2022年8月25日木曜日

幹部自衛官 ご来校

 昨日の浪速高校の2学期始業式に続いて今日は浪速中学校の始業式であった。生徒数は全校で400人であり、高校の2250人に比べ、「密」にはならないから全員が神社前に打ち揃っての神前奉告となった。元来の「あるべき姿」であり、私は極めて心地良い。拝殿前に進み出るのは理事長と中学校校長、それに生徒代表の生徒会長、副会長の4人。参拝が終われば生徒達は体育館に移動し、校長の手による始業式で私は参列しない。ここでは校長講話やクラブ表彰、2学期の具体的な指導が生徒生活指導部長や教務進路指導部長から話される。これで浪速学院は2学期に歩を進めたことになる。理事長・学院長としては「ほっと安堵の瞬間」である。学校は生徒が居てこその学校で生徒の声は無く静まり返った校舎だけでは学校とは言えない。それにしても中学校の生徒は元気があって良い。「浪速生活の綱領奉唱」や、「柏手を打つ」声や音は揃い、境内に大きく響き、実に立派であった。 


私の着任当初の中学校クラス数は1学年1クラスであった。それが2クラスになり、ようやく3クラス体制、それが長く続き、ようやく令和4年から全学年4クラス体制になった。この15年間を思えば感無量だ。元来私立中等学校は中学・高校の6年間の一貫教育が望ましいのは当然である。今後とも浪速中学校の生徒を増やす努力を継続し続けなければならない。そうすれば高校専願と合わせて浪速学院は専願生で埋まり、経営的にも安定し、6年間の一貫教育であれば、中味も一味変わったものになってくるだろう。併願生の増加や減少で入学者数が左右されるのも少子化の中では教員手配など局面が変わってくる。一挙には行かないが「専願生で埋まる学校」は私立としてやはり永遠の希望であり、テーマである。現在の法人職員や教職員はこの事を努々(ゆめゆめ)忘れてはならない。 


今日は重要なご来客があり、失礼な事が無いようにお迎えする準備をここ数日していた。お客様は「防衛省自衛隊大阪地方協力本部長の要職にある栁裕樹陸将補」である。目的は本学院に対して「感謝状贈呈」の為にわざわざ本部長自ら理事長たるに私に対して正式に伝達する為の趣旨であるが、この形が「組織に筋を通す」自衛隊の方式である。部下に使者を立てる形ではなく、贈呈側の本部長自らのご来校であり、私はこの伝達を「有難く大変な栄誉であり、謹んでお受けします」と申し上げた。折角のご来校であり、現役の自衛官幹部が学校を訪問する機会も多くは無いと思い、短時間ではあったが学校の朝夕を撮影したビデオをご覧頂き本校を深くご理解頂いたと思う。 



国を巡る安全保障の問題が山積している国際情勢の中でやはりこのような幹部が一私立高校を訪問する意味は「国を守る自衛官の確保」こそ防衛の最大な業務であるからだと思う。「平和を仕事にする自衛官確保」こそ少子化の中では最重要課題ではなかろうか。柳陸将補は未だ52歳のバリバリの将軍であり、ざっくばらんであり、かつ「静かなもののふ」然とした立ち振る舞いは見事であった。私たち国民は生命をかけて国民の生命財産を守り、国土の防衛を担っている自衛官に対して「大きな感謝とエールを投げかける」敬意こそが最も大切であると思う。私の両親は何時もそれを私に教えてくれた。学校食であるが今日は私が誇る中央館6階の天空レストランで昼食を共にして頂いたのである。明日生命を落とすかも知れない自衛官と束の間の時間を共有すると何故か「背筋がピンと伸びる」。