「有終の美を飾る」という言葉があるが、私の造語は「有終の喜び、(歓喜)」としたい。今日は3月30日、明日が日曜だから今日が令和5年度の大詰めの日で、感覚的に美を超えた喜びだ。開校100周年目の令和5年度が今日で終わった。この一年を振り返ってみた時にまさに有終の喜びとなった。歓喜だ。最初から最後まで「文句無しの一本勝ち」であった。高校で966人、22クラス、中学は141人、4クラスで合計1107人が令和6年4月5日の入学式に揃う。これなど有終の美を飾ったと言う表現では足りない。だから有終の歓喜である。謙虚にしなければならないが今年1年4月の記念式典から始まり、今まで「完全試合」であったと思う。頑張ってくれた生徒や保護者、そしてご支援下さった皆様、何より前線に立ち、頑張ってくれた教職員に心から慰労と感謝の気持ちを伝えたいと思う。
「年度最終の職員会議」で私は勿論、言葉による感謝の誠を捧げたが、そのようなものは生活の足しにはならない。私は声を張り上げて「年俸水準の改定」を公式に伝えた。過日の理事会で正式に決まった。「非管理職平均で6%を超える年俸アップ」となる。これは政府と経済団体、連合など労働組合主導の今春闘の給与水準のアップの約2倍から3倍の水準となる筈だ。「まさに大幅な賃上げ」である。長年頑張ってくれた教職員に対して年間賃金の内、賞与一時金4か月分の支給を5か月分と1か月分もアップしたのだからこれは相当に大きな金額である。但し今後少子化で生徒数が減少したりすれば当然5か月分は4.5カ月になったり元の4カ月に戻る事も有り得る。
しかし「大詰め」という言葉は響きが良いね。「大詰め」とは「何かしらの物事の最後の場面や段階」を表し、ドラマ、小説、演劇などの終盤で、その物語の最終的な意外な、あるいはドラマチックな結末が待っている場面である。要は物語がクライマックスに近づいていくため、物語が一番盛り上がる場面でもある。「大詰め」の由来は、歌舞伎からだと言う。江戸時代の歌舞伎の最初の狂言の最後の幕を「大詰め」と言ったことかららしい。学校はまさしく令和5年度の大詰めになり、私が年俸のアップという「形を決めて、片膝立てて、睨みを効かし」、正式に述べた。この「口上」で令和5年度は終わり、来週4月1日月曜日からは令和6年度の初幕が開く。
今朝は8時から1年間の専任教諭としての試用期間を終えた11人の教職員に晴れて研修期間が終わり、名実ともに「本学院の専任教職員として採用された旨の辞令」を手渡し、激励した。皆さん、この1年で大きく育ってくれた。本校の為に必ずや貢献してくれると信じている。その後教員は教科会議、学年会議などがあって10時30分からは年度最後の職員会議になったのである。今日は一人の24歳の常勤職員の採用を決めて初めて私はお顔を見ながらお話しした。岩手県のご出身で同志社大学経済学部卒、極めて面白い人物だ。コロナの時には大学を2年休学し社会勉強の為に民間企業で社会勉強をし、ご縁があって4月1日から本校の事務職員になる。ご実家は岩手県平泉近くの由緒ある観光旅館の一人息子であり、家業は妹に任せ、本校で骨を埋める覚悟だと言ってくれた。