大阪府教育庁は昨5日に公立高校全日制の一般選抜の「出願状況」の各校別中間集計数値を発表した。今朝の新聞各紙は紙面1ページを使って記事にしている。昨夕16時現在で全日制34789人の募集に対して35716人が出願して平均競争倍率は1.03倍で前年度より0.09ポイント減である。しかし紙面を詳細に見て各校別の数値を集計すると昨日の時点で出願していない数が800人あった。これが所謂「にぎり」と言われる数値で出願先にまだ出していない数値である。最終出願日は本日の16時までだから、「出願先を迷っている受験生」は各中学の進路担当の先生と話し合って「この学校は倍率が低いから、ここに出そう!」とか、「偏差値の高い、一つ上の学校も出願者が少ないから、ここに挑戦してみる?」となったりして最終的に決まり、出揃うのだ。そして学力検査は11日で、合格発表は19日である。
しかし私はこの間の公立の動きを見ていると理解できない点がある。13校も定員を一クラスほど増やし、一方では66校も定員割れが起きている。平均競争倍率が1.03であるがトップは超進学校の豊中が1.54,高津が1.52,茨木が1.46と完全に「二極化」しているのが公立の現状である。先ごろ教育庁の幹部が述べていたが「現在の入試システムの限界を打破するために抜本的に見直す」とあった。案として私立に先取りされているから公立の選抜試験を早める可能性もありとあったが、果たしてそれが有効な手段になり得るのだろうか?府が誘導した「私立高校授業料完全無償化の施策」はこのような事態を招くことは明らかであった。何れにしても私立、公立の生徒獲得競争は今後本格化してくる。ポイントは公立も私立も「専願者で経営が成り立つ学校」が勝ちとなろう。大体公立に落ちたから私立に行くと言うのは「時代背景的におかしなニュアンス?」になって来た感じがする。大阪府教育庁の今後打ち出す動きから目が離せない。彼らの教育行政戦略が私には見えてきた。