西日本では昨日で梅雨が明けたという。雨の感覚がなかった短い梅雨だった。「三夏」と言う言葉がある、まだ爽やかな「初夏」、次に蒸し暑い梅雨時の「仲夏」が終わり、これからは炎暑の「晩夏」に移るのか。炎暑、猛暑、酷暑も困るなー。学校は来週から「期末試験」が始まるから校内には幾分「緊張感」を感じる。これで良い。学校にとって最も大切な行事は「定期考査」であり、学力の定着度を観て記録に残し進級や卒業の判定、大学進学にも繋がる極めて重要なものである。これらを受けて「土曜日の使い方―Saturday Something Special (3S)」が活況を帯びているのが嬉しい。私はこの状況に極めて満足している。昨年9月から始めて10カ月になるが「3Sの理想的な形」が見えてきた。
担当しているD高校教頭と補佐のN教頭補佐の「知略」で中身が徐々に「味わい深い」ものになっている。勿論彼らと共に対応し、協力する教員や外部指導の塾や予備校の先生方のコンビネーションが良いからである。ここにも「アウトソーシング」がある。全て教員の手でやる必要はない。私は1S(OWN-Selection)と呼ばれる講座が午前の一コマ目で7口座が開かれているので参観して回った。期末試験対策講座 高1国語(Ⅱ類対象)現国"、期末試験対策講座 高2英語(Ⅲ類対象)英語"、期末試験対策講座 高2数学(SNR対象)数学Ⅱ"の3講座とも教壇の教諭は真剣なまなざしで、教室一杯の生徒は目を輝かせ、教室の中は「真剣ムード」満載であった。期末試験対策のネーミングも良いから、生徒も群がってくる感じだ。同じ講座が2限目にも開かれ、授業時間は90分で大学並である。
同時並行で「2S(Self Study)」と呼んでいる「自学自習スタイル」があり、生徒がそれぞれ課題を持ちながら教科書や副教材、タブレットと向き合っていた。一人一人異なる。特色は「質問室」を設けており、生徒は自学自習で行き詰まった時に外部の先生に駆け込む方式が定着しており、観察していてもその雰囲気が極めて良い。自分の選択で講座を選ぶか、自己の状況で自学自習を選ぶか、自由であり、又講座も90分が2コマ用意されているから行ったり来たりと自由度がある。とにかく1S(OWN-Selection)、2S(Self Study)の制度設計が当たった感じで、本校で開発した新しい土曜日の使い方となっている。
しかし3Sで喜んでいても、今朝の新聞記事にあった学校関係者にとって恥ずかしい事案が、私の気持ちを幾分暗くさせる。名古屋では小学校の教員10人が児童の盗撮で逮捕された。これにもSNSが絡んでいるという。大阪では八尾の府立高校の職員室で学年費など大量の現金が紛失し調査すると紛失事案は11件に上ると言う。又堺の小学校教諭が勤務時間中に校外の自分の車の中で喫煙を繰り返し、その時間が72時間でこの時間の給与の返納と戒告処分を受けたという。本校のごとく生徒の為に土曜日と言え、頑張ってくれている教員もいるが上記のようなあり得ない所業の教員も居るのが学校なのである。
従って学校の管理者はこのような事案を「他山の石」として受け止め、自分の学校だけは間違いないと考えてはならないと私は自戒している。このような事案が出れば分掌長参加の校務運営会議や全教職員が参加する職員会議で「注意を喚起」し制度の見直しなどを図るように心がけている。背景は「ゆるみ」「緊張感の忘失」「無責任」「慢心」「自信過剰」等々「人間の弱み」から来るものである。教員は素晴らしい仕事もするが、時にこのような状況に自ら身を投げ入れるのも教員なのである。学校の管理者はこの点を抑えておかねばならない。