「花冷え」と言う言葉がある。昨日も今日もこれに当て嵌り、良く冷える。桜が咲く頃に寒さが戻ることを言うが、この次に来るのが「花日和」の季語だ。「花日和」は3月下旬から4月上旬のお花見の時期に使われる言葉で、花見をするのに暑くも寒くもなく快適な日和のことを言う。大体日本全国、このあたりに「入学式」が来ている。日本語は本当に素晴らしい。「花衣(ごろも)」は花見の時の衣装で、花見に着る晴れ着のことだから、このように考えれば花見=入学式として日本人は昔から何時もの服装と違って入学式にはこれを意識した服装にしてきた。卒業式も結婚式も普段とは異なりそれが日本文化となっている。
「花冷えの 併願点呼 浪速の門」
「爽やかに 花冷えの日の 併願点呼」
午前10時に公立高校の合否発表があってその結果に納得した受験生は基本的に先に「合格キップ」を手にした浪速高校の入学手続きに登校して来る。昔は少し目を腫らした受験生も見たものだが今や光景は大きく変わり、大半がウェブで入学金を支払い、すっきりと堂々としたお顔つきで保護者と一緒に正門をくぐってくる。15時に新1年生の学年主任以下学年団が「点呼」をとる。これで入学手続きが終わり、制服採寸他やるべきことが山ほどある。「併願手続者は最終的に966人」となった。この966という数値には我々も驚いている。
この数値は我々の想定の範囲をかなりオーバーしているが教室数は全く問題無い。今日の併願入学者を迎え入れて「4月5日の入学式」となる。総勢は高校1年生が専願で853人、併願で113人、合計966人の入学者となり22クラスで決まった。中学は140人、4クラスだから入学式に参列する生徒数は1106人と1100人を超え、総クラス数は26クラスと言う信じられない規模となった。これで「4月8日の始業式」は中高総勢併せて3090人となり、これまた大記録である。言葉を失うくらいの大規模校になったと言える。本学院に着任した平成19年当時を思えばまさに感無量である。「花冷えの併願点呼となったが花日和の入学式」には校内の桜はまだ花びらを付けていることだろう。絶好の花日和に私は入学式の式辞を発しなければならない。中高同時合同開催だからまず両校長が「入学許可」を宣言し、その後学校設置者たる私が式辞を述べる手筈である。重大な責任に今から身が引き締まる。
「花冷えに 固まる覚悟の 鳥居前」