2021年8月27日金曜日

企画と計画・・産土ゴルフ練習場のケース

 新規事業や新設備をまず検討することを「企画する」と言う。イベントを催すのも企画、本を出すのも、テレビ番組もひとつの企画。この4月から校務分掌に「情報企画部」を作ったが学校をICT武装する為のもの。そもそも、企画という言葉、企業では普通に使われるが、学校内部では無縁の言葉で無かったか?それに比べて「計画」と言う言葉は多く使われ教員には分かり易い言葉だ。企画と計画の違いは一体何だろうか?三省堂の大辞林には企画とは・・ある事を行うために計画をたてること。また、その計画、くわだてとあるが良く分からない。どうも企画と計画は同義みたいだが、少ししっくりこない。私は企画と計画には時期の違いがあるように思う。企画があって次に計画だ。企画とは真っ白いキャンパスに初めて何かを生み出すものだから、そこには戦略性が含まれているだろうし、輪郭は不明瞭ながらもアイデアがベースにある筈だ。  

私は企画には大きな3つの特徴があると思う。まず「ニーズ」があること、「目新しさ」があること、それに「実現するための方向性・具体的方法」があることではないか。ニーズを満たすことというのは、その企画に価値があるかどうかを表すもので、又一見、どれほどすばらしく見えるアイデアも、それを実現したときに誰かにとって「良かった。有難う」に結びつかなければ意味がない。何らかの「目新しさ」があることとは、文字通り、そこに新しさがあるかどうかで、他に多くある既製品の後追いでは駄目である。「二番煎じ」では新規性は無い。実現できないアイデアは企画とは言えず、単なる「夢物語」でしかない。アイデアがあっても作る「場所が無い、お金が無い」からは何も生まれない。従って実現するための方向性・具体的方法があることというのは、文字通りそのままで、企画はそれを実現することを前提にしているから、実現できないアイデアは企画とは言えない。次の段階ですぐに「計画倒れ」と言う言葉になる。 

現在、堺市美原区の本校施設「高天原スポーツキャンパス」に建設中の「産土(うぶすな)ゴルフ練習場」は企画が実現し、具体的に計画され、そして順調に工事が進んでいる、戦略性や新規性に富んだプロジェクトである。本校のゴルフ部は未だ弱小クラブ、強くしてやりたい、そのためには無料で何時でも使える練習場が要る、それも「最新鋭の機器設備」を擁していることだ。ゴルフをしたい、上手くなりたいと思う生徒の期待に応えるために企画し具体的な計画に入った。私は長い間この企画を温め、1年前に初めて外部にアイデアを出したのである。土地は八咫烏テニスコート、乾坤一擲ドリームフィールド北側に格好の本校所有のものがある。今年は大型投資物件は無いから、財務的には問題は無く、手持ち資金で十分賄える。土地がありお金があるのだから、企画段階で既に勝負あったということか。 

企画段階から具体的な計画に進めたが、T建築設計会社の社長さんは某ゴルフ場のフェローシップ委員長であり、シングルプレーヤーだと後で知った。ゴルフに詳しい。ここに人とのご縁がある。私は本当に「運の良い」人間である。この企画の新規性はゴルフ練習場を自前で持つという事である。高校でゴルフ練習場を有するような学校は余り聞いたことは無い。それも最新鋭の機器を備えた豪華なゴルフ練習場である。「スイングシミュレーションルーム」だ。ここで徹底的に自分のスイングを観られる。深いバンカー、起伏に富んだグリーン、ラフ、広い打ちっぱなし練習場等々、とにかく知恵を絞った練習場となる。完成は11月頃か。




この武器を使って入試広報部が広報宣伝すればゴルフ好きの才能ある生徒が本校に入学しゴルフ部に入ってくれる可能性は高まるだろう。丁度今はコロナ下であるが、プロの松山選手のマスターズ優勝とかオリンピックで稲見選手の銀メダルとかでゴルフブームが再来しているという。確かに街の練習場は人で一杯である。「時は今」だと思って企画、計画、工事と順調に進んでいる典型的な事例である。残った課題は「指導者」で、これが唯一私の頭を痛めている。現在あらゆる方法で、高校生、中学生に「ゴルフを通じて人間教育」をしてくれる立派な人物を「金のわらじ」で探しているのである。公募するのも一つの手かも知れない。