2022年2月15日火曜日

巧遅は拙速に如かず

 「巧遅( こうち) は 拙速(せっそく)に如かず」という言葉がある。出来は良いけれど完成に時間がかかるものは、多少拙くても迅速に出来上がるものには及ばない、といった意味の表現である。私も全くこの意見には大賛成であり、何事も素早く処理、処置し、前に進めることが上手くいくコツだし、事態を悪化させない。今まで生きて来た「私の信条」がこれだ。とにかく「木村の仕事は早い」と言われるように頑張ってきた。当然、迅速には失敗も伴うが、時間的余裕を生むから、「アレ?」と思えば、引き戻せるし最初からやり直すことも可能だ。とにかく「モタモタ」「チョロチョロ」しているのは「性に合わない」。「迅速こそ勝利への道」だと信じて疑わない。大体遅い出来上がりで仕上がりの良いものは少ないのではないか。これを稚拙という。 

この為には「優先順位」という思考が必要である。組織が、そして上司が今求めていることを最優先にしなければならない。個人目標よりは組織目標を優先することは当然の話である。とにかく「巧遅、稚拙、拙速」「優先順位」が組織人のキーワードである。ところが学校の先生を良く、良く観察していると分かるのだが以上の事が分かっていない人が偶に少なからず居る。教員と言う仕事は余りにも専門性が高いために自分の世界に往々にして閉じ籠る。即ち「自己のワールド」内で充実し満足するからである。若い時代の先生はそれで良いが或る年齢層になって重要な役職を担うようになってくるとそうはいかない。幅広く組織を観察し自己の仕事と組織目標との合体をしないと個人にも組織にも成果など生まれる筈はない。その為には「スピード感覚」である。 


着任以来この事を言い続け、今や本校の大方の教職員はこの伝家の宝刀を身に付けてくれたように思う。校務運営委員会のメンバーも管理職も総じて仕事は早く、優先順位が常に頭にある。特に管理職はそうである。だから本校ではずっと右肩上がりで成果を上げ続けて来たと思う。私は昨日の「校務運営委員会」でも今朝の「拡大管理職会議」でも今年の業務を振り返って総括した。1年の締めくくりの一つは来年度の入学者をどれくらい得たのかという点である。その他大学進学状況もポイントである。今年も最高の状況で3月末の年度末を迎えそうである。全員が持ち場、持ち場で仕事の優先順位を付け、スピードを上げて頑張ってくれたおかげで中高合わせて新記録の数値になりそうな気配だ。これは全員の勝利である。

 数日前のアラウンドで書いたが、指示した国旗掲揚の高さをあげるべく早速関係者は動いてくれた。仕事が早い。4月5日の入学式は新しいポールに日の丸を高々と掲げて新しい制服に身を纏った新入生を迎えたいと思う。