今日は重要なお客様が学校に来て下さった。それも「新中学校棟校舎竣功のお祝い品」を持参するための訪問だから誠に恐縮の限りである。お客様は伊勢神宮崇敬会の亀田理事長と崇敬会事務局長の渡邊氏で氏は本校の理事をお勤め頂いている。亀田理事長とはもう長いお付き合いを頂いており神宮の少宮司の時代、その前の神宮司廰総務部長時代から通算すると15年以上になる計算だ。100周年記念式典以来の学校訪問であった。
崇敬会は第59回神宮式年遷宮(昭和28年)の募財のために戦後設立された「伊勢神宮式年遷宮奉賛会」を母体として、昭和28年12月、「財団法人伊勢神宮奉賛会」の名称で設立され今日に至る。平常時における神宮奉賛活動を行なうことを主眼とし、最初の総裁に神宮祭主の北白川房子様を戴き、会長には佐藤尚武氏を選んで、各都道府県に地方本部を置き、事務局は神宮崇敬者参宿所(現在の神宮会館)に置かれている。ちなみに北白川房子さまからは本校40周年時に「お歌」を色紙に書いて頂いており、中央館2階のギャラリーにそれを掲げている。この歌が今の「尚学の舞」の元歌である。
崇敬会の歴代会長は佐藤尚武氏から、中野種一郎氏、松下幸之助氏、弘世現氏、細川護貞氏東園基文氏、豊田章一郎氏、松下正幸氏と錚々たるお方ばかりである。如何に崇敬会の存在の高さを示している。何とプレゼントの品物はあの有名な(社)新美術協会理事長である水谷桑丘(そうきゅう)先生の「屏風」である。先生は三重県桑名にお住まいで号もこの地名から来たものだと推察した。高さ180,横幅332の大作である。背景は外宮であり次回の式年遷宮を待つ「古殿地」が幻想的に描かれている。拝観していると心が落ち着き、得も言われぬ雰囲気が漂ってくる絵画である。このブルー、ライトグリーン、何とも言われる色彩は一体何色?と思った。
校内をご案内し、中学校棟の2階職員室にて壁に掲げた、100年前の伊勢大廟と言われた時代の本校1回生のお伊勢参りの写真をじっくりと眺めておられた。スサノウの尊とヤマタノオロチ伝説の木彫刻にも驚かれたご様子であった。最後に天空レストランで軽いランチをご用意し、とにかく今日は崇敬会のトップお二方と益々の懇談を深めることが出来た。7月の末には「伊勢修養学舎」で高校1年生が5班に分かれて述べ11日間、伊勢の地、神宮会館に滞在して「心の修養」を積むことになる。この学舎で高1年生たちは「浪高生」に変貌する。宜しくお願いしますと私はお願いした。