2021年2月15日月曜日

人事の季節到来

入試作業が一段落し、「人事の季節」が到来している。人事とは、組織の人材を管理する仕事である。採用から配置、評価、昇進、昇給、役職当てはめ、等々極めて重要な仕事である。しかし企業と違って学校組織ではニュアンスが少し異なる。元々学校社会には組織と言う空気は希薄である。国語、数学、英語から体育まで全ての教員が国家資格を有し「専門店の社長さんの集まり」みたいなものである。これが戦後学校社会の良い点でもあったが時代の進化と共に学校の改革を阻害する要因であったと思う。公立に準じたふるまいだけの私立では立ち行かなくなってきた。少子化の中で独立独歩、「自らが生きる糧」を稼いでいかなければならない私立がそうであってはならない。私は着任以来「浪速学院の組織化」にまい進してきたと言っても過言ではない。

 


人事権は公立教員の場合は「教育委員会」が持ち、私立では「理事会」である。「理事会を総理する理事長の権限」は大きい。令和2年度校務運営の要となる高校、中学の校長と教頭を新しく発令した。14年間校長職を務めて来た私も自ら決断し「スパッ」と退任した。新時代を見据え、準備するのも私の大切な仕事であると考えたからである。しかしこの一年、内心では「一抹の不安」を持って見詰めていたが、1年経って新体制は上手く離陸し安定した上昇気流に乗ったと思う。それは中学、高校共に新年度の入学者数が前年並み以上が見込めるからである。すべては数値が示し、それが結果である。あれこれ「ごちゃごちゃ」言っても組織が盤石なのは入学者数であり、これさえ担保されておれは学校が揺るがない。

 結果が出れば、それを「成果で反映」するのは理事長の仕事である。口先三寸、「ご苦労様、有難う」だけでは誰も本気が続かないと思う。私は今日の給料日に専任教諭に一律5万円を一時金として例月給与に加算して支給した。これは昨年末の賞与・一時金で決算の為に経営協力して頂いた分の「お返し」である。前述したように令和3年度も今までと同じような生徒や教職員への処遇が存続できると今年の入試結果から見えてきたからである。職員代表のY先生が部屋に来て「先生、有難うございました。皆、喜んでいます」と笑顔で言ってくれた。私の素早い反応、迅速な行動が教職員には正しく伝わる。やはり仕事のプロには感謝の気持ちを表すにはお金であり物だ。言葉の評価だけでは軽い。

 


本校の管理職の任期は内規で「1年任期」としている。とにかく1年間、必死になって頑張って貰うのだ。しかし再任は妨げないことになっているので過日、私は今の体制で校長、教頭は「続投」を申し渡した。そのうえで組織強化の為にM理事を「常務理事」に昇格させ、高校教頭一人体制では生徒数と教員数の多さを考え、今以上に管理密度を更に上げるために「高校教頭補佐を一人設置」することを決めた。更に縦組織の強化だけではなく、横組織の強化の為に現在1名の「指導教諭」を更に2ないし3人発令することを考慮している。現在他の外部理事と協議中である。これで万全の体制と言える。すべては「親心」である。今日の校務運営委員会で皆に伝達した。

 



指導教諭とは、児童・生徒の教育をつかさどり、並びに教諭その他の職員に対して、教育指導の改善および充実等の為に必要な指導及び助言を行う学校職員のことであり、根拠となる法律規定は、2008年(平成20年)41日から施行されている。学校教育法には明確には定義されていないが、教頭には至らないが、実務的に教頭または主幹教諭・主任教諭と同等の職務を執行する職階で、指導教諭、主幹教諭、首席教諭、主事とか学校の設置者ごとにさまざまな内部呼称を使用している。管理職ではないが予備軍とも言える。大阪府では専門的な知識や経験を活用し、教職員の指導力の向上を図る指導教諭という役職をかつてから置いており、 若い年齢層の教員に対して早い時期から管理職候補者として、管理職に必要な資質とスキルを身に付けさせる為だ。 本校もそれに倣ったのである。