2021年2月16日火曜日

こういう時こそ「様子見」で変えない!

昨日は学校にとって最も重要な「来年度の学校行事」について担当者原案の説明を受け、最終決裁をした。これで「来年度、学校がどう動くか」が確定したと言える。高校、中学の教頭に帯同して高校教務部長、中学教務進路部長の4人である。言ってみれば学校の教務部長は法務大臣、内閣法制局長官、文部科学大臣を兼任しているような重要な役職であり、その集約がすべて学校行事に出ている。二人とも「良く出来る男」だが、今年ほど「歯切れの悪い」「何か奥歯にものの挟まった」「煮え切らない」「確信の持てない」学校行事の編成は初めてだったと彼らの顔に出ていた。私も全く同感である。



そうだろうと思う。コロナが4月以降どうなるのかさっぱり予測できないからである。だからと言って今年みたいに「あれも中止、これも中止、こちらは延期」では行事が設定できない。結論としてはコロナに見舞われた今年の実績の行事を踏襲する形で編成するしかなかったという。大きな課題が修学旅行の時期と行先であった。高校の海外修学旅行は不可能と踏んで国内で行先に入れ、これもまた初めての経験だが現高校2年生が3年に進級した5月に「修学旅行」ならず「修学行事」として「USJで仲間と共に楽しむ」として入れている事だった。それに7月の「伊勢修養学舎」もどのような形になるかさっぱり分からないが取り敢えず入れるだけは入れたのである。

 


私はこの席で「今、あたふたしても始まらない」、なるようにしかならないのだから気持ちだけは「柔軟に」に持っておこうと言った。コロナ禍で世界が、そして日本社会が大変な時には「じっと静かに様子を見る」のも一つの知恵である。即ち「様子見で余り変えない」のである。ここぞとばかりに「あれこれ変える」のは余り良い結果を生まないと思う。特に人である。「人こそ資産」であり、一朝一夕にて人材は育たない。年月をかけて浪速ファミリーになってくれた優秀な人材はまさに「人財」である。この人たちを大切にすることは経営にとって重要な事だとの信念に揺るぎはない。入試活動の山場が過ぎて今の私は来年度の体制作りに気を向けて準備している最中だ。

 まず今の私の事務秘書の仕事を14年間受け持ってくれている女性事務員さん、「本校勤続50年を超える大ベテラン」だが、私の方から来年度も続投して欲しいとの要望に対して前向きに「受諾」して貰った。私には精神衛生上、気心の分かったこの人で心が落ち着く。「人生100年時代」だ。歳を取ったから仕事は辞めるというのは古臭い。少し余裕を持った仕事の配分で余暇を楽しむ、人生をエンジョイする生き方をして欲しいと思う。その場合でも「社会との繋がり」があれば何事にも前向きになれる筈である。「定年になったからバイバイ」という時代は過ぎ去った。少なくとも本校では無くなった。

 もう一人のお方は元立派な警察官で今から10年前に本校で契約した生徒生活指導部応援のSさんである。堺駅から沿線の駅や電車の中で本校の生徒を見守りながら指導してくれる「隠れ生指部員」と言える。最も「お顔はバレバレ」だがそれでも朝の登校時にその顔を見ると生徒は身を律するから間違いなく「抑止効果」はある。何よりこの方は「浪速が大好き、浪速の生徒が大好き」な事が私を喜ばせる。今朝も「先生、本当に良い生徒ばかりになりましたねー」と言ってくれた。今年76歳になられるが来年度も続投をお願いしたところ、「待ってました!」とばかりの笑顔で受諾して頂いた。