2020年12月4日金曜日

アクセルとブレーキ

今日は令和2年度冬季の賞与・一時金の支給日であった。本校は例年12月5日としているが明日が土曜日なので本日となった。これらは銀行振り込みであるが、特に今期については現金で「金一封」をお配りした。前にも書いたが今年はコロナで4月の9人の専任教職員採用のお祝いの会も出来ず、3月末に行っていた恒例の入試広報部打ち上げ会も延期のままだった。又5月連休後の全教職員での歓送迎会も延期とし、そのままの状態で今日まで来た。時は師走になり最早実施できないと判断し宴会費用に相当する金額を現金給付に置き換えることにしたのだ。賞与一時金と合算して振り込みにする考えもあろうが、こういうものは現金が良いからそのようにした。古い考え方も知れないが振り込みの紙だけよりも中にお金が入った封筒の方が気持ちが届けられるのではないか?私は9人の専任教職員に部屋に来て貰い、お一人ずつ手渡しした。皆さん笑顔で応えてくれた。法人経営者として教職員の笑顔を見るのは一番嬉しい。

 私を知る多くの人は「木村はお金の使い方名人」と言うがお金は有効に使ってこそ価値あるものである。企業時代からこの姿勢は変わらない。又私学の同業の理事長さんは「どうしてそんなにお金があるの?貯め方を教えて!」などと時に言われるが「お金は回すもの」で「貯めるより遣え」が私の信条である。まさに「金は天下の回りもの」である。この15年間で本校地の校舎など新築で60億円、そして今高天原スポーツキャンパスに20億円必要とし今後も投資は行い日本一の教育環境の整備充実に心血を注ぐが「行け、行け」だけではなくて常に「入りと出」を見ている。現在の本校は「無借金状態」であり、外部資金の借り入れには公益法人として私は極めて慎重であり臆病である。「見た目と実体は大きく異なる」事を少なくとも本校の身近な人間は知っている。

だから自分の考えから外れた資金の出などには厳しい視線を注ぐ。放置すれば経営計画の破綻は目に見えている。昔の浪速に戻ってはならないからである。前述したように教職員は宝物であり、常に還元していく考えに変わりはない。まさに入りと出の優先順位とタイミングが重要である。大阪府は独自の大阪モデル指標で初の赤信号、「医療非常事態宣言」を発し、「外出自粛」を要請した。「GO TO EAT」も大阪では駄目だ。私はお渡しした金一封でスーパーマーケットにマスクをして立ち寄り、食材を買い、ご自宅で鍋を囲んで欲しいと冗談交じりに申し上げた。この金一封はささやかな経済との両立への貢献である。貯めこんでは現金支給とした意義が失われる。今の日本はアクセルとブレーキを両方踏んでいる状態だが、単にブレーキだけの冷え込んでいる施策なら元気も失われる。今回の金一封は週末に全て使って欲しい。元々は市内のレストランに支払っていたお金だ。これらを使ってささやかだが浪速のアクセルを吹かそう!