2024年3月15日金曜日

母校応援ふるさと納税制度推進事業

 大阪府私学行政の一大目玉施策として本年度に「高校授業料を完全無償化する制度案」が決定し、令和6年度4月から段階的に導入され、8年度に全学年に適用される。所得制限のない授業料無償化は全国で初めてであり、我々私学サイドも趣旨には大賛成であるが、授業料の上限が「CAP制」と称して抑えられており、府の指定した授業料の上限は63万円である。ちなみに本校は63万9000円頂いており、差額分は本法人が負担している。これには大いに不満は残るが、これ以上の行政側への抵抗には限界があり、我々としてはやむなく受け入れた。この時、吉村知事は私学の声を気にされたのか、公立・私立高の新たな財源確保策として、「高校版ふるさと納税制度を創設」する方針を表明してくれた。 


大阪府は「母校応援ふるさと納税制度推進事業」として要綱を纏めこの3月に各私学に伝達した。「浪速高校はこの事業に参加しますか?しませんか」と言う問いかけであり私は即座に賛同して「入ります!」と手を挙げた。大阪府の現在の仕組みであるふるさと納税の対象である「大阪教育ゆめ基金」に従来の公立だけではなくて私立も加えて戴けるのだから「ノー」という選択肢は有り得ない。既に府は事務費も当初予算として1500万円計上しており、4月から完全実施するとあり、この制度への吉村知事の意気込みが感じられる。私には後述する明確な意図があるから是非ともこの事業を通じて「浪速高校への幅広い支援の構図」を打ち立てて行きたいと強く念願している。その為に今まで様々な形で良い経営をし、支援をしてきたと自負している。

 


分かり易く言えば授業料完全無償化で本法人は令和6年度から8年度までの3年間で何と12000万円の法人負担というか持ち出しが出る計算になる。何とかこの補填をこのふるさと納税制度を使って「補填して行きたい」と思う。元来なら教職員への生活支援財源にも繋がる話であるから、余計に1億2000万円はこたえる。「第一目標は12000万円を何とかふるさと納税寄付金で賄いたい」のだ。「期間は4月から令和8年度までの3年間で1億2000万円」だ。大阪府へ学校版ふるさと納税で寄付された保護者、OBOG,お取引いただいている協力会社さん、一般の浪速応援者、ファン、等からの浄財の寄付額の97%を学校に補助金として支給して頂けるから、このふるさと納税に私が期待するのは当然である。

 しかしこの制度は次のような状況を生み出すかも知れない。すなわち私立96校でふるさと納税の獲得額競争になる懸念がある。私立A高さんは令和6年で2億円も集まったが私立B高さんは僅か60万円だったなどの話題が出てくるかも知れない。このような誤った学校評価に繋がるのは決して良くない。しかし困っている母校を応援したいと思ってくれている卒業生や、卒業生ではないが子どもが世話になったとか、浪速に勤務して今日があるのは浪速のお陰だとか。長い年月浪速と取引が有り、感謝に耐えないとの声を無視するのも問題がある。何れにしても私は現同窓会の役員を呼び、この間の経緯を話し、協力するようにお願いした。丁度具合の良い事に今同窓会組織を裾野の広い「一般法人化して校友会」に形を変える検討の最終局面に至っている事でもあり、「授業料完全無償化―浪速高校応援ふるさと納税制度のスタートー浪速校友会法人化スタート」のスキームを連結させて令和6年度浪速学院支援・応援体制を構築しスタートすることにした。今年も多くの入学者が見込める状況にあるのは「浪速が選ばれるには相当の理由がある」からである。それを少しだけ形にして頂きたいと思う。厳しい経済情勢の日本、大阪だが何とかご理解いただき支援して頂きたいと念願している。辞を低くし、頑張って参りたいと思う。