2025年9月16日火曜日

学校の美麗さだけでは受験生は来ない?

 昨日は「敬老の日」であったが別に誰からも敬老されたという感覚は全くない。暑い日で「公私」に亘って忙しかった。「人生100年時代」というが、特段それに気が行って、頑張っているという感じでもない。完全に後期高齢者だが、この学校の為に「徐々に後輩たちに引き継いで行こう」という気は十分にあり、特に昨年くらいから意識して実践している。ただ正直言ってまだ「心許ない」。まず企画力、歴史と経緯の認識、仕事のさばき、資料作成能力、スピーチ力、実行力、気配り、心配り等々、もっともっと自己能力を磨いて貰わないと私は引退出来ない。特に統率力、リーダーシップを磨いて欲しい。今辞めれば後継者問題で学校を衰退させる要因になる。「努力と覚悟の問題」だと思う。私は希望を捨ててはいない!「老人の跋扈」と言われてもまだ自分が身近な部下よりも総合力で上位にあると考えたら、引退などとんでもない話で私の仕事は「これらの人々の教育訓練」であると思って「老体に鞭打って」頑張っている積りだ。私に無い良い点を沢山有しているだけに更に頑張って欲しいと思う。

若い生徒に囲まれていると全然年を感じない。今年の敬老の日に特にそう思った。

少し前になるが朝日はトップ記事で「高校授業料無償化の現状」について全国教委のアンケート結果を記事にしている。全国で31の教育委員会は「選択肢が増える」と出し、この施策が「良いと、どちらかと言うと良い」合わせて35教委とあった。良いと思わないはわずか1教委だったと言うから教育行政サイドは評価していることが分かる。しかし公立希望者の減や県外進学増、広域通信制への進学者の増なども当然アンケート結果にはあった。自民、公明、維新の3党合意で決定したこの施策はまだ法律にはなっていないが、後世日本教育施策の大きな分水嶺なった言われることは間違いないだろう。戦後70年続いてきた日本の中等教育のシステムを破壊し、今後公立そして私立もどのように展開していくのか、最大の案件だと思う。注視していく必要がある。

朝一番に入試広報部から「9月13日の第二回体験授業(オープンキャンパス)」の詳細報告を受けた。概要は既にこの日のアラウンドで記しているが、参加者は新記録でアンケート結果も私を幸せにするほど良いものであった。「楽しく、知性溢れる授業」がキーワードであったが間違いなく実行してくれ、全ての科目と先生で最高の評価を得たと思う。特に更新した「電子黒板」の評判が良く、映像は鮮明であり、声の聞き易さも大幅に改善されていた。校舎見学でもその美麗さと広さ、廊下の美しさは驚嘆を与えた感じであった。見晴らしの良い図書館、天空レストラン、特に開放感のある職員室に言及するお声が多かった。しかし学校が美しいから人気があるのではなくて、そこには本校が醸し出す香りと雰囲気が評価されていると思う。学校とは総合芸術かも知れない。そうでも考えないと昨年対比で1.5倍という、参加者の数値の増はあり得ない。本校だけが授業料無償化対象ではない。

教員の授業の保護者アンケートでは社会科のK先生の授業は「引き込まれる授業で興味を持って参加出来ました。自分でも考える時間や他者の意見を聞いたり話したり能力を養い、コロンブスの卵にちなんだ最後にはメッセージ性のある講義に若者の興味を惹くミセス問題も用い、今後へ繋がる、次を知りたいと思わせる素晴らしい構成の授業、大変有難うございました!」とあった(原文ママ)。」まさに教師冥利に尽きる言葉であり、この成績を勝ち取った背景は深い教材研究とストーリー性のある展開、リズムとスピード、そして抑揚のある声と考えをあらかじめ企画し実践したもので、私も暫し参観したがまるで映画の主役が生徒の顔を一人一人観察しながら、教壇を動き回っているような授業であった。本校OBだが、良い先生に育ってくれた。