2019年6月14日金曜日

「人材育成・評価システム」


改元記念の連休も終わり、学校は「中間試験」も終了した。その結果をベースに保護者と生徒、それに担任が入った「三者懇談会」も終わった。そして昨日は「教職員の人材育成・評価システム」の平成30年度の最終評価結果を私が直接伝えるべき該当者を部屋に呼んで申し渡した。同席はM中学校校長、育成評価担当の管理職である高中のN副校長、それにM理事である。喜ばしい事を伝えるのは私にとっても嬉しい話だが、厳しい結果の通知には些か心が痛むが、これは仕方がない。この学校法人を総理する理事長の仕事だからである。

 

公立学校の場合は校長は意見具申のみであり、最終評価は教育委員会、教育庁が決めるが私立学校はそのような組織は無いから法人の理事会が決めることになり、理事会を総理する理事長となる訳だ。私は着任して直ぐにこの評価システムを導入した。府立高校での経験もあったし、大体、社会的に組織の中で「働きの評価」がないような組織は学校以外には無い。自ら能力を高め成果を残し、頑張っている教職員と「そうでもない普通の教職員」が同じ昇給・報酬と言うのが「異常で可笑しい」のである。「社会の常識は学校の非常識、学校の常識は社会の非常識」と言われていた所以である。

 

高い評価を得た教職員は基本給が上がる。この影響は大きくてその後の例月給与や半期ごとの一時金、それに退職金にまで反映される。私はこの評価とは別にこれは半期ごとの勤務期間に限って目覚ましい成果を上げた教職員に「ボーナス」を上乗せして支給している。「理事長特別加算」としてAランクで◎万円、Bランクで◇万円である。家族でそこそこのレストランで夕食が取れる程度だから「ご苦労様。ご家族で外食でも・・・」云々と言ってお渡ししている。とにかく学校は「教員の力」で変わる。教職員を大切にしなければならない。
 

それにしても昨日の「教職員人権研修会」は良かった。大いに勉強になった。素晴らしい講師の先生だった。確かに大阪府から選ばれた4校しかない特別支援サポート校の推進担当のエース級の人材だからであるが、お話しぶり、立ち振る舞い、選択されている言語、そして経験に裏打ちされた真実の持つ迫力、何よりご用意された28枚ものパワーポイントの資料が宝物である。結局最後は「全人間力」である。私は講演の後、教職員を部屋に残して「思う処」を述べた。今日の講演を「耳から通り抜け」で終わるか、謙虚に受け止め、出来るところから一つでも二つでも、推進して行くかどうかに「教師としての分かれ道」が有る。

 


とにかく「学ぶに謙虚さ」が何より必要な事なのである。大阪の府立高校の教員の平均年齢は大体46歳から48歳の間であろう。しかし本校は私の学校改革もあって現在38歳程度である。10歳も若い集団であり、若さゆえのパワーはあるが、若さゆえの経験の不足がある。人の話に真剣に耳を傾け、自分の血や肉としていく謙虚さと度量のある人間が間違いなく伸びて行くだろう。前述した人材育成・評価システムは単に勤務評定ではなくて人材育成の為にあると考えよ。