2019年9月18日水曜日

学院長の失敗!制服ワンピースからの撤退


遂に本格的に秋の気配を感じる頃になった。明日からは徐々に気温も下がって来るとの予報もある。ぼつぼつ進行中の「例の事案」について結論を出さねばならない時機になった。例の事案とは中学校1年女子生徒の「ワンピース採用可否を決める大いなる実験」の結論の事である。生徒有志の心意気で5月から行って来たワンピース着用は本日で終了とし明日からは正規の制服に戻す事を12人の生徒に伝達した。実験参加の記念として生徒にはクオカードと彼女たちが着てくれたこの制服を差し上げた。








既に保護者には中学校校長の名で一文を出し、ご理解を戴いている。その文章の要旨は:
“5月より案内させていただき、現在トライアルにご協力いただいている夏のワンピース制服も使用開始からはや2ヶ月が経とうとしております。学校としましては毎日の気象条件とお子様の着用状況、実際着ていただいた上でのご意見などを総合的に検証してまいりましたが、今回は正式な制服としてワンピース制服を採用するには時期尚早という結論に至りました。ただ、このたびの学校の取り組みに対して大変積極的にご協力いただき、深く感謝いたします。この期間にいただいた貴重なご意見は今後の制服検討の際に活用させていただきます。”というものだ。

 

これは学院長たる私の「思いやり、思い込み」で主導した実験であった。結果的に失敗であったと言える。大体中学1年の女子生徒は3クラスで総勢30人の中で手を挙げてくれた生徒が半分に満たない12人しか居なかったことからもワンピースが女子生徒たちには受け入れられていない事が分かる。最後の望みであった、実験が進行中に「大きな話題として盛り上がる」ことも結局のところ無かった。従ってこれは完全に女子生徒の意識と気持ちを読み誤った典型的な事例となったことは間違いない。

 

中学の校長先生はその一文に「時期尚早」と書いてはくれているが、今日的生徒に制服としてのワンピースは今後10年経ったとしても実現はしないと考えて良いかもしれない。私は「いやはや、学校における制服は微妙で、複雑で、タッチな問題だと」、今更ながら思い知った。私が推し進めた通常の学校改革とは全く様相を異にし、結果は完全に想像を超えた。私は今日の終了式で中学校長先生や担当の先生方にもこの間の協力に対してお礼を申し上げたのである。


冷静に考えてみれば「その通り」なのかも知れない。毎日身に付ける装いであり、身体的特徴も外見に出るし、汗地味、ポケット不足などワンピース特有の課題もあった。又今回のワンピースのデザインは見るからにデザイン、色調など「看護師さん風」に見えるとの声を多く頂いた。とにかく学校の制服は難しい。これが本番だったら入学者数にも影響を与えただろう。実験で良かったと安堵している。「参った、参った」。完全に「手仕舞い」だ。私は大いに勉強したのである。