2021年12月6日月曜日

「多事の秋(とき)」

 季節は既に「師走」であり、四季の秋(あき)をとうに過ぎ初冬であるが、妙なる日本語は「秋」を「とき」と読ませる場合がある。この場合は何時でも秋の漢字を使う。例えば「危急存亡の秋(とき)」とかである。即ち秋は穀物が実る季節、つまり万物が成熟する大事な時であることから、「大切な時、重要な時期」という意味に捉えて、「あき」ではなく「とき」と読ませる。他の使い方としては「多事之秋(たじのとき)」がある。まさに12月の学校の先生は「師が走り回る秋(とき)」で「やるべきことが一杯の時」なのである。特に私立中学、高校の教員は今、期末試験、大学受験対応、共通テストの準備対応、年明け以降の本校の入試準備、教員採用とか色々ある多事の時である。12月末には理事会・評議員会もある。 


中でも重要な数値は「来年度の入学生予想」である。この数値が全てに影響を与えるから経営的には「最大の眼目」と言える。幸いにして「コロナは私立学校の優位性」をつまびらかに世に示してくれた。例えば12月4日の産経新聞はずばり「私立志向 コロナで高まり」と書いてくれている。近畿2府4県では年明け早々の115日から一斉に私立中学入試が始まる。本校でも少子化の中であるが幸いにして想定通りの入学者数が期待出来そうであり、ほっと安堵しているところだ。我々の想像を超えて保護者はコロナ対策とオンライン授業など、産経の記事を借りれば「私立中学の手厚い学習環境」を評価している。さすが産経である。この表現こそ、我々の目指してきた学校である。手厚いとは良い言葉だ。

 


高校受験に関して言えば、先週土曜日の第3回入試説明会も多くの参加者を得て良かった。特に「校内見学」「個別相談会」の数が極めて多く、一時期は「待ち」が多く出て大変だった。味の良い有名ラーメン店で客待ちの行列が出来ているという感じである。中学校の進路指導でやむなく来たと言う感じではなく、真剣に「本校を観よう、聞こう」という態度が見て取れたと思う。今年から始めた「WEB申し込み」も形が出来たと思う。これで10月、11月、12月と月に1回行ってきたが、本校は「とどめの一発」を今週末に行う。即ち第4回目の説明会を11日に行うが、何と、何と今朝段階で極めて大きな申し込みがある。




 
しかし入試広報部は「手を緩めない」。今日から12月24日クリスマスイブまで「門戸を開いて」個別相談のある受験生を待つのである。様々な事情が受験生の家庭にもあろうから、最後の最後まで機会を用意するのである。我々は今日から14時から19時まで正門を開いて遅れてくる受験生を迎える。「19時までですぞ!」働いておられる保護者の便宜を考え、私は入試広報部に要請した。私立高校にとって大切な姿勢であり、本校の目指す「至誠」である。そして「人事を尽くして天命を待つ」。昨年の受験はコロナ対策で緊張し、幾分ビクビクしながらの受験準備と会場整備であったが今年は昨年に比べれば特別な緊張感はない。「ニューノーマル」となって形ができたのである。オミクロン株など変異型のコロナウイルスが出てきても負けない学校作りに励んできたが新校舎を基幹として本校は今後とも学校を進化させる。