一国の総理大臣、大企業の社長、会長、小さな企業や町のお店の社長さん、何れにしても「組織トップの健康状態」は極めて重要な経営項目であり、その影響はその組織の命運を左右すると言っても過言ではない。組織体のトップはまず健康でなければならにことは明白である。さて私に関して言えば総じて健康であるが、加齢と共に「足腰が弱っている」ことを痛感している。私の健康保持の秘訣は「栄養のあるものをバランスよく沢山食べる」「睡眠を最優先して早寝、早起き」「適度の運動を欠かさない、姿勢正しく、良く歩く」の三つであろうか。最近足腰の筋肉を増やし体幹を鍛えるために「タップダンス」を習い始めた。
このタップダンスが実に面白い。足腰に効いているのが自分でも実感できる。専用のタップ靴(5000円でした)を履いて月に3回ほど教室に通い、若い男の先生から個人レッスンで手とり足とり教わっている。それを毎日学校に到着した7時ごろから15分間、先生から頂いた音楽と振付の動画を見ながらタップを踏むと何だか調子が良い。それに休日のゴルフだ。下手だから必然的に歩き回る距離が長く、大変だが、タップとゴルフで軽い腰痛と左足先のしびれが無くなった。浪速学院のトップとして私にはまだやることが多い。教職員と生徒の為に健康維持管理に頑張らねばならない。今日の午後からコロナ禍で飛んでいたが、2年振りに「人間ドック」に入り、徹底して検査をして貰う。
勿論本校で働く教職員の健康は私以上に重要である。昨年度の年度末ぎりぎりの3月31日の職員会議で私は紙数が数枚に及ぶ「働き方改革アクションプラン」を全教職員に示し、1年かけて検討を進め、令和3年4月1日から実行に移すと言明し、ここまでほぼ1年間やって来て、成果が目に見える形で出てきている。例えばコロナ前の令和元年と令和3年を比較すると教職員の「長時間労働は皆無」となった。本校の変形労働制では月間42時間が時間外労働の上限であるが、これをオーバーする教員も居なくなった。これらの成果は教職員の健康に為に大きく寄与していると思う。
今、私は令和4年4月からの「働き方第二弾」について関係管理職や主教諭と議論を重ね、ようやく「成案が見え始めた」。これは学校設置者として絶対にやる!改革に終わりは無い。「やりながら修正すべきところがあれば躊躇なく変える」。私はこの学校に着任した当初から「裁量労働制的なるもの」の導入を考えていた。学校の先生など高度な専門職などに従事する労働者が、実際の労働時間に関わらず、あらかじめ労使で定めた時間分だけ働いたものとみなす制度が裁量労働制で、労働時間に関係なく、能力や成果を重視する雇用形態であり、まさに「学校と言う職場に相応しい」と考えた。学校の先生は自動車の組み立て工場やレストランなどで働く労働者とは全く異なる。従って学校の先生には通常の方法による時間管理がなじまず、一人一人の個別の生徒に不規則、不定期に対応する教員にぴったりの形であると今でも信じて疑わない。
しかしながら私立学校として現行の「労働基準法の適用」を受けることも事実であり、「100%労働基法準拠の私立学校と浪速型裁量労働制のハイブリッド型働き方の第二ステージ」の形を来月には教職員に示さねばならない。裁量労働制で既に教職員に与えているメリットを既得権益とするのか、見直すのか頭が痛いが教職員の不利益にならないようにしてやりたい思いもある。教職員が健康でやりがいのある処遇と職場環境を作り上げるのが私の責任である。その為には長時間労働を無くし、休日はしっかりと休ませる、休日に出れば代休、振替休を取らせる、当たり前の事だ。