2021年2月11日木曜日

デジタル採点の凄さを実感!

今日は「建国記念の日」。正門には国旗が翻っている。「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として、1966(昭和41)年に定められた。この2月11日という日付は、初代天皇である神武天皇が現在の樫原神宮の地において即位された日である。旧暦で言えば紀元前660年1月1日にあたるが、明治に入って新暦に換算した日付が2月11日である。従って今日は「皇紀」で言えば皇紀2681年2月11日となる。西暦は2021年だから我々日本人は西暦よりも長い悠久の歴史を持つ国民である。今日は国民の休日であるが我々は出勤日で昨日の高校入試の「採点作業」があった。

 


ところで今朝の新聞は2月1日付けの府公立中学校長会が中学3年生の第3回目となる公立高校進路希望調査結果を発表した。その数値を見ると公立関係者には厳しい現実がある。全日制普通高校139校で実に63校で「定員割れ」の可能性が明らかとなった。公立高校では3年連続で定員割れが起きると統廃合の対象になるのだが、何と今年は11校も対象になる。一方私学専願は「じわじわ」と上がってきており、鋼鉄のような公立の岩盤が徐々に崩れ始め、私学の存在感が増している状況から公私の比率が今後とも変わってくるとの想定は間違いないと思う。しかし「私学よ、増長せずに足元を固めよ」と私は自分に言い聞かせているのだ。

 それだけに我々私学は「受験生を大切に、誠意を持って対応」する必要がある。ましてや目の前にいる在校生こそが大切な「掌中の珠」との認識が必要である。今日は昨日実施した入学試験の採点作業があったが、結論から言おう。昔のような答案用紙の束の前で教員が「色鉛筆」を持って「〇や✖」などを記していく場面は本校ではなくなった。これは凄いことなんです!採点に当たる教員はパソコンの画面に釘付けとなって答案と向かい合い、二人一組で同じ個人の正答をチェックし二人が合致すれば正答として自動的に集計されていくシステムを導入したのである。

 




東京に本社を置く教育業界の新しいアウトソーサー「佑人社」とのコラボレーションで昨年は専門家が本校に来てくれ、色々とご指導を得て今年は2年目となった。システムはまさに簡単なもので、受験生の答案用紙が返ってきたら、それらをその場で高精度・高速のマシンで「スキャン」し、画像データをブラウザ上で採点する仕組みである。パソコンさえあれば、いつでもどこでも採点が始められる。一言で言えば「デジタル採点」である。これだと全教員がデータを共有し、採点ごとに集計されていく仕組みだから時間は大幅に短縮され、採点の正確さもあり、数学と理科は昨日の段階で採点が終わり、そして何と今朝の10時には全ての教科の採点作業が終わった。私は10時からのミーティングでこの辺のところを強調して全教職員に慰労と感謝の言葉を申し述べたのである。

 



要は近年、クローズアップされている「アウトソーシング」の典型的なもので、忙しい教員への「助っ人」である。学校にとって核となる業務は、言うまでもなく教師による学習指導や授業運営であり、その為に教師にとって大切なのは、生徒の学力を伸ばし個性を育む専門技術であり、延いては生徒とのコミュニケーションそのものであるが、その教師が、他の業務で手一杯になっていては本末転倒である。このシステムを昨年初期投資はあったが導入して本当に良かったと今回つくづく思った。

 このシステムは昨年、広報情報委員会のH先生が見つけ出してくれたもので、先のアラウンドで紹介した「ガチでしっかり、正確無比で仕事を進める教務部長」であるY教務部長とのコラボで実ったものである。教職員の働き方改革を進めていた私には「渡りに船」で飛びついた。このように組織のトップにこのような最新の武器を提案してくるところが凄いではないか。H先生もY先生も「IT使いの名人」であり、このような教師が学校を変えて行くのだろう。まだ本校にはIT達人教師が「ごまん」といるから、「デジタルスクール構想」の進展に向けて本当に将来が楽しみである。