2023年9月25日月曜日

臨時理事会・評議員会

今日は「臨時理事会・評議員会」の日であった。5月の決算理事会、12月の業務理事会、3月の予算理事会が定例の理事会・評議員会であり、これに加えて8月に文書による持ち回り理事会が本学院の役員会である。本法人の理事数は12名で内4名が理事長、常務理事、高校校長、中学校長の職にあり、基本的にこの4人の校内理事が法人業務の全ての責任を負っていると言って良い。本学院の寄附行為では理事は評議員でもあり、これは来年度から理事の評議員兼務は認められなくなるだろう。業務を執行する理事が、理事を監視すべき機能を有する評議員であるのは考えて見れば可笑しな話しで、最近の某大学理事長の不祥事から出て来た話であるが、基本的に今の私立学校法の改定に賛同する。 


理事職を兼務していな評議員は26名で内23名は府内の神社の宮司さんである。元来は神社界以外の評議員を増やすべきと言う意見は正論であるが、話はそう簡単ではなくて、中身の分かった見識高い人物を探し出し、本校の場合は無報酬であり、就任して頂く作業は「言うは易く行い難し」である。学校というのは見た目、分かり易いと思うのは素人的見方であって、企業経営よりは法的規制も多く、学校会計などは企業会計に比べ難しい。とにかく公益法人であるからまず「コンプライアンス(法令順守)」が第一に来なければならない。 


従って理事長以下の校内役員が業務を適切に執行し、透明性を高めて全てを開示することが重要である。我々の理事会・評議員会の資料は私の方針でもあるが、完璧な「公文書」として役員会に提示し議論し、議事録をしっかりと残してきており、これについては高く評価して頂いてきたところである。しかし年の3回の役員会ではタイミング的に間に合わないケースもあるから、その時は本日のような臨時の役員会を持つことがある。今日は最近大きな問題としてマスコミを賑わせた「高校の授業料完全無償化」について経緯と方針を役員諸氏に丁寧にご説明し、これとは別に浪速中学校については入学金、授業料を上げさせ頂く旨の具体的な金額を提示して、本日正式な機関決定となった。

 今日のもう一つのテーマは「資産運用」について提案しこれまた正式の機関決定事項となった。開校100周年記念事業も無事に終わり、現在は一言で言えば「無借金」状態であり、財務状況は万全である。本法人は私の強い思い入れもあって「虎の子の流動資金」は安全性の高い有力な市中の銀行、郵貯に限って普通預金と定期預金だけで資産を護って来た。しかし何時までもという訳には行かず、安全の高い預貯金とは別に幾分「利回りの高い債券」を購入する試験的試みをすると方針を固めた。その為に今日の理事会・評議員会に議論をしていただくべく資料を用意した。市中の銀行、金庫などで例として1億円を預けても2年で利子は4000円である。1億円を2年預けてわずか利子は4000円、さりながら株や複雑な債権などは投機性もあり、大切な資金の運用としては学校の財務として相応しくは無いから安全性を一番に考え購入先を検討し選んだのである。 

その最初の運用先は独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)である。ここは日本において、主に学生に対する奨学金事業や留学支援・外国人留学生の就学支援を行う独立行政法人であり、主務大臣は、文部科学大臣で、主務省所管課は、文部科学省高等教育局学生・留学生課であるから「格付け」は高く、安全性は全く問題視しなくて良い。まず最初の運用は1億円で債券を購入するが、これでも2年後の運用益は16万円である。「苦笑い」しそうになるが4000円からすれば40倍の運用益となる。額に汗し、コツコツと貯めて来た資金を預貯金で眠らせて4000円頂くよりは160000円となる方が働いてくれている教職員の手前、お金を取り扱ってくれている事務室の面々の顔も立とうと私は考えたのである。彼らも「ちょっとでも資金が増える」ように立派な仕事をしているのである。