2020年12月11日金曜日

専任教諭への道と処遇

昨日10日に全国の公務員には、言い方は民間と少し異なるがいわゆる「令和2年度の賞与・一時金」が支払われた。今朝の新聞記事で報道されている。本校は4日に既に支払っている。毎年私は両者の比較をしているのだが、少なくとも私立学校として公立の教員、すなわち教育公務員より金額が少ないような事態は避けたいと思って頑張ってきた。「私立学校勤務員の矜持と応援」である。大阪府は平均年齢41.6歳で管理職を除く一般行政部門の人で827991円、大阪市は41.9歳で793511円であった。これらに対して本校の専任教職員は中高合わせ平均年齢が2歳も若い38.9歳で支給額は840713円であった。ちなみに府市なみの年齢に相当する40歳から42歳までの人には平均で933682円であったから、まだまだ少なくとも働きに対する報酬は勝っている。 

その専任教員であるが既に内々定を出している常勤講師の先生4人はたまたまであるが、全員が男性であったから、政策的に一人女性の専任教諭を増やすべきと私は考え、この常勤講師2年目の先生を来春から専任で本校に来て頂くかどうか考えていた。通常は常勤3年間の勤務を多くの目で観察し舞台に上げるのが普通である。両校長からの賛同・推薦を得たので決心して9日に「公開授業」を参観した。本校では理事長・学院長授業参観は大きな意味を持つ。緊張されていたが、総括的に言えば良い授業であったと言える。まず教材の選択、ICTの駆使、生徒間の協同学習、教師による盛り上げ等々随所に工夫をし、生徒も苦手な「国語現代文の授業」としては及第点であった。教師であった母親の背中を見て育ったこの人も必ず本校で素晴らしい専任教師になってくれるであろう。

専任教諭への道は結構厳しい。次のステップは理事長・学院長アラウンドについて2000字の小論文の提出が義務付けられている。過去のブログから印象に残るもの3点を取り上げそれについて論評せよというもので、私はどのようなテーマをまず選択するか、それに対する考察力はいかがなものか?文章は起承転結が明確で上手いか?専任教諭として本校で勤務する覚悟はいかがなものかを問うているのである。その後は当然理事会・評議員会の審査をパスしなければならない。単なる学歴や職歴だけではなく人間としての品格、礼節などが厳しく観察される。海千山千の宮司様の鋭い視線を潜り抜けねばならない。その間、過去の犯罪歴や反社会的勢力との関係など一応は調べなければならないのである。

目出度く専任教諭に採用される最終段階で新給与の提示がなされる。この仕組みが常勤講師と大きく異なる。専任になれば毎年毎年の定期昇給と半期ごとに賞与一時金が支払われ「退職金」もある。未だ学校社会は「年功序列社会」で給与表スタートは大卒初任給から出発しているから、ある人によっては常勤から専任になった途端に給与が倍増するケースなどもある。従ってその人の年齢と教師になる前にどのような仕事をしていたのか大きな判断基準となるのである。齢50歳、居酒屋の店長をリストラされたからこの際教師にでもなろうかという人が本校基準を当て嵌めたらなんと年収900万円を超えるケースも出て来る。このようなことはあってはならないから「過年度をどう見るか、回復の期間」をどうするかが私の次の重要な仕事である。前述した国語の常勤講師の場合も慎重に検討することになろう。学校の先生の給料が安いなどは戦後の話で今や教師と言う職業は難関職業であり、給与水準も高いのである。