7日の夕方から大阪に居て趣味の「焼き物」作りに没頭していた10日の夕刻、入試広報部教頭のK先生から電話があった。10日、11日と天満橋にあるOMMビルで行われている「大阪私学展」の初日の結果報告であった。電話でのお声は弾んだ感じで、昨年度対比で中高合わせてプラス77組の本校ブース来訪者があったという。組というのは受験生と保護者同伴だから我々はこれを組と称している。保護者でもご両親の場合は合計3人になるし、受験生の兄弟姉妹が入ると最低でも4人だから用意する椅子も用意しておかねばならない。
私はこの私学展、欠かさず毎年、初日に様子見に出かけていたが、「明日の11日に行くよ!」と言ったらますます声のトーンは華やぎ、「はっ、ははーん」これは行くのを大いに期待しているなと感じた。K教頭は大阪教育大卒の俊英で、今年4月に管理職に昇格し、最重要ともいえる入試広報部の管掌だからその気持ちは痛いほど良く分かる。理事長に見て欲しいのだ。休暇中に関わらず、管理職や入試広報部のメンバーが頑張ってくれている場面を直接に自分の目で確認することはトップの当然の義務であり責任であるから、喜んで行ったのである。アラウンドは当面休筆としていたが変更して私学展の様子をアップする。
二日目の12日、朝の9時40分頃に会場に到着したが既にほぼ満杯の状態であった。「熱気」というのか今までと違う私学展の雰囲気だった。「私学人気の沸騰」を感じさせるような感じで本校のブースは公式会場と別に12席を借りていたが、そこも既に満杯で、本校の担当者と受験生のご家族は進路相談の真っ最中であった。この状況をもたらした要因は極めて明確で、府が昨年から始めた「高校完全授業料無償化」である。授業料が無償なら「私学に行こうか!」と受験生や保護者が考えるは当たり前であり、当然の帰結である。
昨年度の公立の約半数が定員割れした状況に驚いた教育庁は来年度入試は新たな施策として公立の入試日を早めるとか、第一志望、第二志望とか検討中と聞くが果たしてそのような事で公立高校の復権は果たせるであろうか?第一志望に落ちた受験生が好んで第二志望の公立学校に行くとは考えられない。そのための「併願制度」ではないのか。私はますます「私学専願」が伸びるのではないかと思っている。会場でお会いした中高連のK会長先生も同じようなことを言われていた。
二日目の来場者も本校は膨れ上がった。初日,二日目合計で何と200組弱も増えている。この私学展の来場者も昨年度対比で主催側発表によれば3043人も増えてることが私学人気の証明ではないか。この私学展を皮切りに公立、私立入り混じって激しい生徒獲得競争が始まる。本校は昨年度府内トップの966人の高校入学者を数えたが、この勢いが続けば「1000人の入学者」もあながち夢ではないと感じた。決して数の多さが卓越した良い学校であるとは限らないが、「評判の悪い学校」「嫌な感じの学校」にいくら無償化とは言え,誰も選択はしてくれない。本校は今までの方針通り、「生徒第一」を掲げて自信を持って頑張って行きたいと思う。蒸し暑い中でもスーツにネクタイ姿で受験生に対応していた本校関係者の姿を見て、私は目頭が熱くなった。このような先生方であれば本校の勢いはまだまだ続くと確信した。心晴れ晴れ、満ち足りた良い一日であった。