2022年8月24日水曜日

国際化の道をひたひたと

 今日は「2学期の始業式」があった。12月末までの約4か月間である。高校は本日、中学校は明日と別の日としている。別に高校と中学が同日開催でなくとも良い。まず「神前奉告」を行い大神様にこの2学期も無事に過ごせますよう、お守り頂くようお願いした。夏休み中も生徒には事故や事件などに巻き込まれず、無事だったことが嬉しい。ただやはりコロナ感染者は社会と連動して幾分増加しているが、クラスターなどは発生しておらず、学校としてはやれる措置を正しくやる事しか方法はない。今朝の学院長講話で私は神道界、各神社の宮司様が何時も奉唱されている「敬神生活の綱領」と「浪速生活の綱領」との関連について触れた。特に敬神の綱領には世界の平和共存を強く唱っている。ロシアによるウクライナ侵攻は世界に大きな暗い影を落としており、「世界平和の大切さ」について言及したのである。 





始業式の後私は特別に中央館3階の浪速国際コースの新しく改造なった「教室」を視察した。一般教室を改造したものであるが、全く新しいコンセプトで作られた教室である。高校3年と2年の段階でこの部屋に入る。入学して1年間は他のコースで学び、2年次に進級する時に「適性、英語力、進路希望」等々を総合的に勘案して国際コース(Iコース)の生徒が決まる。従って他の一般のクラスとは異なり、「専科みたいな」もので人数は40人とかではなくて20人以下である。彼らは基本的に「海外の大学への進学を視野」に入れている。勿論国際コースだからと言って海外の大学に行かねばならないことはないし、他のコースから海外に進学するケースもあって良い。ただ国際コースの生徒はほぼ日常の言語を英語とし、修学旅行なども語学研修にしており英語力アップに特化したクラスと言って良い。

 

このコースの趣旨から考え、教室の仕様は今までの教室と大きく変えた。担当教員が強く希望したのでその思いに応えて改造したのである。国際とは国の境界を超えると言うことであり、目玉は壁を無くし透明度を高め、従来の概念を変えたものになった。白板や黒板などは無くし、部屋の壁一面に何でも描ける、書けるようにし、机も椅子も海外バージョンのものを採用した。勿論廊下との境界は全て「透け透け」のガラス窓にしたのである。今日は始業式、私は国際コースの生徒達が入っている教室を訪れ、激励した。私のスピーチの後、生徒代表が英語で答礼してくれたが素晴らしい発音の英語だった。私は教育の強さを実感したのである。



摩訶不思議なもので国際コースが動き始めると、他の事も連動して動く。現在二人の生徒が海外の高校から本校に留学しており、何と、何とこの9月からは高校1年の男子生徒がカナダアルバータ州のD高校に1年間留学することが決まり、私は部屋に呼んでふくろう奨学金から激励の餞別を渡した。海外の高校で頑張り又浪速高校の2年生で戻ってくることになる。他国の高校生が本校で学び、本校の高校生が海外の高校で学ぶのである。私はこれらの光景がごくごく普通のことであるようにしていきたいと思う。国際化と言うことはこういう事だ。


 
今後留学生の派遣、受け入れ、海外の大学との連携など積極的に進めて行く所存である。早速、国際コースの語学研修場所は既に調印を済ませたフィリピンの有名な大学に派遣するがこれは10月の終わりに生徒達は出発する予定だ。これらは決して「外国かぶれ」ではなくて、今や世界は一つであり、内向きの若者では駄目だ。視野を大きく海外にも持つことは国家としての戦略でもある。私立高校は何でもありでなければ今後生き抜いてはいけない。神社神道の学校として日本の伝統と文化を大切にし、その上で国際理解となる教育も必要である。