2021年2月25日木曜日

縦糸と横糸、ラインとスタッフ

今日は「臨時職員会議」をもった。令和3年度4月からの校務運営の体制を最終的に全教職員に発表・開示する為である。これで全てが整ったことになる。言ってみれば「学校の指揮命令系統」である。しかし幾ら系統図を作ってみたところで上手くいくとは限らない。「組織とは人間の繋がり」であり、その人対人の関係を良くする為に「報・連・相」が欠かせない。しかし実はここが難しい。これは「人間のセンスと感情」が絡んでくるからである。長い間組織で生きてきたが、出来る人間と言うのは実に「報連相」が上手い。心憎いばかりに上手である。逆に仕事の出来ない人間は二つのタイプがある。全く報連相をしない人間と受ける方が嫌になる位、事あるごとに報連相をしてくる人である。どっちも困ったタイプだが組織と言うのは人材が優秀な人、普通な人、ちょっと劣る人と「ごちゃ混ぜ」であると割り切っておいた方が良い。そういうものだと考えておけば気が楽になる。余り優秀な人ばかりだと「人材過多症候群」と言って「俺が、私が・・」の集まりになり、これはこれで問題となる。 

組織は「縦糸と横糸」が上手く噛み合わねば力は発揮されない。企業ではこれを「ラインとスタッフ」と呼ぶこともある。ラインが縦糸でスタッフが横糸である。学校における「校務分掌(こうむぶんしょう)」は縦糸と横糸を1枚の紙で表現するもので一本の線のつながりが重要な意味を持つ。校務分掌とは、学校内における運営上必要な業務分担であり、その分担のために編制された組織系統を指すことである。法令上の「校務」のとらえは、学校教育法第37条第4項に、「校長は校務をつかさどり、所属職員を監督する」とあり、この条文が全てである。しかし本校では高等学校、中学校と二つの学校があり、一つの教育理念の元に存在しているから中高の両校長がバラバラの校務運営では学校が破壊されるリスクヘッジの為に「学院長という職位」を設定し「寄附行為」において明確にした。従って本学院では学院長が校務運営の総括責任者であるが、あくまで高校、中学の校長は担当する学校の校務運営の最終責任者である。 





各分掌組織を構成する個別のグループは大体「部制」にしているところが多い。本校もそうである。従って分掌の長は部長の名称となっている。分掌の部格に上げる前の組織は規模等の関係から鑑みて「委員会」組織としている。人権委員会とかハラスメント委員会なである。どの分掌組織がどのような役割を有するかは学校により異なることもあるが大切な事は常に柔軟に時代の中で改編し弾力性を持たせて対応していかねばならないことだ。「十年一日」ではカビの生えた組織で仕事をしていない証拠である。私は分掌の一つであった図書研修部を「総務部」に変え、今年からは「ICT教育推進部」を新設した。そして4月からは新しい情報科社会の到来を受けて従来の「広報情報委員会」を「情報企画部」として格上げし、人材を強化した。

 校長の校務運営の補完の為に4月からは高校に「教頭補佐」を発令し、新たに3人の卓越した教師を「指導教諭」として任命する。教頭補佐も指導教諭も管理職ではない。言ってみれば管理補佐職である。学校長はこれらの人事を活かして校務分掌機能を更に高め、学校の教育目標を達成しなければならない。これが校長の責任である。校長に属する全教職員は校長の指示に従い、補佐し、合理的かつ効率的に業務を進め、自分の責任を明確にしなければならない。ここにはまさしくラインとスタッフ、縦糸と横糸の連携が必要であり、全教職員は「自分の立ち位置」をしっかりと確認し、「覚悟」して仕事をして欲しい。その為に令和3年度組織図を本日わざわざ時間を取って発表したのである。