2024年11月20日水曜日

浪速学院の厳父慈母に!

 既に高校の修学旅行の各グループは最後の組が18日の夜遅く関空や伊丹に到着し、無事に自宅に帰り、昨日19日に校長、副校長、総合団長の学年主任の3人の先生方から無事に終了した旨の正式報告は受けている。しかし各方面の責任者たるグループ長の先生方は昨日、振替の休みとしているから、まだお顔を見ていない。私は7人のグループ方面長たる先生方を本日、部屋にお呼びし、慰労の言葉を述べて、無事に終わったことを寿ぐ「記念の一本の焼酎」をプレゼントした。各先生にお一人ずつ手渡し、これで「乾杯」したことの代わりとした。今日の焼酎は奄美の黒糖焼酎で高みに一歩上った「高倉」を差し上げた。毎回毎回銘柄は変えるようにしている。これで海外を含む令和6年度の高校修学旅行は最高の形で完結した。「ご同慶の至り」である。 



私は自分の事を不遜かも知れないがこの学校の「厳父慈母」でありたいと常に思っている。この学校法人で最も年長者であり、歳の近い職員でも17歳も離れているし、最も若い先生は20台前半だから父というより祖父かも知れない。加えて現在の専任教職員の90%は直接私が採用した方々である。厳父とはきびしい父とか、厳格な父を言う言葉であるが、基本的には他人の父を敬っていう語だと理解している。自分から自己を表現して使う言葉ではない。しかし私は前述したように、この職場での厳父慈母でありたいと思っている。「時に父のごとく厳しく、時に母のように優しく」勤務する教職員に接していきたいと思う。一見、「理事長は厳しい」という見方が強いかも知れないが、我が教職員に対して愛情深く接しているのは自信を持って断言できる。 

単に厳しいだけでは人は付いて来ないし、組織の目標など達成できる訳がない。浪速学院が過去も現在も未来も「盤石」でこの学校を通じて教職員が生活の基盤が安定し、仕事を通じて自己実現出来るように「組織を前に前に進化」させていくのが私の仕事であり責任である。私は単に「教職員の担ぐ駕籠」に乗っているだけのリーダー―ではない。常に矢玉が飛んでくる教職員の先頭に立っている。ある人が私を「ゴッドファーザーみたい」と言ったがこの言い方には少しだけ満足しているが、浪速ファミリーのトップとして組織の目標を定め、ルールを作り、組織員を護り抜き、成果を適切に分配するのがゴッドファーザーの責任だとすれば私はそれを行っている積りだ。 

私が採用した優秀な人材を「縦横無尽に動いて貰い」、方向を決め、役割分担を定めて実行に移す、そして成果を評価し、分配や職位を公正に分け与えることが組織を動かす要諦である。これが「人材育成」の基本である。本校では「働かない人」「動かない人」はとても窮屈に感じるだろう。職場は自由きままな場所ではないし、寛ぐ家庭でもない。そのような人は少なくなったが私はそのような教職員にも「チャンスを与え」、能力の範囲内で頑張って貰う努力をする。とにかく「何もしないで得をする人」が居ては困る。能力なりに働いて貰わないと困るのである。教員も事務職も、時に「ローテーション」で仕事を変える。そのようにして「自己の能力開発」を図って貰うのである。 

修学旅行が終わり、教員が全員揃ったので、今日は今や恒例になりつつある「教職員へのお菓子プレゼント」を行った。これは些か「笑いを取るパーフォーマンスぽい」が私はこの季節代わりのタイミングを狙って先生方のお疲れになっている頭に「甘み糖分」を届ける為、人気のお菓子を選んで全員に配布した。先生方、後半戦も宜しくお願いします。




2024年11月18日月曜日

「生日の足る日、足るを知る」

 「足る日」という言葉がある。(たるひ)と普通に読む。神社の宮司様が祝詞などで良く使われている言葉だ。意味は「物事の十分に満ち足りた、よい日、吉日」の事を言う。「今日の生日(いくひ)の足る日に」は祝詞・神賀詞の常套語だと思う。一方古代中国からの諺で「足るを知る」というのもある。「知足」ともいう。身分相応に満足することを知るということを意味するし、現在の状態は足りているということを知り、それ以上は求めないようにするということを意味する。足るを知るは仏教の教えが由来であるとされており、仏教の経典に知足という言葉が出てきている。これが由来となり老子など様々な人々がそれぞれの解釈で広めていったとされる。 

「生日の足る日」を学んではいるが「足るを知る」は私など凡人には難しい。現代社会で広く用いられているこの”足るを知る”は、老子の「足るを知る者は富む」という考えからあるとされており、これは「満足するということを知っている人」は、貧しかったとしても精神的には豊かで幸福であるということである。老子は、人間の欲求や欲望は際限が無くどこまでも沸いてくるため、現在よりも上を求め続けるならばいつまでたっても幸せになることはできないとしていた。欲によって人生を振り回わされたり、人と争わないためにも今の状態に満足することが大切であるとする。しかし私には「足るを知る」までの境地になるには、まだ人間的に未熟であり、此処のケースに拠るけれども、まだまだ時間がかかりそうだ。 

「一気呵成」にという言葉があるが、私にはよく似合う好きな言葉である。意味は一息に文章や詩を完成させること、転じて「物事を中断せずに一息に仕上げること」である。同類に「一気に、一息に、畳み掛けて」という言葉もある。英語にもあってこちらの方が分かり易い。「at a stroke(一撃で)」「at a breath(一息で)」だ。一撃というとても表現が面白い。突き詰めて考えれば神道の「生日の足る日」も老子の「足るを知る」も根源では同じ意味だと思う。最大限の努力をし、その結果であれば、それを受け止め満足すべしと教えているのかも知れない。 

しかし人間はもって生まれた能力差もあり、時に煩悩に見舞われる。私などは結果としてその結果数値や状況に大抵の場合満足できない。もっと上がある、高みがあると何時も思う。要は「満足しない」のである。問題は頭を絞り、考え考え、考え抜いて「最善、最大の努力をしたか?」が先に問われるべきでないか?成果を上げるのは完全主義と理想を追い求める者だけの特権ではないか?考え、考え、動き、動き、最後は結果の数値を凝視し、結果を受け入れ、希望より離れていればそれは組織を束ねている自分自身への叱責となり、これが組織を鼓舞する次に向かう捲土重来のエネルギーとなるのだ。 


そのような上司に仕えている部下は当然しんどいだろうと思う。しかしその間、自分が成長し、「目の前に自分が採った現在の甘い果実がある」のだという事を忘れないで欲しい。「ぼーっ」として何もやらない人間が足るを知るなどと言ってはならないだろう。今朝の第二回プレテストの受験生解析とその後の分析結果を聞きながら私は関係する幹部教員にこのことを伝えた。「考え、考え、早く動き、すぐに動き、結果の数値を凝視し、次の新たな手を考える」、常に自分自身を革新の中に身を置けと。良くやってくれている皆さんだが彼らがこれで良しと満足したら、その組織はもう伸びない。まだやるべきことは多い。 



2024年11月16日土曜日

第二回浪速中学校プレテスト

 








今日は肌寒い日でしたが、「第2回浪速中学校プレテストの日」となりました。8時からのキックオフミーティングで理事長・学院長先生は「何名の受験生が来てくれたかは昨日までの話、今日は明るく気持ちよく生徒と保護者に帰って頂くように接して欲しい」と先生方に言われていたのが私には印象的でした。新校舎建設という今年だけの特別イベントであった「モデル教室」の見学も大きな歓声が上がり、成功だったと感じました。次回の入試関連の大きな業務は「127日の第3回高校入試説明会」になります。土曜日なので今日は並行して3Sこと「Saturday Something Special」も行われました。(K

2024年11月15日金曜日

ICT映像コンテンツのプロジェクションマッピング

 さぁ、明日は遂に「浪速中学校第2回目のプレテスト」の日となる。当方は受験生を迎える準備は万端、整った。最後の詰めとして私は建設中の新校舎の「モデル教室」のICT教育のデジタルコンテンツとしてICT教育のビデオ紹介マッピングを見に行った。「最高の出来で言う事なし」だ。今から8年前に遡るが、当時はグーグルの端末「クロムブック」を日本で使う学校は殆ど無かったが、我々は中学校から一斉に使い始めた。教員はグーグルのICT教育の資格試験を受験し、認定された。まさし「本校はICT教育の先進校」であることは間違いない。この本校のICT教育の映像の一部を見てもらい実感して欲しいと、工程的に無理を承知で、ゼネコンの南海辰村建設さんにお願いし、モデル教室を先行して作って貰い、初めて明日受験生に上映するのだ。 

くしくも今朝の新聞は7年度の私立中学、私立高校の募集要項が各紙に載っている。総募集人員で言えば、中学が59校で7403人、高校は94校で30718人である。前年度に比べ中学は51人の減、高校は519人の増とあった。この定員枠をベースに今後は具体的な入試が年明けから始まる。明日本校で行われる中学の第2回プレテストはその前哨戦の最後を飾る一大プロジェクトである。最終の入学者数はこの2回目の言わば「模擬試験の受験者」から何名本校に入学を希望するかにかかっている。肝心の受験申込者であるがここ数年では最も多い数である。分母が多いことは、いわゆる「戻り」が多いことになる。我々は令和5年入試で入学した148人を超える入学者数を期待しているが果たして結果は如何に?

 


その為に作ったモデル教室であり、中身は現中学校の新校舎建設チーム長であり、教務・進路指導部長のT先生が主導して、業者さんとともに制作してくれた。優秀な教員である。この映像デジタルコンテンツ、明日限りでは勿体ないから来年度の本番入試まで希望者にはご覧いただくことにし、関係方面に広報をしている。今後の学科教育にICTは欠かせない。本校には完全な環境整備と積み重ねてきた「ICTのノウハウ」がある。しかし、あくまでICTは効率化のツールであり、基本は生徒と教師の言葉と熱気が行き交う触れ合いこそが本校指導の基本である。自信をもってPRして参りたいと思う。浪速中学校は校長先生以下、今燃えている。らんらんと燃え盛っている。



2024年11月13日水曜日

厳しい冬の時代の到来、淘汰の時代?

 今日から高校2年生が修学旅行に6方面に分かれて順次出発だ。校長や副校長も帯同するから浪速高校は私とD教頭で守っていくことになる。朝方、D教頭が部屋に来て「力強い心意気」を示してくれて、頼もしかった。この頼もしいという感覚は重要であり、「組織にとって管理職や上司が頼もしい」と言うのは素晴らしいことである。学校には中学を除いてもう一人の教頭先生が居るが、その人は入試広報部を統括しているK教頭だ。教諭時代から知っているが教頭補佐、教頭と昇格し、今日の要職を務めてくれているが、彼もまた頼もしく育ってきた。「豪や剛の頼もしさ」ではなくて「柔よく、剛を制す」の方の頼もしさかも知れない。中学校教諭から出発しているので特に中学には強い情報網を有している。写真は10月23日の上棟祭のもので今総勢405人の中学生による「曳綱の儀式」の様子であるが、何とか生徒数を増やして欲しい。

K教頭は最近では最も私の部屋に出入りする管理職である。背景には高校、中学の来年度入試の状況がある。高校入試は「まぁ、安心してみておられる」状況だが、中学入試は厳しい予測の付かない」状況であり、私たち二人は毎日、毎日16日の「第二回プレテスト」の参加希望者の数値を見ながら最新の状況を考察し最終予測と対策を議論し、新たな手を検討する。今朝の段階ではここ最近で新記録となる数の多さの参加希望者であるが、中学入試はこの数値が直接入学者数値にならないところが、難しいのである。その理由は府内60校の私立中学が約7000人程度の小学校6年生の争奪戦だからである。大阪はまだ東京などに比べ、「私立中学ブームとはなっていない」のが背景にある。 


然らば「高校の状況はどうか?」という命題だが格好の情報がここに在る。昨日、府の教育委員会は令和6年入試(2025年度入試)の全日制などの募集人員を発表した。142校で36525人、対前年1530人のマイナスだった。これを見るだけでも「少子化の進展」が容易に分かる。一方府内の公立中学校の卒業予定者は前年より1100人以上減って65710人とあった。このうち、校長会の調査だと思うが府内の高校への進学希望者は58350人とあった。これに私立の募集人員は25927人だから公立と合わせると62452人の大枠となり、進学予定者を上回る。すなわち「募集定員が希望者を上回っている」状況にある。間違いなく募集人員に届かない学校が公立、私立とも来年度も多く出ることがこの発表だけでも容易に分かる。 

この記事で同時に府教委は府立の大正白稜高校と堺の福泉高校を26年度から募集停止するとも発表した。出生率から統計的に容易に出てくる少子化であるがここ数年は「階段の踊場」であったが、また少子化が進展する構図になった。来年も府内の中学校を卒業してくる生徒は減少するだろう。「私立も公立もまさに厳しい冬の時節が到来」した。加えて前述したように私立中学も安閑としてはおられない。浪速中学校、浪速高等学校を有する本学院はますます魅力的な学校作りに邁進する事が問われている。如何に生徒個人を輝かし、未来への展望を明るくするような教育活動をいかに展開するかである。高校も中学も公立私立入り乱れて生徒獲得時代が本格的に到来しており、「待ったなし」で学校、大学「淘汰の時代」がやって来た。私は先頭に立って「この学校の為に命を燃やして頑張る」所存だ。



2024年11月12日火曜日

新校舎の生徒机の椅子の色は「赤と黒」

 今秋から来週にかけて少し忙しくなるかも?という感じだ。高校校長と副校長が修学旅行の帯同で学校を明日から留守にするからだが、教頭も留守番組だし問題はないだろう。中学は独立した組織だし、校長と教頭がしっかりとしているからこちらは安心である。とにかく今は建設中の新校舎に最初に入ってくる入学生の数と質が頭から離れない。質の方は当方は教育機関だからどうにでもなるので余り心配していない。敢えて言うと教室で先生が言っていることが理解して貰えればそれで良い。浪速中学校は福利厚生施設ではないから一般的な教育は家庭教育に期待している。英語や数学、国語や理科や社会科他の基本科目を生徒の学力レベルに合わせて本校では習熟度別に教えている私立の中学校である。 

しかし中には小学校や保護者から私立中学校の生徒として必要な最低限の情報が入ってなくて入学を受け入れているケースが過去には散見されたことがあった。これは生徒にとって不幸なことであり、親御さんの考えで一般の進学校と言われる私立中学に入学させては結局のところ、伸びては行かない。その辺のバランスが受け入れる側の中学校サイドでは微妙で難解なところである。特に中学校は「義務教育」であり、私立高校みたいに「法的論理」だけで通じるところではないだけに、対応が難しい面がある。私は特別な生徒指導の為に「走り回っている先生」の姿を見ると申し訳ない気がする。それ故に私立中学の入学者合格判定は難しく、これは私立の教育委員会的立場である学校設置者の最終判断にかかっているだけに中学入試の合否判定は余程慎重にしなければならない。 

順調に進んでいる新校舎の工事であるが過日「モデル教室」を視察して、その素晴らしさに驚いた。ただ先行配置した生徒用机の椅子の色彩カラーについて私は心苦しかったがダメ出しをした。背もたれ部分の色が何ていうか「アイスグレー」であり、周辺が極めて明るいだけに寒々と見え、「背筋が寒く」なるのを感じたのである。これは「違うな」と思い、その場で至急椅子の据わる部分が赤なのだから背もたれは「ブラック」に変えるように指示した。既にメーカーには発注済だと言っていたが今朝、「間に合いました」との連絡が入った。これは本校担当の頑張りであり、すべての椅子が「赤と黒」の得も言われぬコンビネーションになることになった。NS館はアイスグレーで良い。あそこは高校の教室である。背筋の寒くなるような色より中学校には断然赤と黒が良い。 


モデル教室作りに余分なお金を使い、はたまた今回新校舎の生徒用の椅子を主体に椅子総数で600個の椅子の色をすべて変更してまで中学校建設に拘るのは偏に創立100年を過ぎ、次の100年の為に来年度入試において「満足する入試結果を得たいが為」である。入試広報部の教頭と部長に「檄を飛ばす」のはこの為である。過去の新記録は1昨年の148人であった。これを質量ともに上回り、「浪速中学校、ここに在り!」と内外に示す好機と考えて欲しいと思う。ポイントは高校入試を含めて「入試説明会と個別相談会のセット化と形作り」だ。そのためには天空レストランの開業や相談ブースの増強などやらないでどうする?これらは将来の投資である。お陰様で今朝現在第2回プレテストの申込者は一昨年を上回っている。16日までまだ時間があるからまだ増えるに違いないが、更なる努力を期待したい。とにかく中学入試は蓋を開けるまで分からない。



2024年11月11日月曜日

11月11日、修学旅行結団式

 学校行事としての「修学旅行」の始まりは明治時代に遡る。その実質的な歴史的起源は、1886年(明治19年)2月に東京師範学校(現・筑波大学)が実施した「長途遠足」であり、「修学旅行」という名称も、同校が1886年中に独自に使用しはじめた造語であると物の本にある。修学旅行は、日本の初等教育・中等教育の諸学校(特別支援学校を含む)における学校行事(教育課程)の一つとして、教職員の引率のもとに児童、生徒が集団で見学・研修等をするための宿泊を伴う旅行であるが、これは「学習指導要領」に規定されている特別活動である。実施しなければならない行事である。 

遂に浪速高校でもこの修学旅行の出発の日が近づいてきた。13日と14日に7グループに分かれて出発する。行先は「オーストラリア」と「マレーシア・シンガポール」「ニュージーランド」「韓国」「北海道」「沖縄」である。語学研修として「フィリピン」での語学研修は長丁場なので既に5日に出国している。総勢847人という大人数が海外を主体に学習に行く修学旅行である。残念ながら今回の私は事情があって留守番役に回った。最初から海外修学旅行を企画し、自ら行先を選定し実行してきた私だけに、とにかく復活なった海外修学旅行の大成功を祈りたい。 


今朝は総合団長の高校2年の学年主任のN先生以下各グループの団長の先生方に対して付き添い教員としての心構えについて話した。一言でいえば「厳しくなら過ぎず、緩めっぱなしはダメ!」という事だ。海外故にとにかく「無事に連れていき、無事に帰ってくるように!」とだけ強調した。特に「パスポートの管理」がポイントである。他の盗難などはどうにでもなるが「命とパスポート」だと、私は既に何回も海外を経験している教員だが、敢えて指導した。生徒の修学旅行であり先生方の修学旅行ではなく、これは「見守り役」としての重要な仕事であり、その為に私は特別手当を出している。これは「生徒へのケア代」だと考えて欲しいとも述べた。それくらい「生徒の安全確保」に私は気を使っている。 

14時過ぎからは6、7コマ目を使って高2の生徒全員を体育館に集め、私は学院長講話として最後の指導を行った。「生徒には生涯に残る楽しい思い出」にしてやらねばならない。付き添い教員には教員向けの話で、生徒には生徒向けの話となる。まず冒頭私は昭和38年、1963年8月に大ヒットした舟木一夫さんの流行歌「修学旅行」のCDを会場一杯に流して話を始めた。61年前のヒット曲であり、ちょうど私が高校2年生修学旅行に行った時の歌である。まずこれを歌い会場を大いに盛り上げた。

二度とかえらぬ 思い出乗せて

クラス友達 肩よせあえば  ベルが鳴る 鳴る    プラットホーム

ラララ……汽車はゆく 汽車はゆく  はるばると はるばると 若いぼくらの 修学旅行

 

日本が高度経済成長のど真ん中にあり日本全体が元気で力がみなぎっていた時代であった。これを「つかみ」として、次に私は過去の本校での海外修学旅行で実際にあったトラブルについて「生々しく」生徒に伝え、「自分の命と財産」は自分で守れ、それに「パスポートと水」には注意するように繰り返して指導した。そして最後に付き添いの先生方、エージェントのHISさんに「くれぐれも宜しくお願いします」と申し上げて会場を後にしたのである。