遂に終結する。アメリカとアフガン政府側の完全敗戦である。撤退する首都カブールの空港の米軍機に群がるアフガン人数千人を姿をテレビで見たが堪えられないものだった。中国、最も近い国、韓国との膠着したの動きようのない関係、不気味さだけを感じる北朝鮮と私は理事長室に据わってコロナに揺れるこの国と、この学校の近未来を想像しながら「何を準備しておくか」をじっくりと考えている。今現代は間違いなく世界史、日本史の大きな転換点であろう。

 

2021年8月16日月曜日

2学期の始動、「クールにスマートに!」

短いリフレッシュ休暇も終わり、今日から実質的な2学期が始動だ。9時から職員会議を持った。これがキックオフである。生徒は高校が23日、中学は26日が始業式であり、通常状態に戻るのはそれからだが、それまでに我々教職員にはやることが一杯ある。まず本校では「来年度入試の問題作成とそれの試答業務」である。生徒の居ないこのタイミングで、落ち着いた状態で集中し、「良い入試問題」を作って貰うために例年今日から1週間ほどかけて行う。輪番制だが、気の張り詰める作業故に今年から問題作成に当たる教員には手当てを増額し、試答の担当の先生には初めて手当てを付けた。他校では多分やっていないが私は試答も重要な特別業務と考え導入した。「価値ある人が価値ある仕事」を行うのだから、「勤務時間内だからそれもお給料の内」などの野暮は言わず、出したほうが良いと判断した。これも「働き方改革の一環」だ。ただし良い問題を作って貰わないと困る。


 今日の職員会議ではまず社会のコロナの現状と休み中の本校の状況について言及し、爆発的感染拡大と社会は極めて酷い状況にあるが、学校は一喜一憂せず、しっかりと生徒と我が身を守る為に教職員の意識を更に高めて行くようよう指導した。正直言って、生徒の感染者は出ているが大きなことにはならず、お陰様で2学期が予定通り始業出来ることを喜んでいる。休み期間中と言っても結構教職員は忙しくて、昨日も「私学展」があった。131415と3日連続で開催され、私は昨日顔を出して雰囲気を探った。本校は昨年以上の参加者を得て安堵しているが、この私学展は「打ち上げ花火」みたいなものでこれから本格的な来年度入試に向かった作業が本格化する。府内95校の私立高校が少ない中学3年生を奪い合う?のだ。しかし教育界は極めて保守的であり、昨年度入学者が少なかった学校が翌年コロナみたいに爆発的に増えたなどは聞いたことが無い。それでも各校は色々と工夫して自分たちのブースに来るように呼び掛けていた。この涙ぐましい努力の積み重ねが結局は生徒を集める。




職員会議では休み期間中のクラブ活動について言及した。休み前のアラウンドで書いたクラブであるが「吹奏楽部」は何と9年連続で金賞、4回目となる大阪大会での金賞、そして遂に「関西大会への出場切符」を勝ち取った。初めての栄冠である。29日に和歌山で行われるがこれに勝てば全国大会だが、そう簡単にはいくまい。しかし創部15年で遂にA組(55人)で関西大会だから言うことは無い。私は職会で吹奏楽部の関係顧問の先生方を絶賛した。硬式テニス部もすごい。男女ともにインターハイ初出場で共にベスト16位だった。女子は個人戦、個人戦ダブルスでベスト8位だから素晴らしい。空手道部は惜しくも2年連続の団体組手の優勝とは成らなかったが個人組手では優勝、準優勝は浪速で新聞紙上を「浪速対決」と飾ってくれたのが嬉しい。ボクシングも男子フェザー級で出場したが惜しくも残念な結果となった。大阪を代表して全国大会に出場することは大変名誉な事であり、高校生アスリートには最高の舞台であり、私は今後ともクラブを支援していく。吹奏楽部にはまたまた何か楽器をお祝いに買ってやらねばなるまい。顧問や生徒の顔に「楽器が欲しい、欲しい」と書いてあるから。

 とにかく2学期は私立高校にとって来年度もゆとりをもって経営と校務運営が果たせる為の「仕込みの時」であり、働き方に「知恵と工夫と割り切り」を入れてやっていくしかない。校務もクラブ活動もただただ忙しく立ち振る舞うことが美徳の時代は過ぎ去った。「クールにスマート」にやって欲しいと思う。私は職員会議で8月4日付けの文部科学省私学行政課と厚生労働省労働基準局長通達の文書を読みながら、「働き方改革」についてこの辺のところを強調したのである。その為には学校だけではなくプライベート生活でもしっかりと対応しなければならないと思う。教職員の心身の健康はまず学校と家庭の両方のゆとりと安心がベースとなる。


2021年8月2日月曜日

部活動の活躍が凄い!

学校は今週一杯で閉じる。7日土曜日から15日までは「教職員のリフレッシュ休暇」である。今日で私の1学期の仕事は一応終わりアラウンドも暫し筆を休めます。両校長管理下で学校は今週一杯、様々な行事が続く。例えば高校は今日から「浪速グローバリーアカデミー」と銘打った「英語特訓」である。ISAさんと取り組み、現在日本の有名大学に留学中の学生を7名呼んで毎日毎日「英語漬け」の日々を過ごす。朝方私は彼らを部屋に来て貰い「生徒を宜しく頼みます」とご挨拶をした。もう何年も継続してきた企画であり、受講生に大きな影響を与えるプロジェクトである。来校記念として私はお一人お一人に本校のシンボル品である天孫降臨芋焼酎を差し上げた。そう高価でもない品物に対して感動を超えて大きく感激されたのにはこちらが些か驚いた。

 


その後土曜日、日曜日に実施した「中学のオープンスクール」と「高校のクラブ体験」についてI入試広報部長が総括報告に来てくれた。どちらも昨年を大幅に超える参加者を得ている。特に中学の教員が総出で対応してくれたことに広報部長は深く感謝しており、私は傍らの電話を取って中学に電話して慰労と感謝の言葉を伝えた。特に高校は昨年は完成していなかった「高天原スポーツキャンパス」に連れて行くことが出来たのは大きな反響があったとI先生は強調していた。確かに陸上競技、ラグビー、サッカーに関心のある受験生はあの広大で豪華なフィールドを見てくれれば何かを感じてくれるだろう。広くて美しい校舎とこのような豪華な運動施設があることは本校の評判を更に高めてくれるだろう。でもそれだけでは駄目でやはり「教職員の目配り心配り」が受験生や保護者の心には響く。

 



次いで私は一人の女性事務職の方と面接した。新しく採用した職員で今日から勤務だ。常務理事と事務長が「太鼓判」を推した人故、能力やお人柄に問題は無い。私は最初から飛ばさず、じっくりと仕事をするようにアドバイスした。この女性も私が校長時代に入学を許可し卒業させた人材である。その後春の選抜で全国優勝した空手道部の面々にお祝いの「道着」の贈呈式があった。恒例のものであるが、次の目標はこの中旬に富山県で行われる「インターハイ優勝」であり、私は今行われている東京オリンピックを例に出し部員たちを激励した。


 


夏季休業中だが学校は目に見えぬところで大いに盛り上がっている。先にも書いたが吹奏楽部の活躍だ。土曜日、自宅に帰ってほどなくした頃、吹奏楽部のY顧問先生から電話があった。幾分声が上ずっていた。「先生、お陰様で9年連続金賞、昨年に続いて府の大会に2回目の出場が決まりました!」という内容だった。全国の高校で吹奏楽部の無い学校は恐らくないのではないか。それくらい極めて数が多いクラブである。だから大会は地区大会、府県大会、広域地区大会(近畿、関西等)、そして全国大会と道のりは遠くて厳しいのである。本校の吹奏楽部はようやく大阪府の大会に出場できる規模と実力が備わってきたということだ。立派である。全国大会出場の常連校でトップレベルの大阪の某私立高校などは部員数だけで200人を超えているという。本校が110人レベルだからその規模の大きさが分かる。楽器を持って舞台に立てるのは最大55人までであるからクラブ内での戦いもすさまじいものがあるのだ。およそ競技と言うのはこのようにまず仲間内で認められることが必要で、どのクラブでも同じことで、野球でレギュラーとしてベンチ入り出来る構図と全く同じだ。 

その野球だが「軟式野球が強い」。硬式野球は残念ながら2回戦で敗退したがこちらは勝ち進んでいる。昨日の都島工業高校との準々決勝戦も2対0で勝った。これでベスト4、関西第一、大商大、河南、そして浪速の4校だ。明日、83日に大商大高校との準決勝戦、4日に決勝戦の予定であるが、良いピッチャーを二人揃えているのでひょっとしたら、ひょっとするかも知れない。それにしても部員と今年から采配をお願いした外部指導者「吉岡監督」の手腕が素晴らしい。顧問のT先生とのグッドコンビネーションも良い。

 



テニス部の活躍もすごい。中学校のテニス部の顧問、H先生が部屋に来て過日、滋賀県長浜で行われた全国中学校テニス選手権大会近畿予選の結果報告に来てくれた。男子は灘中学、和歌山の西脇中学を撃破したが残念ながら準決勝で甲南中学に敗れて男子団体では3位に終わった。まあ勝ったり負けたりで強くなっていく。「女子は優勝」だ。神戸女学院、立命館守山、園田学園中学、大阪女学院中学を破っての優勝だから立派である。これで男女ともに8月18日から福島県会津若松市で行われる全国中学生テニス選手権大会に出場できることが決まった。高校は現在インターハイの真っ最中であり、選手、顧問の先生は信州松本だ。頑張って欲しい。