2025年11月21日金曜日

「キャッシュレス・スクール」へ!

 11月10日の「校務運営会議」で私は学年主任や分掌の長に対して重要な発表を行った。それは明年4月から「天空レストランにおいてはキャッシュレス化に移行」すると言うものである。実は本年9月初め、副理事長と情報企画部長に宿題を課し、本校のキャッシュレス化について「答申」を求めていたのだが過日、答申され、私の頭にその中身がおぼろげながらイメージ出来た。「時代の趨勢」でもあり、生徒にとっても本校で働いている人々にとっても意義あることである。長い間の懸案をぼつぼつ片付ける時が来たと私は決断した。 

当初は本校独自の「アプリを開発」しその導入を考えていたが初期費用やランニングコストを考えると得策でないと答申にありそのように結論付けた。大学や生協であればメリットも出てくるだろうが、3300人程度の規模ではメリットが出て来ない。それで世の中には今通用している、例えば「Quoカード」、「交通系のICカード」、「プリペイド式Felica」、「QRコード決済のPayay」とかの中から、現在通用してる仕組みの中で本校や生徒にとって安全で管理が比較的負担の少ない方式を採用する方向で詰めを急ぐことにした。当然複合方式もある。

 これで大変混雑した天空レストランの支払いは極めて楽になるし、現金を扱わないから安全でもある。実際府内の高校でも試験的に導入をしている公立高校はあり、遂、先日も副理事長や情報企画部長がその学校を訪問して見聞してきたところだ。特に焼き立てパン・ブルの改装後はパン食の生徒も増え、100円玉が溢れかえっている現象がある。これを日の終わりに近隣の郵便局に持ち運んでいる光景は何か昭和的である。 


昨日6Rの関係の責任者を部屋に呼んで近未来の天空レストランのキャッシュレス化への移行を詳しく説明した。このように持ち場、持ち場の責任者には早め早めに「考えを披歴」し、情報を共有することは組織管理において大切な事である。トップが全て決めるのではなくてトップはまずキーパソンに課題を投げ掛け、答申を求める。その答申を熟慮し方向を決めるのはトップの責任である。その結果を課題に関係する教職員や関係先に情報を流すと現場の人々は最も良い形を提案してくる。この方式が「生きた仕事の仕方」だと思う。来年4月には移行され、そのうちに本校は本格的に「キャッシュレス・スクール」として評判を呼び本校訪問依頼が出てくるに違いない。




2025年11月20日木曜日

2回目となる「パンの外販日」

 今日は始めて2回目となる「パン外販日」であった。1回目が11月7日だったから、当面は月度2回のペースで考えている。あくまで生徒用の焼き立てパン作りであるが、このようにして外販を行い、「地域への感謝の気持ちを表す試み」である。外部から卓越した管理者やパン職員さんをNEPが雇い入れており、その方々の為にも少しでも外部から収入を得るのも小さな目的である。一回目は140個の食パンが早々90分ほどで完売した。モニターとなった多くの人に聞いてみたがとにかく「神恩食パン」と「おかげ食パン」の味が頗る「美味」であったとの評価に我々は安堵とともに自信を深めた。プロジェクトは良いスタートアップが切れたと思う。 



前回に比べ今回は各80本で合計160本の食パンを用意した。時間内に仕事の都合で来れないお客様が早々と来て神恩食パンを16本一度に買って下さったと聞いた。有難い事である。常勤講師の先生も買いに来られていた。売り手は教職員で、このようなパン販売の光景は本校以外には見られないだろう。卒業生のお母さんもいらした。ファミリーが集う学校内の「マルシェ」に近い風景である。約90分で用意した160本は完売した。


Rのパン焼きコーナーは設備や装置は立派なものを揃えた。素材、機器メーカーの(株)山崎製パンさんや兼光産業さんとの友好関係も樹立でき,今日まで多大のご支援を頂き、9月1日の改装後大セールから2カ月半でここまで来たのは驚きに値するスピードだ。プロジェクトメンバーの学校法人の事務局、NEPの契約社員さん、PTAの協力、そして所資材の納入の会社様のお蔭である。ただ背景にはパン焼きの職人さんである肝心のNEPの社員さんを「幸運にも」、卓越した経験者を確保できたことが極めて大きい。この人たちが居ないと不可能だったことは間違いない。しかしこのことは「今後の安定した人材確保」と言う視点からすれば、先行き必ずしも安定とは言い難い。「継続した人材確保の為」に何が出来るかと様々に考え、導き出した答えが次のようなものだ。

 多角的飲食産業を展開する兄の村川社長の(株)「うお健」と弟の村川理事長が経営する「学校法人村川学園 大阪調理製菓専門学校」と言う組織がある。この本社や学校法人の法人本部が泉大津市にある。今や東京にも二つの学校を有する大手であり、兄は日本ソムリエ協会認定のシニアソムリエである。この村川一家は祖父の代から浪速で学んだ「浪速ファミリー」と言っても良く私は過日、学校を訪問し親しく今後の「WIN-WINの関係」を構築する為に、今考えている天空レストランの「フードコート化」について知恵を借り、又本校を先方の生徒さんや卒業生の実習場所や働き場所として考えて頂くのだ。2回目の会談は11月26日に理事長と事務局長さんがご視察に見えられ更に話を詰める予定となっている。 


同時に私は現在経営を委託している6Rの調理会社さんである会社のG社長さんに学校に来てもらい、パン外販の状況の視察をお願いし、合わせてフードコート化や今後の体制等について議論をした。前向きな議論が出来たと思う。残った課題は千早赤阪村の「多聞尚学館」の給食事業であり、今副理事長が検討を進めている。来年度以降「原点に立ち返り」、校外学習の頻度を上げるが、京都とか他の施設で大金を生徒の保護者に費やせることから極力安価に実施できる場所を確保するために本校は「宝物」を有している。それは「自前の校外学習施設の多聞尚学館」だ。ここの調理業者も含めて一大改革を考えていかねばならない。 



2025年11月17日月曜日

神社神道の旧制浪速中学校は「私立中学御三家の一角」と称された。

 朝一番から土曜日に行われた第二回中学校プレテストの成績判定会議を持った。中学校校長も含む拡大会議である。欠席率も対昨年比-3%で参加者が初めて250人を軽く超える数値であり、成績の良い受験生の多さが目立った。何としてもこれらの生徒の獲得が浪速中学校の体質改良に繋がる話だけに今後の作戦を議論した。どの私立中学も学習進度の進んでいる小学校6年生が欲しいのは当然であり、そこに「伝統と実績の力の差」が出てくる。我々は今や府内私立中学60校の中でトップ18位くらいの量的規模を誇るが、後発組として、今が一番しんどい局面であり、安定して10位以内のトップグループに入れるように頑張っている。 


しかしこれは口で言うほど易しいテーマではない。水滴で「岩を穿つ」ような艱難辛苦が必要だ。志を有し焦らず駒を進めれば決して不可能では無い。100年前、旧制大阪私立中学の先駆けとしてミッション系のM中学、仏教系U中学、そして神社神道の浪速中学は「私立中学御三家」と称された。約10年弱の募集停止した期間があるのが辛いが、過去を振り返り、先人を恨んでも仕方がない。バブル時代に再募集に踏み切って、その後私は低迷していた学校の「浪速改革」に着手し、今年自前の新校舎が竣功し、新記録の168人と言う入学者を得た。浪速高校は今や府内トップレベルの入学者を誇る私立高校に変貌した。浪速中学も必ずそうなると信じて疑わない。 


今日は10時から今回の機会で高校2年生の海外修学旅行イタリア行が機材の関係で実現できなかったB団の生徒190人を学校に召集をかけ「事態の説明と今後の方針」について詳しく説明した。会場の都合で別室には保護者にもご参加いただき、オンラインで同時中継とした。敢えて保護者と生徒とは同じ部屋とはしなかった。あくまで生徒が主体であり、理事長の顔と声が直接耳に届く場所が良いと考えた。大きな会場は冷えており、インフルにでも罹患させたら大変だと予防したのである。 


生徒は完全に理解し、私の説明後の退室時には「大きな拍手」を貰った。私は嬉しかった。本校の生徒は皆、良い生徒ばかりである。期末試験が終わった後、間髪入れずに再トライする。今度は高校教頭のD先生を管理責任者として帯同させることも発表した。「学校の姿勢」である。これで一連の問題は収束させ、今から細部での準備に入る。トラブった時に極めて速やかに対応策をまとめ、生徒に「誠意ある説明責任」を果たすことが組織管理の要諦である。私は生徒でも誠意を示すと言う事を大切にしている。エージェントの幹部は私に、びっくりしたお顔で、このような説明会であのような「大きな拍手と歓声が出る」光景を初めて見ましたと言われていた。組織のトップはある面、「アイドル的」でなければならないとは私の信念である。


2025年11月15日土曜日

「足るを知る」とは焦らず、正しくプロセスを踏むことだ。

 「第二回浪速中学校プレテスト」が順調に実行された。昨日のアラウンドで「欠席率」について論評したが対昨年比で-3%であった。悪くない。事前申し込み数ではなくて実際に受験している小学校6年生の「参加者数」は対昨年19人も伸びている。特に1回目と2回目の両方受験数、即ちダブル受験が大きく伸びているから来年度の入学者数の最低ラインは読めて来た。私は安堵している。8時からのキックオフミーティングに参加したが、先生方は皆さん、優しそうな良いお顔であった。これらをもたらしたのも「300の壁」を超えてある程度の数が揃ったからだ。さて年明けの1月の本番入試まで時間が有るので、腰を据えて固めて行かねばならない。「量から質への転換点」に差し掛かった。 




「海外修学旅行」であるが昨日は関係者で様々な対応策を考え、結論として明年2月末、期末試験が終わった翌日の28日の土曜日に同じイタリアに向けて実行することを決めた。高校教頭と教務部長の意見を尊重した。フライトは同じ航空会社で関空の出発が夜遅くの時間帯だから試験後と言う事を判断してもこれがベストと判断した。これだと生徒へも学校にも影響はない。これより遅れると春休みに入り、部活動などが活発化してくるから問題が出てくる。エージェントにはこの旨、連絡し、月曜日にイタリア班190人を招集し、これらの中味をより詳しく連絡してやりたいと思う。せめてもの理事長の思いから生徒へは「元気を出すように」と焼き立てパン・ブルのパンをプレゼントを考えている。 


「足る日」という言葉がある。(たるひ)と普通に読む。神社の宮司様が祝詞などで良く使われている言葉で、意味は「物事の十分に満ち足りた、よい日、吉日」の事を言う。「今日の生日(いくひ)の足る日に」は祝詞・神賀詞の常套語である。一方古代中国からの諺で「足るを知る」というのもある。「知足」ともいう。身分相応に満足することを知るということを意味するし、現在の状態は足りているということを知り、それ以上は求めないようにするということを意味する。足るを知るは仏教の教えが由来であるとされており、仏教の経典に知足という言葉がある。これが由来となり老子など様々な人々がそれぞれの解釈で広めていったとされる。 

私はこの「足るを知る」を最近では時々思う。私など凡人には本質の理解が難しいが、老子の「足るを知る者は富む」という考えからあるとされており、これは「満足するということを知っている人」は、貧しかったとしても精神的には豊かで幸福であるということである。老子は、人間の欲求や欲望は際限が無くどこまでも沸いてくるため、現在よりも上を求め続けるならば何時まで経っても幸せになることはできないとしていた。欲によって人生を振り回わされたり、人と争わないためにも今の状態に満足することが大切であるとする。しかし私は内心では思う。貧しいだけでは何も出来ない。有形無形の富を増やすことも間違ってはいない。多くは求める必要はないがある程度の物は要る。大切な事はプロセスを踏み、焦らず確実に進める事だと思う。「何事も一度にはいかない。時間をかけてこそ叶う対象もある」ことを知ることだ。浪速中学校も今体質改善の途中であり、焦らず「足るを知る」ことが大切だと自分に言い聞かせているところだ。

 

2025年11月14日金曜日

中学受験プレテスト「300人の壁を超えた!」

 矢張り気になると見え、今朝は入試広報部に自ら足を運び、近藤教頭先生に「どう?300人超えた?」と聞いた。今から私の部屋に行こうと思っていたらしく、笑みを浮かべながら、「304人になりました!」と答えが返って来た。遂に「プレテスト受験者が300人の壁」を超えた。昨年度が294人だったからとにかく嬉しいニュースであることは間違いない。昨年はまだ新校舎も竣功していなかった。今は「バリバリの新校舎」だし、「面倒見の良い私立中学」の評判は大きな武器だ。これで第二回浪速中学校の来年度入試の入学者がおぼろげながら読めてくる。今年の入学者数は168人と新記録だったが、ひょっとしたらこの数値を超えるかも知れない。興味関心のない学校の模擬試験など幾ら無償だと言っても受けに来るわけがないから、プレの参加者の数は重要な数値なのである。 


ところが浪速中学校の存在感が高まるにつれて状況は変動してくることが分かった。「浪速は無視できないから一応プレ受けたらどうか?」などと塾の先生から言われたりすると、受験生は当方に顔を向けて申し込んでくれる。プレテストだから最終の本番受験の数とは完全には結びつかない。そこで問題なるのが「最終的な欠席率」である。この時期受験生は多くの私立中学のプレを受ける。中には5校も受ける小学校6年生が居ると聞いた。当日朝になって「やはりしんどいから、止めとくわ」となる受験生が居てもおかしくはない。だから次のポイントは欠席率なのである。60校ある私立中学のプレテスト日はばらばらで統一日などは設定されていない。とにかく私立中学受験は難しいが、それだけにチャレンジングで面白い面もある。「伝統の力と広報発信力」である。頑張らねばならない。 

高校2年生の海外修学旅行だが昨日スペイン、イギリスB班、北海道は無事に関空を離陸し順調に飛行中だと思う。ところがイタリアB班がエアラインの飛行機の機材の問題で深夜に欠航となり今朝ほど私は最終的に今回の出発を諦め、次のチャンスを大至急検討することを決断した。エージェントと話し、至急詰めていく。生徒には可哀そうだったが、機材に不安がある飛行機に大切な生徒を乗せるわけには行かない。9時半から今後の方向を決めて月曜日にイタリアB班の集会を持ち具体的に説明し「生徒を安心させる」。この旨、私学課にも報告をしたら、ご担当は「数が多いから大変ですね」と同情してくれたそうだ。確かに190人は小さな数値ではない。

2025年11月13日木曜日

私立中学校受験生300人の壁?

 「海外修学旅行」に出発した高校2年生は続々と留守居役のD教頭に「無事到着の一報」が入ってきている。時差が有るために時刻はここでは詳細書けないがそれぞれの目的空港に到着した生徒は少し疲れているだろうが元気一杯で今から「目に入る初めての光景への期待」に胸を躍らせているに違いない。今日13日はイタリアB、イギリスB、スペイン、そして北海道が出発する。私自身は少し寂しい気がしているが、学校を護る責任感が強まっている感じだ。とにかく無事に帰国して欲しいと念願している。 

少し遅れていた「焼き立てパンの自販機の外装装飾」が昨日終わったと言うので今朝ほど見に行った。上手くやってくれていた。今日ではペンキによる装飾塗装ではなくて「フィルム」による貼り付けで外観も全く素材そのものからと言う感じである。素晴らしい出来だ。パンの外販は案外と生徒の人気が高く、毎日「完売」という。安さもあるが味が良いからと思っている。「11月20日の第二回目の校外外販日の作戦」が既に始まっており今回は「神恩食パン」と「おかげ食パン」は販売個数を増やして合計160個とするらしい。第一回目の評判が頗る良く、NEPパングループの皆さんは少しづつ自信を深めているとの事で、大変結構な事である。私は実力に沿った対応で良いから、決して無理をするな、他に頼るな、と注意をしている。特に外部から入手して外販するのは産地偽装であり、強く指導している。 



さぁ、今週末15日は遂に「浪速中学校第二回目のプレテスト」の日となる。入試広報のK教頭先生とゆっくりと情報交換したが、今朝段階で何と申込者が昨年を1名上回り295人になったと言う。正直中学受験は「後発組」の浪速中学校は今では「日の出の勢い」にあるが、それでも300人にまだ数名不足している。この世界では「200人の壁、300人の壁」があり、我々は血の滲む努力で200の壁をぶち破り、今300の壁を破らんとしている。恐らく今日と明日で達成するかも知れないが、このように「小雨の雨垂れ」みたいに動きは遅々としているが、本校は間違いなく「右肩上がり」で伸びている。府内私立中学60校で入学者数で言えば浪速中学校はトップ18位くらいで、まだまだ「伸びしろ」はある。


府内の私立中学の中には1000人に肉薄する受験生を集める強豪校があり、中にはプレテストと言えども「模擬試験代」を5000円程度、徴収しているところはあるが本校を含めて多くの学校は無償である。極めてコストがかかっているが、それでも無償だから「是非本校のプレテストを受けて欲しい」という強い思いがあるのだろう。しかし私の考えは「中学は義務教育」であり、私立中学受験は元来無償化であって良いと前向きに考えている。問題作成、採点、発送など多大の教職員が関わっているが、コストと言えども受験生から回収するなどの気は全くない。これは学校法人の必要コストである。過去の記録で言えば平成22年度の第二回プレで受験生を337人集めたのが記録である。これは正式契約がなされた●●大学連携浪速中学校を標榜した時だった。契約解消後、15年経ち、ようやく300人の大台を超えようとしている。入試広報部は大変良くやってくれた。この15年を思えば感無量だ。

2025年11月11日火曜日

来年度入試の情報整理から,「三つ巴」の生徒獲得競争

 昨日の結団式を終え、明日から高校2年生が修学旅行に順次出発だ。今日は午前中の授業だけで午後は帰宅させ準備に入る。明日からの1週間は高校2年生が居なくなるから学校は暫時静粛になるだろう。校長、副校長、教頭補佐も帯同するから高校は私とD教頭で守っていくことになる。学校には中学校を除いてもう一人の教頭先生が居るが、その先生は入試広報部を統括しているK教頭で二人の頼もしい管理職が居れば高校は何とかやっていける。この頼もしいという感覚はトップにとって極めて重要である。D教頭もK教頭も平教諭から育成してきたが教頭補佐、教頭と昇格し、今日の要職を務めてくれており、二人とも大阪教育大学卒で、どちらかと言うと「豪や剛の頼もしさ」ではなくて「柔よく、剛を制す」の方の柔の頼もしさかも知れない。私が「剛腕?」と時に人から言われるからこの二人は丁度良いバランスかも知れない感じだ。 

K教頭は最近では最も私の部屋に出入りする管理職であり、背景には高校、中学の来年度入試の状況が日に替わっていくからだ。今朝も今週15日の土曜日に計画されている「第二回プレテスト」の参加希望者の数値を見ながら最新の状況を知り最終予測と対策を議論し、新たな手を検討する。今朝の段階では昨年並みの記録となる数の多さであるが、中学入試はこの数値が直接入学者数値にならないところが、難しい。しかし第1回と2回のダブル受験の数値は新記録であり、これは良い傾向である。府内60校の私立中学が約7000人程度の小学校6年生の争奪戦になっているがこの状況は今後大きく動く可能性が高い。高校授業料無償化の影響で徐々に大阪にも「私立中学ブーム」が来るかも知れない。 


然らば「高校の状況はどうか?」という命題だが格好の情報がここに在る。昨日、府の教育委員会は令和8年入試(2026年度入試)の全日制などの募集人員を発表し、今朝の新聞各紙は記事にしている。府全体で対前年1495人の募集定員のカットであった。特に本校の併願公立とされている高校では3校が40人、一クラスの定員減である。少し驚いたのは昨年定員割れして騒ぎとなった伝統校の八尾、寝屋川、鳳、布施が募集を減らした。府の教育委員会はこれらの伝統校でも苦渋の決断でカットしたのだろう。これを見るだけでも「少子化の進展」と「私立への潮流」が容易に分かる。すなわち来年度も間違いなく募集人員に届かない学校が公立、私立とも出てくる。「公立間、私立間、公私間」、まさに三つ巴の生徒獲得競争になる。 


今朝の記事には同時に府立の大正白稜高校と堺の福泉高校を26年度から募集停止するとも正式に発表している。又春日丘と狭山高校を普通科から文理探求科へ衣替えすることもあった。遂に普通科の転換が始まった。出生率から容易に出てくる少子化であるがここ数年は「階段の踊場」であったが、また少子化が進展する構図になった。来年も府内の中学校を卒業してくる生徒は減少するだろう。「私立も公立もまさに厳しい冬の時節が到来」した。浪速中学校、浪速高等学校を有する本学院はますます魅力的な学校作りに邁進し、生き延びていかねばならない。