結局、昨日の富山出張は大阪への戻りが遅くなって学校には顔を出せなくなった。「これも良し」である。偶には理事長が学校にいないのも空気が変わって教職員の為には良いことである。別に彼らを監視しているのではないが、居ないとその分、管理職や教職員は更に力を出して学校を護ってくれている。ただ明日の「第3回目となる高校入試説明会」の参加希望受験生の状況がどうなったか、気になっていた。来春の数ではなくて「来年、再来年の見通し」をつけるのと対応を考えるのが私の仕事だ。今朝ほど教頭からの報告を受けたが想像通り、遂に1000人台の大台を超ええて1050人にまで膨れ上がっていた。来春はもう十分だと思う。近隣の他の私立高校さんにご迷惑となってはならないし、そうかといって「もう一杯、一杯」という気を私から言い出す気もない。
教頭の話の中で私が目を光らせたのは何と学校単位で浪速高校の見学をしたいという申し出であった。府内の南部の某市立中学校から2クラス79人の生徒が弁当持参で本校に来て授業見学、校内施設の見学、自慢の天空レストランで食事をとり、その後学校説明、質疑応答の申込があったそうだ。このような規模での来校は初めてである。「いかがしましょうか」という問いに対して「心から歓迎し、準備に抜かりなく」と返答した。今まで学校単位で多くて最大20人規模位の見学者であったがこのような大きなまとまりには驚いた。ますますもってここ「3年先までの収容の教室数」が焦眉の急の問題となった。「非常最大の教室数をどう見るか」である。極めて大きな課題である。
一昨日、新校舎のゼネコンの南海辰村建設さんから工事中の建物を囲っていた「ベールをはがす?」のでご覧下さいと案内があったので夕刻現場に行ったのだが、「Naniwa」の銘板を見たときに、夕日に映えるその字体と美しさに私は感動し、思わず「万歳」をしてしまった。品よく、美しく、力強いローマ字の校名は浪速中学が誇りにしている「浪中の英語、英語の浪中」を象徴しているようであった。また「西側外観のルーパー」が素晴らしい意匠性である。これを受けての気持ち良い翌日の富山出張となった。
昨日の福井、石川、富山までの裏日本を北上する出張はとにかく氷雨の中で寒かった。どんよりした空模様であったが新高岡駅に出迎えに来てくれた浅野太鼓の社長さんは大体何時も冬の北陸の空はこのようなものですと言っておられた。北陸新幹線は初めての経験であったが美麗で機能的なIT化された車両であった。10時半過ぎには砺波市にある工房に到着し、伝統工芸士のH先生とご子息の木彫り師の名人職人さんに迎え入れられ、早速工房に入って作品を拝見した。
この私が驚くくらい「迫力に満ちた」彫刻で古事記の名場面である「八岐大蛇(ヤマタノオロチ)」伝説物語がそこにあった。登場人物は主役として天照大神の弟君である「すさのうの尊」であり、三種の神器になった「草薙の剣」、そして日本最初の夫婦と言われる「クシナダヒメ」そしてヒール役として「8匹のおろち」が絶妙な配置で彫られていた。名人の腕とはこのようなものだと私はつくづくと感じ入ったのである。この作品は間違いなく「新校舎のホットスポット」になるだろう。後は「色付け」である。多くの時間を割いて彩色の議論した。「熟議」を終えて気持ち良く大阪に戻った時の時計の針は18時を回っていた。