コロナによる緊急事態は大阪を含めて13の都府県に拡大され、期間も9月12日まで延長された。そして新たに鹿児島など10県が追加され合計16道県が蔓延防止重点措置の対象となった。全国47都道府県の内、29だから、その割合は実に60%を超える。「日本全国真っ赤っか」と言っても良いくらいだ。ワクチン接種との競争だが近い内に60%を超えてくるのではないか。この状況は学校でも変わらない。今までは生徒の感染者は極めて少なかったが、世間で若者の比率が増えてきている構図がそのまま学校に当てはまる。本校でも中学生の陽性報告は無いのだが「高校生については要注意」だ。徐々に増えつつある。特にクラブ活動については危険信号を発している。甲子園では、宮崎商業と東北学院が感染の為に出場を辞退したとある。「市中空気感染」も心配せざるを得なくなった。年内一杯はコロナとの戦いは続くと踏んだ。
私は覚悟を決めた。生徒も教職員もコロナを恐れる余り、学校の中で「何もせず、じっと据わって」いるだけでは学校ではなくなる。教育と言う営為に休みは無い。出来るコロナ対策を徹底しながら「粛々と全体を前に進める」のが私の仕事である。23日の高校始業式、26日の中学始業式から本格化する2学期は恐らく毎日が生徒の発熱等の健康状態の把握で緊張する場面が増えることは仕方がない。若者は重症化しないのが我々のデータにも出ておりそれが救いである。こういう中で徐々に学校ではクラブや特別活動が盛んである。中学では「イングッリッシュキャンプ」と銘打った特別英語教育特訓が20日まで続いている。「英語に慣れ親しむ」特別プログラムを外部機関と開発し、ネイティブの外部講師の先生をお呼びして順調に進んでいる。激励巡視に行ったが生徒も先生も熱心に取り組んでくれていた。
今朝は明日から「高校の修学旅行の下見」に出発する先生方をお呼びしコロナへの注意と激励を行った。何時になく歯切れの悪い自分自身を自覚するほど難しい決断による教員への言い回しだった。今この時、コロナで日本全国大変な状況の中、それも感染者の多い大阪から北は北海道から南は南西諸島まで大事な先生を派遣する気持ちは本当に複雑である。11月の本番の時に720人の生徒が全員行けるのか、行けないグループが出た時にはどうするのか課題は多いが前に一歩づつ進めるしかない。11月「ゴー!」となった時に、浪速は下見にさえ行かせていなかったと言われては生徒を守ることにはならないし、下見の時期は夏休みの今しかない。決断した私は下見の先生方にポイントを伝え、「無事に行って無事に帰ってくる」ように伝えた。行先は道東、道南、宮崎、長崎、沖縄、それに語学研修先の静岡だ。いずれの地域もコロナと闘っている地域である。
今の日本はかって経験したことが無い光景が広がっている。それも次から次と場面が転換している。コロナの爆発的感染拡大の中、オリンピックを挙行し、それなりの感動感激を味わった。次はパラリンピックだ。その後菅総理の任期切れが迫り、衆議院選挙が待ち構えている。世界を見れば長かったアフガン戦争が遂に終結する。アメリカとアフガン政府側の完全敗戦である。撤退する首都カブールの空港の米軍機に群がるアフガン人数千人を姿をテレビで見たが堪えられないものだった。中国、最も近い国、韓国との膠着したの動きようのない関係、不気味さだけを感じる北朝鮮と私は理事長室に据わってコロナに揺れるこの国と、この学校の近未来を想像しながら「何を準備しておくか」をじっくりと考えている。今現代は間違いなく世界史、日本史の大きな転換点であろう。