雪交じりの寒い登校時間帯であった。今日は本当に本校では最後の最後となる「高校1.5次入試の日」であった。もしコロナ対応で必要であれば来週の26日に2次入試を打つ予定であったが、その必要が無くなったので、今日で終止符を打ったのである。他校では生徒を集めるために2次入試まで実施する学校もある。このようにして府内中学3年生の進路を保証する仕組みを私立高校は徹底して設定している。「15の春を泣かせるな」である。1.5次は他校で運悪く不合格になり、次に浪速を狙って受験する者で専願、併願どちらもある。その数は結構多く、我々としては誠意を持って、温かく粛々と進めるだけである。
5教科全てを在校生が通常の授業を受けているさ中で同時並行で実施するが、対応する教員の数は1次入試と変わらない。1800人の受験者と数十人の受験者でもやるべきことに変わりはないからである。しかし今日で名実ともに1月初旬から始まった私立学校の「入試シーズン」は終わりを告げ、明日以降は令和3年度の体制作りに入る。まずこの新入学生を束ねる新一年生の学年主任は既に内心では決めているが明日の職員会議で公表する。「花の学年主任」と言い、学年主任は各担任団を纏め生徒の為に入学式から3年後の卒業式まで一貫して頑張って貰わないといけない。学年主任が務まれば「一人前のベテラン幹部教師」と言う事が出来る。
ところで今朝の朝刊各紙は羽曳野にある府立懐風館高校の校則「黒染め問題」について大阪地裁の判決を詳細に報じていた。判決はこの「校則は合理的」であり「髪の茶染め」を黒染めにするよう指導することには「違法性は無い」との内容である。この問題は全国に「ブラック校則」問題と物議を醸したケースであったがこれで一応の法的判例が出たことになる。保護者からまだ保護下にあって勉学中の身であり、髪染めの原資も定かでない成長過程の子どもが学校と言う団体生活の中で一人だけ、華美に見える茶染めは少しおかしいよ、今は勉強や運動に集中したらどうかと指導するのが生徒の為と我々は捉えており、これが認められたということだ。問題は丁寧な対応をすることで今回の判決では学校側が教室に席を置かず、名列から削除し、修学旅行にも行かせなかったことが問題とされ府側に33万円の賠償を命じた。このような行為が5か月間も続いたというから当然、生徒は「不登校」になったという。
我々からすれば信じられない行為でこれは「教育的指導ではない」。あくまで髪染め問題は教育的配慮で実施する行為であり、このような行為は少なくとも本校ではあり得ない。しかし私を暗くさせるのは何時も背後にブラック校則と煽る知識人や組織がいることで原告側の代理人である弁護士は「大人が自由に出来ることを高校生だから規制して良い、校則は問題ないというのはおかしい」と宣う人々の頭の思考回路である。私は声を大にして言いたい。「高校生と大人は同じ人間だが捉え方が根本的に違うのです!」。今回の判決を不満として控訴するとあったが、さらにこの問題が長引けば、当事者が特定され、二次被害が出なければ良いがと願う。私には双方に痛み分けの良い判決だと思うがなー、弁護士さん!早速4月以降新入生には本校では「茶染めは駄目よ」と言わねばならない。