令和3年度の浪速高校入学試験が無事に終わった。ほっと一安心だ。何しろ受験生が1650人と多いから、抜かりなく進めるためには担当する教職員の「ボーンミス」があってはならない。その為には緊張感が必要である。結果として何事もなく終了した。私はこの張り詰めた緊張感がたまらなく好きだ。体中に血潮がみなぎる感じ。7,8,9日と三日間も学校を閉鎖し、コロナ侵入、外部からのウイルス持ち込みを徹底して避けた学校の空気は何故か、静かで澄んだ感じがした。本日、2月10日の天気は風は冷たかったが良い天気に恵まれ、8時50分の「筆答を開始してください」の校内放送を聞いて私は「あぁ無事に始まったな」と安堵するのも何時もの気分である。
国語、数学、英語と進み、昼食休憩50分を挟んで理科、社会と続いた。本校では「筆記試験」というがこれが終わったのが14時55分で予定通り。その後受験生の退室、下校となる。混雑を避ける為に「時差下校」を行い最後の受験生が正門を出たのが丁度16時であった。同時並行で全教室を通常の授業状態にまず戻し、その後「採点」作業となるが「働き方改革」で今日は18時45分までとして教員には退勤して貰う。私が来た当初は夜の10時、11時くらいまで頑張っていた記憶があるが、今はそういう時代ではない。ITを使い、試験問題に工夫を加え「デジタル採点」など進歩的なシステムを導入している本校でこそ実現可能である。本格的採点業務は明日になる。
今日は府内の中学3年生、65000人余りが96校の私立高校で同時並行で試験を実施しているが実は試験会場は学校だけとは限らず、病の為に「院内受験」と言うのがあってそこも会場である。本校でも1名の受験生が病院で受験しており、そこに教員を2名派遣している。私立学校の文化というか、本日対応に当たる教職員の洋服などは「パシッ」と決まっており、これは素晴らしいと昔から感じ入っているところだ。要は「受験生への誠意」だと思う。本校では特にこれらが徹底しており、最寄りの駅からのルートにはおりおりに教員が立ち、特に試験終了後の阪和線杉本町、我孫子町駅、南海高野線の我孫子前駅、御堂筋線あびこ駅の4カ所には生徒が殺到し、万が一プラットホームからの転落防止を避ける為に「時差下校」とするのも本校の優しさである。随分と昔、某駅の駅長さんから「危ないですよ」と危険信号を戴いたことがあり、それ以来、時差下校を実施している。
試験というのはとにかく順調に流れるように進めることに尽きる。まず最初は欠席者の確認が重要である。ここを間違うと後後、採点などで順序の間違いに繋がり、大きな問題となるからである。又会場で問題配布が遅れたりすると「1分足りませんでした!」と受験生が訴えてくれば大変な事になる。そうでなくとも緊張で凝り固まっている受験生に動揺を与えないように試験監督が対応することが重要で、「大声で注意」したりすることは厳禁であり、朝会でも校長より注意するよう指導があった。又受験生に何かあれば「中学校と緊急連絡」することが重要で、勝手な判断を我々高校側がするのも問題に繋がる恐れがある。中学校サイドも先生方が待機しておられ「やきもき」されていることは間違いない。特に遠方からの受験生は電車に乗り遅れたり、道に迷ったりするのが「有り得る」と考えて対応するのが大切である。だから「マニュアル」が重要なのである。
今回はコロナ禍の中での試験であり、受験生を守る為に監督補助要員としての延べ200人近い在校生に奉仕して貰う事を止めた。又試験監督教員には「マスク、フェイスシールド、マイクイヤホン、タブレット」の4種の神器を身に纏って貰うことにした。タブレットには「チャット」機能があり、連絡はチャットで行うのである。これなら受験生の耳に入らない。本日は約157人以上の教職員が対応に当たってくれており、時間との勝負だから「昼食」と「夕食」の弁当を用意するのは事務室の仕事である。とにかく大きな問題が起きずに筆記試験が終了したことが、幸いであった。昔から試験と言うのは疲れる。しかしこの感覚は学校の教職員でなければ分かるまい。それだけに学校の勤務は有る面、面白いと言える。さて16時15分から採点である。5教科、1650人、合計8250人・科の解答用紙と今から闘う。