2020年12月5日土曜日

「常勝と常若」

「常勝」の為には「常若」でなければならない。常勝は常にトップの位置、勝ち続ける意味で、「常若(とこわか)」はこのアラウンドで前にも記したが、常に若々しく美しいということを意味している。伊勢神宮から出たこの言葉が私は大好きで、常に造りかえる、手を入れることで新しくよみがえるという意味であり、敬愛する大阪天満宮の名誉宮司様に揮毫して貰った。確かに神宮は20年毎に全ての建物を更新する式年遷宮を1300年間も繰り返すことで、何時も若々しいし美しい。老朽化し薄汚れたお社は神宮には無いのである。人間も同じである。「年齢は宝」であるが身体の内に宿る精神は常に若々しくなければならない。そうすれば勝ち続けることが出来る。

 空手道部は本校運動クラブのチャンピオンフラッグクラブである。本校と言えば空手道部とくる。卓越した指導者である今井監督の指導の下、この14年間勝ち続けてきてくれた。しかし「世の常」でトップの位置は2番手、3番手から狙われ、迫られ常勝の位置が危うくなるものだ。こういう時に各クラブのオーナーたる理事長は経営資源を投入して組織にカンフル注射をし、「常若を具現化」してやることが必要だ。まさにプロ野球のフロントと同じで来季からの構想を具体化して常勝の体制を整えてやることが必要である。私は空手道部には今まで多額の資源を投入し他に例を見ない立派な道場を作った。次には「女子空手道部を創設」し、女性の名の有る指導者を迎え入れた。しかし本校は空手道に二つある「組手」と「形」の内どちらかと言えば組手主体で、形については専門の指導者も居なくて今一歩遅れていたと言える。チャンピオンとは全てに亘ってチャンピオンである必要がある。予てから考えていたことだがこの度、最高の「形の指導者」を「三顧の礼」で迎え入れることとし、本日関係管理職同席の下で契約を交わした。

お名前は「園山 昌枝」先生、段位は6段位、選手実績は、1995年ナショナルチームに在籍され、現役引退後、2000年より指導に専念されてきた。とにかく全国で知らない人は居ないくらいのお方で、小学生から成年まで国内外各種大会にて優勝等入賞指導実績のある形の指導者である。日本スポーツ協会公認コーチ4で長年の実績から、2017年文部科学省スポーツ功労者顕彰受賞されている。選手時代の実績は書けないくらい多いが素晴らしいのは指導実績である。世界選手権大会女子形優勝(2014年〜2016年隔年開催2大会連続)、世界学生選手権大会女子形優勝(20082014年隔年開催2選手4大会連続)、世界ジュニア選手権大会優勝(20032013年)3選手3回、インターハイ女子個人形優勝(20012011年)4選手7回、高校選抜大会女子個人形優勝(20002008年)3選手4回、全国中学生大会女子個人形優勝(2003年〜2006年)2選手2回と殆ど全てが園山先生の教え子である。

 先生は現役の大阪市の公務員であり、今日も松井一郎市長の人事発令書を持参してこられた。今や公務員と言えども一私立学校の指導者に就任でき、指導料を少ないが受け取ることが出来るようになっている。今日以降は堂々と本校空手道部の指導者として末永く宜しくお願いしたいと思う。常に外部の優秀な人材を組織に入れて「常若」を図っていく。それにしても園山先生、爽やかで礼儀正しいお人だ。どうしてスポーツで名を成した人はこのようなお人が多いのであろうか。