2024年12月23日月曜日

祈願という事!

 開校101周年目の令和6年も25日で終わる。この日が公式な「本校の仕事納めの日」であるが、一足先に私は今日で今年の区切りとしたい。プライベートな事は別として学校は本当に良い年であった。ご関係の皆様や教職員のお陰でこのように「良い状態のまま」、今年を送ることが出来そうなのは神様のご神威とご加護のお陰である。私はこの事を断じたい。初めての事だったが、学校設置者たる理事長の意を受け、学校を引っ張ってくれた校内理事であるM常務理事・副学院長、I理事・高校校長、N理事・中学校長の3人に声をかけ、「祈願の碑」の前で記念写真を撮った。少し面はゆい感じもあったが、良い写真になったと思う。3人とも私が見込んだだけのことは有る、超優秀で人柄が良い「出来る男」だ。 



本校の精神的基軸となる言葉は「祈願」である。言葉は「祈り」「祈念」「お願い」等々、何でも良いが、志しを立て(立志)、艱難辛苦を乗り越え、「努力することが人間のエネルギー」である。そして目標が達成された時は「生かされている幸せ」「仕事の有る幸せ」そして「報恩感謝」の心である。その起点は「謙虚」な気持ちで、神仏への祈願、祈りではないか。「願いは必ず叶う」と信じて努力を「継続」する事により願いは成就する。諦めず「継続こそ力」と信じて頑張ることが出来る原点は祈願だと思う。私はこの学校で毎朝、学院神社の大神様に感謝し祈願して20年が過ぎた。

一昨年の令和4年5月、再開なった中学校の修学旅行で私は近代日本の原動力となった山口県萩市に行き、そこで旧萩藩のお城近くの工房「城山窯」において「身体が身震いする」作品と出会った。陶芸家「金子信彦」先生の渾身の作品である。その時の感覚は今でも覚えている。是非ともこの作品を入手し「開校100年を迎える本学院が神社神道を根本義に持つ学校として「100周年の記念」の「祈願の碑」を建立する事を決心した。場所はあちこち見て回ったがやはり生徒が毎日目に触れる場所、月度一回の一斉参拝時に向かい合う場所として神社前「御垣外」の一角に設置することを決めた。 


建立の日は100周年当日の令和5年4月30日の開校100周年奉祝祭当日であった。その碑は学院神社を背にして毎日毎日ご来校される皆様や教職員、生徒の眼前に向き合っている。あれから1年と8カ月、「祈願の碑はますます輝いてその存在感を増している」ような気がしている。開校100周年の記念事業として宣言した「新中学校棟の建設」であるが極めて極めて順調に建設が進んでいる。設計打ち合わせは最後の確認として外構に移っている。過日打合せがあり当初よりグレードを上げ東館、中央館、NS館、そして中学校棟(名称は現在考慮中)と繋がり一体化された本校の校舎は過去例を見ない豪華で「古事記物語」に彩られたICT校舎群となるだろう。この校舎群の精神的中軸は「祈願、謙虚と努力」だ。とにかく、施主側、設計陣、工事部門の関係者のお人柄と3者の呼吸が「ぴったり」だから、仕事の中身が良いのは当然の成り行きで、本当に素晴らしいと思う。「祈願の碑」が何時も新中学校棟を見つめてくれている。





今年1年、このアラウンドをお読み頂き、心より感謝申し上げます。年末年始の間、休筆させて頂きます。皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

 



2024年12月20日金曜日

2学期終業式と職員会議

 この12月、本校の教職員は私を含めて毎日、目の回るような忙しさで走り回っており、まさに「師走」である。押し迫ってきた。そして遂に今日は2学期の終業式となった。まず最初に学院神社の大神様に「神前奉告」を済ませ、その後「終業式」となる。この神前奉告というのが神社神道の学校としてのシンボルである。生徒と教職員打ち揃って、学院神社の大神様に無事に過ぎ去った2学期の「感謝」である。そして「行く年への惜別と来る年への健康・安全安心・安穏平穏・学業成就」を神様に「祈願」した。その後場面は変わり、学院長として今年最後の「学院長講話」に繋がる。遂に舞台は終盤となりつつある。一昨日の評議員会・理事会を済ませ、生徒へのけじめである終業式、そして教職員へのけじめである14時からの「職員会議」で「令和6年、ネクスト100の元年」の一応公式行事は終わった。 



来年の干支は「巳年」であり、一般的に巳年の人には、粘り強い努力家が多いという。獲物を手にするまで何日もじっと待ち続けるヘビのように、何か目標を見つけたらとにかく地道に頑張り、確実に結果を手にする強さを持っている。頭が良く好奇心も強いので、気になったことがあれば誰よりも深く学び続けるという話を「学院長講話」に交える。最初のテーマは中高ともに年末という事もあり、「生徒指導」案件について生々しく語るのが私のやり方である。まずこの「生徒にとっては耳に痛い話」から始め、次に2学期から始めた「学校5日制」に言及した。そして話の山場は新中学校棟への使用開始の手順など楽しい話へと展開する。最後にこの年末年始の時間の使い方についてアドバイスし、3学期の始業式に誰一人かけることなく「元気で会おう!」と力強く述べて学院長講話を終えた。 


しかしこれで学校は全てが終わりではなく、まだ個別には動いており、23日まで学校は様々な予定が組まれている。高校は特別講習があり、正門を閉じるのは25日のクリスマス日の翌日からだ。教職員は明年1月5日までが冬季休業とし、1月6日に教職員は新年最初の職員会議を以って新年度がスタートする。本日14時からの職員会議では一昨日の理事会・評議員会の資料を使って全教職員にパワーポイントを使って包み隠さず全てを開示して説明した。教職員への説明責任である。理事会の議事や状況をタイムリーに教職員に告知することは大切な事で私は当初から資料を自分で作り自分の言葉で発言したことを先生方に知らせて来た。このような学校は多くはない。 


本校の理事会・評議員会で提議された議題で教職員に隠すようなテーマは一つも無い。私には公益法人である私立学校は殊更「学校は教職員、生徒・保護者、運営にご協力頂いている各会社さまや、多くの皆様のもの」という考えがベースにある。神社神道の学校だから学校は神社界のもの」という考えは全くない。オーナー系の私立でない学校であることに我々は幾分の自由度を感じている位だ。誰でも実力と賛同者が居れば、管理職にも役員にもなれる。今年の全教職員の素晴らしい仕事ぶりに感謝と慰労の言葉を述べ、来年も楽しく「同じ釜の飯を共に食べましょう」「先生方、良いお年をお迎えください」と締めて今年最後の職員会議を終えた。



2024年12月18日水曜日

12月評議員会・理事会

 今日は評議員会・理事会があった。本学院の経営は極めて安定し、順調に来ているので数年前から8月の定例会議はカットし、常務理事による資料報告会に切り替えたから、今日は7か月ぶりに全役員の「顔ぶれ」が揃ったことになる。「私立学校法」は年に何回以上とかは規定されていないが、敢えて言えば3月の予算会議と5月の決算会議が規定されていると考えれば年に2回で良いことになるが本学院は12月に設定し年3回の定例会としている。会議を多くしても経営執行が駄目なら中身は良くならない。今日12月18日の定例会議は補正予算や私学法の改正など重要案件もあり、また入試説明会も終わり、来年度の学校規模などが大体判明するから、それらについて機関決定するテーマがあるからである。



冒頭、例外なく何時も「理事長から総括報告」がなされる。自ら作成し、現下の状況と今後の方針について資料を用意し述べるのである。私は部下の作った資料を読むだけの経営者ではない。以下は本日私が述べた内容である。



令和6年12月理事会・評議員会資料        令和6年12月18日(水)  

(学)浪速学院 浪速高等学校・中学校

      法人経営と校務運営の理事長・学院長総括報告と提議・審議

                        理事長・学院長  木村 智彦

「総括」

令和5年4月30日の「開校100周年奉祝記念日」から早1年と8か月が経過した。令和6年度は4月期首、3089名(高校2680,中学409)でスタートし現在まで極めて順調に推移している。開校100年を一期として、101年目となる令和6年は新たな気持ちで「ネクスト100に向けての改革元年」と捉え学校の形を含め、様々なテーマに取り組んでいるが、極めて順調である。それは今年の学校説明会参加者の数に見て取れ、高校、中学ともに昨年を上回る新記録の数値が期待できそうな状況で、まさしく「浪速人気」が沸騰した状態であると言える。

特に:

    新中学校棟の建設は10月23日に上棟祭を斎行し来春3月の竣工を目指して順調に推移

    学校の形の革新 令和6年9月より施行した:

「学校週5日制=教職員変則週休2日制」の導入とその効果

          土曜日の使い方:Saturday  Something  Special (S) 

   以上連動している施策の2件は生徒保護者、受験生、他校からも高い評価を得ており、今までの結果や課題を分析し、更に来年度に向けて中身を充実して参る。             

    「(株)浪速教育振興(NEP)」(Naniwa Educational Promotion)の立ち上げ 

    教職員への処遇改善 賞与・一時金のベースアップ実施・・・大手企業並みの対応

年間4か月分プラス年末手当は一律10万円から年間5か月分プラス年末手当一律10万円へ

 以下、「経営上の重要課題と審議事項」として複数のテーマがあるがこれはこの資料では公開出来ない。会議は極めて順調に行き、終了した。私はご出席の皆様に本年1年間のご指導とご鞭撻に感謝申し上げ「来年もよろしくお願い致します。良いお年をお迎えくださいと申し上げ終了した。 

2024年12月16日月曜日

「この親にして この子あり」

 「蛙の子は蛙」と「この親にしてこの子あり」と言う似たような表現がある。「かえるのこはかえる」は「子どもが、親のたどった道を歩むことのたとえ」という意味で、子どもは親と同じ人生を歩むことになるという意味と物の本にはある。「凡人の子は凡人にしかなれないことのたとえ」という意味も有るらしいが余り良い感じはしない。これに対し「この親・・・」の方は「このような優れた親があってこそ、はじめてこんなに立派な子が生まれるということの例え」という意味とあった。この度浪速高校2年生の坂中愛子さんが15日に府教育委員会主催の「第9回ビブリオバトル大会」で2年連続の優勝を果たしてくれた。読売新聞は大きな記事にしてくれている。私は嬉しくて仕方がない。

彼女は来月の1月26日に東京のよみうり大手町ホールで行われる全国大会に大阪代表で出場する。去年も代表であったが、本人も言っていたが相当緊張して上がったらしい。「今年は頑張ります!」と目を輝かせて国語科の主任で指導教諭のT先生、担任の英語科のY先生同席で私の部屋で決意を述べてくれた。笑顔が素敵で礼儀正しく、成績も極めて優秀である。祖父も叔父も父も兄も本校で学んだまさに浪速ファミリーであり、父君は現役のPTA会長で我々は大いに助けられている。律儀で男気質のとにかく「浪速が大好き」の素晴らしい人物であり、だから冒頭私は「この親にしてこの子あり」と書いたのであるが、私は「最近、お父さんに似てきたね」言ったら笑顔でいなされた感じだった。これはまずかったかな少し反省したのである。 


朝一番に14日、15日と続いた第4回高校入試説明会と個別相談会の詳細な分析報告が教頭と入試広報部長からあった。第1回目から4回目まで詳細に分析し、今後どうあるべきかまとめて報告があり私はこのような動きを高く評価する。詳細は省くがどうも令和7年4月の入学者予想は専願者が多く、併願戻りを入れると何と1000人の大台を遥かに超えそうな勢いという。私は教室数、教員数を想定しながら具体的な準備に入る必要があるから関係者と共通認識を持つ動きを指導した。「浪速高校は来年度も凄い状態」になりそうである。 


今日は本年最後の「学校安全衛生管理・保健委員会」と「校務運営会議」の日であった。この1年間欠かさずご出席頂きご指導を賜った学校医(産業医)のN先生に心からの感謝を申し述べた。校務運営に関しては今年の特記事項として入試広報活動、生徒生活指導案件、学校5日制、Saturday  Something  Special (S)等、そして来年度は学校行事の見直し、私立学校法の改正施行等について述べ「今年の全体総括」を行った。詳細は省くが今年1年の教職員の頑張りのおかげで気持ち良い「行く年、来る年」になりそうだと今年最後の会議で私は慰労と感謝の言葉を申し述べた。素晴らしい教職員を抱えて私は幸せ者だと思う。


2024年12月14日土曜日

寒い日の第4回高校入試説明会、そして「天命を待つ」

 今年初めての肌を刺すような寒さであった。今日は第4回目となる高校の入試説明会の日である。これは元々今年の計画には無かったが、急遽私の指示で組み入れたものである。昨年は第4回目をやっているのに、今年は今日14日と明日の15日に「個別相談会」を終日入れたので、入試広報部は4回目のカットという合理化した提案を持ってきたので、当初は私も了承した経緯がある。しかし決めた当時から8か月も経ち、私の気持ちには変化が芽生えつつあった。昨年が966人という新記録の入学者を得ているのに、「わざわざ今年、説明会の形を変える」という事に些かの違和感、不安感が持ち上がってきて、私は強い指示で4回目を入れさせたのである。このように最初は了解したが、途中で変えるというのは有って当然だし、私には良くあることだ。それは事態を良く見つめ、数値を持っているからである。君子ではないが「豹変」は有って当然である。無い方がおかしい。 


理由は1回目から3回目までで過去「新記録の参加申し込み」を受けてはいるが、西館改造で高校生用の教室には余裕があるし、「のぼり調子」の今、敢えて門戸を狭める必要はないと改めた。「来るもの拒まず」である。昨年の4回目の参加者は535人であったが今年の4回目は今朝段階で386人となっていた。当然、減少するのは織り込み済みである。しかし1回目から4回目までの通算申込者数値で言えば何と446人も申込者は増えており、やはり「門戸を広げて」おくことは効果あることが証明された。尚且つ「欠席率が例年並みの数値」で最後の最後に説明会に参加する受験生と保護者の意気込みに私は少し驚いた。「本気」なのである。 


とにかく今日は「過去の参加者の個別相談会」と新規の参加者への4回目の説明会の同時進行である。その為に説明会の方は30分繰り上げて9時30分スタートとした。今年最後の大イベントであり、学校全体で取り組む。私は部屋で単純にこの増えた525人の専願、併願混ぜ込みの戻り率を勝手に設定し、仮計算すると入学者増への効果予想は約40人程度となり、昨年の966人にプラスすれば何と私の希望数値である1000人に届く計算になる。これはあくまで計算上の「捕らぬ狸の皮算用」であるが、本校はこのようにして教室の準備と教員の手配をする。

昨日は初めて経験した光景を見た。何と泉南市の中学校が校外学習(いわば遠足)として弁当持参で本校の見学会に来てくれたことである。私立高校の授業料無償化は今までに無かった様相を生み出しつつある。2年後には公立高校の入試システムが変わる。この2年間で府内の中学校生徒の思考・行動パターンが大きく変わると私は思う。それ故に我々がとるべき対応の根拠を具体的に、統計データと情報、経験値からくる考察で数値化しておかねばならない。計算するところが実に面白いし挑戦的である。私は高校校長に入学後、新入学生に対して「貴方は何回目の説明会に参加されましたか?」等のアンケートを取り、翌年度以降の入試広報行事予定に反映するように指示をした。 

「闇雲ではなく、確率は低いかも知れないが、とにかく何か根拠を求めて」動くことが我々には肝要である。それが「戦略」で、戦略を持ってやって来たから今日の浪速があると思う。役員や同業の方の中には「どこまで規模を拡大するのですか?」との問いがたまにあるが、答えは「浪速に入りたいと願う生徒」は勿論入学試験は課すが基本的に入って貰う。「非常最大限界」まで我々は教室を用意して待つのですと答えるようにしている。今日で神様しかご存じない来年度入学者数はほぼ決まった。後は「天命を待つ」のみである。

2024年12月12日木曜日

気分の良くなるニュースが続く

 今日は少し時間が取れたので建設中の新中学校校舎の視察を急遽行った。ちょくちょくと見に行く機会はあるのだが、南海辰村建設のN工事所長さんのご案内で公式に視察することは今や行事化している。随行は常務理事と施設設備担当コンサルタントのUさんであり、私が全面的な信頼を置いている、何時もの同じメンバーである。経緯を全て知っている3人だから話は早い。「言葉を失うくらいに立派な校舎」が出来つつある。広く、明るく、機能性に富み、それでいて意匠性が群を抜いて輝いているから気持ちが良い。中でも職員室が良い。今までの職員室は狭く、ご不便をかけてきたが新校舎の2階にある校長室、職員室、それに各階に設けているコスモススペースが目玉になりそうな感じがした。あの大きなモニターはこの校舎が「革新的ICT校舎」としての発信シンボルになるだろうと思った。 



気分を良くした私は、丁度昨日の朝刊で産経新聞が我々の関心事項である「公務員の冬のボーナス支給の記事」と府公立中学校校長会が発表した「公立、私立高校の進学希望調査結果」を並んで記事にしていたが、これについて触れようと筆を進めた。何故関心事項かというと言わずもがな、5日に本校の教職員へ支給した金額との比較をする為である。別にボーナスの額を競争しているのではないが、内心では教育公務員より少しでも多く支給してあげたいと思っていることが背景にある。結果は大差をつけて本校の方が多かった。当然平均年齢を考慮しなければならない。府の職員で比較してみると彼らは40.4歳で829876円で2.235か月分とあった。本校の教職員の平均年齢は若いのでその年齢層を抽出し11人の専任教員の平均年齢を40.3歳とした。その金額は1115934円である。


 
単純に割ると1.34倍である。ここには理屈はなく単に数値的差異だけの話だが私立勤務の教職員に誇りを持って欲しいと私は何時もこの比較をする。確かにこの大きな差異は今年から支給基準を従来の2か月から2.5か月のアップし12月は一律上乗せ10万円を付加しているからだと思う。ちなみに令和5年の冬のボーナスの支給額は年齢平均を40.3歳として1053331円だったから今年の冬は6%の伸び率であり、これは大手企業の伸び率に匹敵する。私は今後とも余力がある限り諸物価高騰のおり、生活水準キープの為に年収を上げていく考えである。「教職員は誇りを持って」頑張って欲しいと思う。 

もう一つの記事は10日に府公立中学校校長会が中学3年生の心理希望調査の第1回目を発表した記事である。見出しは「私立志望割合は9年連続増」とあった。冬のボーナスの記事よりこちらの方に目を取られる。卒業見込み者は対前年同期からマイナス1168人でここでも少子化の進展が分かる。卒業見込み65306人のうち、「第一希望を私立高とする専願者の割合は26.22%」とあった。対前年割合も人数も私学専願希望者が増えている。確かに今年から始まった「高校授業料無償化が増加要因」になっているが、問題はどの私立も増えているわけではなく、増えているところと逆に減少している学校との二極化が明確に見えている。

もはや勝ち組、負け組という区分けではなく、勝ち組の中でより強い学校とそうでもない学校に分かれてきているのだと思う。本校はお陰様で何とか多くの生徒に来てもらっているが一寸先は闇であり、謙虚に誠実に目の前の仕事を一生懸命にやることである。14日の最後の高校入試説明会への参加希望者数を見ながら私は既に具体的な願書受付と試験の準備に神経が向いている。浪速中学校は一足早く願書を受けつけているが、こちらの方は高校に比べて心配が尽きない。

2024年12月10日火曜日

監事監査

 本校のクラブ活動の数は極めて多い。大阪ではトップクラスの数を誇っているが、中でも「雅楽部と神楽部」は特別クラブとして学院長直轄のクラブである。神社神道の学校として例祭などでは本装束をまとって「学院神社の大神様に奉納」してくれている。指導者は府内神社の複数の宮司様にお願いしており、クラブ顧問のT先生、神道科の教諭であるが本校から皇學館大學に進学し学んだ。高校時代から雅楽の演奏には秀でており、大学でも継続し、市内の有力神社の将来の宮司さんになる神職でもある。こういう経歴から私は面接して即採用、時間をおかず、専任教諭になって貰った。ITの達人でもあり私のパソコンやスマホの指導者でもある。 



昨日このT先生の進行で雅楽部と神楽部への「奉仕料授与式」があった。半期に一回私が直接慰労の言葉を述べて奉仕料を手渡す。決してアルバイト料ではなくて奉仕料であると何時も言い聞かせている。今の時代、大きな神社を除いて本校みたいに雅楽や神楽の演者や舞姫を多く有している神社は少ないだけに私はこのクラブを極めて重要視し、支援している。今後ともこの路線は崩さず、神社神道の学校としての「アイデンティティ」をキープし続ける象徴として法人や学校の幹部は意識していかねばならない。御多分に漏れず、部員集めには苦闘しており、来春の新入生への勧誘の手を今から考えているところである。 

昨日は12月18日の評議員会・理事会に先立って「監事監査」が行われた。本校は私立学校法の規定に基づき、2名の監事を有している。先に公認会計士から詳細かつ徹底した「会計監査」を帳面一つづつ監査されているが、さらに監事による「業務監査」を中心としたものであった。私以下管理職や分掌の長から資料を用意し、包み隠さず、全てを開示して報告をする。今回も100周年後の第一歩として「学校の形」を変える「学校週5日制」と「教職員変則週休二日制」「民間会社NEP]の導入、生徒のための土曜日の有効な使い方である「Saturday  Something  Special (S)」についても報告した。 


監事さんは監査の後の講評で我々に対してこれ以上ないくらいの言葉で「気概と努力への賛辞」を贈って頂いた。特に今年から年収水準を大幅にアップしたことが極めて監事さんとしても嬉しく思われたみたいで終始、「にこにこ」された笑顔であった。監査の後、新校舎の見学を自ら言い出されたが、ここでも「素晴らしい、素晴らしい!」の連発であったという。これで「14日の第4回高校入試説明会、18日の理事会、そして20日の2学期の終業式」でもって極めて順調であった令和6年を送り出すことが出来る。まだまだ油断はできないがここまで良い状態で来ることが出来たことに私は今、感慨無量である。しんどかったが教職員の助けを得て頑張ったと思う。こういう場合、すぐ自分を褒めてあげたいなどの言葉が出るが決して私はこのような言葉は使わない。それが仕事だから。使ったらその瞬間に私は終わる。経営者とはそういう職務である。



2024年12月9日月曜日

報告をする側、される側の責任

 朝、建設中の中学校棟の西側を覆っていたカバーを外した建物の外観は言いようがないくらい美しい。朝日に映えて「プラチナ色のルーパー」が輝くさまはまさに「天照す」という感じに私には見える。極めて気分が良い。今後順次外されていく。楽しみだ。

何時ものように先週の土曜日にあった「高校の第3回入試説明会の正式纏めと報告」が朝一番にあった。私に報告するのは入試広報の統括責任者の近藤教頭先生と入試広報部長のS先生である。中身が良いからだろうか、報告書の中身が充実してきているのが聴いていても分かるが、私に言わせれば「まだまだ」だ。前回のこのアラウンドで書いたブログのタイトル「満員御礼」ではないが、厳しく中身を分析し、それを次回以降や来年度に活かして行こうとする気概と気迫が確かに伝わってきた。元来報告とはこういうもので、ここまでは彼らの能力からすれば、当たり前のことである。しかしこれだけでは私は満足しない。企業社会や自治体などではもっと厳しい指導が有るはずだ。

 

恐らく学校社会では今まで報告するという行為が一般的ではなかったと思う。学校が校長をトップに据えた組織化された縦横の系列ではなかったから、報告行為などの文言も余り正面から受け止めて来なかったと思う。また「鍋蓋のつまみ」でしかなかった理事長や校長など聞く側が「そうか、そうか、ご苦労様、有難う」だけのコメントでは組織は学習せず、機能せず、成熟はしない。私は意識して「報告を受ける側の責任を果たそう」と心掛けている。報告する側以上に受ける側の責任が何倍も大きい。トップは組織構成員に対して見えていない部分、何故こうなったか、これを受けて今後の対応は?その結果予側は?などと畳みかけて問いかけて行くのがトップの責任だと信じている。 「部下の育成」とはこう言うことだ。

今回は3回目が終わり大きく山場を越したから、私は「専願希望者の数」がどうなったかと下問したが、今回の3回目だけの単発での数値はあったが1回目、2回目を含めた通算数値はどこにもなかった。学校の報告は大体単発であり、これが問題である。わざわざ前回のアラウンド「満員御礼」で「専願者の数がポイント」と書いているのに、何も用意せず、私の前に現れるのは如何なものか?その後1時間後に昨年対比で1回から3回までの通算の専願者の数値が時間をおいて出てきた。それによると「専願希望者が跳ね上がっている」ことが数値で分かった。専願者が増えるとい言う事は併願者が「友達が専願で行くのなら、僕も併願から専願に切り替える」と方針転換する動きに繋がる。これを我々の言葉で「専願切り替え」という。まだまだ確信は持てないが専願希望者の数の多さからも来春の入学者予想は昨年の966人を超えて1000人台に限りなく近づいているのが分かる。


最後の「第4回の説明会は12月14日」で間髪入れず3回目から1週間後に入れたが、この数値も今朝段階で300人を超えるところまで来ている。想像するに最後の本校の説明会に参加するのは既に他校を見た後だと思うし、公立との併願者だと想定するのは自然である。我々は最後の説明会参加者に取るべき態度としては「浪速の良さ」を最大限PRし、他校から本校への変更、そして併願から専願へ翻意して貰うべく熱意と誠意をもって説明することだ。これが浪速の正しいと考えるやり方である。説明会を開いて「本校に来て!専願で来て!」と自信を持って真正面から言えないような学校では逆に無責任ではないか。まだまだ頑張れる余地はあると思う。頑張って欲しい。